2012年01月21日

四季の喜び

四季の喜び
しきのよろこび
(発音省略・・戦後に作られた唄には大和口で詠む題名も少なくない)

作詞作曲 小浜守栄


一、春や野山ん緑葉ぬ 色さしすいてぃ花ぬ数 遊び戯る綾蝶々 さてぃむ面白や(さてぃむ面白やスリヨ)
はるやぬやまん みどぅりばぬ いるさしすいてぃはなぬかじ あしびたわむるあやはびる さてぃむうむしるや (さてぃむうむしるやすりよ)
haru ya nuyamaN miduriba nu 'iru sashisuiti hana nu kaji 'ashibi tawamuru 'ayahabiru satimu 'umushiru ya (satimu 'umushiruya suri yoo)
〔括弧は繰り返しと囃子言葉なので以下省略〕
春は野山も緑葉が色さし添えて花が多く咲いて遊び戯れる美しい蝶々が実に面白いね
語句・さしすいてぃ 辞書では見つからない語句。おそらく「さし」+「添える」(すいゆん)。 標準語の「差し添える」。「緑葉が色を差し添えて」くらいの意味だろう。・あやはびる <あや 美しい。+はびる 蝶。現代では「はべる」だが古語では「はびる」「はびら」ともいう。 


ニ、夏や小川ぬ流り辺に 涼さ求みる童ん達が 飛びゆ跳ゆる笑い声ぬ さてぃむ楽しみや
なちやうがわぬながりびに しださむとぅみるわらんちゃが とぅびゆはにゆるわらいぐぃぬ さてぃむたぬしみや
nachi ya 'ugawa nu nagaribi ni shidasa mutumiru waraNcha ga tubi yu haniyuru warai gwi nu satimu tanushimi ya
夏は小川の流れる川べりに涼しさを求める子供たちが飛んだり跳ねたりする笑い声が実に楽しいね
語句・とぅびゆ 「飛ぶ」は沖縄口で「とぅぶん」。「とぅびゆ」という語句の活用は見当たらないが「飛んだり跳ねたり」くらいの意味だろう。


三、秋や野山ぬ紅葉に 咲ちゆ福ゆる菊ぬ花 色ぬ美らさや匂い秀らさ さてぃむ見事さみ
あちやぬやまぬむみじばにさちゆふくゆるちくぬはな いるぬちゅらさやにうぃしゅらさ さてぃむみぐとぅさみ
'achi ya nuyama nu mumijiba ni sachi yu hukuyuru chiku nu hana 'iru nu churasa ya niwi shurasa satimu migutusami
秋は野山の紅葉に 咲き誇る菊の花 色は美しく匂いの香り高いことよ 実に見事であるぞ
語句・むみじば 紅葉した葉。「むみじ」といっても沖縄では紅葉する植物は平均気温の関係で「櫨」以外にはほとんどない。・ふくゆる <ふくゆん 「喜ぶ」「誇る」。・しゅらさ <しゅーらーさん。しゅーらーしゃん。 「かわいい」【琉球語辞典】。ここでは匂いが「香高い」とした。・さみ ・・であるぞ。


四、冬や北風吹く海に 着ゆる着肌ん軽々とぅ 寒さに負きらん若人ぬ さてぃむ頼もしや
ふゆやにしかじふくうみに ちゆるちは(ふぁ)だんかるがるとぅ ひぃ(ふぃ)さにまきらんわかうどぅぬ さてぃむたぬむしや
huyu ya nishikaji huku 'umi nu chiyuru chihwadaN karugaru tu hwisa ni makiraN wakaudu nu satimu tanumushi ya
冬は北風吹く海に 着ている服装も軽々としている寒さに負けない若者の実に頼もしいことよ!
語句・にしかじ 北風。沖縄では「北」は「にし」と呼び、「西」は「いり」。・ちはだ 「ちふぁだ」とも発音する。・ひーさ 寒さ。「ふぃーさ」とも発音する。

 

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2012年01月15日

ハイニセター

ハイニセター
はいにせたー
hai nisetaa
やあ(青年の)みなさん
語句・はい やあ。呼びかけの言葉。「はいさい」はそれの敬語。・にせたー 青年たち。みなさん。<にーせーたー 唄としては「にせたー」と短縮している。



(男)無蔵とぅ我が仲や 松ぬ葉ぬ如に 落てぃてぃ枯りるとぅん 二人や一道 よー無蔵よ ハイ アバ小 今どぅはちちゃんな 今日夜ながた遊び出来らさや
んぞとぅわがなかや まちぬふぁぬぐとぅに うてぃてぃかりるとぅん たいやちゅみち よーんぞよ はい あばぐゎ なまどぅはちちゃんな ちゅーゆながたあしびでぃきらさや
Nzo tu waga naka ya machi nu hwaa nu gutu ni 'utiti karirutuN tai ya chumichi yoo Nzo yoo hai 'abagwaa nama du hachichaN naa chuu yunagata 'ashibidikirasa ya
貴女と私の仲は松の葉のように落ちて枯れるとも(つながっているように)二人は同じ道だよ ねえ貴女 やあ ねえさん 今もうきちゃったのかい 今日は夜通し遊び盛り上げようね
語句・あばぐゎ <あばー 姉さん。ねえちゃん。 「小」(ぐゎー)をつけることが多い。・はちちゃんなきちゃったのかい? <はちちゅーん。 来てしまう。来ちゃう。+なー。 かい?。・ゆながた 夜通し。・でぃきらさや <でぃきゆん。 うまくいく。よくできる。成功する。→でぃきらしゅん 成功させる、うまくいかせる。未然形。「成功させよう」「成功させたい」くらいの意味になる。


