2006年03月31日
ハイサイおじさん
ハイサイおじさん
はいさい[おじさん]
haisai[おじさん]
語句・はいさい こんにちは。 <はい やあ。+さい 目上の人に使う男性の丁寧語。女性は「たい」を使う。つまり「はいたい」。
〔[]は明らかなヤマトグチ。発音もヤマトグチで記してある。例 [おじさん][整形][株主]。〕
一、ハイサイおじさん ハイサイおじさん夕べの三合瓶小残とんな 残とら我んにん分きらんな ありあり童えー童三合瓶小あたいし我んにんかい残とんでいゆんなえー童 あんせおじさん三合瓶し不足やみせら一升瓶我んに呉みせみ
はいさいおじさん はいさいおじさん ゆーびぬさんごーびんぐわーぬくとーんなーぬくとーらわんにんわきらんなー'あり'ありわらばー'えーわらばーさんごーびんぬ'あたいしわんにんかい ぬくとーんでぃ'っゆんなー'えーわらばー 'あんせーおじさん さんごーびんしふすくやみせーら'いっすびんわんにくぃみせーみ
haisai[おじさん]haisai[おじさん]yuubinu saNgoobiNgwaa nukutooNnaa nukutoora waNniN wakiraNnaa 'ari'ari warabaa 'ee warabaa saNgoobiN nu 'ataishi waNniNkai nukutooNdi 'yuNnaa 'ee warabaa 'aNsee[おじさん]saNgoobiNshi husuku yamiseera 'issubiN waNni kwimiseemi
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん 昨夜の三合ビンは残っているかい?残っていたら私に分けないかねえ?
(おじさん)あれあれこども おいこども 三合ビンほどのが私に残っていると言うのかい?おいこども
(こども)それではおじさん 三合ビンでは足りないのでしたら一升ビンを私にくれませんか?
語句・あたいし ほどのもの <あたい ほど。 +し のもの。 ・なー ・・かい?軽い質問になる。 ・んでぃ ・・と ・あんせー それでは。 あんしぇー ともいう。 ・ふすく 不足 過ち husoku→(三母音化)husuku。
二、ハイサイおじさん ハイサイおじさん 年頃なたくと妻小欲さぬうんじゅが女小や呉みそらに ありあり童えー童 汝や童のくさぶっくぃて妻小とめ言んなえー童 あんせおじさん二十歳や余て三十過ぎて白髪かめてから妻とめゆみ
はいさいおじさん はいさいおじさん とぅしぐるなたくとぅとぅじぐわーふさん 'うんじゅがうぃなぐんぐわーやくぃみそーらに'あり'ありわらばー'えーわらばー'っやーやわらびぬくさぶっくぃてぃとぅじぐわーとめーゆんなー'えーわらばー 'あんせーおじさん はたちや'あまてぃさんじゅーしじてぃしらぎかみてぃからとぅじとぅめゆみ
haisai[おじさん]haisai[おじさん]tushigurunatakutu tujigwaahusaN 'uNjuga winaguNgwaa ya kwimisoorani 'ari'ari warabaa 'ee warabaa 'yaaya warabinu kusabukwiti tujigwaa tumeeyuNnaa 'ee warabaa 'aNsee[おじさん]hatachi ya 'amati saNjuu shijiti shiragi kamitikara tujitume(e)yumi
(こども)こんにちはおじさん こんにちはおじさん 年頃になったので嫁さんをもらいたい あなたの娘をくださいませんか?
(おじさん)あれあれこども おいこども おまえはこどものくせにませていて 嫁がほしいというのか おい こども
(こども)それではおじさん 二十歳を越して三十過ぎて白髪になってから嫁さんはもらうのか?
