2006年10月16日

恋の花2

一、初春の梅のなまつぃぼで居しや深山鶯の声がまちゅら
はちはるぬ'んみぬ なまつぃぶでぃうしや みやま'うぐいしぬ くいがまちゅら
hachiharu nu 'Nmi nu nama tshibudi ushiya miyama'uguishi nu ku ga machura
初春の梅が今蕾んでいるが深山の鶯の声を待っているのかしら?

二、梅も匂ひしゅらさ いかたれもあかぬ ゆらて眺ゆる 花の木陰
'んみんにうぃしゅらさ 'いかたれーんあかん ゆらてながみゆる はなぬくかぎ
'NmiN miwi shurasa 'ikatareeN 'akaN yuratinagamiyuru hana nu kukagi
梅も匂い(が)愛らしい 語らいも飽きず 集まって眺めている華やかな木陰


三、梅でんし雪につめられてあとど 花も匂いましゅる浮世でもの
'んみでんしゆちに ちみらりてぃ'あてぃどぅ はなんにうぃましゅる'うちゆでむぬ
'Nmi deNshi yuchi ni shimirariti 'atidu hanaN niwimashuru 'uchiyudemunu
梅でさえ雪に積もられてこそ匂いも増す 浮き世であるから

解説
(語句)
一、くいがまちゅら 声をまっているのかしら?
「が」(疑問の係り助詞)+「ら」に終わる未然形は、自問形式の疑問。
つまり返事を期待しているものではない。(琉球語辞典)


・でんし でさえ
・ちみらりてぃ 積もられて
と訳したが、辞書に「ちみゆん」は「詰める」「思いがつのる」としかない。
沖縄語に「雪が積もる」という語句はないのが当然かも。
浮世を歌ったこの歌詞は、雪が「積もる」と「思いがつのる」を重ねたのかもしれない。

(コメント)
恋の花」の歌詞も多数あるが、わが由絃會の工工四集にあるもの。

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Posted by たる一 at 23:14│Comments(0)か行
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