(女)行逢たどい弟じゃ しちゃたどい兄じゃ ゆらてぃ物語い でぃしち遊ば よーアヒ小 ハイ アヒ小 今どぅもうちゃんな 今日夜ながた遊び出来らさや
いちゃたどぅいうとぅじゃ しちゃたどぅいしぬじゃ ゆらてぃむぬがたい でぃしちあしば よーあふぃぐゎ はい あふぃぐゎ なまどぅもーちゃんな ちゅーゆながたあしびでぃきらさや
'ichata du i 'utuja shicyata du i shinuija yurati munugatai dii shichi 'ashiba yoo 'ahwiigwaa hai 'ahwiigwaa nama du moochaN naa chuu yunagata 'ashibi dikirasa ya
出会ったぞ弟(妹)よ 出会ったね兄(姉)さん 寄り合って語り合い さあそうやって遊ぼう ねえ兄さん やあ兄さん 今もう来ちゃったのかい 今日は夜通し遊び盛り上げようね
語句・うとぅじゃ 年下である弟または妹の意味。「弟」は当て字。「うとぅじゃんだー」(兄弟姉妹たち)。・しぬじゃ 兄または姉。「【si-は〔古語〕兄[せ]か】【琉球語辞典】。現代でも沖縄では年上の人を「しーじゃ」と呼ぶ。・あふぃー 「兄、兄さん」【琉辞】。厳密には「あふぃーぐゎー」は「(一番)下の兄(さん)」【琉辞】。


(男)無蔵がゆし事ん 我ね守てぃ居むぬ 無蔵ん忘りるな 我ゆし事や よーアバ小 ハイアバ小 今どぅはちちゃんな 今日夜ながた 遊び出来らさや
んぞがゆしぐとぅん わねまむてぃうむぬ んぞんわしりるな わゆしぐとぅや よーあばぐゎ はいあばぐゎ なまどぅはちちゃんな ちゅーゆながたあしびでぃきらさや
Nzo ga yushigutuN wane mamuti umunu NzoN washiriruna waa yushigutu ya yoo 'abagwaa hai 'abagwaa namadu hachichaN naa chuu yunagata 'ashibidikirasa ya
貴女がいいつけた事も私は守っているので貴女も忘れるなよ 私のいいつける事を ねえ姉さん やあ姉さん 今もう来ちゃったのかい 今日は夜通し遊び盛り上げようね
語句・ゆしぐとぅ「教訓、助言」。ここでは「いいつけた事」くらいに訳できる。


(女)たまさかぬ今宵 鳥や歌るとぅん しばし明雲ん情あらば よー無蔵よ アネ東ん アネ明かがてぃ
たまさかぬくゆい とぅいやうたるとぅん しばしあきぐむんなさきあらば よーんぞよ あねあがりん あねあかがてぃ
tamasaka nu kuyui tui ya 'utarutuN shibashi 'akigumuN nasaki 'araba yoo Nzo yoo 'ane 'agariN 'ane 'akagati
稀にしかない今夜は鶏が鳴いてもしばし明け方の美しい雲も情けがあるならば(明けないでほしい) ねえ貴女 あら!東も あら!明るくなって
語句・たまさか 「稀(まれなこと)」【琉球語辞典】。・あきぐむ 「明け方の(美しい)雲」【琉辞】。


(男女)なあ 別やい 明日遊ばなや でぃちゃ家かい 又明日や 
なーわかやい あちゃあしばなや でぃちゃやーかい またあちゃや
naa wakayai 'acha 'ashibana ya dicha yaa kai mata 'acha ya
もう別れだね 明日遊ぼうね さあ家に帰りまた明日ね  続きを読む

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2012年01月08日

下千鳥4

下千鳥
さぎちじゅや
sagi chijuyaa
(省略)

唄三線 嘉手苅林昌


侭ならんからど別りやい居しが何故でぃ夢しじく見してぃ(見してぃ)呉ゆが 連りなさや二人が成ちゃる仕様
ままならんからどぅ わかりやいうしが ぬよでぃいみしじくみしてぃ(みしてぃ)くぃゆが ちりなさや たいがなちゃるしじゃま
mama naraN kara du wakari yai ushiga nuyudi 'imi shijiku mishiti (mishiti) kwiyuga chirinasa ya tai ga nacharu shijama
侭ならない理由だけで別れたのに何故夢を頻繁に見せてくれるのか つれないことよ二人がなってしまった今の姿
語句・しじく 頻繁に。<しじさん sizisaN  頻繁な。・ちりなさ つれない。なさけない。よく「連れなさ」という当て字が使われている。


真夜中どぅやしが夢に起くさりてぃ今時分までぃん我沙汰(我沙汰)しらに 変わてぃ人ぬ夜半ん明かしかにてぃ
まゆなかどぅやしがいみにうくさりてぃなまじぶんまでぃんわさた(わさた)しらに かわてぃちゅぬ やふぁんあかしかにてぃ
mayunaka du yashiga 'imi ni ukusariti nama jibuN madiN wasata (wasata)shirani kawati cu nu yahwaN 'akashi kaniti
真夜中なんだが夢に起こされて 今時分まで私の噂しているの?心変わりしたあの人が夜を明かすことが辛くなって


下ぬ居てぃ上ん 成り立ちゅるたみし 下ぬねん上ぬ ぬ役立ちゅが
したぬうてぃんうぃん なりたちゅるたみし したぬねんうぃぬ ぬやくたちゅが
shita nu utiN wiN naritachuru tamishi shita nu neN wi nu nu yaku tachu ga
下が居て上も成り立つのだ。下がいなくて上がなんの役に立つか
語句・たみし 「試すこと;前例」【琉球語辞典】。<たみしゅん 試す、試みる。 前例→ 強い肯定の意味で「・・のだ」くらいに訳せる。


あたらわが沖縄 品物ぬたとぅい 取たい取らったい 上にまかち
あたらわがうちな しなむぬぬたとぅい とぅたいとぅらったい うぃーにまかち
'atara waga 'uchina shina munu nu tatui tutai turattai wii ni makachi
大切なわが沖縄 品物のようだ 取ったり取られたり 上に任せて
語句・あたら 「(文語)あたら、折角」【琉球語辞典】。大切で手が離せない、の意味。古語の「あたら」(惜しい)と共通。九州にも「あたら」「あったれー」(もったいない)という方言が使われている。


思みば身ぬ毛だち 戦世ぬ哀り またんくい戻ち あらばちゃすが
うみばみぬきだち いくさゆぬあわり またんくいむどぅち あらばちゃすが
'umiba mi nu ki dachi 'ikusa yu nu 'awari mataN kuimuduchi 'araba chasu ga
思い出せば身の毛がよだって 戦争の世またも繰り返したらどうするか
語句・くいむどぅち 繰り返し戻して。くい<くいけーしゅん 繰り返す。


ダーグに丸みらり 大舟ぬ心地 戦世ぬあわり 肝にかかてィ
だぐにまるみらり うふぶにぬくくち いくさゆぬあわり ちむにかかてぃ
dagu ni marumirari 'uhubuni nu kukuchi 'ikusa yu nu 'awari chimu ni kakati
団子に丸められ 安心して大船にのったつもり 戦世の悲しさ心に浮ぶ
語句・だぐ <だーぐ。団子。  続きを読む

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2011年12月25日

オーチャメ

オーチャメ
おーちゃめ
oo chame
よく言った!

