2007年01月25日
国の花
国の花
くにぬはな
kuni nu hana
詞 新城安雄 曲 川田松夫
一 親のすみなちぇる枕 我ね捨てて(よー)軍人の里と契りさしが
'うやぬすみなちぇるまくら わねしてぃてぃ(よー)ぐんじんぬさとぅとぅちじりさしが
'uya nu suminacheru makura wane shititi (yoo) guNjiN nu satu tu chijiri sashiga
○親の染めなした枕を私は捨てて軍人の貴方と契りをしたが
聞き欲さや里が(里が)便い
ちちぶさや さとぅが さとぅがたゆい
chichibusa ya satu ga tayui
○聞きたいよ 貴方の便りを
二、里や白雲い 風吹ちゅるままに 今や北満の草葉枕
さとぅや しらくむい かじふちゅるままに なまやふくまんぬくさばまくら
atu ya shirakumui kaji huchurumamani nama ya hukumaN nu kusaba makura
○貴方は白雲か? 風が吹くままに 今は北満州の草の葉の枕(旅)
※国の花でもの我や泣かん
くにぬはなでむぬ わんやなかん
kuni nu hana demunu waNya
○村(国)の花だから私は泣かない
三 千里離れても夢路あら 里前 夢にしみじみと知らちたぼれ
しんりはなりてぃん 'いみじ'あら さとぅめ 'いみにしみじみとぅしらちたぼれ
shiNri hanaritiN 'imiji 'ara satume 'imini shimijmi tu shirachi tabore
○千里離れても夢路があれば 貴方 夢にしみじみと知らせてください
※二番繰り返し
くにぬはな
kuni nu hana
詞 新城安雄 曲 川田松夫
一 親のすみなちぇる枕 我ね捨てて(よー)軍人の里と契りさしが
'うやぬすみなちぇるまくら わねしてぃてぃ(よー)ぐんじんぬさとぅとぅちじりさしが
'uya nu suminacheru makura wane shititi (yoo) guNjiN nu satu tu chijiri sashiga
○親の染めなした枕を私は捨てて軍人の貴方と契りをしたが
聞き欲さや里が(里が)便い
ちちぶさや さとぅが さとぅがたゆい
chichibusa ya satu ga tayui
○聞きたいよ 貴方の便りを
二、里や白雲い 風吹ちゅるままに 今や北満の草葉枕
さとぅや しらくむい かじふちゅるままに なまやふくまんぬくさばまくら
atu ya shirakumui kaji huchurumamani nama ya hukumaN nu kusaba makura
○貴方は白雲か? 風が吹くままに 今は北満州の草の葉の枕(旅)
※国の花でもの我や泣かん
くにぬはなでむぬ わんやなかん
kuni nu hana demunu waNya
○村(国)の花だから私は泣かない
三 千里離れても夢路あら 里前 夢にしみじみと知らちたぼれ
しんりはなりてぃん 'いみじ'あら さとぅめ 'いみにしみじみとぅしらちたぼれ
shiNri hanaritiN 'imiji 'ara satume 'imini shimijmi tu shirachi tabore
○千里離れても夢路があれば 貴方 夢にしみじみと知らせてください
※二番繰り返し
解説
(語句)
・くに 村落 郷土 国 領土
「くに」と聞いて「国家」「国」よりも、自分の「郷土」を連想するのは
沖縄の特徴かもしれない。
一
・すみなちぇる 染めなした
<すみゆん 染める + なゆん なす
・さしが したが
<しゅん する の過去形 さん の語幹 さ + しが ・・だが
二
・しらくむい 白雲か?
「い」は、「疑問詞を含まぬ質問文の文末に置かれる疑問助詞」(琉球語辞典)
・くさばまくら
旅で野営をするときに草の葉を枕にして寝ることを象徴的に表現したもの。
参考 浜千鳥
三
・いみじ 夢の道
この「夢」というのは琉歌にはとても多用される。
・あら あれば
<あらー 'araa あん'aN ある の仮定条件
(コメント)
教室でのりクエストがあった曲。
戦場に恋人を送り出した人の想いはどんなにか苦しいものだったろうか。
戦前、そうした想いを唄った唄は戦意発揚政策に反するということで
放送禁止され弾圧された。
この歌は、
私は泣かない、国の花だから。
と国家政策に理解をしめしているようでそうではない。
彼は白雲なの?
