2007年08月26日
恋語れ
恋語れ
くいかたれー
kui kataree
◯恋約束
語句・かたれー (一緒になる)約束 「かたれー」には「①仲間となること。仲間入りを約束すること。②男女の一緒になる約束」【沖縄語辞典(国立国語研究所編)】(以下【沖辞】と略す)の意味がある。「語り合い」というならば、「いかたれー」の方が近い。「琉歌大成」(清水彰)を調べてみたが「恋語れ」という語句は一つもみあたらなかった。ということは比較的新しい造語か。
1、かじまやに立てば風の物云ゆくと 汝った門に待たわ 出じて来うよや
かじまやにたてぃば かじぬむぬ'いゆくとぅ 'いったじょにまたわ 'んじてぃくよや
kajimaya ni tatiba kaji nu munu 'iyu kutu 'itta jo ni matawa 'Njiti kuyo ya
◯十字路に立てば風がもの(を)云うので おまえの家の門に待てば出て来いよね
語句・かじまや 十字路 (かざぐるま の意味もある) ・いゆくとぅ 云うので <いゆん 云う +くとぅ ので ・いった お前の家 <いったー (お前たち の意味もある)参考 「いったーあんまーまーかいが」 ・またわ 待てば 動詞の未然形+wa ・・するなら 仮定条件
(囃子)
知らすなよや他人に知らすなよ二人が仲
しらすなよや ゆすにしらすなよ たいがなか
shirasuna yoo ya yusu ni shirasuna yoo tai ga naka
◯知らせるなよ 他人に 知らせるなよ 二人の仲(を)
(以下囃子は略)
2、いかな思らわん 我屋の門に立ちゅな みぐて家の後の久場の下に
'いかな'うむらわん わやぬじょにたちゅな みぐてぃやぬ'あとぅぬくばぬしちゃに
'ikana 'umurawaN waya nu jo ni tachuna miguti ya nu 'atu nu kuba nu shicha ni
◯どうしても 思っても うちの家の門に立つな 回って家の後ろのクバ(の木)の下に
語句・いかな どうしても ・みぐてぃ 回って
3、久場の下やれば淋しさやあむぬ くちゃばしる明けて入れてたぼり
くばぬしちゃやりば さびしさや'あむぬ くちゃばしる'あきてぃ'いりてぃたぼり
kuba nu shicha yariba sabisisa ya 'amunu kuchabashiru 'akiti 'iriti tabori
◯クバ(の木)の下ならばさびしいので 裏座敷の雨戸(を)開けて入れてください
語句・むぬ ①ものを②のに③ので ・くちゃ 庫下 裏座敷 ・はしる 雨戸 繰り戸 連濁で「ばしる」
4、くちゃばしる明けて入りぶしゃやあしが もしか親兄弟に知らばちゃすが
くちゃばしる'あきてぃ'いりぶしゃや'あしが むしか'うやちょでにしらばちゃすが
kuchabashiru 'akiti 'iribusha ya 'ashiga mushika 'uyachode ni shiraba chasuga
◯裏座敷の雨戸(を)開けて入れたいのであるが もしか親兄弟に知られたらどうするか
5、親やればぬやが 兄弟やればぬやが 今咲かぬ花のな何時咲ちゅが
'うややりばぬやが ちょでやればぬやが なまさかんはなぬな'いちさちゅが
'uya yariba nu yaga chode yareba nuyaga nama sakaN hana nu na 'ichi sachuga
◯親であれば何であるか 兄弟であれば何であるか 今咲かない花が もう何時咲くのか
語句・やればぬやが ・・であれば何であるか 「親であろうが、兄弟であろうが 関係ない」くらいの意味。
(以下の歌詞から歌われることもある)
6、天川の池に 遊ぶおし鶏の思い羽の契り他所や知らぬ
'あまかわぬ'いちぬ 'あしぶ'うしどぅいぬ'うむい場ぬちじり ゆすやしらぬ
