2025年04月17日
春の唄
春の唄
[はるのうた]
作曲 普久原恒勇 歌詞 古今琉歌集
歌 ネーネーズ
一、深山鴬や 節や知らにどぅん 梅ぬ匂いしちどぅ 春や知ゆる 春や春 春や花ん盛い
みやまうぐいしや しちやしらにどぅん んみぬにぅいしちどぅ はるやしゆる はるやはる
はるやはなんさかい
miyama 'uguishi ya shichi ya shiraniduN 'Nmi nu niwi shichi du haru ya shiyuru haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇深い山に住むウグイスは季節は知らないのだが梅の匂いを知るだけで春が来たことを知る 春は春 春は花の盛り
語句・みやま深い山。・しち季節。・どぅんども。でも。強調の「どぅ」(こそ、だけ)に強調の「ん」(も)がついたもの。
二、たずにゆる花ぬ 近くなてぃさらみ 忍ぶ身が袖に匂いたちゅし 春や春 春や花ん盛い
たじゅにゆるはなぬ ちかくなてぃさらみ しぬぶみがすでぃににういたちゅし はるやはる
はるやはなんさかい
tazuniyuru hana nu chikaku nati sarami shinubu mi ga sudi ni niui tachushi haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇(私が)訪ねた花が近くにあったからであろうぞ 人目を忍ばねばならない身の袖に匂いが立っている
語句・たじゅにゆる<たずにゆん。尋ねる。つまり質問する、だが、ここでは「訪ねる」という意味だろう。・さらみ〜であろうぞ。
三、山ぬさらかちに 袖やひかるとぅん 匂いある花や たずにぶしゃぬ 春や春 春や花ん盛い
やまぬさらかちに すでぃやひかるとぅん にういあるはなや たずにぶしゃぬ はるやはる
はるやはなんさかい
yama nu sarakachi ni sudi ya hikarutuN niui 'aru hana ya tazunibushanu haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇山のイバラに袖を引かれても 匂いある花は訪ねたい
語句・さらかちイバラ。トゲのある庭木。
四、いちゃしがな庭ぬ 青柳ぬ糸に 暮りてぃ行く春や 繋じぶしゃぬ 春や春 春や 花ん盛い
いちゃしがなにわぬ あうやじぬいとぅくりてぃいくはるや ちなじぶしゃぬ はるやはる
はるやはなんさかい
'ichashigana niwa nu 'auyaji nu 'itu ni kuriti 'iku haru ya chinajibushanu haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇どうにかして庭の青柳の糸(のような枝)に 暮れて(終わろうとして)いく春を繋ぎたい
語句・いちゃしがなどうにかして。<いちゃし。どう。+がな。〜か。他にも「ちゃーがな」(どうにか)、「まーがな」(どこか)、「ぬーがな」(なにか)などの語句もある。・あうやじ青い柳。若い新芽の柳。<あう。青い。+やじ。柳。「やなじ」が短縮されている。
解説
ネーネーズのCD「ゴーデンベスト」に収録されている「春の唄」をとりあげた。
軽快な三線や笛の演奏にネーネーズの四人の歌声が、春とウグイスと人の恋を紡いだ琉歌を見事に乗せている。
「芭蕉布」や「娘ジントヨー」「豊年音頭」など数々のヒット曲を生み出してきた普久原恒勇さんの作曲。古典曲の味わいを散りばめて、全く新しい味わいの三線曲となっている。
歌詞は「古今琉歌集」という明治期に作られた琉歌集を元に作られている。
歌詞の中に「匂い」が「にうぃniwi」「にういniui」と二種類の読み方がある。どちらもウチナーグチの読み方としてある。どちらかというと「にうい」は文語的、「にうぃ」は口語的。
niwiは2音節(にni /うぃwi)、一番
niui は3音節(にni /うu /いi)、二番、三番
となる。使い分けは、琉歌の形式サンパチロク(8886文字)に歌詞を収めるための工夫でもある。

