2006年05月10日

崎山くばま

崎山くばま
さちやま(ひちゃま) くばま
sachiyama(hichama) kubama
語句・さちやま 今帰仁間切(現今帰仁村)にある地名。昔は「下間」(しちゃま)、中城(なかぐしく)、上間という村があったという。「しちゃま」から「崎山」という漢字を当てた。地元では「ひちゃま」という。・くばま この歌が八重山民謡「小浜節」(くもまぶし)を本歌としていることから。


笠にちりとまる はるの春雨や 
袖にうみとまる 里が御肝ヨンナ 
袖にうみとまる 袖にうみとまる 里が御肝

かさにちりとぅまる はるぬはる'あみや すでぃに'うみとぅまる さとぅが'うちむ よんな (※さとぅが'うちむ さとぅが'うちむ よんな)(※繰り返し以下略)
kasa ni chiritumaru haru nu haru'ami ya sudi ni 'umitumaru satu ga 'uchimu yoNna
笠に連れとまる 春の春雨は 袖に思いとまる 貴方の御心
語句・ ちりとぅまる 直訳では「散り止る」または「連れ止まる」。散り<ちりゆん=①散る②連れる 同伴する。とぅまる<とぅまゆん=宿泊する 止まる。後半の歌詞との関連で考えると「連れ止る」ほうではないか。春雨がしとしと降り、笠をしとしと流れて濡らす様子。
うみとぅまる 思いとまる。思いがあって、袖を引きとめる。



(コメント)
八重山民謡「小浜節」が伝播し、本島の「やんばる」崎山部落の奉納舞踊に、その曲が使われているもの。
歌詞は情景描写と心象を重ね合わせている。



今帰仁村の中での「崎山」の位置。
崎山くばま
(2006年の「今帰仁ミャークニー大会パンフレット」より)

崎山くばま
崎山の神ハサギ(「神アシャギ」)。祭事を行う場所。

崎山くばま
ここは茅葺でできている所が珍しい。(2018年12月筆者撮影)


同じカテゴリー(さ行)の記事
さらうてぃ口説
さらうてぃ口説(2018-04-19 17:44)

安里屋ゆんた
安里屋ゆんた(2018-04-12 07:07)

門たんかー
門たんかー(2018-02-02 23:56)

じんだま
じんだま(2016-09-22 14:42)

下千鳥  6
下千鳥 6(2015-09-12 14:36)

スーキカンナー 2
スーキカンナー 2(2014-12-05 14:09)


Posted by たる一 at 05:55│Comments(3)さ行沖縄本島
この記事へのコメント
へ~~
こういった歌があるのですね、初めて知りました
是非聞いてみたいものです!
Posted by コバ at 2006年05月10日 18:30
コバさん 
奉納舞踊につかわれている神聖な曲だそうで、もしかしたら移住者がはじめたのかもしれませんね。
歌の伝播を考えるうえで興味深いです。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年05月11日 18:29
小浜島では本来小浜島を「くばまじま」と呼ぶ為「小浜節」は「くばまぶし」と発音します。
現在も小浜島民謡としての「小浜節」は「くばまぶし」です。
Posted by くがなー at 2012年01月28日 23:34
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。