'amakawa nu 'ichi nu 'ashibu 'ushidui nu 'umui ba nu chijiri yusu ya shiranu
◯天川の池に遊ぶオシドリの思い羽の契り(変わらぬ愛情のしるし)(を)他人は知らない
7、天川の池や千尋も立ちゅい うりゆいも深く思てたぼれ
'あまかわぬ 'いちや しんふぃるん たちゅい 'うりゆいん ふかく うむい たぼり
'amakawa nu 'ichi ya siNhwiruN tachui 'uriyuiN hukaku 'umuti tabori
◯天川の池は千尋も(深さが)あるか?それよりも深く思ってください
語句・しんふぃる 千尋 「尋(ひろ)」とは「【両手を左右にヒロげたときの両端間の距離】鯨尺で5尺(古くは4尺)、曲(かね)尺で6尺〔=一間〕」(琉)のこと。それが千もあるのだから、すごい長さ、深さのたとえ。・たちゅい あるか? <たちゅん 「立つ」というより直接的には深さをあらわしているので 深さが「ある」の意味。+い 疑問
早弾きの情け歌。
嘉手苅林昌さんらが好んで歌っている。
男女の契りの約束を会話のように歌う。
親や兄弟にしられたくない恋の語らい、逢瀬。
・(男)十字路に立つと「風が物云うので」 うわさになるので、門で待つから出てきてくれ
・(女)どんなに思っていてもうちの門に立たずに裏のクバの木の下で待って
・(男)クバの下だなんてさみしいので裏座敷の雨戸開けて入れてくれよな
・(女)裏座敷の雨戸あけて入れてあげたいが親兄弟に知られたらどうするか?
・(男)親や兄弟がどうしたというの?今咲かない花が何時さくというの?
という相思相愛の男女が待ち合わせの場所をめぐっての会話。
6、7番は、ここから歌いだす歌も多い。
天川節の歌詞。
くいかたれー
kui kataree
◯恋約束
語句・かたれー (一緒になる)約束 「かたれー」には「①仲間となること。仲間入りを約束すること。②男女の一緒になる約束」【沖縄語辞典(国立国語研究所編)】(以下【沖辞】と略す)の意味がある。「語り合い」というならば、「いかたれー」の方が近い。「琉歌大成」(清水彰)を調べてみたが「恋語れ」という語句は一つもみあたらなかった。ということは比較的新しい造語か。
1、かじまやに立てば風の物云ゆくと 汝った門に待たわ 出じて来うよや
かじまやにたてぃば かじぬむぬ'いゆくとぅ 'いったじょにまたわ 'んじてぃくよや
kajimaya ni tatiba kaji nu munu 'iyu kutu 'itta jo ni matawa 'Njiti kuyo ya
◯十字路に立てば風がもの(を)云うので おまえの家の門に待てば出て来いよね
語句・かじまや 十字路 (かざぐるま の意味もある) ・いゆくとぅ 云うので <いゆん 云う +くとぅ ので ・いった お前の家 <いったー (お前たち の意味もある)参考 「いったーあんまーまーかいが」 ・またわ 待てば 動詞の未然形+wa ・・するなら 仮定条件
(囃子)
知らすなよや他人に知らすなよ二人が仲
しらすなよや ゆすにしらすなよ たいがなか
shirasuna yoo ya yusu ni shirasuna yoo tai ga naka
◯知らせるなよ 他人に 知らせるなよ 二人の仲(を)
(以下囃子は略)
2、いかな思らわん 我屋の門に立ちゅな みぐて家の後の久場の下に
'いかな'うむらわん わやぬじょにたちゅな みぐてぃやぬ'あとぅぬくばぬしちゃに
'ikana 'umurawaN waya nu jo ni tachuna miguti ya nu 'atu nu kuba nu shicha ni
◯どうしても 思っても うちの家の門に立つな 回って家の後ろのクバ(の木)の下に
語句・いかな どうしても ・みぐてぃ 回って
