2012年07月29日

銭節

銭節
じんぶし
jiN bushi
銭の歌

作詞 比嘉マカト 作曲 普久原恒勇


一、銭雨ぬ文化 我が島にいもちヨ みるく世ぬ印 かにん嬉さヨ
じんあみぬぶんか わがしまにいもちヨ みるくゆぬしるし かにんうりさヨ
jiN 'ami nu buNka waga shima ni 'imochi yoo miruku yuu nu shirushi kaniN 'urisa yoo
お金の雨がふるような文化わが島にいらっしゃって 五穀豊穣の世の予感 こんなにも嬉しいことよ!
語句・いもち いらっしゃって。<いもーち<もーち<もーゆん 「行き・来・居りの意の尊敬語」【琉辞】。・みるくゆー 弥勒菩薩がもたらす平和の世。沖縄の「弥勒信仰」がもたらす理想世界。五穀豊穣。平和。・かにん かに かように+ん も。



二、豊か過ぎたる我が沖縄 何ぬ不足ねらんヨ 人ぬ肝心 ちんと一ち不足ヨ
ゆたかすぎたるわがうちなー ぬーぬふすくねらんヨ ひとぅぬちむぐくる ちんとぅてぃーちふすくヨ
yutaka sugitaru waga 'uchinaa nuu nu husuku neraN yoo hitu nu chimugukuru chiN tu tiichi husuku yoo
豊かさを謳歌するわが沖縄 何の不足もない (でも)人の真心 ちょうどひとつ不足してるが
語句・ちんとぅぴったり。ちょうど。



三、我した島沖縄 情うちなびくヨ 志情ぬあまてぃ 銭になびちなびちヨ
わしたしまうちなー なさきうちなびくよー しなさきぬあまてぃ じんになびちなびちよー
washita shima 'uchinaa nasaki 'uchinabiku yoo shinasaki nu 'amati jiN ni nabichi nabichi yoo
私たちの沖縄 情けがなびく 志情けが余ってお金になびいてなびいてる



四、銭のー友までぃ切りゆしが 銭しどぅ情んちきらりる 世ぬ変わてぃん人ぬ変わてぃん 銭のー変わらん銭がなし
じのーどぅしまでぃちりゆしが じんしどぅなさきんちきらりる ゆーぬかわてぃんひとぅぬかわてぃん じのーかわらんじんがなし
jinoo dushi madi chiriyushi ga jiN shi du nasakiN chikirariru yuu nu kawatiN hitu nu kawatiN jinoo kawaraN jiNganashi
お金で友人を失うこともあるがお金だけが情けをつけることもある 世が変わり人が変わってもお金は変わらない お金様
語句・のー ぬ が。+や は。・ちきらりる つけることができる。<ちきゆん つける。・じのー 最後の文字が「ん」で終わる単語に「や」が付くと、「ん」の前の語句+「のー」となる。(例)さんしのー;「三線は」。さんしん+や→さんしのー。・じんがなし お金様。じん お金。+がなし<かなし 愛しい。「首里の王様」を「しゅいてぃんがなし」という時の「がなし」である。



五、働ち儲きし人ぬ道 銭し銭儲き欲ぬ道 儲きてぃ笑ゆる人ぬ居らば 出ぢゃち泣く人居るたみし
はたらちもーきしひとぅぬみち じんじもーき ゆくぬみち もーきてぃわらゆるひとぅぬうらば んぢゃちなくひとぅうるたみし
hatarachi mookichi hitu nu michi jiN shi mooki yuku nu michi mookiti warayuru hitu nu uraba 'Nzyachi naku hitu urutamishi
働いて儲けるのが人の道 お金でお金を儲けるの(ギャンブル)は欲の道 儲けて笑える人がいれば 出て行って泣く人もいるのが道理
語句・たみし 前例。道理。



六、銭ぬんふどぅふどぅに 志情んふどぅふどぅに人やただ誠 銭たぶらやか胴たぶり
じんぬんふどぅふどぅに しなさきんふどぅふどぅに ひとぅやただまくとぅ じんたぶらやかどぅーたぶり
jiN nuN hudu hudu ni shinasakiN hudu hudu ni hitu ya tada makutu jiN tabura yaka du tabiri
お金もほどほどに 志情けもほどほどに 人はただ誠実さが大事 お金ためるより体を休めなさい
語句・たぶら ためる。<たぶゆん ためる。 。やかより。・どぅーたぶり <どぅーたぶゆん 体をいたわること。命令形。



七、戦世んしまち 平和世ん終わてぃヨ やがてぃ変わる後ぬ世ん 銭ぬ浮世どぅやいびがや またんあわりどぅさびいがや 銭のー良いむんぬやなむんや
いくさゆーんしまち へいわゆーうわてぃよ やがてぃかわるあとぅぬゆーん じんぬうちゆどぅやいびーがやー またんあわりどぅさびーがやー じのーゐいむんぬやなむんやー
'ikusa yuuN shimachi heiwa yuu 'uwati yoo yagati kawaru 'atu nu yuuN jiN nu 'uchiyu du yaibiiga yaa mataN 'awari du sabiiga yaa jinoo yii muN nu yanamuN ya
戦の世に生きて平和世も終わってやがて変わる将来の世もお金の浮世なのでしょうかねえ またも悲しいことがあるのでしょうかねえ お金は良いものであり嫌なものである
語句・しまち 住んで。<しまゆん 住まう。住む。



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Posted by たる一 at 17:31│Comments(5)さ行沖縄本島
この記事へのコメント
大変参考になりました。歌詞、メロディーともに好きで、自分でもカラオケで歌いたいと思っていたのですが、これで念願がかないます。イッペー ニフェーデービル
Posted by やっちー at 2012年07月29日 20:46
やっちーさん
コメントをありがとうございます。
ぜひ歌って下さいね。
Posted by たるー at 2012年10月09日 07:12
銭節ついにCD化されました
豊年音頭や芭蕉布も含む15曲入りです
沖縄の主要CDショップにて発売中ですので是非
Posted by 通りすがりのでいごファン at 2013年06月01日 23:53
日頃からたるーさんの記事でいろいろと勉強させていただいております。
いつもありがとうございます。

「銭節」について一つご指摘させていただきたいのですが、この歌を作詞したのは「比嘉カマド」ではなく、「比嘉マカト」という名前の方です。
この比嘉マカト、かの有名な普久原恒勇氏が作詞活動をする際に用いるペンネームの一つだそうです。

私も先日、コザの「民謡クラブなんた浜」にて饒辺愛子さんからこのことを直々に教えていただいた際は驚きました。
Posted by 胡屋政光 at 2019年06月27日 09:48
胡屋政光さん
コメントありがとうございます。
そして大切なご指摘もありがとうございます。

早速調べ直して、訂正したいとおもいます。

ありがとうございます。
Posted by たる一たる一 at 2019年06月27日 16:21
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