語句・なたくとぅ なったので。 「くとぅ」は U+2460理由を示す・・ので U+2461時間の経過を示す・うんじゅ あなた。目上の人に使う。・が の。 ・くさぶっくぃてぃ ませていて <くさぶっくぃゆん(動) ませる。こましゃくれる。・とぅじ 妻。・とぅめーゆん めとる。 もとめる。 ・しじてぃ 過ぎて。 <しじゆん (動) 過ぎる 。 ・しらぎかみてぃ 白髪を乗せて→白髪になって <かみゆん(動)頂く 上に乗せる
三、ハイサイおじさん ハイサイおじさん おじさんかんぱちまぎさよい みみずかんぱち台湾ハゲ ありあり童えー童頭のハゲとしできやーど我達元祖もろできやー あんせおじさん我んにん整形しみやいあまくまかんぱち植ゆがや
はいさいおじさん はいさいおじさん おじさんかんぱちまぎさよーい みみじかんぱちたいわんはぎ 'あり'ありわらばー'えーわらばーちぶるぬはぎとーしでぃきやーどーわったーぐわんすんむるでぃきやー 'あんせーおじさん わんにんせいけいしみやい 'あまくまかんぱち'っうぃーゆがや
haisai[おじさん]haisai[おじさん][おじさん]kaNpachi magisayooi mimijikaNpchi taiwaNhagi 'ari'ari warabaa 'ee warabaa chiburu nu hagitooshi dikiyaadoo wattaa gwaNsuN murudikiyaa 'aNsee[おじさん]waNniN [seikei]shimiyai 'amakuma kaNpachi 'wiiyugaya
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん おじさんのハゲは大きいよー、ミミズハゲ、台湾ハゲ
(おじさん)あれあれこども おいこども 頭が禿げている者は優秀だぞ 私の祖先もみな優秀な者
(こども)それではおじさん私も整形させて あちこちハゲを植えようかねえ
語句 ・かんぱち 禿げ。 ・まぎさ 大きい。 <まぎさん(形)大きな。 ・みみじ ミミズ。 みみじゃー とも。 ・ぐわんす ご先祖 ・ん も。強調。 ・ういーゆがやー 植えようかね? 「がやー」疑問詞がなくとも疑問の終助詞
四、ハイサイおじさん ハイサイおじさん おじさん髭小のおかさよい 天井の鼠の髭どやる ありあり童えー童汝や髭髭笑ゆしが髭のあしがるむてゆんど あんせおじさん 我んにん負きらん明日から鼠の髭小立てゆがや
はいさいおじさん はいさいおじさん おじさんふぃじぐわーぬ'うかさよーい てぃんじょーぬ'うぇんちゅふぃじどぅやる 'あり'ありわらばー'えーわらばー 'っやーやふぃじふぃじ わらゆしが ふぃじぐわー'あしがるむてーゆんどー 'あんせーおじさん わんにんまきらん'あちゃーから 'うぇんちゅぬふぃじぐわーたてぃゆがやー
haisai[おじさん]haisai[おじさん][おじさん]hwijigwaa nu 'ukasayooi teNjoo nu 'weNcu nu hwiji du yaru 'ari'ari warabaa 'ee warabaa 'yaaya hwijihwiji warayushiga hwijigwaa nu 'ashigaru(du) muteeyuN doo 'aNsee[おじさん]waNniN makiraN 'achaakara 'weNcu nu hwijigwaa tatiyuN gayaa
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん ?おじさんの髭はこっけいだよー まさに天井のネズミのヒゲである
(おじさん)あれあれこども おいこども おまえは髭ヒゲと笑うけれど髭があることこそが栄えるのだぞ
(こども)それではおじさん わたしも負けない明日から ネズミのヒゲを生やそうか?
