2005年11月12日
伊計離節
伊計離節
'いちはなり ぶし
'ichihanari bushi
一、勝連の(よー)島や通い欲しゃあしが(へいよー)あしが(よー)
かちりんぬ(よー)しまやかゆいぶしゃ 'あしが
kachiriN nu(yoo) shimaya kayuibusha'ashiga(heiyoo)ashiga(yoo)
○勝連の村に通いたいが
二 和仁屋間門の潮の蹴やいあぐで
わにゃまじょーぬ 'うしゅぬ きやい'あぐでぃ
wanyamajyoo nu 'ushu nu kiyai 'agudi
○和仁屋間門の潮を蹴り(渡り)かねて
'いちはなり ぶし
'ichihanari bushi
一、勝連の(よー)島や通い欲しゃあしが(へいよー)あしが(よー)
かちりんぬ(よー)しまやかゆいぶしゃ 'あしが
kachiriN nu(yoo) shimaya kayuibusha'ashiga(heiyoo)ashiga(yoo)
○勝連の村に通いたいが
二 和仁屋間門の潮の蹴やいあぐで
わにゃまじょーぬ 'うしゅぬ きやい'あぐでぃ
wanyamajyoo nu 'ushu nu kiyai 'agudi
○和仁屋間門の潮を蹴り(渡り)かねて
解説
(語句)
一
・ぶしゃあしが したいのだが
<ぶしゃん 欲しい + あ <あん ある 下略形 + し + が
二
・わにゃ 和仁屋 勝連の地名
・うしゅ 潮
・あぐでぃ しかねていて
(コメント)
谷茶前のチラシ(thirasiツィラシ 続けて歌う事)によく歌われる早弾きの「伊計離れ節」。
歌詞は「勝連節」と同じ。
勝連の島に遊びのために通いたのだが和仁屋間門の潮の流れが速くて漕ぎつけない
というもどかしさを唄ったもの。
三下げの軽快なリズム。雑踊り(zoouduiぞーうどぅい)男女が踊る。
イサソイソイソイ、という囃子(hweesiフェーシ)が面白い。
チラシなので、短いが、谷茶前の前にきたり、後ろにきたり舞踊によって変わる。
「hanariはなり 離れ」は離れ島という意味がある。
昔はサバニで、勝連から平安座島、宮城島、伊計島などへ渡り毛遊びをしたり、船遊びをしたのだろう。私が知っているだけでもいくつかの歌に情景が残っている。
勝連、宮城島に友人の実家があり、一度そのお祝いに呼ばれたことがある。
海中道路で、勝連の屋慶名と平安座を結んでいる。
昔は米軍が水陸両用車などで、島の浅瀬を渡っていたことから「海中」の名がついたらしい。
レンタカーで古いナビをみると、海の上を走っているように表示されるから面白い。
ところで、ローマ字表記を少し変更した。
首里語にあるチとツィの違いなどをはっきりさせるため。
たとえば、チラシはツィラシと首里では発音した。
平民はツィという発音がなかったので、チのままであったという。
現在では、平民と士族の発音の違いはあまりなくなっている。
民謡の解説というなかで、地方の方言を無視できない、というより重要な意味があると思うのに、首里の発音にのみこだわるのはおかしいと以前より思っていた。
しかし、手許にあるのは首里の発音を残した辞書のみ。
さらに、人によってはその発音を残したり、歌によってはごちゃまぜになっていたりするところから我々には混乱のもととなっている。
そこで、なるだけ、首里の発音での表記を正確にし、違いがあることは示しておこうと思った。
これについては、また時間のあるときに書く。
(語句)
一
・ぶしゃあしが したいのだが
<ぶしゃん 欲しい + あ <あん ある 下略形 + し + が
二
・わにゃ 和仁屋 勝連の地名
・うしゅ 潮
・あぐでぃ しかねていて
(コメント)
谷茶前のチラシ(thirasiツィラシ 続けて歌う事)によく歌われる早弾きの「伊計離れ節」。
歌詞は「勝連節」と同じ。
勝連の島に遊びのために通いたのだが和仁屋間門の潮の流れが速くて漕ぎつけない
というもどかしさを唄ったもの。
三下げの軽快なリズム。雑踊り(zoouduiぞーうどぅい)男女が踊る。
イサソイソイソイ、という囃子(hweesiフェーシ)が面白い。
チラシなので、短いが、谷茶前の前にきたり、後ろにきたり舞踊によって変わる。
「hanariはなり 離れ」は離れ島という意味がある。
昔はサバニで、勝連から平安座島、宮城島、伊計島などへ渡り毛遊びをしたり、船遊びをしたのだろう。私が知っているだけでもいくつかの歌に情景が残っている。
勝連、宮城島に友人の実家があり、一度そのお祝いに呼ばれたことがある。
海中道路で、勝連の屋慶名と平安座を結んでいる。
昔は米軍が水陸両用車などで、島の浅瀬を渡っていたことから「海中」の名がついたらしい。
レンタカーで古いナビをみると、海の上を走っているように表示されるから面白い。
ところで、ローマ字表記を少し変更した。
首里語にあるチとツィの違いなどをはっきりさせるため。
たとえば、チラシはツィラシと首里では発音した。
平民はツィという発音がなかったので、チのままであったという。
現在では、平民と士族の発音の違いはあまりなくなっている。
民謡の解説というなかで、地方の方言を無視できない、というより重要な意味があると思うのに、首里の発音にのみこだわるのはおかしいと以前より思っていた。
しかし、手許にあるのは首里の発音を残した辞書のみ。
さらに、人によってはその発音を残したり、歌によってはごちゃまぜになっていたりするところから我々には混乱のもととなっている。
そこで、なるだけ、首里の発音での表記を正確にし、違いがあることは示しておこうと思った。
これについては、また時間のあるときに書く。
Posted by たる一 at 07:40│Comments(2)
│あ行
この記事へのコメント
関様。始めまして、うこんちゃんと申します。よろしくお願いします。
さて、この歌、題名を伊計離れ節となっていますが、これは勝連節ではないでしょうか?。
さて、この歌、題名を伊計離れ節となっていますが、これは勝連節ではないでしょうか?。
Posted by うこんちゃん at 2006年10月05日 09:55
うこんちゃんさん
コメントありがとうございます。
おっしゃるようにこの唄の基本となる歌詞は「勝連節」と同じです。
しかし、ヘーシが違っています。
勝連節は
「サーサー勝連の島や ハーリガ また 勝連ぬ島や
イヤヨ 通いぶさ あしがよ無蔵よ」です。
しかし別の項で「伊計離節」をとりあげていて同じ題名でかいたことは混乱を生む原因でした。
舞踊曲の「伊計離節」との区別が必要でしたね。
コメントありがとうございます。
おっしゃるようにこの唄の基本となる歌詞は「勝連節」と同じです。
しかし、ヘーシが違っています。
勝連節は
「サーサー勝連の島や ハーリガ また 勝連ぬ島や
イヤヨ 通いぶさ あしがよ無蔵よ」です。
しかし別の項で「伊計離節」をとりあげていて同じ題名でかいたことは混乱を生む原因でした。
舞踊曲の「伊計離節」との区別が必要でしたね。
Posted by せきひろし(たるー) at 2006年10月06日 00:28
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