2007年03月18日

花風

花風
なはふう
hana fuu


三重城にのぼて 手巾持上げれば 速船のならひや 一目ど見ゆる
みーぐすぃくにぬぶてぃ てぃさじむちゃぎりば はやふにぬなれや ちゅみどぅみゆる
miigusiku ni nubuti tisaji muchagiriba hayafuni nu nare ya chumi du miyuru
三重城に登り 手ぬぐいを持ち上げると 速い(走る)船の習わしは一目こそ見える(船が早いので一目しか見えない)
語句・みーぐすぃく三重城。那覇にあった港に突き出た要塞。その後は船を見送る場所に。・むちゃぎりば持ち上げると・はやふに速船(はやふに)走船(はいふに)・なれー習わし 慣し。・ちゅみ一目・みゆる見える。

(コメント)
舞踊曲。古典。本調子。
舞踊では「花風節」「述懐節」で構成。
しっとりと、また、ゆったりした曲で、踊りもゆったりしたもの。
難曲といわれている。

別名「尾類小風(じゅりぐわふー)」と呼ばれるのは、辻の女郎がこれを歌い踊ったものから。
「雑踊り(ぞううどぅい)」の部類に入る。

三重城花風
上り口説下り口説にもでてくる三重城は、もともと軍事要塞だが、
那覇港からの船の見送り場でもあった。
先日三重城の跡を見に行った。
花風
現在はこのように小高い石灰岩の岩山の上に碑が残る。
ここは聖地でもあるようで御願(うがん)をしている人が後を立たなかった。

古典には「本花風」というものもある。

「速船のならひ」という部分は「走船の」という言い方もできる。
速い船の習わしは一目こそ見える、
いいかえると、船が速いので一目しか見えなかった、となる。
別れのひと時すら思い通りにならないこの世の「ならひ」を表現しているとも読める。

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Posted by たる一 at 17:46│Comments(0)は行
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