2006年05月17日

伊野波節

伊野波節
ぬふぁぶし
nuhwa bushi


伊野波の石こびれ無蔵つれてのぼる にやへも石こびれ遠さはあらな
ぬふぁぬ'いしくびりんぞちりてぃぬぶる なふぃん'いしくびりとぅうさは'あらな
nuhwa nu 'ishikubiri Nzo chiriti nuburu naa hwiN 'ishikubiri tuusa wa 'arana
伊野波の石の小坂 彼女連れて登る もっと石の坂が遠ければなあ

解説
(語句)
・ぬふぁ 国頭、本部間切にある地名
にゅふぁ、と古典の本にはふりがながある。
・いしくびり 上りやすいように石が敷き詰められた小坂
くびり=小(く)+坂(ふぃら)
連濁で「ふぃ」が「び」になった。

(下の写真は沖縄私立郷土博物館 が編集発行した「歌碑にみる歌三線のふるさとを訪ねて」の表紙。そこに「伊野波の石こびれ」の写真がある。この歌の作者はここを女性を連れて登った。そのときの思いを歌にしたもの)
伊野波節
・ちりてぃ 連れて
・なふぃん もうすこし もっと
文語では「にゃーふぃん」

・わ 係助詞「をば」
・あらな あれば(希望)
'arana='aN (ある)の未然形+na =したい 希望を表す。

(コメント)
前回の歌、今帰仁ミャークニーで「石くびり」の話題もでたからではないが、「石くびり」の歌を。
なかなか率直な歌である。
遠ければ、なにをするのだろうか、とか野暮なことは聞かない。
いや彼女との時間が欲しいという正直な気持ちを歌にしていることに共感するだけでなく、それが「坂」という、普通は短ければいい道で、そう思う人情である。
つまらない映画でも、彼女とのデート、まだ終わってくれるな、そんな感じであろうか。今日は俗っぽい解説になっているがお許しを。

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Posted by たる一 at 16:42│Comments(0)な行
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