2006年10月09日

城の前節

城の前節
ぐしくぬめーぶし
gushiku nu mee bushi

一、城の前の松の(ヨーサーサー)枝持ちの美らさ(サーサーションガネークヌーションガネー)(括弧は省略)
ぐしくぬめーぬまちぬいだむちぬちゅらさ
gushiku nu mee nu machi nu yedamuchi nu churasa
城の前の松の枝ぶりがなんと美しいことよ!


二、島ゆ持ちみそり地頭代すしターリーメー
しまゆむちみそりじとぅでーすし
shima yu muchi misoori jitudee sushi
島をお持ち(治め)ください 地頭代しているお父様


三、湧水の清らしや 人にさたされて
わちみじぬちゅらしゃ ふぃとぅにさたさりてぃ
wachimiji nu churasha hwitu ni sata sariti
湧水の清らかなことよ! 人の噂されて


四、誠玉水や 伊江島の宝
まくとぅたまみじや 'いいじまぬたから
makutu tama miji ya 'iijima nu takara
誠玉水は伊江島の宝


五、常盤なる松の変わる事ねさみ
とぅちわなるまちぬ かわるくとぅねさみ
tuchiwa naru machi nu kawaru kutu nesami
常緑の松が変わることなないだろう


六、いつも春来れば色どまさる
'いちんはるくりば'いるどぅまさる
'ichiN haru kuriba 'iru du masaru
いつも春が来ると色が勝るのだ

解説
(語句)
・ぐしく 城
・ちゅらさ なんと美しいことよ!
形容詞が「さ」で終わるときは、感動を表す。
・むちみしょり お持ちください
島をお持ちください、というのは「お治めください」の意味だろう。
・さた 噂
・とぅちわ 常盤
永遠に変わらないもの 松の常緑性をこのように言うことが多い。
・ねさみ ないだろう?

(コメント)
名護市の西に浮かぶ伊江島の民謡。
歌詞は一番、二番で琉歌の上句下句。
五番六番は古い琉歌から。(こてい節
題名は一番の歌いだしの歌詞から来ている。

囃子に「ションガネー クヌ ションガネー」が使われている。
ションカネー系の歌には、宮古島「多良間ションカネー」八重山「与那国ションカネー」本島の「遊びションガネー」、奄美「シュンカネ節」などがあり、また日本本土にも広く分布している。

「島うた紀行」によると、本土のは祝儀歌系。沖縄のものは恋歌系が多い。この歌は祝儀歌系なので沖縄では珍しいという。

しかし、実際の演奏はテンポ良くされるから「遊びションガネー」と印象は大きく違うのだが、前奏の音階はほぼ同じ。六を中指で弾くセカンドポジション奏法。

同じカテゴリー(か行)の記事
コロナ節
コロナ節(2020-11-27 13:57)

茅打ちバンタ
茅打ちバンタ(2020-03-14 11:00)

下り口説
下り口説(2017-08-22 07:25)

恋かたれー  2
恋かたれー 2(2017-07-12 16:19)

かいされー (3)
かいされー (3)(2014-04-08 16:44)


Posted by たる一 at 05:05│Comments(1)か行
この記事へのコメント
機会があれば、屋嘉比朝寄工工四と古い演奏法の「遊びしょんがねー節」を見てみて下さい。「城ぬ前節」と瓜二つですから。
Posted by くがなー at 2012年01月28日 22:59
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。