語句 ・うかさよーい こっけいだよー <うかさん(形) こっけいな。+よーい だよ。 ・あしがどぅ あることこそが。 <あ(<あん ある) + し(こと) + が + どぅ(強調) ・むてーゆん 太る。茂る。栄える。 これは、ネットでみるかぎり、いろいろな方の訳に誤解がある。「もてる」と訳しているのが大多数。しかし、「むてーゆん」は「枝が茂る」からきているのであり、「もてる」の意味はない。意訳して「栄える」→「もてる」という類推はできなくはないが語句の誤解は否めない。
五、ハイサイおじさん ハイサイおじさん 昨日の女郎小の香さよいうんじゅん一度めんそーれー ありあり童えー童辻、中島、渡地とおじさんやあまぬ株主ど あんせおじさん毎日あまにくまとーて我んねー貧乏やたきちきゆみ
はいさいおじさん はいさいおじさん ゆーびぬじゅりぐわーぬかばさよーい'うんじゅん'いちどーめんそーれー'あり'ありわらばー'えーわらばー ちーじ なかしま わたんじとぅおじさんや'あまぬかぶぬしどー'あんせーおじさんめーにち'あまにくまとーてぃわんねーふぃんすーやたきちきゆみ
haisai[おじさん]haisai[おじさん] yuubinu jurigwaa nu kabasayooi 'uNjuN 'ichdoo meNsooree 'ari'ari warabaa 'ee warabaa chiiji nakashima wataNji tu 'amanu [かぶぬし]doo 'aNsee[おじさん]meenichi 'amani kumatooti waNnee hwiNsuu ya takichi yumi
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん 夕べの女郎は色っぽいよー あなたも一度はいらっしゃい
(おじさん)あれあれこども おいこども 辻 中島 渡地とおじさんはあそこの株主だぞ
(こども)それではおじさん毎日あそこに篭っていたから私は最悪の貧乏になったのかね?
語句・かばさ よい 香り 色っぽい。 ・くまとーてぃ こもっていて。 <くまゆん こもる。
・たきちきゆみ 最悪になるかしら? <たきちきゆん(動詞) 病状や苦痛が最悪になる。 + み (か?)
(コメント)
喜納昌吉作詞作曲。滝原康正補作。
喜納昌吉がまだ高校生の時につくられ、全国でヒット、戦後の「沖縄ブーム」のきっかけにもなった。
メロディーはほぼ沖縄音階だけで作られているし歌詞も一部を除いてウチナーグチ。私事ながら中学生になりたてのころ深夜放送に熱中していてラジオではじめて聞いたときの不思議な感覚を覚えている。
三線ではなくエレキギターと激しいドラム、意味がわからない言葉が聞き慣れないが新鮮なメロディーに乗っていた。
今の若者には志村けん がふざけて歌う「変なおじさん」のもと唄がこれだといえばわかるかもしれない。
いずれにしても この歌が大きなインパクトを与えたことは確かだ。
「おじさん」には実在のモデルがいて、沖縄戦の悲惨な体験が精神の病となった。
(共同通信社の編集委員室が作る企画ページ「アジアに広がる「花」の歌 ミュージシャン喜納昌吉(きな・しょうきち)」より)
「喜納昌吉(51)は中学生の時、忘れられない事件に遭遇する。
精神に異常を来した近所の母親が、七つの娘の頭をまな板に乗せ、おので首を切り落としてしまった。
「女の子が毛布に包まれて横たわっている。その子の父親が『なぜこの子の足は冷たいの。おかしいよ』と毛布を取ったら首が無い。父親は魂を落としたような顔で、しばらく言葉を失った」
最初の作品「ハイサイおじさん」は、これを契機に生まれた。まだ高校生だった。」
おじさんは、この事件を契機に酒におぼれる。
その「おじさん」をこどもがからかう歌なのだから笑えない歌である。
しかし、明るい曲にアップテンポでやられると ついつい踊りたくなる。
内容と形式のミスマッチは喜納昌吉が計算したものだろうか。
悲しみを笑いとばすという強さが、この曲をはじめ、多くの沖縄の曲のなかにはある。
痛烈な社会風刺の歌と云っても過言ではない。
この歌を酔って歌って「ああ、気持ちよかった」と思ったことのある観光客が、
沖縄戦の事実や、本土と沖縄の歴史を知るきっかけになることを望みたい。
【このブログが本になりました!】
書籍【たるーの島唄まじめな研究】のご購入はこちら
はいさい[おじさん]
haisai[おじさん]
語句・はいさい こんにちは。 <はい やあ。+さい 目上の人に使う男性の丁寧語。女性は「たい」を使う。つまり「はいたい」。
〔[]は明らかなヤマトグチ。発音もヤマトグチで記してある。例 [おじさん][整形][株主]。〕
一、ハイサイおじさん ハイサイおじさん夕べの三合瓶小残とんな 残とら我んにん分きらんな ありあり童えー童三合瓶小あたいし我んにんかい残とんでいゆんなえー童 あんせおじさん三合瓶し不足やみせら一升瓶我んに呉みせみ
はいさいおじさん はいさいおじさん ゆーびぬさんごーびんぐわーぬくとーんなーぬくとーらわんにんわきらんなー'あり'ありわらばー'えーわらばーさんごーびんぬ'あたいしわんにんかい ぬくとーんでぃ'っゆんなー'えーわらばー 'あんせーおじさん さんごーびんしふすくやみせーら'いっすびんわんにくぃみせーみ
haisai[おじさん]haisai[おじさん]yuubinu saNgoobiNgwaa nukutooNnaa nukutoora waNniN wakiraNnaa 'ari'ari warabaa 'ee warabaa saNgoobiN nu 'ataishi waNniNkai nukutooNdi 'yuNnaa 'ee warabaa 'aNsee[おじさん]saNgoobiNshi husuku yamiseera 'issubiN waNni kwimiseemi
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん 昨夜の三合ビンは残っているかい?残っていたら私に分けないかねえ?
