2007年08月25日
ハンタ原 3
ハンタ原
haNta baru
はんたばる
○険しい高地の畑
語句・はんた 端(はし) がけ(のふち) (琉) ・ばる 畑 または 地名に付く「原」(山原、与那原、南風原など) 九州にも多い(宮崎 新田原〔にゅーたばる〕)。 「はんたばる」で「険しい高地の畑」という意味があるという(琉)。
一 スーリサー ハンタ原胡弓小 音高さ胡弓小 夜中から後ど響く胡弓小
はんたばるくーちょーぐわ 'うとぅだかさ くーちょーぐわ ゆなかから'あとぅどぅふきるくーちょーぐわ
haNtabaru kuuchoogwaa 'utudakasa kuuchoogwaa yunaka kara 'atu du hukiru kuuchoogwaa
○ハンタ原(で)胡弓(を弾けば)音がよく響くことよ!胡弓 夜中から後によい音でさえずるのだ胡弓(は)
参照 はんた原
二 三味線小や三丁アバ小達が五人 遊ぶたる毛小に思い残ち
さんしんぐわやさんちょ 'あばぐわたがぐにん 'あしぶたるもぐわに'うむいぬくち
saNshiNgwaa ya saNcho 'abagwaata ga guniN 'ashibutaru mogwaa ni 'umui nukuchi
○三線は三丁 姉さん達は五人 遊んでいた野原に思いを残して
参照 同上
三 ハンタ原崖に吹ちうるす 風に いやい持たちゃしが なうき取たみ
はんたばる ふちに ふち'うるす かじに 'いやいむたちゃしが な'うきとぅたみ
haNtabaru huchini huchi'urusu kajini 'iyai mutachashiga na 'ukitutami
○ハンタ原(畑)(の)がけに吹き降ろす風に伝言を持たせたが もう受け取ったか?
語句・ふち がけ ・うるす 降ろす 下ろす <'うるしゅん 'うるすん ・な もう <なー ・うきとぅたみ 受け取ったか? < うきゆん 受ける + とぅゆん 取る +み 疑問 古典舞踊曲「しゅんだう」に似た囃子がある。「うきとたさ」
四 風や北吹ち小三線小ぐまテンテン小 風の吹ち流ち誰が聞ちゅが
かじやにしふちゃぐわ さんしんぐわ ぐまてんてんぐわ かじぬふちながちたがちちゅが
kaji ya nishi hucha gwa saNshiNgwa guma teNteNgwa kaji nu huchinagachi ta ga chichuga
○風は北風 三線(を)ちょっとテンテン(弾いて) 風が吹き流し誰が聞くのか
語句・にしぶちぐわ 北風 「にしぶちかじ」という言い方もある。北風は乾燥していて、三線の音がよく響くといわれる。「小」(ぐわ)は①小(さい)②愛称・・ちゃん③強意④卑小 「わんとぅじぐわ」うちのかかあ ここでの「小」は意味があるというよりも、三つの小を並べて韻を踏んでいるように思える。・ぐま ちょっと ・てんてん 三線を鳴らす擬音 沖縄語には短母音の「e」がないというが、例外的に存在する。この擬音もそのひとつ。「てぃんてぃん」ではないから注意。
五 チンケリリ ケリリ 後原にケリリ 港小にケリリ あさぎナビ小
ちんけりりけりり くしばるにけりり んなとぅぐわーにけりり ’あさぎなびぐぁー
chiNkeriri keriri kushibaru ni keriri Nnatugwa ni keriri 'asaginabigwaa
○着物(を)ひっくりかえろ 後原でひっくりかえろ 港でひっくりかえろ 離れ家(あさぎ=着物の襟下の意味もある)のナベちゃん
語句・チンケリリ 着物(を)ひっくりかえろ <ちん(着物)+けーりゆん ひっくりかえる 覆る の命令形 片仮名表記で囃子言葉のようにも聞こえる。古い歌詞で、カチャーシー曲(唐船ドーイ、アッチャメー小など)に多用される。
haNta baru
はんたばる
○険しい高地の畑
語句・はんた 端(はし) がけ(のふち) (琉) ・ばる 畑 または 地名に付く「原」(山原、与那原、南風原など) 九州にも多い(宮崎 新田原〔にゅーたばる〕)。 「はんたばる」で「険しい高地の畑」という意味があるという(琉)。
