2012年01月08日
下千鳥4
下千鳥
さぎちじゅや
sagi chijuyaa
(省略)
唄三線 嘉手苅林昌
侭ならんからど別りやい居しが何故でぃ夢しじく見してぃ(見してぃ)呉ゆが 連りなさや二人が成ちゃる仕様
ままならんからどぅ わかりやいうしが ぬよでぃいみしじくみしてぃ(みしてぃ)くぃゆが ちりなさや たいがなちゃるしじゃま
mama naraN kara du wakari yai ushiga nuyudi 'imi shijiku mishiti (mishiti) kwiyuga chirinasa ya tai ga nacharu shijama
〇侭ならない理由だけで別れたのに何故夢を頻繁に見せてくれるのか つれないことよ二人がなってしまった今の姿
語句・しじく 頻繁に。<しじさん sizisaN 頻繁な。・ちりなさ つれない。なさけない。よく「連れなさ」という当て字が使われている。
真夜中どぅやしが夢に起くさりてぃ今時分までぃん我沙汰(我沙汰)しらに 変わてぃ人ぬ夜半ん明かしかにてぃ
まゆなかどぅやしがいみにうくさりてぃなまじぶんまでぃんわさた(わさた)しらに かわてぃちゅぬ やふぁんあかしかにてぃ
mayunaka du yashiga 'imi ni ukusariti nama jibuN madiN wasata (wasata)shirani kawati cu nu yahwaN 'akashi kaniti
〇真夜中なんだが夢に起こされて 今時分まで私の噂しているの?心変わりしたあの人が夜を明かすことが辛くなって
下ぬ居てぃ上ん 成り立ちゅるたみし 下ぬねん上ぬ ぬ役立ちゅが
したぬうてぃんうぃん なりたちゅるたみし したぬねんうぃぬ ぬやくたちゅが
shita nu utiN wiN naritachuru tamishi shita nu neN wi nu nu yaku tachu ga
◯下が居て上も成り立つのだ。下がいなくて上がなんの役に立つか
語句・たみし 「試すこと;前例」【琉球語辞典】。<たみしゅん 試す、試みる。 前例→ 強い肯定の意味で「・・のだ」くらいに訳せる。
あたらわが沖縄 品物ぬたとぅい 取たい取らったい 上にまかち
あたらわがうちな しなむぬぬたとぅい とぅたいとぅらったい うぃーにまかち
'atara waga 'uchina shina munu nu tatui tutai turattai wii ni makachi
◯大切なわが沖縄 品物のようだ 取ったり取られたり 上に任せて
語句・あたら 「(文語)あたら、折角」【琉球語辞典】。大切で手が離せない、の意味。古語の「あたら」(惜しい)と共通。九州にも「あたら」「あったれー」(もったいない)という方言が使われている。
思みば身ぬ毛だち 戦世ぬ哀り またんくい戻ち あらばちゃすが
うみばみぬきだち いくさゆぬあわり またんくいむどぅち あらばちゃすが
'umiba mi nu ki dachi 'ikusa yu nu 'awari mataN kuimuduchi 'araba chasu ga
◯思い出せば身の毛がよだって 戦争の世またも繰り返したらどうするか
語句・くいむどぅち 繰り返し戻して。くい<くいけーしゅん 繰り返す。
ダーグに丸みらり 大舟ぬ心地 戦世ぬあわり 肝にかかてィ
だぐにまるみらり うふぶにぬくくち いくさゆぬあわり ちむにかかてぃ
dagu ni marumirari 'uhubuni nu kukuchi 'ikusa yu nu 'awari chimu ni kakati
◯団子に丸められ 安心して大船にのったつもり 戦世の悲しさ心に浮ぶ
語句・だぐ <だーぐ。団子。
さぎちじゅや
sagi chijuyaa
(省略)
唄三線 嘉手苅林昌
侭ならんからど別りやい居しが何故でぃ夢しじく見してぃ(見してぃ)呉ゆが 連りなさや二人が成ちゃる仕様
ままならんからどぅ わかりやいうしが ぬよでぃいみしじくみしてぃ(みしてぃ)くぃゆが ちりなさや たいがなちゃるしじゃま
mama naraN kara du wakari yai ushiga nuyudi 'imi shijiku mishiti (mishiti) kwiyuga chirinasa ya tai ga nacharu shijama
〇侭ならない理由だけで別れたのに何故夢を頻繁に見せてくれるのか つれないことよ二人がなってしまった今の姿
語句・しじく 頻繁に。<しじさん sizisaN 頻繁な。・ちりなさ つれない。なさけない。よく「連れなさ」という当て字が使われている。