作詞作曲 松田弘一


一、チャメオーチャメ昔姉小達や あまかくしかくし かくし道知らん 今ぬ姉小 チャメやくとぬーやが しみるする へい 見しれーふぃなゆみ かくするうっぺー すんどする すんどする
んかしあばぐゎたーや あまかくしかくし かくしみちしらん なまぬあんぐゎ ちゃめ やくとぅぬーやが しみるする へい みしれーふぃなゆみ かくするうっぺー すんどぅする すんどぅする
Nkashi 'abagwa ya 'ama kakushi kakushi kakushi michi shiraN nama nu 'abagwa chame yakutu nuu yaga shimiru suru hei mishiree hwinayumi kakusuru 'uppee suN du suru suN du suru
(よく言った!)昔の姉さん達はあれ隠し隠し 隠すことを知らない今の姉さん。だからなに?いいじゃないの ねえ みせろよ へるのか? かくすほどのものか?損するよ 損するよ
語句・しみるする  ・ふぃなゆみ 


二、妻ん長びれ 風ぬ如なとい すびち又見欲さ 花ぬ童 スクチなヤッチー物思まん 誰にん誰にん 手出ゃち 足ねてチャメオーチャメ
とぅじんながびれー かじぬぐとぅなとい すびちまたみぶさ はなぬわらび すくちなやっちーむのーうまん たーにん たーにん てぃーんじゃち ふぃさにてぃ ちゃめおーちゃめ
tujiN nagabiree kaji nu gutu natoi subichi mata mibusa hana nu warabi sukuhina yacchii munoo 'umaN taaniN taaniN tii 'Njachi hwisaniti chame oo chame
妻も長い付き合いで風のようになっていて また連れてあるいてみたいよ花(女郎)の娘を おかしな兄さん何かおかしくなったように誰でも誰でも手を出して 


三、我んわちゃくしちゃみ 花やりばぬやが 今までや妻ん 梅ぬ匂い やんてーヤッチー 家ど極楽 バーチー前んじ良人なり 孫しかさ ましてな ましてな
わんわちゃくしちゃみ はなぬやりば ぬやが なままでぃやとぅじん んみぬにうい やんてーやっちーやーどぅぐくらく ばーちーめーんじいいちゅなり んまがーしかさ ましてーなーましてーなー
waN wachakushichami hana nu yariba nuu ya ga nama madi ya tujiN 'Nmi nu niui yaNtee yachii yaa du gukuraku baachii mee Nji 'iicchu nari Nmagaa shikasa mashiteenaa mashiteenaa
私がいたずらしたか?花(女郎)であればどうだというんだ いままでは妻も梅の匂い そうだよ兄さん 家こそ極楽 おばさんの前では良い人になりなさい 孫をあやそう ましだよ ましだよ


四、結婚前どしちょて我身に声ゆかきみ ぬしかてぬ後に ンパどすなよや しかしぇふり者 そーんで思て 目や白黒 息ぇプープー ジビターヤッチー顔様々顔様々
にーびちめーどぅしちょてぃ わみにくぃゆかきみ ぬしかてぃぬあとぅに んぱどーすなよや しかしぇふりむん そーんでぃうむてぃ みーやしるくる いちぇーぷーぷー じびたーやっちーちらよーよー ちらよーよー
niibichimee du shichoti wami ni kwi yu kakimi mushikati nu 'atu ni 'Nma doo suna yoo ya shikashee hurimuN sooNdi 'umuti mii ya shirukuru 'ichee puupuu jibitaa yacchii chira yooyoo chira yooyoo
結婚前だと行って私に声をかけるの?ちょっと顔を出した後に嫌だっていわないでよ 臆病のばか者 付いて行くと思って目は白黒、息は荒く 下品なお兄さん困り顔、困り顔  

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2011年11月05日

放蕩口説

放蕩口説
ほーとーくどぅち
hootoo kuduchi
放蕩口説

作詞 小浜守栄  


一、銭と命とや右左 昔語いゆ知りなぎな 人の心のあさましや
じんとぅぬちとぅやみぎふぃじゃい んかしかたいゆしりなぎな ふぃとぅぬくくるぬあさましや
jiN tu nuchi tu ya migi hwijai Nkashi katai yu shirinagina hwitu nu kukuru nu 'asamashi ya
銭と命とは右左という昔の言葉を知りながら人の心のあさましいことよ
語句・なぎな ・・ながら。


二、うりほどかなさる親兄弟に 友人ぬ意見ぬん他人事に花の香りに引かされて
うりふどぅかなさる うやちょでに どぅしぬいちぬんゆすぐとぅにはなぬかうりにふぃかさりてぃ
'uri hudu kanasaru 'uyachode ni dushi nu 'ichinuN yusugutu ni hana nu kawuri ni hwikasariti
それほど愛している親兄弟に 友の意見もよそ事のようにして 花(女郎)の香に魅了されて
語句・ちょで 兄弟 <ちょーでー。琉歌、歌の中では長母音を短縮することがある(詩的許容という)。


三、親のゆずりの財産ぬん わがままじままに使はてて 遊び楽しみするうちに
うやぬゆじりぬ ざいさぬん わがままじままにちけはてぃてぃ あしびたぬしみするうちに
'uya nu yuziri nu zaisanuN wagamama jimama ni chikehatiti 'ashibi tanushimi suru 'uchi ni
親譲りの財産もわがまましたい放題に使い果てて遊び楽しみ呆けているうちに


四、寄いて六十の坂くれば 顔や頭に雪かみて 涙流ちよて働らちん
いいてぃるくじゅぬさかくりば かうやかしらにゆちかみてぃ なみだながちょてぃはたらちん
yiiti rukuju nu saka kuriba kawu ya kashira ni yuchi kamiti minada knagachoti hatarachiN
老いて六十の坂が来ると顔や頭に雪(白いもの)をのせて涙流して働いても


