2008年07月22日

しんかぬ達

しんかぬ達
しんか ぬ ちゃー
shiNka nu chaa
仲間のみなさん
語句・しんか 「臣下。手下。農村では転じて家族の意にも用いる。」(沖)。「【臣下】部下;〔転じて〕家族、仲間。」(琉)。 現在では「仲間」の意に用いられている。「エイサーシンカ」「三線シンカ」等々。 ・ちゃー「たち。ら。複数の人を表す。」(沖)。 「しんか」だけでも集合名詞になる(琉)から「しんかぬちゃー」はより丁寧な言い方。それで「仲間のみなさん」と訳す。


作詞 朝 比呂志
作曲 普久原恒勇


([]は標準語=ヤマト口。発音は略す。以下のカタカナの囃子言葉も同様に略す。)
一、人の情けは南の島よ 我したふるさと 我した島(しんかぬ達 踊やびら ユイヤサーサー ユイヤーサー トゥルルンテン トゥルルンテン トゥルルンテントゥン トゥルルンテン しんかぬ達 踊やびら) 
[人の情けは南の島よ]わした[ふるさと]わしたしま しんかぬちゃー うどぅやびら
[人の情けは南の島よ]washita[ふるさと]washita shima shiNka nu chaa uduyabira
人の情けは南の島よ 我々の故郷 仲間の皆さん 踊りましょう
語句・わした 我ら。我らの。口語はwattaa わったー。(琉)。・しま ふるさと。村。 ・うどぅやびら 踊りましょう。 <うどぅゆん 踊る。 + あびら(あびーん ・・です。の未然形。) ・・しましょう。 敬語「あびーん」については、動詞との接合は、動詞の「連用形に接合するが、接合部でも融合が起きるので、正確にいうと連用語幹に接合する。」(琉)つまり、「うどぅゆん uduyuN」→連用形「うどぅゆい uduyui」、連用語幹「uduy」に「abiiN」が接合して「uduyabiiN」→uduyabira となる。



二、色の黒さは南の島よ 働き者の腕自慢
(すべて大和口なので発音、意味も省略す)

三、花もとりどり南の島よ 花はみやらび はたちごろ
[花もとりどり南の島よ 花は]みやらび[はたちごろ]
[花もとりどり南の島よ 花は]miyarabi[はたちごろ]
花もとりどり南の島よ 花は娘 はたちごろ
語句・みやらび 乙女、女の子。(琉) 「美童」は当て字で「女[メ]童[ワラベ]からきている(琉)。


四、唄も踊りも 南の島よ 我したふるさと あしび国
[唄も踊りも 南の島よ]わした[ふるさと]'あしび[国]
[唄も踊りも 南の島よ] washita [ふるさと]'ashibi[国]
唄も踊りも 南の島よ われわれのふるさと 遊び国
語句・あしび この国(琉球)の人々にとって「あしび」とは、単なる「仕事をしていない状態」「余暇」ではなく、積極的に「(仕事を休んで行う)祭事などの歌舞[演芸];歌や三線や踊りを楽しむこと。」(琉)。したがって「あしび国」とは、そのように芸能や文化の発達した国という意味でとらえるべき。



1978年の作。
ほとんど共通語でできている。
音源は「でいご娘」の唄。「沖縄民謡大全集」から。

作詞の朝比呂志と普久原恒勇は兄弟。
朝比呂志は本名を普久原朝弘という。あの普久原朝喜の息子たちである。

朝氏は「ちんぬくじゅーしー」や「ゆうなの花」「へい!二才達」などの作曲で知られ
兄の恒勇とともにヒットメーカー。


同じカテゴリー(さ行)の記事
さらうてぃ口説
さらうてぃ口説(2018-04-19 17:44)

安里屋ゆんた
安里屋ゆんた(2018-04-12 07:07)

門たんかー
門たんかー(2018-02-02 23:56)

じんだま
じんだま(2016-09-22 14:42)

下千鳥  6
下千鳥 6(2015-09-12 14:36)

スーキカンナー 2
スーキカンナー 2(2014-12-05 14:09)


Posted by たる一 at 22:55│Comments(0)さ行
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。