2006年12月23日

流れ舟

流れ舟
ながりぶに
nagari buni
流れ船
語句・ながりぶに 旧暦三月三日に行われた神事のひとつ。いまでは座間味島にだけ残っている。

(歌詞参照 「琉球民謡工工四集」)

一、待ちかにてをたる(ヨ サーヨー)三月ん なたい(ヨ ユイヤサーサー ハラユイサーユイ)流り舟浮きて(ヨ)遊ぶ嬉しゃ(ヨ)
まちかにてぃ うたる(よー さーよー)さんぐゎちなたい(よー ゆいやさーさー はらゆいさーゆい)ながりぶに'うきてぃ(よー)'あしぶ'うりしゃ(よー)
machikaniti utaru (yoo saayoo) saNgwachi natai (yoo yuiyasaasaa harayuisaayui)nagaribuni ukiti (yoo)'ashibu 'urisha (yoo)
待ち遠しかった三月にとうとうなった 流れ舟を浮かべて遊ぶのは嬉しい!
語句・なたい なったよ。い<よ。ねえ。・うりしゃ 嬉しいことよ! <うりしゃん 嬉しい。


二、遊びかいやしが手巾まに置ちぇが中前入り口に掛けて置ちぇさ
'あしびかいやしがてぃさじまに'うちぇが なかめ'いるぐちにかきてぃ'うちぇさ
'ashibikai yashiga tiisaji maa ni 'ucheega nakamee 'iruguchi ni kakiti 'uchee sa
遊びに(行くの)だが手拭いをどこに置いたか? 居間の入り口に掛けておいたよ
語句・かい に。へ。目的地を示す。「んかい」と同じ。「まーかいが」(どちらに?)・ どこ。<まー どこ。 ・なかめ 居間。<なかめー「茶の間。居間。家の中央にあり、中庭に面している部屋。遊郭では表の出入り口をいう」【沖辞】。 


三、泊高橋に銀じーふぁ落ち いちが夜の明けて探めて差すが
とぅまいたかはしになんじゃじーふぁ 'いちがゆぬ'あきてぃとぅめてぃさすが
tumai takahasi ni naNjajiihwaa 'ichi ga yuu ni 'akiti tumeeti sasuga
泊高橋に銀のかんざし落として いつ夜が明けて拾って差すのか
語句・なんじゃ 銀。・じーふぁ 女性用のかんざし。男性のは かみさし。・とぅめーてぃ 探して。 拾って。<とぅめーゆん ①拾う ②(妻を)めとる ③探し求める 


四、深山鶯や節あてる鳴きる わした若者の節のあゆみ
みやま'うぐいしやしち'あてぃるふきる わしたわかむんぬしちぬ'あゆみ
miyama 'uguishi ya sichi 'atiru hukiru washita wakamuN nu shichi nu 'ayumi
深山ウグイスは季節あってこそ鳴くのだ 我々の若者は季節があるのか?
語句・しち 季節。・あてぃる 合ってこそ。<あたゆん 当たる。合う。+ る<どぅ こそ。だけ。 ・あゆみ あるのか?<あん 有る。+み 疑問。



早弾きのカチーシー曲。最近はあまり流行らないのか、CDなどには少ない。
そもそもこの「流れ船」という神事=神遊び(かみあしゃぎ)自体、座間味島にしか残っていないという。

この歌詞は「正調 琉球民謡早弾き工工四」(滝原康盛)からとったが、林昌さんの唄では、上句、下句で分けて歌われて別の歌詞が載っている。そのうちそちらも採譜したい。

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Posted by たる一 at 16:22│Comments(0)な行
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