2010年10月24日

真心ぬ花 2

真心ぬ花
まぐくるぬはな
magukuru nu hana
真心の花

作詞・作曲 当銘由俊


一、(男)ありが志情ん仇になち我身や 闇路迷たしやゆるち呉りよ (二人が真心ん 咲ちゅらでむぬ)
ありがしなさきん あだになちわみや やみじまゆたしや ゆるちくぃりよ (たいがまぐくるん さちゅらでむぬ)
'ari ga shinasakiN 'ada ni nachi wami ya yamiji mayutashi ya yuruchikwiri yo (tai ga magukuruN sachura demunu)
あの人の情けをも仇にして私は闇の道を迷ってしまった 許してくれよ(二人の真心も咲くだろうから)
※括弧は以下省略。
語句・さちゅら <さちゅん 咲く。未然形。さくだろう(か)。・でむぬ ~だから。


ニ、(女)かりすみぬ縁とぅかにてぃ知りなぎな 浮世ならわしぬ有りし今宵
かりすみぬいんとぅ かにてぃしりなぎな うちゆならわしぬ ありしくゆい
karisumi nu yiN tu kaniti shirinagina 'uchiyu narawashi nu 'arishi kuyui
はかない縁だと最初から知っていながら 浮世のしきたりがある今夜
語句・かりすみ かりそめ。はかない様。 ・かにてぃ 「以前;あらかじめ」【琉辞】。 ・なぎな <なぎーな 「・・ながら、・・なのに」【琉辞】。 ・ならわし <ならーし 習慣。しきたり。


三、(男)実ならん梅に頼らりてぃからや ぬんでぃ踏み迷てぃ浮名立ちゅが
じちならんんみにたゆらりてぃからや ぬんでぃふみまゆてぃ うちなたちゅが
jichi naraN 'Nmi ni tayurariti kara ya nuNdi humimayuti 'uchina tachu ga
実のらない梅にあてにされたけれど どうして迷って噂がたつのか


(女)ありん恨みゆる事や又ねさみ  露たぬでぃ咲ちゅる花ゆやりば
ありんうらみゆるくとぅやねさみ ちゆたぬでぃさちゅるはなゆやりば
'ariN 'uramiyuru kutu ya nesami chiyu tanudi sachuru hana yariba
あの人を恨むことはもうありません 露を頼って咲く花であるから


(男、女)語る言ぬ葉んなまになてぃみりば 明雲とぅ散りる花どぅやたみ
かたるくとぅぬふぁん なまになてぃみりば あきぐむとぅちりるはなどぅやたみ
kataru kutu nu hwaN nama ni nati miriba 'akigumu tu chiriru hana du yatami
語る言葉も今になってみれば明け方の美しい雲と散る花であったのか

前回の「真心ぬ花」は、嘉手苅林昌氏が即興で歌い替えたものだとされ、これが当銘由俊氏の作った元唄。

林昌さんの歌詞のモチーフとは少し違いがあるが、男女の恋の機微と情けが綴られる。




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Posted by たる一 at 10:34│Comments(0)ま行
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