2011年03月31日

便り

便り
たゆい
tayui
便り
語句・たゆい 「便り」「頼り(となるもの)」【琉辞】。ここでは手紙のこと。

作詞 作曲/喜屋武 繁雄  

一 達者しちいめみ かなし親がなし渡海や隔ぢゃみとてぃ 思たびけい [思たびけい](繰り返し 以下略)
たっしゃしちいめみ かなしうやがなし とぅけやふぃじゃみとてぃ うむたびけい
tassha shichi 'imemi kanashi 'uya ganashi tuke ya hwijamitoti 'umutabikei
達者しておられますか 愛しいご両親様 離れて居て 思うばかり (思うばかり)
語句・しちいめみ しておられますか? <しち(<しゅん 接続形)+ いめ<いめー(<いめーん の活用語幹。いらっしゃる。)+み(疑問形の文末につく活用語尾)・かなし 愛しい。「かなし親がなし」は敬語を重複させ最大級の敬意を含めている。・ふぃじゃみとてぃ <ふぃじゃみゆん ふぃじゃみいん 隔てる。→ふぃじゃみとーてぃ 隔てていて。・うむたびけい 思うばかり。(直訳では「思っていたばかり」)


ニ 別てぃ旅出じる 親ぬ上ん知ゆるわがままぬ昔 許ちたぼり
わかてぃたびんじる うやぬうぃんしゆる わがままぬんかし ゆるちたぼり
wakati tabi 'Njiru 'uya nu wiN shiyuru wagamama nu Nkashi yuruchitabori
別れて旅にでてから親の心をしることができました わがままの昔をお許しください
語句・んじる 直訳では「出てこそ」。ここでは「出てはじめて」「出てから」くらいの意味。 <んじ (<んじゆん んじいん 出る。)+ る (<どぅ duとru はしばしば同じ様に使われる。)・うぃ 上。身の上。立場。ここでは「心」とした。


三 世間ぬ波風や 冷たさやあてぃん負きらじに居むぬ 心配やみそな
しけぬなみかじや ちみたさやあてぃん まきらじにうむぬ しわやみそな
shike nu namikaji ya chimitasa ya 'atiN makiraji ni 'umunu shiwa ya misona
世の中の波風は冷たくはあれども負けないでいますので心配はされないように
語句・むぬ 「①…ものを」「②…のに」「③…ので」【琉辞】。ここでは③「居るので」。 ・みそな されないように。<みせーん なさる。の禁止命令。なさるな。


四 肝心磨ち 戻てぃ来ゅる間やしばし別り路や 淋さみそな かなし親がなし
ちむぐくるみがち むどぅてぃちゅるいぇだや しばしわかりじや さびさみそな かなしうやがなし
chimugukuru migachi muduti churu yeda ya shibashi wakariji ya sabisamisona kanashi 'uyaganashi
真心を磨き戻ってくるまでの間はしばしの別れですから 淋しくなされないように 愛しいご両親様

読者の方から「すばらしいこの唄の意味を詳しく教えてほしい」と依頼がありました。
私などに「詳しく」お教えする力はありませんが、できる範囲内で標準語に訳してみました。

この「便り」、歌詞を読むと胸にくるものがあります。残念ながら音源はもっておりません。
したがって歌詞だけからの作業です。

個人事ながら私自身も故郷に年老いた母がおり、いつも思うばかりの毎日です。

故郷をはなれ、家族からはなれている人の思いは皆同じだろうと思います。


最後になりますが、3・11東日本大震災の被災をされたみさなん、
ご家族やご友人が行方不明の方もおられると思いますが、
あきらめないで春を信じて一緒に生きていきましょう。

私も非力ですが自分のできる範囲で支援させていただきます。


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Posted by たる一 at 10:31│Comments(0)た行
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