(おじさん)あれあれこども おいこども 三合ビンほどのが私に残っていると言うのかい?おいこども
(こども)それではおじさん 三合ビンでは足りないのでしたら一升ビンを私にくれませんか?
語句・あたいし ほどのもの <あたい ほど。 +し のもの。 ・なー ・・かい?軽い質問になる。 ・んでぃ ・・と ・あんせー それでは。 あんしぇー ともいう。 ・ふすく 不足 過ち husoku→(三母音化)husuku。
二、ハイサイおじさん ハイサイおじさん 年頃なたくと妻小欲さぬうんじゅが女小や呉みそらに ありあり童えー童 汝や童のくさぶっくぃて妻小とめ言んなえー童 あんせおじさん二十歳や余て三十過ぎて白髪かめてから妻とめゆみ
はいさいおじさん はいさいおじさん とぅしぐるなたくとぅとぅじぐわーふさん 'うんじゅがうぃなぐんぐわーやくぃみそーらに'あり'ありわらばー'えーわらばー'っやーやわらびぬくさぶっくぃてぃとぅじぐわーとめーゆんなー'えーわらばー 'あんせーおじさん はたちや'あまてぃさんじゅーしじてぃしらぎかみてぃからとぅじとぅめゆみ
haisai[おじさん]haisai[おじさん]tushigurunatakutu tujigwaahusaN 'uNjuga winaguNgwaa ya kwimisoorani 'ari'ari warabaa 'ee warabaa 'yaaya warabinu kusabukwiti tujigwaa tumeeyuNnaa 'ee warabaa 'aNsee[おじさん]hatachi ya 'amati saNjuu shijiti shiragi kamitikara tujitume(e)yumi
(こども)こんにちはおじさん こんにちはおじさん 年頃になったので嫁さんをもらいたい あなたの娘をくださいませんか?
(おじさん)あれあれこども おいこども おまえはこどものくせにませていて 嫁がほしいというのか おい こども
(こども)それではおじさん 二十歳を越して三十過ぎて白髪になってから嫁さんはもらうのか?
