芭蕉布
芭蕉布
ばしょーふ
bashoo hu
〇
芭蕉で作った布
語句・
ばしょーふ (糸)芭蕉の茎の繊維を糸に加工し、織り上げたもの。琉球王朝の元では租税として上納させられた。
作詞 吉川安一 作曲 普久原恒勇
一、
海の青さに空の青南の風に緑葉の芭蕉は情けに手を招く 常夏の国 我した島沖縄
【繰り返し、また大和口(やまとぅぐち;標準語)については発音を略した】
[海の青さに空の青南の風に緑葉の芭蕉は情けに手を招く 常夏の国] わしたしま'うちなー
washita shima 'uchinaa
〇
海の青さに空の青南の風に緑葉の芭蕉は情けに手を招く 常夏の国 私たちの故郷 沖縄
語句・
わした われら。 われわれ。 われらの。「わったー」に比べやや力んだ言い方。
沖縄語辞典には「われわれの」はないが、「わったー」の項にはちゃんとあるのでこちらにも追加した。
・
しま ①村里。部落②故郷。出身の部落③領地。知行所④島。海にかこまれた島。
ここでは①でも②でもよいだろう。
二、
首里の古城の石畳昔を偲ぶかたほとり 実れる芭蕉熟れていた 緑葉の下我した島沖縄
[首里の古城の石畳昔を偲ぶかたほとり 実れる芭蕉熟れていた 緑葉の下]わしたしま'うちなー
(発音省略)
〇
首里の古城の石畳昔を偲ぶかたほとり 実れる芭蕉熟れていた 緑葉の下 私たちの故郷 沖縄
語句・
かたほとり ウチナーグチではないが、「周辺」「片田舎」という意味がある。
三、
今は昔の首里天加那志 唐ヲつむぎ機を織り上納捧げた芭蕉布浅地紺地の我した島沖縄
[今は昔の]しゅいてぃんじゃなし とーうー[つむぎ機を織り上納捧げた芭蕉布]あさじくんじ[の]わしたしま うちなー
shuitiNjanashi toouu 'asaji kuNji
〇
今は昔の首里王様 芭蕉の糸を紡ぎ機(はた)を織り上納捧げた芭蕉布 浅地紺地の 私たちの故郷沖縄
語句・
しゅいてぃんじゃなし 首里の王を指した言い方。首里王様。<しゅい 首里。+ てぃん 天。 + がなし <かなし 愛しい上級者への敬称。連濁で「か」→「が」。「しゅいてぃんがなし」の「が ga」が「じゃ ja」に変化。cf. 「かぎやで風」→「かじゃでぃふう」。・
とーうー 「うー」とは本来「苧麻」(ちょま)の繊維を糸にいたものをそう呼んでいたので、糸芭蕉で作った糸は「とーうー」(中国から渡来した「うー」の意味)と呼ばれ区別していた。発音には注意したい。ある歌手は「とぅーうー」と発音されている。・
つむぎ 厳密には、芭蕉布の製作工程において「うー」を結んで長い糸にしていく過程を「苧積み」(うーうみ)と呼ぶので、「紡ぐ」(繭から糸を錘〔つむ〕にかけて、さらによりをかける工程)とは区別されるようだ。
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