2006年05月04日

情けの唄

情けの唄
なさきぬ'うた
nasaki nu 'uta


1、(女)思いあるなかどまちぶいんしゅゆる 何がし思里や 顔の変わて 我思いも徒なすみ
'うむい'あるなかどぅまちぶいんしゅゆる ぬーがし'うみさとぅや つぃらぬかわてぃ わー'うむいん'あだなすみ
'umui 'arunaka du machibuiN shuyuru nuugashi 'umisatu ya tsira nu kawati waa 'umia 'ada nasumi
思いのある仲だからこそ離れられない間柄もしている なぜに貴方は顔が変わって私の思いもアダにするのか?


2、(男)思い徒なする我身やまたあらぬ義理につながれる無蔵と我んや思いるまま自由ならぬ
'うむい'あだなしゅるわみやまた'あらじりにちながりるんぞとぅわんや'うむいるままじゆならん
'umui 'adanashuru wamiya mata 'araN jiri ni chinagariru Nzo tu waN ya 'umuirumama jiyu naraN
思いを徒にする私ではまったくない 義理に繋がっている貴女と私は思うまま自由にならない 


3、(女)昔ふり者の言ちえる事まもて義理てしやぬやが 染めてたぼり 我思いも徒なすみ
んかしふりむんぬ'いちぇーるくとぅまむてぃ じりてぃしやぬーがや すみてぃたぼり わん'うむいん'あだなすみ
Nkashi furimuN nu 'icheeru kutu mamuti jiri tishi ya nuuga ya sumiti tabori waN 'umui 'adanasumi
昔、馬鹿な者の言っていることを守って 義理というものは何なの? 染めてください(という)私の思いも徒になるの?


4、(男)あれもすてららぬ これもなぎららぬ あひやんがれ二人 染めてんだな 思いるまま染めなさや
'ありんしてぃららん くりんなぎららん 'あひゃんがれーたい すみてぃんだな 'うむいるまますみなさや
'ariN shitiraraN kuriN nagiraraN 'ahaNgaree tai sumitiNdana 'umuirumama suminasa ya
あれも捨てられない これも捨てられない どうにでもなれ二人!染めてみような 思いのまま染めたいね


5、(男女)干瀬に居る鳥や 満潮恨みゆい 我身や暁の鳥ど恨む 思いるまま自由ならぬ
ふぃしに'うるとぅいや みちす'うらみゆい わみや'あかちちぬとぅいどぅ'うらむ 'うむいるままじゆならん
中州にいる鳥は満潮をうらむように 私は暁の鳥こそ恨む 思いのまま自由にならない(から)

解説
(語句)

・まちぶいん 離れられない間柄も
・しゅゆる している
強調の「どぅ」との係り結びで「しゅん」(する)の連体形「しゅる」
・あだ 無駄 徒労 あだ

・じり 義理
「ギ」が「ジ」に破擦音化

・ふりむん 馬鹿者
・てぃしや というものを
・すみてぃ 染めて
女性が男性に「すみてぃたぼり」といえば、私を貴方色に染めて欲しいという深い愛情の表現。

・あひゃんがれー どうにでもなれ
・すみてぃんだな 染めてみような
志向をあらわす
・すみなさや 染めたいね
希望をあらわす

・ふぃし 干瀬 海の中にできる中州
・みちす(ー) みちしゅ 満潮
cf.干潮 ふぃちす(ゆ)ー


(コメント)
題名どおり「情け唄」である。男女で歌う「コンビ唄」。
作者も詳しい背景なども不詳。
直訳主義で、分かりにくい部分もあるだろう。
それでもあえて意訳に踏みこまない。

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Posted by たる一 at 23:50│Comments(0)な行
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