語句・なたくとぅ なったので。 「くとぅ」は U+2460理由を示す・・ので U+2461時間の経過を示す・うんじゅ あなた。目上の人に使う。・が の。 ・くさぶっくぃてぃ ませていて <くさぶっくぃゆん(動) ませる。こましゃくれる。・とぅじ 妻。・とぅめーゆん めとる。 もとめる。 ・しじてぃ 過ぎて。 <しじゆん (動) 過ぎる 。 ・しらぎかみてぃ 白髪を乗せて→白髪になって <かみゆん(動)頂く 上に乗せる
三、ハイサイおじさん ハイサイおじさん おじさんかんぱちまぎさよい みみずかんぱち台湾ハゲ ありあり童えー童頭のハゲとしできやーど我達元祖もろできやー あんせおじさん我んにん整形しみやいあまくまかんぱち植ゆがや
はいさいおじさん はいさいおじさん おじさんかんぱちまぎさよーい みみじかんぱちたいわんはぎ 'あり'ありわらばー'えーわらばーちぶるぬはぎとーしでぃきやーどーわったーぐわんすんむるでぃきやー 'あんせーおじさん わんにんせいけいしみやい 'あまくまかんぱち'っうぃーゆがや
haisai[おじさん]haisai[おじさん][おじさん]kaNpachi magisayooi mimijikaNpchi taiwaNhagi 'ari'ari warabaa 'ee warabaa chiburu nu hagitooshi dikiyaadoo wattaa gwaNsuN murudikiyaa 'aNsee[おじさん]waNniN [seikei]shimiyai 'amakuma kaNpachi 'wiiyugaya
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん おじさんのハゲは大きいよー、ミミズハゲ、台湾ハゲ
(おじさん)あれあれこども おいこども 頭が禿げている者は優秀だぞ 私の祖先もみな優秀な者
(こども)それではおじさん私も整形させて あちこちハゲを植えようかねえ
語句 ・かんぱち 禿げ。 ・まぎさ 大きい。 <まぎさん(形)大きな。 ・みみじ ミミズ。 みみじゃー とも。 ・ぐわんす ご先祖 ・ん も。強調。 ・ういーゆがやー 植えようかね? 「がやー」疑問詞がなくとも疑問の終助詞
四、ハイサイおじさん ハイサイおじさん おじさん髭小のおかさよい 天井の鼠の髭どやる ありあり童えー童汝や髭髭笑ゆしが髭のあしがるむてゆんど あんせおじさん 我んにん負きらん明日から鼠の髭小立てゆがや
はいさいおじさん はいさいおじさん おじさんふぃじぐわーぬ'うかさよーい てぃんじょーぬ'うぇんちゅふぃじどぅやる 'あり'ありわらばー'えーわらばー 'っやーやふぃじふぃじ わらゆしが ふぃじぐわー'あしがるむてーゆんどー 'あんせーおじさん わんにんまきらん'あちゃーから 'うぇんちゅぬふぃじぐわーたてぃゆがやー
haisai[おじさん]haisai[おじさん][おじさん]hwijigwaa nu 'ukasayooi teNjoo nu 'weNcu nu hwiji du yaru 'ari'ari warabaa 'ee warabaa 'yaaya hwijihwiji warayushiga hwijigwaa nu 'ashigaru(du) muteeyuN doo 'aNsee[おじさん]waNniN makiraN 'achaakara 'weNcu nu hwijigwaa tatiyuN gayaa
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん ?おじさんの髭はこっけいだよー まさに天井のネズミのヒゲである
(おじさん)あれあれこども おいこども おまえは髭ヒゲと笑うけれど髭があることこそが栄えるのだぞ
(こども)それではおじさん わたしも負けない明日から ネズミのヒゲを生やそうか?
語句 ・うかさよーい こっけいだよー <うかさん(形) こっけいな。+よーい だよ。 ・あしがどぅ あることこそが。 <あ(<あん ある) + し(こと) + が + どぅ(強調) ・むてーゆん 太る。茂る。栄える。 これは、ネットでみるかぎり、いろいろな方の訳に誤解がある。「もてる」と訳しているのが大多数。しかし、「むてーゆん」は「枝が茂る」からきているのであり、「もてる」の意味はない。意訳して「栄える」→「もてる」という類推はできなくはないが語句の誤解は否めない。
五、ハイサイおじさん ハイサイおじさん 昨日の女郎小の香さよいうんじゅん一度めんそーれー ありあり童えー童辻、中島、渡地とおじさんやあまぬ株主ど あんせおじさん毎日あまにくまとーて我んねー貧乏やたきちきゆみ
はいさいおじさん はいさいおじさん ゆーびぬじゅりぐわーぬかばさよーい'うんじゅん'いちどーめんそーれー'あり'ありわらばー'えーわらばー ちーじ なかしま わたんじとぅおじさんや'あまぬかぶぬしどー'あんせーおじさんめーにち'あまにくまとーてぃわんねーふぃんすーやたきちきゆみ
haisai[おじさん]haisai[おじさん] yuubinu jurigwaa nu kabasayooi 'uNjuN 'ichdoo meNsooree 'ari'ari warabaa 'ee warabaa chiiji nakashima wataNji tu 'amanu [かぶぬし]doo 'aNsee[おじさん]meenichi 'amani kumatooti waNnee hwiNsuu ya takichi yumi
○(こども)こんにちはおじさんこんにちはおじさん 夕べの女郎は色っぽいよー あなたも一度はいらっしゃい
(おじさん)あれあれこども おいこども 辻 中島 渡地とおじさんはあそこの株主だぞ
(こども)それではおじさん毎日あそこに篭っていたから私は最悪の貧乏になったのかね?