一 スーリサー ハンタ原胡弓小 音高さ胡弓小 夜中から後ど響く胡弓小
はんたばるくーちょーぐわ 'うとぅだかさ くーちょーぐわ ゆなかから'あとぅどぅふきるくーちょーぐわ
haNtabaru kuuchoogwaa 'utudakasa kuuchoogwaa yunaka kara 'atu du hukiru kuuchoogwaa
○ハンタ原(で)胡弓(を弾けば)音がよく響くことよ!胡弓 夜中から後によい音でさえずるのだ胡弓(は)
参照 はんた原
二 三味線小や三丁アバ小達が五人 遊ぶたる毛小に思い残ち
さんしんぐわやさんちょ 'あばぐわたがぐにん 'あしぶたるもぐわに'うむいぬくち
saNshiNgwaa ya saNcho 'abagwaata ga guniN 'ashibutaru mogwaa ni 'umui nukuchi
○三線は三丁 姉さん達は五人 遊んでいた野原に思いを残して
参照 同上
三 ハンタ原崖に吹ちうるす 風に いやい持たちゃしが なうき取たみ
はんたばる ふちに ふち'うるす かじに 'いやいむたちゃしが な'うきとぅたみ
haNtabaru huchini huchi'urusu kajini 'iyai mutachashiga na 'ukitutami
○ハンタ原(畑)(の)がけに吹き降ろす風に伝言を持たせたが もう受け取ったか?
語句・ふち がけ ・うるす 降ろす 下ろす <'うるしゅん 'うるすん ・な もう <なー ・うきとぅたみ 受け取ったか? < うきゆん 受ける + とぅゆん 取る +み 疑問 古典舞踊曲「しゅんだう」に似た囃子がある。「うきとたさ」
四 風や北吹ち小三線小ぐまテンテン小 風の吹ち流ち誰が聞ちゅが
かじやにしふちゃぐわ さんしんぐわ ぐまてんてんぐわ かじぬふちながちたがちちゅが
kaji ya nishi hucha gwa saNshiNgwa guma teNteNgwa kaji nu huchinagachi ta ga chichuga
○風は北風 三線(を)ちょっとテンテン(弾いて) 風が吹き流し誰が聞くのか
語句・にしぶちぐわ 北風 「にしぶちかじ」という言い方もある。北風は乾燥していて、三線の音がよく響くといわれる。「小」(ぐわ)は①小(さい)②愛称・・ちゃん③強意④卑小 「わんとぅじぐわ」うちのかかあ ここでの「小」は意味があるというよりも、三つの小を並べて韻を踏んでいるように思える。・ぐま ちょっと ・てんてん 三線を鳴らす擬音 沖縄語には短母音の「e」がないというが、例外的に存在する。この擬音もそのひとつ。「てぃんてぃん」ではないから注意。
五 チンケリリ ケリリ 後原にケリリ 港小にケリリ あさぎナビ小
ちんけりりけりり くしばるにけりり んなとぅぐわーにけりり ’あさぎなびぐぁー
chiNkeriri keriri kushibaru ni keriri Nnatugwa ni keriri 'asaginabigwaa
○着物(を)ひっくりかえろ 後原でひっくりかえろ 港でひっくりかえろ 離れ家(あさぎ=着物の襟下の意味もある)のナベちゃん
語句・チンケリリ 着物(を)ひっくりかえろ <ちん(着物)+けーりゆん ひっくりかえる 覆る の命令形 片仮名表記で囃子言葉のようにも聞こえる。古い歌詞で、カチャーシー曲(唐船ドーイ、アッチャメー小など)に多用される。
「ハンタ原」も歌い手によって様々な歌詞がある。
昔から営々と歌い手が歌い継ぎ、そして歌詞を変え、手を変えてきた。
もともとは普久原朝喜が「東方」という曲から生み出したという。(「ウチナーのうた」普久原恒'男のインタビュー)
そして、戦後、喜納昌永、そして嘉手苅林昌、登川誠仁、知名定男という一連の民謡歌手が
歌い継いでいる。
その変化をみるのが非常に面白い。
この歌詞も、またいくつかの変化がある。
そういう知識ももちながら、いろいろな方の「ハンタ原」を聴き、そして自分のものを歌いたいものだ。
Posted by たる一 at 18:34│Comments(0)
│は行
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