五、元の若さに戻らりみ 楽しで後のこの苦りしや 今ど知らりる我が仕様
むとぅぬわかさにむどぅらりみ たぬしでぃあとぅぬくぬくぬくりさ なまどぅしらりるわがしじゃま
mutu nu wakasa ni mudurarimi tanushidi 'atu nu kunu kurisa nama du shirariru waga shijama
元の若さには戻られまい 楽しんだ後のこの苦しさは 今になって知る自分のあり様


六、やくと世間の産子の達 親の寄せ事そむくなよ 楽しみ過ぎるな酒と色
やくとぅしきんぬなしぐゎぬちゃ うやぬゆしぐとぅすむくなよ たぬしみすぎるなさきとぅいる
だから世に生まれたすべての者達は親の言うことにそむくなよ 楽しみすぎるな酒と色
語句・やくとぅ だから。・なしぐゎ 本来は「生まれてきた自分の子供」の意味。すべての人。


七、酔いて悔やむな後悔の 先に立たん世の定め くくりて渡りよこの世間や
いいてぃくやむなこーけいぬ さきにたたんゆぬさだみ くくりてぃわたりよくぬしきん
yiiti kuyamuna kookei nu saki ni tataN yu nu sadami kukuriti watari yo kunu shikiN
酔って悔やむな後悔が先に立たない世の定め 心して渡りなさいこの世間は
語句・くくりてぃ 心して。  続きを読む

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2011年10月16日

砂辺の浜

砂辺の浜
しなびぬはま
shinabi nu hama
砂辺の浜
語句・しなび 中頭郡北谷町砂辺。


作詞・作曲/喜屋武 繁雄 


一 砂辺浜下りてぃ 語らなや今宵 愛ぬ浜風に(シュラヨ)濡りてぃ又遊ば
しなびはまうりてぃ かたらなやくゆい あいぬはまかじに (しゅらよ)ぬりてぃまたあしば
shinabi hama uriti kataranaya kuyui 'ai nu hamakaji nu (shura yoo) nuriti mata 'ashiba
砂辺の浜におりて語りたいね今宵 愛の浜風に濡れてまた遊ぼう


二 銀色ながち 月ん照り勝てぃ 波に浮く小舟 勝てぃ又美らさ
なんじゃいるながち ちちんてぃりまさてぃ なみにうくくぶに まさてぃまたちゅらさ
naNja 'iru nagachi chichiN tiri masati nami ni 'uku kubuni masati mata churasa
銀色を流したように月もいっそう照り 波に浮く小舟もいっそうまた美しいことよ!
語句・なんじゃ 銀色。「(上質の)銀」【琉辞】。「混効験集」には「なむじゃ」とある。「なむじゃ」は「南鐐」から。「南鐐」とは、江戸時代に使われていた上質の銀で作られた硬貨「二朱銀」のこと。「銀」(ぎん)を何故「なんじゃ」と発音するかはいろいろな説がある。


三 浜風とぅ連りてぃ さざ波ぬ躍い 千鳥唄しゆる 浜や又ぬどぅか
はまかじとぅちりてぃ さざなみぬうどぅい ちどぅりうたしゆる はまやまたぬどぅか
hama kaji tu chiriti sazanami nu udui chiduri 'uta shiyuru hama ya mata nuduka
浜風と一緒にさざ波が踊り 千鳥は歌い浜はまたのどか

 
四 遊びたわふりてぃ 更きる夜ん知らん いちゃし忘りゆが 恋し砂辺浜
あしびたわふりてぃ ふきるゆんしらん いちゃしわしりゆが くいししなびはま
'ashibi tawahuriti hukiru yuN shiraN 'ichashi washiriyuga kuishi shinabihama
遊び戯れて 更けていく夜に気づかず どうして忘れることができようか 恋しい砂辺の浜
語句・たわふりてぃ 「戯〔たわぶ〕れ。口語ではganmari」【琉辞】。戯(たわむ)れ。
  

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2011年09月30日

幸せ列島

幸せ列島
[しあわせれっとう]
shiawase rettoo
(意味省略)


作詞 大城栄順  作曲 普久原恒勇

(標準語と思われるものは、ひらがな表記に[ ]をつけた)


一、大安吉日嘉利吉豊年 福ぬ神々大多忙  国頭中頭那覇島尻東西南北駆けめぐり (島ぬ果てぃまでぃ 邦ぬ果てぃまでぃ幸せ列島作やびら) 〔()内の囃子は以下省略〕
[たいあんきちじつ]かりゆしほーねんふくぬかみがみいちゅなしむん くんじゃんなかがみなはしまじり [とーざいなんぼくかけめぐり]しまぬはてぃまでぃくにぬはてぃまでぃ[しあわせれっとー]ちゅくやびら
taiaNkichijitu kariyushihooneN huku nu kamigami 'ichunashimuN kuNjaN nakagami naha shimajiri toozainaNboku kakemeguri shima nu hati madi kuni nu hati madi shiawase rettoo chukuyabira
大安吉日めでたい豊年 福の神々大忙し国頭中頭那覇島尻 東西南北駆けめぐり (島ぬ果てまで 邦ぬ果てまで幸せ列島作りましょう) 


二、結婚まん産トーカチスージカラタ念願 手かみてぃ元祖ぬ美らさや 肝美らさ くまぬ家庭や 大繁盛
にーびち まんさん とーかち すーじからたにんぐゎん てぃーかみてぃ ぐゎんすぬちゅらさやちむじゅらさ くまぬ[かてい]やだいはんじょー
niibichi maNsaN tookachi suuji karata niNgwaN tii kamiti gwaNsu nu churasa ya chimujurasa kuma nu katee ya daihaNjoo
結婚、満産(七日祝い)、とーかち祝い(八十八米寿の祝い)健康祈願 手を合わせて先祖を美しく大切にすることは心の美しさ この家庭は大繁盛する
語句・まんさん 「子供が生まれて七日目の夜、親類縁者が集まってするお祝い。うぶたちの祝い。七夜の祝い」【沖辞】。・とーかち 88歳の米寿の祝い。「とーかち」とは穀類、米を枡で計る時に、縁と同じ高さに平らにするときにつかう竹の道具。・すーじ お祝い。<しゅーじ。・からた 体。身体。・にんぐゎん 念願。祈願。「からたにんぐゎん」で「健康祈願」・くま ここ。こちら。