語句・かばさ よい 香り 色っぽい。 ・くまとーてぃ こもっていて。 <くまゆん こもる。
・たきちきゆみ 最悪になるかしら? <たきちきゆん(動詞) 病状や苦痛が最悪になる。 + み (か?)
(コメント)
喜納昌吉作詞作曲。滝原康正補作。
喜納昌吉がまだ高校生の時につくられ、全国でヒット、戦後の「沖縄ブーム」のきっかけにもなった。
メロディーはほぼ沖縄音階だけで作られているし歌詞も一部を除いてウチナーグチ。私事ながら中学生になりたてのころ深夜放送に熱中していてラジオではじめて聞いたときの不思議な感覚を覚えている。
三線ではなくエレキギターと激しいドラム、意味がわからない言葉が聞き慣れないが新鮮なメロディーに乗っていた。
今の若者には志村けん がふざけて歌う「変なおじさん」のもと唄がこれだといえばわかるかもしれない。
いずれにしても この歌が大きなインパクトを与えたことは確かだ。
「おじさん」には実在のモデルがいて、沖縄戦の悲惨な体験が精神の病となった。
(共同通信社の編集委員室が作る企画ページ「アジアに広がる「花」の歌 ミュージシャン喜納昌吉(きな・しょうきち)」より)
「喜納昌吉(51)は中学生の時、忘れられない事件に遭遇する。
精神に異常を来した近所の母親が、七つの娘の頭をまな板に乗せ、おので首を切り落としてしまった。
「女の子が毛布に包まれて横たわっている。その子の父親が『なぜこの子の足は冷たいの。おかしいよ』と毛布を取ったら首が無い。父親は魂を落としたような顔で、しばらく言葉を失った」
最初の作品「ハイサイおじさん」は、これを契機に生まれた。まだ高校生だった。」
おじさんは、この事件を契機に酒におぼれる。
その「おじさん」をこどもがからかう歌なのだから笑えない歌である。
しかし、明るい曲にアップテンポでやられると ついつい踊りたくなる。
内容と形式のミスマッチは喜納昌吉が計算したものだろうか。
悲しみを笑いとばすという強さが、この曲をはじめ、多くの沖縄の曲のなかにはある。
痛烈な社会風刺の歌と云っても過言ではない。
この歌を酔って歌って「ああ、気持ちよかった」と思ったことのある観光客が、
沖縄戦の事実や、本土と沖縄の歴史を知るきっかけになることを望みたい。
【このブログが本になりました!】
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この記事へのコメント
そうでしたか。
そのような背景があったのですね。
やんばるまで那覇からバスで行く時、読谷あたりまで何かに反応して嫌でした。
『チュヌチャー、ユクイミソーレーサイ』
.....と心の中で唱えていました。
とても変ですが、そうするほかありませんでした。
そのような背景があったのですね。
やんばるまで那覇からバスで行く時、読谷あたりまで何かに反応して嫌でした。
『チュヌチャー、ユクイミソーレーサイ』
.....と心の中で唱えていました。
とても変ですが、そうするほかありませんでした。
Posted by gabaizu at 2006年03月31日 22:55
gabaizuさん
名護のほうにいかれていたんですね!
いい旅でしたか~?
その言葉の響き、いいですねえ。
ウチナーグチに心が共鳴するのはなぜでしょうね。
名護のほうにいかれていたんですね!
いい旅でしたか~?