3、久場の下やれば淋しさやあむぬ くちゃばしる明けて入れてたぼり
くばぬしちゃやりば さびしさや'あむぬ くちゃばしる'あきてぃ'いりてぃたぼり
kuba nu shicha yariba sabisisa ya 'amunu kuchabashiru 'akiti 'iriti tabori
◯クバ(の木)の下ならばさびしいので 裏座敷の雨戸(を)開けて入れてください
語句・むぬ ①ものを②のに③ので ・くちゃ 庫下 裏座敷 ・はしる 雨戸 繰り戸 連濁で「ばしる」
4、くちゃばしる明けて入りぶしゃやあしが もしか親兄弟に知らばちゃすが
くちゃばしる'あきてぃ'いりぶしゃや'あしが むしか'うやちょでにしらばちゃすが
kuchabashiru 'akiti 'iribusha ya 'ashiga mushika 'uyachode ni shiraba chasuga
◯裏座敷の雨戸(を)開けて入れたいのであるが もしか親兄弟に知られたらどうするか
5、親やればぬやが 兄弟やればぬやが 今咲かぬ花のな何時咲ちゅが
'うややりばぬやが ちょでやればぬやが なまさかんはなぬな'いちさちゅが
'uya yariba nu yaga chode yareba nuyaga nama sakaN hana nu na 'ichi sachuga
◯親であれば何であるか 兄弟であれば何であるか 今咲かない花が もう何時咲くのか
語句・やればぬやが ・・であれば何であるか 「親であろうが、兄弟であろうが 関係ない」くらいの意味。
(以下の歌詞から歌われることもある)
6、天川の池に 遊ぶおし鶏の思い羽の契り他所や知らぬ
'あまかわぬ'いちぬ 'あしぶ'うしどぅいぬ'うむい場ぬちじり ゆすやしらぬ
'amakawa nu 'ichi nu 'ashibu 'ushidui nu 'umui ba nu chijiri yusu ya shiranu
◯天川の池に遊ぶオシドリの思い羽の契り(変わらぬ愛情のしるし)(を)他人は知らない
7、天川の池や千尋も立ちゅい うりゆいも深く思てたぼれ
'あまかわぬ 'いちや しんふぃるん たちゅい 'うりゆいん ふかく うむい たぼり
'amakawa nu 'ichi ya siNhwiruN tachui 'uriyuiN hukaku 'umuti tabori
◯天川の池は千尋も(深さが)あるか?それよりも深く思ってください
語句・しんふぃる 千尋 「尋(ひろ)」とは「【両手を左右にヒロげたときの両端間の距離】鯨尺で5尺(古くは4尺)、曲(かね)尺で6尺〔=一間〕」(琉)のこと。それが千もあるのだから、すごい長さ、深さのたとえ。・たちゅい あるか? <たちゅん 「立つ」というより直接的には深さをあらわしているので 深さが「ある」の意味。+い 疑問
早弾きの情け歌。
嘉手苅林昌さんらが好んで歌っている。
男女の契りの約束を会話のように歌う。
親や兄弟にしられたくない恋の語らい、逢瀬。
・(男)十字路に立つと「風が物云うので」 うわさになるので、門で待つから出てきてくれ
・(女)どんなに思っていてもうちの門に立たずに裏のクバの木の下で待って
・(男)クバの下だなんてさみしいので裏座敷の雨戸開けて入れてくれよな
・(女)裏座敷の雨戸あけて入れてあげたいが親兄弟に知られたらどうするか?
・(男)親や兄弟がどうしたというの?今咲かない花が何時さくというの?
という相思相愛の男女が待ち合わせの場所をめぐっての会話。
6、7番は、ここから歌いだす歌も多い。
天川節の歌詞。
Posted by たる一 at 11:09│Comments(9)
│か行
この記事へのコメント
初めまして。
いつも、楽しみに、お勉強に拝見させていただいております。
どの解説も、こちらにおじゃますればほぼ解決!