三、家庭円満 健康第一 親子兄弟手ゆ取やい一生懸命 働ちどぅんせー くまぬ殿内や大繁盛
[かていえんまんけんこうだいいち] うやっくゎちょーでー てぃゆとぅやい [いっしょうけんめい]はたらちどぅんせー くまぬとぅんちや[だいはんじょー]
katee eNmaN keNkoodaiichi 'uyakkwa choodee tii yu tuyai isshookeNmei hatarachi duN see
家庭円満健康第一 親子兄弟が手を取り一生懸命働くならば こちらのお屋敷は大繁盛
語句・どぅんせー するならば。<どぅん 強意の助詞。ども。+ せー<しゅん する。の已然形。すれば。

 
四、家内安全商売繁盛 豊年万作 大漁船 百事大吉 めでたやなー 我した沖縄 大繁盛
[かないあんぜんしょうばいはんじょーほうねんまんさくたいりょーぶね ひゃくじだいきちめでたやなー]わしたうちなー[だいはんじょー]
kanaiaNzeN shoobaihaNjoo hooneNmaNsaku tairyoobune hyakuji daikichi medetayanaa washita 'uchinaa daihaNjoo
家内安全商売繁盛 豊年満作 大漁船 百時大吉めでたいな 私たちの沖縄大繁盛 

   
五、はらへ給へし清め給へし 守り給へて幸わえる 今日ぬ誇らしゃ頭乗みてぃ 大安吉日吉かる日に
はらえたまえしきよめたまえし まもりたまえて さち〔てぃ?〕わえる きゆぬふくらしゃちぢかみてぃ たいあんきちじつゆかるひに
haraetamaeshi kiyometamaeshi mamoritamaete sachi〔ti?〕waeru kiyu nu hukurasha chizi kamiti taiaNkichijitu yukaru hi ni
祓いたまえ 清めたまえ 守りたまえと言って感じる今日の嬉しさを拝受して 大安吉日の佳き日に
語句・ふくらしゃ 嬉しい。いわゆる「誇らしい」ではない。     続きを読む

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2011年09月29日

だんく節

だんく節
だんくぶし
daNku bushi
語句・だんくぶし 昔の歌だと思われる。「だんく」の意味不詳。


一、だんく節習ゆんでぃ 名護東通てぃヨンサー 通てぃ珍らさや だんくよーだんく スーリーヌ ダンヨー ダンク(以下、カタカナの囃子言葉は省略)
だんくぶしならゆんでぃ なぐあがりかゆてぃ かゆてぃみじらさや だんくよーだんく
daNku bushi narayuNdi nagu'agari kayuti kayuti mijirasa ya daNku yoo daNku
だんく節を習うために名護東に通って通って 珍しいものだよ!だんく(不詳)よ!だんく
語句・んでぃ ために。


二、行ちゅる山道や ちんし割い所 越いてぃかしがーや ゆーり所
いちゅるやまみちや ちんしわいどぅくる くぃてぃかしがーや ゆーりどぅくる
'ichuru yama michi ya chiNshi wai dukuru kwiti kashigaa ya yuuridukuru
行く山道は膝を割る(痛める程の急な坂)所 越えてカシガー(地名?)は休む所
語句・ちんし 膝。・かしがー 不詳。地名かと思われる。・ゆーり <ゆりー 休憩。


三、ちんし割てぃ通てぃ 頭割てぃ通てぃなーひん通い欲さ だんくよーだんく
ちんしわてぃかゆてぃ ちぶるわてぃかゆてぃ なーひんかゆいぶさ だんくよーだんく
chiNshi wati kayuti chiburu wati kayuti naahiN kayuibusa daNku yoo daNku
膝を痛めて通って 頭割って通って もっと通いたいものだ だんくよ!だんく
語句・ちぶるわてぃ おそらく五の歌詞にでてくる盗賊に関係するのではないかと思う。
 なーひん さらに。もっと。<なーふぃん。


四、だんく節なかい 肝や引ち取らり 闇ぬさく坂ん車とう原
だんくぶしなかい ちむやひちとぅらり やみぬさくひらん くるまとーばる
daNku bushi nakai chimu ya hichi turari yami nu sakuhiraN kuruma toobaru
だんく節に心を奪われて 闇の急な坂道も(砂糖)車(がおけるほど平坦な)原っぱだ
語句・なかい に。・さくひら さく 谷あい。+ ひら 坂。急な谷間の坂。・くるま さとうきびから砂糖を抽出するために水牛に回転させた「甘藷圧搾車」(saataa-guruma)【琉辞】。「車とーばる」はその「甘藷圧搾車を据えるのに適した平坦な土地」【琉辞】。恋心を唄った琉歌でよく使われる歌詞。恋をしている時は会いに行く「急な坂も平坦に思える」から。

五、知りなぎな登る 安和ぬじょーが坂や 世間音高さ ふぇーれー所
しりなぎなぬぶる あわぬじょーがひらや しきんうとぅだかさ ふぇーれーどぅくる
shirinagina nuburu 'awa nu joo ga hira ya shikiN 'utudakasa hweeree dukuru
そうと知りながら登る安和の門の坂は 世間で良く知られた追い剥ぎがよくでる所だ
語句・しりなぎな 知りながら。知ってしるのに。<なぎーな …ながら。…なのに。 ・ふぇーれー 追い剥ぎ。


六、通てぃ習れ取たる だんく節でむぬ 五条ぬ松下に揃てぃ遊ばな
かゆてぃなれーとぅたる だんくぶしでむぬ ごじょーぬまちしたにするてぃあしばな
kayuti nareetutaru daNku bushi demunu gojoo nu machishita ni suruti 'ashibana
通って習い取っただんく節であるから五条の松下に揃って遊ぼうよ
語句・でむぬ ・・であるから。・あしばな 遊ぼうよ。遊びたい。 自分の意思・希望「遊びたい」と、呼びかけ「遊ぼう」両方の意味を含む。 


七、だんく節てぃしや 恋ぬ言語れか かにん面白さだんくよー だんく
だんくぶしてぃしや くいぬいかたれか かにんうむしるさ だんくよーだんく
daNku bushi tishi ya kui nu 'ikataree ka kaniN 'umushirusa daNku yoo daNku
だんく節というものは恋の語らいか それほど面白いものだ だんくよーだんく
語句・てぃしや というものは。・いかたれ <いかたれー 語らい。契り。  続きを読む