その言葉の響き、いいですねえ。
ウチナーグチに心が共鳴するのはなぜでしょうね。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年04月01日 08:01
何かが、深く関係あるんでしょうね。
それは今のところ『縁』としかいえませんが。
自然崇拝に根を持つ音楽や言葉は、私としては好きです。
でも何で沖縄なのかなあ。
それは今のところ『縁』としかいえませんが。
自然崇拝に根を持つ音楽や言葉は、私としては好きです。
でも何で沖縄なのかなあ。
Posted by gabaizu at 2006年04月01日 20:34
いまはもう沖縄にしか残っていないように見えるのでしょうね。
逆になぜヤマトではだめなのでしょうね。
どうなってしまったのでしょう。
沖縄に行くと、私は懐かしい気持ちになります。空が広く、太陽と自然の匂いがあふれていた昔の記憶がよみがえるんですねえ。
逆になぜヤマトではだめなのでしょうね。
どうなってしまったのでしょう。
沖縄に行くと、私は懐かしい気持ちになります。空が広く、太陽と自然の匂いがあふれていた昔の記憶がよみがえるんですねえ。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年04月02日 11:00
この曲は、今は早いテンポで歌われていますが、もともとは、ゆっくり、ゆったりしたテンポで歌われていたんですよね(沖縄民謡名作集1)。
当時、レコードのカッチング時間に制限があったため等々、時間に制限が出て段々と、テンポが早くなったようです。元曲のほうが沖縄らしくて良いですね。
当時、レコードのカッチング時間に制限があったため等々、時間に制限が出て段々と、テンポが早くなったようです。元曲のほうが沖縄らしくて良いですね。
Posted by ウチナー ムーク at 2006年04月11日 21:24
そうなんですか!
ゆっくりしたのを聞いてみたいですね。
その名作集1にあるのですね?
ゆっくりしたのを聞いてみたいですね。
その名作集1にあるのですね?
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年04月12日 06:03
ハイ、沖縄名選集1(マルフクレコード)です。ちょっと名称が間違っていました、失礼しました。ゆっくりと言うより、ゆったりですね。名選集のは、デビュー時のシングルカットのものか分かりませんが、自分はこのテンポが好きです。やっぱり沖縄を感じますね。今の沖縄民謡は全般的に早く演奏されていますね、早弾きも、今はテクニック重視では、本当は踊る人、聞く人に合わせて演奏するべきでは(オジー、オバーと二才達とでは違います)、参考に湧川明さんの嘉手久なども沖縄風スイング感が出ていて良いと思います(キャンパスレコード発売)
Posted by ウチナー ムーク at 2006年04月12日 19:45
そうですね。今は全般的に早くなり唐船ドーイなども昔は早くはなかったそうです。
湧川さんには昨年個人的に広島でのライブなどをやっていただき昔の民謡界の話などじっくりと聞かせていただきました。
ただマルフクの創始者普久原朝喜さんは、めちゃ早くハンタ原やアッチャメー小などを弾きます。
曲によってもいろいろあるのだなあと思います。
湧川さんには昨年個人的に広島でのライブなどをやっていただき昔の民謡界の話などじっくりと聞かせていただきました。
ただマルフクの創始者普久原朝喜さんは、めちゃ早くハンタ原やアッチャメー小などを弾きます。
曲によってもいろいろあるのだなあと思います。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年04月12日 21:18
こんにちわ、ハイサイおじさんを検索してたら、たどりつきました。
そんな裏話があったんですね...
悲しいエピソードを明るい曲にできる喜納さんには
そういう強さというか、「ちから」があったんでしょうかね。
昨夜、三合瓶という言葉が浮かんだとき、「三合瓶の歌がなかったっけ?お母さん、三合瓶の歌はハイサイおじさんだった?」と思い出し、ちゃんとした歌詞を検索しておりました(笑)
これからもちょくちょく覗きにきまーす!
そんな裏話があったんですね...
悲しいエピソードを明るい曲にできる喜納さんには
そういう強さというか、「ちから」があったんでしょうかね。
昨夜、三合瓶という言葉が浮かんだとき、「三合瓶の歌がなかったっけ?お母さん、三合瓶の歌はハイサイおじさんだった?」と思い出し、ちゃんとした歌詞を検索しておりました(笑)
これからもちょくちょく覗きにきまーす!
