2014年09月17日

中立ぬミガガマ

中立のみが小
なかだてぃぬみががま
nakadati nu migagama
中立部落のミガ小(女性の名)の歌
語句・なかだてぃ 宮古島の「城辺町砂川の南側にあった部落」(「島うた紀行」第二集 宮古・八重山諸島編 仲宗根幸市 より)・みががま ミガちゃん。あるいはミガ小。「がま」は沖縄本島の「小」(ぐゎー)に対応。(参照)「漲水のクイチャー」


一、中立ぬみががまよ(ササ)原立ぬどぅぬすみゃよ (デンヨー デンヨー シトゥルクデン ササ シターリヨーヌ ユイヤナ)
なかだてぃぬ みががまよ(ささ)ぱるだてぃぬ どぅぬすみゃよ (でんよー でんよーしとぅるくでん ささ したーりよーぬ ゆいやな)
nakadati nu migagama yoo (sasa)parudati nu du nu sumya yoo (deNyoo deNyoo shiturukudeN sasa shitaari yoo nu yui yana)
囃子言葉は以下省略
中立のミガガマよ 原立の私の恋人よ
語句・どぅぬすみゃ 私の恋人。<どぅ<どぅー。私。+ぬ。の。+ すみゃ<染みゃー。心を染めたもの。恋人。


二、中立道ぬやなかちか あっつぁやふみまい通まちよ
なかだてぃんつぬやなかちか あっつぁやふみまいかゆまちよ
nakadati mtsu nu yana kachika attsa ya humimai kayumachi yoo
中立の道が悪ければ 下駄を履いて通いなさい
語句・んつ 道。・あっつぁ 下駄。


三、原立道ぬやなかちか 木ぬ葉や折りまい通まちよ
ぱるだてぃんつぬやなかちか きぬぱやぶりまいかゆまちよ
parudati mtsu nu yanakachika ki nu pa ya burimai kayumachi yoo
原立の道が悪ければ木の葉を折って置いて通いなさい  


四、よなうす川んな布洗い 中立川んな糸洗い
よなうすがーんなぬぬあらい なかだてぃがーんなかせあらい
yonausu gaa Nna nunu arai nakadati gaa Nna kase arai
「世直す」井戸では布洗い 中立井戸では絹糸を洗い
語句・がー 井戸。「川」と当て字があるが「かー」は井戸であり、「川」は「かーら」。連濁により「がー」に。


宮古島の城辺町砂川の南側にあった部落、中立(なかだてぃ)に住んでいたミガ小さんと原立の役人(兼浜親)との恋を冷やかして歌われたものといわれている。


【歌詞について】

「島うた紀行」には、四番以下の歌詞も掲載されている。

四、世直りゃ井戸にん芋洗い 中立井戸んなかせ洗い

五、亀浜うやが手さずをば みががまいたむすみ

六、みががまがいたんむをば 亀浜うやが手さずどす

七、前立芋やうま芋よ 米芋やいばどうまかずよ


という歌詞が紹介されていて、「亀浜親」となっている。


【囃子について】

「島うた紀行」では

デンヨー デンヨー シトゥルクテン シターリヨーヌユイヤナ

とあり、上掲の囃子とは少し違っている。


また宮古民謡について書かれた本によっては

デンヨーデンヨーシタリタテン(サッサ) シターリヨーヌユーイヤナ

と書かれたものもある。


【曲について】

本島の民謡「てんよー節」や、古典の「てんやう節」、それを元にして芝居などで歌われる「徳利小」の本歌だと思われる。


ちなみに古典の「てんやう節」は

庭の糸柳風にさそはれて 露の玉みがく十五夜御月 

てんよ てんよ しとぅるとぅてん ささ はりよぬ ゆゐやな


となっており、メロディーだけでなく囃子もそっくりである。




宮古島 城辺



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Posted by たる一 at 14:50│Comments(0)な行宮古島民謡
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