と、自由に想いをやりとりできない不満の一端を覗かせている。
昔の歌には、夢や白雲がよくでる。
海を隔て、遠い異国に想いを伝える手段、それは夢であり白雲であったりする。
夢でしか遭えない。白雲でしか伝えられない心。
携帯も国際電話もない頃は今より豊かな想像力の働いていた時代かもしれない。
(語句)
・くに 村落 郷土 国 領土
「くに」と聞いて「国家」「国」よりも、自分の「郷土」を連想するのは
沖縄の特徴かもしれない。
一
・すみなちぇる 染めなした
<すみゆん 染める + なゆん なす
・さしが したが
<しゅん する の過去形 さん の語幹 さ + しが ・・だが
二
・しらくむい 白雲か?
「い」は、「疑問詞を含まぬ質問文の文末に置かれる疑問助詞」(琉球語辞典)
・くさばまくら
旅で野営をするときに草の葉を枕にして寝ることを象徴的に表現したもの。
参考 浜千鳥
三
・いみじ 夢の道
この「夢」というのは琉歌にはとても多用される。
・あら あれば
<あらー 'araa あん'aN ある の仮定条件
(コメント)
教室でのりクエストがあった曲。
戦場に恋人を送り出した人の想いはどんなにか苦しいものだったろうか。
戦前、そうした想いを唄った唄は戦意発揚政策に反するということで
放送禁止され弾圧された。
この歌は、
私は泣かない、国の花だから。
と国家政策に理解をしめしているようでそうではない。
彼は白雲なの?
と、自由に想いをやりとりできない不満の一端を覗かせている。
昔の歌には、夢や白雲がよくでる。
海を隔て、遠い異国に想いを伝える手段、それは夢であり白雲であったりする。
夢でしか遭えない。白雲でしか伝えられない心。
携帯も国際電話もない頃は今より豊かな想像力の働いていた時代かもしれない。
Posted by たる一 at 23:41│Comments(2)
│か行
この記事へのコメント
以前に聞いたナツメロに「愛国の花」という軍国歌謡があります。今、歌詞がうろ覚えなのでネットで検索してみたら1番が次のようになっていました。
〈真白き富士の気高さを 心の強い盾として み国に尽くす女等(おみなら)は輝く御代の山桜 地に咲き匂う国の花〉
古関裕爾の作曲によるものだったと記憶していますが、この歌はメロディーの美しさもあって全国で大ヒットしたと聞いています。
この歌の存在を知って以来、わたしは民謡「国の花」はこの軍国歌謡を明らかに年頭に置いて作られたものに違いないと信じてきました。そういう前提に立てば「国の花でむぬ」という断定がわたしの耳には一層アイロニカルかつ痛切なものとして響くのです。
〈真白き富士の気高さを 心の強い盾として み国に尽くす女等(おみなら)は輝く御代の山桜 地に咲き匂う国の花〉
古関裕爾の作曲によるものだったと記憶していますが、この歌はメロディーの美しさもあって全国で大ヒットしたと聞いています。
この歌の存在を知って以来、わたしは民謡「国の花」はこの軍国歌謡を明らかに年頭に置いて作られたものに違いないと信じてきました。そういう前提に立てば「国の花でむぬ」という断定がわたしの耳には一層アイロニカルかつ痛切なものとして響くのです。
Posted by ..... at 2007年02月28日 22:09
コメントありがとうございます。
この歌のモチーフ、それがけっして
気持ちよく「国の花でむぬ」と素直に
歌っているのではないことを感じます。
その「愛国の花」とくらべたら一層はっきり
しますね。
ありがとうございます。
この歌のモチーフ、それがけっして
気持ちよく「国の花でむぬ」と素直に
歌っているのではないことを感じます。
その「愛国の花」とくらべたら一層はっきり
しますね。
ありがとうございます。
Posted by せき ひろし(たるー) at 2007年03月04日 06:33
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