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2011年09月01日

歌の泉

歌の泉
うたぬいじゅん
'uta nu 'izyuN
歌の泉

作詞・作曲 登川誠仁


一、歌とぅ三線や 人ぬ肝勇み 世間ぬ人々ぬ為に尽くち
うたとぅさんしんや ふぃとぅぬちむいさみ しけぬふぃとぅびとぅぬたみにちくち
'uta tu saNshiN ya hwitu nu chimu 'isami shike nu hwitubitu nu tami ni chikuchi
歌と三線は人の良い心を励まし 世界の人々の為に尽くし
語句・ちむ 「心。心情。情け。kukuru(心)よりもはるかに多く使う。」【沖縄語辞典】(以下【沖辞】)。標準語でも「心がない」という時に「良い心」という意味を含ませるように、「ちむ」という時は「情け」、「良い心の働き」という意味あいを強く持たせる。  ・いさみ <いさみゆん 'isamiyuN 「励ます。慰めて励ます。激励する」【沖辞】。・しけ 「世界」【沖辞】。<しけー shikee 「世間」というのは当て字。(「世間」は「しきん」 shikiN)


ニ、人ぬ肝心 勇み持てぃ成する 歌とぅ三線ぬ情知らな
ふぃとぅぬちむぐくる いさみむてぃなする うたとぅさんしんぬなさきしらな
hwitu nu chimu gukuru 'isami mutinasuru 'uta tu saNshiN nu nasaki shirana
人の良い心を励まし作る歌と三線の情けを知ろう
語句・むてぃなする <むてぃなし 「取り扱い。作り方」【沖辞】。+しゅん。 する。標準語の「もてなす」は「とぅいむちゅん」。・しらな <しゆん 知る。→しら 知ろう。知りたい。+な 「知ろうね」「知りたいね」と柔らかい表現になる。 


三、だんじゅ我が島や 昔から今に 歌とぅ三線ぬ 泉んさらみ
だんじゅわがしまや んかしからなまに うたとぅさんしんぬ いじゅんさらみ
danju waga shima ya Nkashi kara nama ni 'uta tu saNshiN nu 'ijuN sarami
いかにも我が島は昔から今にいたって歌と三線の泉であろうぞ
語句・だんじゅ <だんず。「なるほど。いかにも。げにこそ。」【沖辞】。 ・さらみ 「『であろう』の意を強調して表す。…であろうぞ。」【沖辞】。


四、我が島ぬ文化 守り何時までぃん 年寄若者ん 心合わち
わがしまぬぶんか まむりいちまでぃん とぅすいわかむぬん くくるあわち
waga shima nu buNka mamuri 'ichimadiN tusui wakamunuN kukuru 'awachi
我が島の文化を守りいつまでも年寄り若者も心合わせて
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2011年08月20日

果報節

果報節
くゎふーぶし
kwahuu bushi
果報(幸せ)の唄
語句・くゎふー 「果報。幸運(にめぐり合うこと)。単にhuuともいう。」【沖辞】。


作詞 作曲/普久原 朝喜    


男 神からがやたら 結ばりてぃ縁や 浮世荒波ん 渡てぃ行ちゅん ※(二人や此ぬ世ぬ 果報な者)  < ※は以下繰り返し >
かみがやたら むしばりてぃいぃんや うちゆあらなみん わたてぃいちゅん (たいや くぬゆぬ くゎふーなむん
kami ga yatara mushibariti yiN ya 'uchiyu 'aranamiN watati 'ichuN ( tai ya ku nu yu nu kwahuu na muN)
神様のおかげだったのであろうか 結ばれた縁は 浮世の荒波も渡っていく (二人はこの世の果報な者だ)
語句・やたら <やん だ。過去形「やた」+ ら 疑問を表す か?。 →だったのか? 直訳では「神からだったのか?」。神さまの御蔭だったのだろうか? 


女 闇ぬさか坂ん かながなとぅ手取てぃ共に肝合わち 登る嬉さ ※
やみぬさかふぃらん かながなとぅてぃとぅてぃ とぅむに ちむあわち ぬぶるうりさ
yami nu sakahwiraN kanaga tu ti tuti tumu ni chimu 'awachi nuburu 'urisa
真っ暗な急な坂も 仲良く手を取ってお互いに心を合わせて登ることの嬉しいことよ!
語句・さくふぃら 「急な坂。けわしい坂」【沖縄語辞典】。有名な琉歌に「若さひと時ぬ通い路ぬ空や 闇ぬさく坂ん 車とう原」(若い時恋人のところへ通う気持ちというものは 真っ暗な急な坂であっても砂糖車を置ける平原のように思えるものだ)。

   
男 花ん蕾から 露受きてぃ咲ちゅい 二人が真心ん 咲かちでむぬ ※
はなんちぶみから ちゆうきてぃ さちゅい たいがまぐくるん さかちでむぬ
hanN chibumi kara chiyu 'ukiti sachui tai ga magukuruN sakachi demunu
花も蕾の頃から露を受けて咲くもの 二人の真心も(花が)咲くであろう 

    
女 例いあばら屋に 住家しち居てぃん 貫木家に勝る 愛ぬ住家 ※
たとぅいあばらやに しみかしちうてぃん ぬちじやにまさる あいぬしみか
tatui 'abaraya ni shimika shichi utiN nuchijiya ni masaru 'ai nu shimika
たとえあばら家を住居にしていても貫木家(立派な作りの家)にも勝る愛の住家だ
語句・ぬちじや <ぬちじやー 「貫き木のある家。本建築の家。農村で、茅ぶきではあっても単なる掘立小屋(anayaという)ではなく、礎石を置き、柱に貫き木を通して造った家。農村の家では上等の部に入る」【沖辞】。 
    

男女 誠一筋に 思み働てぃ居りば 家庭や和ぬ元に 笑い福い
まくとぅふぃとぅしじに うみはまてぃうりば ちねーやわぬむとぅに わらいふくい
makutu hitushiji ni 'umihamati uriba chine ya wa nu mutu ni warai hukui 
誠実一筋に励んでいれば家庭は和睦を生み笑いと幸せ(になる)
語句・うみはまてぃ <うみはまゆん。「はげむ。熱心に努力する」【沖辞】。    