Posted by Maya at 2008年05月01日 15:35
三合も飲めたら上等ですよ。泡盛。
わたしゃ、焼酎を二合でもうごちそうさまです。
でもそういう歌詞にピンと来るっておもしろいですね。
どうぞ、いらしてください。
わたしゃ、焼酎を二合でもうごちそうさまです。
でもそういう歌詞にピンと来るっておもしろいですね。
どうぞ、いらしてください。
Posted by たるー at 2008年05月02日 22:59
たるーさん、はじめまして。
「ハイサイおじさん」はシングル盤を持っていますので、自慢に(笑)ではなくて宣伝に来ました。
URLのところで簡単なレビューを記していますので、ジャケットの写真も引用ということで小さく載せています。
「ハイサイおじさん」はシングル盤を持っていますので、自慢に(笑)ではなくて宣伝に来ました。
URLのところで簡単なレビューを記していますので、ジャケットの写真も引用ということで小さく載せています。
Posted by 伊 謄 at 2008年05月05日 17:43
伊謄さんとてもすてきなライブラリーですね。
ゆっくりみてみたい。
はいさいおじさんの最初がゆっくりだったとはよくききます
。それを聞いてみたい。
なんとかなりませんか?
ゆっくりみてみたい。
はいさいおじさんの最初がゆっくりだったとはよくききます
。それを聞いてみたい。
なんとかなりませんか?
Posted by たるー(せきひろし) at 2008年05月08日 23:26
たるーさん、こんにちは。
『沖縄民謡名選集』のシリーズを買うのがいちばんです(笑)。ちなみにNo.8にも収録されているようです。
『沖縄民謡名選集』のシリーズを買うのがいちばんです(笑)。ちなみにNo.8にも収録されているようです。
Posted by 伊 謄 at 2008年05月10日 00:26
伊 謄さん
そうですね。情報ありがとうございます。
次回訪沖時に探してみますね。
そうですね。情報ありがとうございます。
次回訪沖時に探してみますね。
Posted by たるー at 2008年05月10日 07:07
たるーさん、こんにちは。
通販はどうなのでしょう。Amazonや楽天では、現在は割り引きで扱っているようですし、またマルフク自体もネットで扱っていますが?
通販はどうなのでしょう。Amazonや楽天では、現在は割り引きで扱っているようですし、またマルフク自体もネットで扱っていますが?
Posted by 伊 謄 at 2008年05月10日 19:56
はい。
通販をかんがえてみましょうね。
通販をかんがえてみましょうね。
Posted by たるー at 2008年05月12日 23:19
読みやすいように改訂しました。
この「はいさいおじさん」が、私のブログのアクセス数ナンバーワンです。
この「はいさいおじさん」が、私のブログのアクセス数ナンバーワンです。
Posted by たるー(せきひろし) at 2009年03月13日 10:41
こんにちは。
ハイサイおじさんの歌詞の意味を調べていてたどり着きました。
喜納さんはライブなどでは歌詞を変えたりしているようで、私のもっている
CDでは一番最後に下記の歌詞が出てきます。
我んねちゅらーさ よーがりゆさ
汝やちゅらーく よーがりゆさ
毎日はまてぃ よーがりゆみ
この歌詞の意味を教えてもらえないでしょう?
ぶしつけですいませんがよろしくお願いします。
ハイサイおじさんの歌詞の意味を調べていてたどり着きました。
喜納さんはライブなどでは歌詞を変えたりしているようで、私のもっている
CDでは一番最後に下記の歌詞が出てきます。
我んねちゅらーさ よーがりゆさ
汝やちゅらーく よーがりゆさ
毎日はまてぃ よーがりゆみ
この歌詞の意味を教えてもらえないでしょう?
ぶしつけですいませんがよろしくお願いします。
Posted by もも at 2009年08月22日 11:08
ハイサイおじさんの歌詞の意味はじめて知りました。
まるで私のことを歌っているような感じで面白いです。
まるで私のことを歌っているような感じで面白いです。
Posted by コアラ at 2010年06月26日 10:46
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