他力本願ですみません。感謝です。
で、ずっ~と、お待ちしておりました。このお唄の解説・・
意味もわからず
リズム感とか、うまくお伝え出来ませんが、林昌さんに出逢ったときから
惹かれてました。
お囃子は、やまとのわたしでも想像できましたが・・
あらためて、はまっています。
ありがとうございました!
いつも、楽しみに、お勉強に拝見させていただいております。
どの解説も、こちらにおじゃますればほぼ解決!
他力本願ですみません。感謝です。
で、ずっ~と、お待ちしておりました。このお唄の解説・・
意味もわからず
リズム感とか、うまくお伝え出来ませんが、林昌さんに出逢ったときから
惹かれてました。
お囃子は、やまとのわたしでも想像できましたが・・
あらためて、はまっています。
ありがとうございました!
Posted by kyong2 at 2007年08月31日 01:06
こういう作業は
けっこうしんどいのですが
理解してくださるかたがいると嬉しいです。
一日の、数時間は悩んだり、唄ったり
その日見つからないと
次の日、朝電車の中で繰り返したり。
そういうことをしながらやっていますので
kyong2さんのようなご意見
励みになります。
ありがとうございます。
今後ともよろしく!
けっこうしんどいのですが
理解してくださるかたがいると嬉しいです。
一日の、数時間は悩んだり、唄ったり
その日見つからないと
次の日、朝電車の中で繰り返したり。
そういうことをしながらやっていますので
kyong2さんのようなご意見
励みになります。
ありがとうございます。
今後ともよろしく!
Posted by せきひろし(たるー) at 2007年08月31日 22:22
thank you so much, kui katare is such a interesting song!!
ありがとうございました!
ありがとうございました!
Posted by Tom at 2007年10月10日 23:30
thank you so much, kui katare is such a interesting song!!
ありがとうございました!
ありがとうございました!
Posted by Tom at 2007年10月10日 23:30
Tomさん
リクエストしていただいたのですが
遅くなりました。
こちらこそありがとう!
リクエストしていただいたのですが
遅くなりました。
こちらこそありがとう!
Posted by せきひろし at 2007年10月11日 22:24
6、7番は南洋天川と言う二揚の芝居用に改作された唄でかなりスローテンポですが手は三下げを二揚に移行したような曲ですが、恋語れーでも乗せて唄われたり、南洋天川の歌詞のまま三下げで唄い恋語れーとしてしまう場合も近年ありますね。
Posted by くがなー at 2011年03月07日 05:52
はじめまして。いつも凄いなと関心、そしてこのブログに感謝しております。
当時、家の裏座小ゎ~に通ったのは、男性の方だと今迄思っていました。ので、解説の男女の掛け合いのとこで、順序が逆では?とふと。教えて下さいm(_ _)m。
当時、家の裏座小ゎ~に通ったのは、男性の方だと今迄思っていました。ので、解説の男女の掛け合いのとこで、順序が逆では?とふと。教えて下さいm(_ _)m。
Posted by 健坊@京都 at 2011年06月15日 06:51
くがなーさん
お芝居もお詳しいのですね。勉強になります。ありがとうございます。
お芝居もお詳しいのですね。勉強になります。ありがとうございます。
Posted by たる一 at 2011年07月11日 08:50
健坊@京都さん
大変コメントが遅くなり失礼しました。
昔は「通い婚」、所謂夜ばいであったから、「通う」のは女性だと私も考えましたが、この歌詞の敬語の使い方から判断しました。
また少し調べてみたいと思います。
ありがとうございました。
大変コメントが遅くなり失礼しました。
昔は「通い婚」、所謂夜ばいであったから、「通う」のは女性だと私も考えましたが、この歌詞の敬語の使い方から判断しました。
また少し調べてみたいと思います。
ありがとうございました。
Posted by たる一 at 2011年07月11日 08:54
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