2013年05月26日

宮古根

宮古根
なーくにー
Naakunii
語句・なーくにー この曲名の由来など解説は「宮古根」を参照。


歌三線 我如古より子


草刈いになじき 後原にいもりヨ はか口ぬカンダ アヒ小たまし
(囃子)思いるアヒ小とぅ約束小 他所目隠りてぃ 語れー小

くさかいになじき くしばるにいもりよ はかぐちぬ かんだ あふぃぐゎたまし
うむゆるあふぃぐゎとぅやくすくぐゎ ゆすにかくりてぃ かたれぐゎー
Kusakai ni najiki kushibaru ni imri yoo hakaguchi nu kaNda 'ahwigwa tamashi
'umuyuru 'ahwigwa tu yusumi kakuriti kataree gwa
草刈りのふりをして後ろの畑にいらっしゃい 刈り取った最初の芋のツルは貴方のものよ
(囃子)愛してる貴方とした約束は、他人の目に隠れての逢瀬
語句・なじき ふりをする。口実。・くしばる後ろの原っぱ。後ろの畑。・はかぐち「仕事の始まり。端緒。農村などでは鍬をいれ始める所をいう」【沖縄語辞典】(内間直仁・野原三義)。・かんだ 甘藷(サツマイモ)のツル。沖縄では現在でも野菜として利用する。・あふぃぐゎ お兄さんくらいの意味だが、ここでは愛しい彼氏。 あふぃー;「〔平民語〕兄、兄さん」・たまし ①「精神、しっかりした心」。②「(各自の)持ち〔取り〕分」ここでは② 。



十字路にアヒ小待ちかにらやしがヨ 親ぬ目ぬしじさ 自由んならん
(囃子)仕事ん手ねーちちゃびらん 落てぃんちからん くぬ想い

かじまやに あふぃぐゎ まちかにらやしがヨ うやぬみぬ しじさ じゆんならん
しぐとぅんてぃねちちゃびらん うてぃんちからん くぬうむい
Kajimayaa ni 'ahwigwa machikanira yashiga yoo 'uya nu mii nu shijisa jiyuN naraN
ShigutuaN tii nee chichabiraN 'uthiN chikaraN kunu 'umui
十字路で貴方は待ちかねているだろうけれど、親がしょっちゅう見るので自由に行くことができないわ
(囃子)仕事も手につかないの 落ち着きません このあなたへの想いで

語句・かじまやー 「風車」、十字路。・しじさ 多さ。<しじさん。多い。「しじさ」は形容詞の感嘆の意味があるので、とても多いことよ!くらいの意味。・ちちゃびらん つきません。<ちちゅん。着く。+やびらん。でない。の丁寧語。



片時ん急じ 行逢いぶさあしがヨ カンダ葉ぬ汁や 口んやちゅさ
(囃子)今日ねー思やとぅけー行逢てぃ タンカーマンカー さら夜ながた

かたとぅちんいすじ いちゃいぶさあしがヨ かんだばぬしるやくちんやちゅさ
ちゅーねーうむやーとぅけーいちゃてぃ たんかーまんかーさらゆながた
katatuchiN 'isuji 'ichaibusa 'ashiga yoo kaNdaba nu shiru ya kuchiN yachusa
chuu nee 'umuyaa tu kee 'ichathi taNkaamaNkaa sarayunagata
いつも焦ってあなたに逢いたいけれども このサツマイモのツルのお汁熱くて火傷しそう
(囃子)今日はあなたと思い切って逢って差し向かいで真夜中までも

語句・ぶさあしが したいけれども。<ぶしゃん。したい。+あしが。だけども。・けー ちょっと。思い切って。・たんかーまんかー 「さし向かいになる様、隣同士」【琉球語辞典】(半田一郎)。・さら 真。さら+ゆながた(夜中)で、真夜中。




我如古より子さんのアルバム「恋の花」に収録されている宮古根から。

恋をする娘が、彼に逢いたくていても立ってもいられない様子と、親との関係を歌っている。

ただ宮古根なのだが、背景に流れる音はエレキギター、シンセ。ドラム。
ジャズフュージョン調。

けれども、このアルバムの曲のアレンジは大変勉強になった。

沖縄民謡の音階と三線の音色、そして歌を活かしたアレンジは見事。

我如古より子さんの歌声も素晴らしい。

お勧めのアルバムの一つ。




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Posted by たる一 at 07:08│Comments(0)な行沖縄本島
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