真夜中どぅやしが夢に起くさりてぃ今時分までぃん我沙汰(我沙汰)しらに 変わてぃ人ぬ夜半ん明かしかにてぃ
まゆなかどぅやしがいみにうくさりてぃなまじぶんまでぃんわさた(わさた)しらに かわてぃちゅぬ やふぁんあかしかにてぃ
mayunaka du yashiga 'imi ni ukusariti nama jibuN madiN wasata (wasata)shirani kawati cu nu yahwaN 'akashi kaniti
〇真夜中なんだが夢に起こされて 今時分まで私の噂しているの?心変わりしたあの人が夜を明かすことが辛くなって
下ぬ居てぃ上ん 成り立ちゅるたみし 下ぬねん上ぬ ぬ役立ちゅが
したぬうてぃんうぃん なりたちゅるたみし したぬねんうぃぬ ぬやくたちゅが
shita nu utiN wiN naritachuru tamishi shita nu neN wi nu nu yaku tachu ga
◯下が居て上も成り立つのだ。下がいなくて上がなんの役に立つか
語句・たみし 「試すこと;前例」【琉球語辞典】。<たみしゅん 試す、試みる。 前例→ 強い肯定の意味で「・・のだ」くらいに訳せる。
あたらわが沖縄 品物ぬたとぅい 取たい取らったい 上にまかち
あたらわがうちな しなむぬぬたとぅい とぅたいとぅらったい うぃーにまかち
'atara waga 'uchina shina munu nu tatui tutai turattai wii ni makachi
◯大切なわが沖縄 品物のようだ 取ったり取られたり 上に任せて
語句・あたら 「(文語)あたら、折角」【琉球語辞典】。大切で手が離せない、の意味。古語の「あたら」(惜しい)と共通。九州にも「あたら」「あったれー」(もったいない)という方言が使われている。
思みば身ぬ毛だち 戦世ぬ哀り またんくい戻ち あらばちゃすが
うみばみぬきだち いくさゆぬあわり またんくいむどぅち あらばちゃすが
'umiba mi nu ki dachi 'ikusa yu nu 'awari mataN kuimuduchi 'araba chasu ga
◯思い出せば身の毛がよだって 戦争の世またも繰り返したらどうするか
語句・くいむどぅち 繰り返し戻して。くい<くいけーしゅん 繰り返す。
ダーグに丸みらり 大舟ぬ心地 戦世ぬあわり 肝にかかてィ
だぐにまるみらり うふぶにぬくくち いくさゆぬあわり ちむにかかてぃ
dagu ni marumirari 'uhubuni nu kukuchi 'ikusa yu nu 'awari chimu ni kakati
◯団子に丸められ 安心して大船にのったつもり 戦世の悲しさ心に浮ぶ
語句・だぐ <だーぐ。団子。
私のこのブログで「下千鳥」を取り上げるのは四回目。
三回目で嘉手苅林昌先生の歌詞を取り上げた。
上の二編も嘉手苅林昌先生がよく歌われる下千鳥の歌詞。
世の義理の無情を歌ったものが多い「下千鳥」だが、浜千鳥を崩した手をいわれる曲調に、
この「無情さ」が何故かよく合っていると思う。
3つ目以降の歌詞は上原直彦さんが、林昌先生が酒を飲みながら爪弾き歌った歌詞を記録していたもの。
「ふるさとバンザイー島うたの周辺」(上原直彦著 )
この本のなかで紹介されている。
一転して、沖縄がアメリカや日本政府によって翻弄されている「無情さ」への怒りが感じられる。
下千鳥は「恋の歌」というだけではなかった。
もっとも宮古根の歌詞、遊び唄の歌詞はどれもどの曲にも乗せることは可能なので、歌い手の気持ちひとつで決まることなのだが、それを「下千鳥」にのせるところがいかにも林昌先生らしい。
三回目で嘉手苅林昌先生の歌詞を取り上げた。
上の二編も嘉手苅林昌先生がよく歌われる下千鳥の歌詞。
世の義理の無情を歌ったものが多い「下千鳥」だが、浜千鳥を崩した手をいわれる曲調に、
この「無情さ」が何故かよく合っていると思う。
3つ目以降の歌詞は上原直彦さんが、林昌先生が酒を飲みながら爪弾き歌った歌詞を記録していたもの。
「ふるさとバンザイー島うたの周辺」(上原直彦著 )
この本のなかで紹介されている。
一転して、沖縄がアメリカや日本政府によって翻弄されている「無情さ」への怒りが感じられる。
下千鳥は「恋の歌」というだけではなかった。
もっとも宮古根の歌詞、遊び唄の歌詞はどれもどの曲にも乗せることは可能なので、歌い手の気持ちひとつで決まることなのだが、それを「下千鳥」にのせるところがいかにも林昌先生らしい。
Posted by たる一 at 22:36│Comments(0)
│さ行
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