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2011年08月19日

新家庭小

新家庭小
しんかてーぐゎー
shiN katee gwaa


一 一郎さんとぅ我んね結婚しちぬうぬ後や我んね 一郎さんに何んでぃ我ね言がや 「あなた」んでぃる我ね言がや
いちろーさんとぅわんねーけっこんしちぬうぬあとぅやわんねー いちろーさんにぬーんでぃわねいうがや あなたんでぃるわねいうがや
'ichiroo saN tu waNnee [kekkoN]shichi nu unu 'atu ya waNnee 'ichiroo saN ni nuu Ndi wane 'iuga yaa [anata]Ndi ru wane 'iu ga yaa
一郎さんと私は結婚してのその後は 私は一郎さんになんて私いうのかしら 「あなた」って私いうのかしら
語句・わんねー私は。< わん + や 融合して「わんねー」となる。・ぬーんでぃ なんと。 < ぬー 何。+んでぃ と。・いうがやー 言うのかねー < いう< いゆん。言う。+が 疑問助詞 +やー ね。


二 一郎さんが会社かい出ぢてぃめんせるうぬ時や我んね一郎さんに 何んでぃ我ね言がや「あなた 行ってらっしゃい」んでぃる 我ね言がや
いちろーさんがかいしゃかい んじてぃめんせーる うぬとぅちや わんねーいちろーさんに ぬーんでぃわねいうがや 「あなたいってらっしゃい」んでぃる わねいうがや
'ichiroo saN ga kaisha kai 'Njiti meNseeru unu tuchi ya waNnee 'ichiroo saN ni nuuNdi wane 'iuga yaa [anata itterasshai] Ndi ru wanee 'iu ga yaa
一郎さんが会社にお行きになられるその時は私一郎さんになんて私いうのかしら 「あなた行ってらっしゃい」なんて私いうのかしら
語句・かい ~に。 ・んじてぃ 出て。(出て)行く。 ・めんせーる こられる。なられる。<めんせーん。「居る・行く・来る敬語」【琉球語辞典】。 



三 一郎さんが会社から戻てぃめんせるうぬ時や我んね 一郎さんに 何んでぃ我ね言がや「お帰りなさい あなた 待ってたわ」んでぃる 我ね言がや
いちろーさんがかいしゃからむどぅてぃめんせーる うぬとぅちや わんね いちろーさんに ぬーんでぃわねいうがや「おかえりなさい あなた まってたわ」んでぃる わねいうがや
'ichiroo saN ga kaisha kara mudutimeNseeru unu tuchi ya waNnee 'ichiroo saN ni nuuNdi wane 'iu ga yaa [okaerinasai anata mattetawa]Ndi ru wane 'iu ga yaa
一郎さんが会社からお戻りになられるその時は私は一郎さんになんて私いうのかしら 「お帰りなさい あなた 待ってたわ」って私いうのかしら


四 一郎さんとぅ我んとぅ夫婦ゲンカする時や我んね 一郎さんに何んでぃ我ね言がや「あなた ごめんね 許して」んでぃる 我ね言がや
いちろーさんとぅわんとぅふーふげんかするとぅちや わんねーいちろーさんにぬーんでぃわねいうがや 「あなたごめんね ゆるして」んでぃるわねいうがや
'ichiroo saN tu waN tu [huuhu geNa] suru tuchi ya waNnee 'ichiroo saN ni nuuNdi wane 'iu ga yaa [anata gomeNnee yurushitee]Ndi ru wane 'iu ga yaa
一郎さんと私と夫婦ゲンカするときは私は一郎さんになんて私いうのかしら 「あなた ごめんね 許して」って私いうのかしら


五 一郎さんとぅ我んとぅ夜寝んじゅるうぬ時ね我んね一郎さんに何んでぃ我ね言がや「あなた イヤよ 電気消して」んでぃる我ね言がや
いちろーさんとぅわんとぅゆるにんじゅるうぬとぅちねー わんねいちろーさんにぬーんでぃわねいうがや 「あなた いやよ でんきけして」んでぃるわねいうがやー
'ichiroo saN tu waN tu yuru niNjuru unu tuchi nee waNnee 'ichiroo saN ni nuuNdi wane 'iu ga yaa [anata iya yoo denki keshite]Ndi ru wane 'iu ga yaa
一郎さんと私と夜寝るその時には私一郎さんになんて私いうのかしら 「あなた イヤよ 電気消して」って私いうのかしら
語句・にんじゅる 寝(てい)る。<にんじゅん 寝る。  続きを読む

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2011年06月05日

意見あやぐ

意見あやぐ
いちんあやぐ
'ichiN 'ayagu
意見の歌
語句・あやぐ 「あやぐ」を参照のこと。

作詞(補)嘉手苅ウシ  歌 嘉手苅林昌 嘉手苅林次
(CD「風狂歌人」から筆者歌詞聞き取り)

一、うゆす世間ぬ産し子ぬ達 銭金儲きてぃ 荒地にさん事 細しく使みそり 荒地にしーねー 泉ぬ水んひなゆるたみし
うゆすしきんぬなしぐゎぬちゃー じんかにもーきてぃ あらちにさんぐとぅくましくちかみそり あらちにしーねーいじゅんぬみじんひなゆるたみし
'uyusu shikiN nu nashigwa nu chaa jiNkani mookiti 'arachi ni saNgutu kumasiku chikamisori 'arachi ni siinee 'ijuN nu mijiN hinayuru tamisshi
すべて世間に生まれた子どもたちはお金を儲けては無駄遣いしないよう慎ましく使いなさい 無駄遣いすると泉の水でさえ少なくなるものであるぞ
語句・あらち <あらさん。「荒々しいこと。乱暴」【沖辞】 ・くましく くまさん。 「つつましい」【沖辞】<あらさん。 ・ひなゆる <ふぃなゆん。 「減る。少なくなる。また摩滅する。」【沖辞】 ・たみし ものだ。「前例」【沖辞】


二、たとぅいわじかぬ銭やてぃん一日に一厘貯みてぃん百日五貫チリん積むれ山ふどぅ重なてぃ大福なゆさ
たとぅいわじかぬじんやてぃんいちにちにぐんじゅーたみてぃん ひゃくにちぐくゎん ちりんちむれーやまふどぅかさなてぃでーふくなゆさ
tatui wajika nu jiN yatiN 'ichinichi ni guNjuu tamitiN hyakunichi gukwaN chiriN chimuree yamahudu kasanati deehuku nayusa
たとえ僅かのお金であっても一日に一厘貯めれば百日で五貫になる チリも積もれば山ほど重なって大きな福になるよ
語句・ぐんじゅー 「500文」のこと。「一厘」に相当する。