[はるのうた]
作曲 普久原恒勇 歌詞 古今琉歌集
歌 ネーネーズ
一、深山鴬や 節や知らにどぅん 梅ぬ匂いしちどぅ 春や知ゆる 春や春 春や花ん盛い
みやまうぐいしや しちやしらにどぅん んみぬにぅいしちどぅ はるやしゆる はるやはる
はるやはなんさかい
miyama 'uguishi ya shichi ya shiraniduN 'Nmi nu niwi shichi du haru ya shiyuru haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇深い山に住むウグイスは季節は知らないのだが梅の匂いを知るだけで春が来たことを知る 春は春 春は花の盛り
語句・みやま深い山。・しち季節。・どぅんども。でも。強調の「どぅ」(こそ、だけ)に強調の「ん」(も)がついたもの。
二、たずにゆる花ぬ 近くなてぃさらみ 忍ぶ身が袖に匂いたちゅし 春や春 春や花ん盛い
たじゅにゆるはなぬ ちかくなてぃさらみ しぬぶみがすでぃににういたちゅし はるやはる
はるやはなんさかい
tazuniyuru hana nu chikaku nati sarami shinubu mi ga sudi ni niui tachushi haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇(私が)訪ねた花が近くにあったからであろうぞ 人目を忍ばねばならない身の袖に匂いが立っている
語句・たじゅにゆる<たずにゆん。尋ねる。つまり質問する、だが、ここでは「訪ねる」という意味だろう。・さらみ〜であろうぞ。
三、山ぬさらかちに 袖やひかるとぅん 匂いある花や たずにぶしゃぬ 春や春 春や花ん盛い
やまぬさらかちに すでぃやひかるとぅん にういあるはなや たずにぶしゃぬ はるやはる
はるやはなんさかい
yama nu sarakachi ni sudi ya hikarutuN niui 'aru hana ya tazunibushanu haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇山のイバラに袖を引かれても 匂いある花は訪ねたい
語句・さらかちイバラ。トゲのある庭木。
四、いちゃしがな庭ぬ 青柳ぬ糸に 暮りてぃ行く春や 繋じぶしゃぬ 春や春 春や 花ん盛い
いちゃしがなにわぬ あうやじぬいとぅくりてぃいくはるや ちなじぶしゃぬ はるやはる
はるやはなんさかい
'ichashigana niwa nu 'auyaji nu 'itu ni kuriti 'iku haru ya chinajibushanu haru ya haru haru ya hanaN sakai
〇どうにかして庭の青柳の糸(のような枝)に 暮れて(終わろうとして)いく春を繋ぎたい
語句・いちゃしがなどうにかして。<いちゃし。どう。+がな。〜か。他にも「ちゃーがな」(どうにか)、「まーがな」(どこか)、「ぬーがな」(なにか)などの語句もある。・あうやじ青い柳。若い新芽の柳。<あう。青い。+やじ。柳。「やなじ」が短縮されている。
解説
ネーネーズのCD「ゴーデンベスト」に収録されている「春の唄」をとりあげた。
軽快な三線や笛の演奏にネーネーズの四人の歌声が、春とウグイスと人の恋を紡いだ琉歌を見事に乗せている。
「芭蕉布」や「娘ジントヨー」「豊年音頭」など数々のヒット曲を生み出してきた普久原恒勇さんの作曲。古典曲の味わいを散りばめて、全く新しい味わいの三線曲となっている。
歌詞は「古今琉歌集」という明治期に作られた琉歌集を元に作られている。
歌詞の中に「匂い」が「にうぃniwi」「にういniui」と二種類の読み方がある。どちらもウチナーグチの読み方としてある。どちらかというと「にうい」は文語的、「にうぃ」は口語的。
niwiは2音節(にni /うぃwi)、一番
niui は3音節(にni /うu /いi)、二番、三番
となる。使い分けは、琉歌の形式サンパチロク(8886文字)に歌詞を収めるための工夫でもある。