三、油断とぅ貧乏やけー隣い 働ち男とぅうぇーきぬ神や腹ぬ兄弟ど 稼ぐに追いつく貧乏ぬ神や世間にねーやびらん
ゆだんとぅふぃんすーやけーとぅない はたらちうぃきがとうぇーきぬかみやはらぬちょーでーど かしぇぐにういちくふぃんすぬかみやしきんにねーやびらん
yudaN tu hwiNsuu ya kee tunai hatarachi wikiga tu 'weeki nu kami ya hara nu choodee doo kashegu ni 'uichiku hwiNsuu nu kami ya shikiN ni neeyabiraN
油断と貧乏はすぐ隣 働き者と金持ちの神は同じ腹の兄弟だぞ 稼ぐに追いつく貧乏の神は世間に居ません
語句・ふぃんすー 貧乏。・けー ちょっと。すぐ。・うぇーき 「富。たくさんの財産」【沖辞】。


四、産し子ぬ栄いや村栄い村々里々栄てぃ行かわどぅ国ん栄る 家庭円満和睦にそーてぃう栄いみそり
なしぐゎぬさかいやむらさかい むらむらさとぅさとぅさかてぃいかわどぅくにんさかる かてーえんまんわぶくにそーてぃ うさかいみそり
nashigwa nu sakai ya mura sakai muramura satusatu sakati 'ikawa du kuniN sakaru katee eNmaN wabuku ni sooti 'usakai misori
わが子の栄えは村の栄だ 村々里々が栄えていってはじめて国も栄える 家庭円満仲良くしてお栄なさい


五、銭やくぬ世ぬまわり物 玉黄金産し子や御天ぬ授き物 やくとぅ人ぬ達うぇーき貧乏や坂ぬ下り上い
じんやくぬゆぬまわりむぬ たまくがになしぐゎやうてぃんぬさじきむぬ やくとぅちゅぬちゃーうぇーきふぃんすーやふぃらぬうりぬぶい
jiN ya kunu yuu nu mawari munu tama kugani nashigwa ya 'utiN nu sajiki munu yakutu chu nu chaa 'weeki hwiNsuu ya hwira nu 'uri nubui
お金はこの世に回り物 大切なわが子は天からの授かりもの だから皆さん金持ちと貧乏は坂の下り上りのようなもの


六、馬や乗りわどぅ知らりゆる 人ぬ心や肝から心からひらてぃどぅ知らしらりゆる やくとぅ人ぬ達 今ぬ世間の悪欲持たらんど
んまやぬりわどぅしらりゆる ふぃとぅぬくくるやちむからしんからひらてぃどぅしらりゆる やくとぅちゅぬちゃー なまぬしきのーあくゆくむたらんどー
'Nma ya nuriwa du shirariyuru hwitu nu kukuru ya chimu kara shiN kara hwirati du shirariyuru yakutu chunuchaa nama nu shikinoo 'akuyuku mutaraN doo
馬は乗ってこそ(良し悪しが)判る 人の心は真心から心の底からつき合ってはじめて知ることができる だから皆さん今の世の中は悪い欲を持てませんよ
語句・ひらてぃどぅつき合ってはじめて。 <ふぃらゆん つき合う。+ どぅ こそ。   続きを読む

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2011年05月06日

クラハ山田

クラハ山田
くらふぁやまだ(くらはやまだ)
kurahwa yamada(kuraha yamada)
〇(地名)久良波と山田
語句・くらはやまだ 沖縄県恩納村にある地名を二つ繋げたもの。「久良波」と「山田」。沖縄では似た地名が多いことから近隣する土地名を二つつなげていうことが多い。


(男)クラファ山田ぬ美らヌル小 世間音高さ (ウチフイフイ シーチョンチョン)
くらふぁやまだぬちゅらぬるぐゎ しきんうとぅだかさ (うちふいふい しーちょんちょん)
kurahwa yamada nu chura nuru gwa shikiN 'utu dakasa ('uchi huihui shii choN choN)
久良波・山田の美しいノロ(祝女)ちゃん 世間でも有名 〈囃子;以下省略)
語句・ぬる 「神にイノリ神意を人に告〔ノ〕り伝える神職の女性;ノロとも」【琉辞】。沖縄の各地の神事を司る役割を持つ女性。「霊感」のある者、「神」に認められたものだけがなれるとされる。琉球王朝ではこのノロを統括する聞得大君(ちくぃーうふちみ、ちふぃじん)が大きな権力を持っていた。
 

(男)御嶽至極ぬヌルやりば通てぃ我が忍ばんむん 忍ばんむん自由なゆみ
うたきしぐくぬぬるやりばかゆてぃわがしぬばんむん しぬばんむんじゆなゆみ
'utaki shiguku nu nuru yariba kayuti wa ga shinubaNmuN shinubaNmuN jiyu nayumi
御嶽では最高のノロなのだから通って私が忍んで行く 忍ばないなら手に入らないだろう
語句・うたき 「神霊を祀[まつ]った山中の聖域」【琉辞】。


(男)無蔵が御宿や今着ちゅん いちゃし合図すゆが 意地出ぢやい合図すん
んぞがうやどぅやなまちちゅん いちゃしいぇーじすゆが いじんぢゃいいぇーじすん
Nzo ga 'uyadu ya nama chichuN 'ichashi yeeji suyu ga 'iji 'Njaai yeeji suN
彼女のお家に今着いた どうやって声をかけようか 勇気を出して声かける
語句・うやどぅ お家。現代語の「宿」だけではなく「家」という意味があることに注意。 ・いぇーじ 「【合図】呼ぶ[呼んで誘う]こと、家を訪問して声をかけること;合図。」【琉辞】。 ・いじ 「意(気)地、勇気;怒り。」【琉辞】。ここでは「勇気」。


(男)くぬ宿ゆ頼む 出ぢる人や居らんがや
くぬやどぅゆたぬむ んぢるふぃとぅやうらんがや
kunu yadu tanumu 'Njiru hwitu uraN ga ya
このお家の方 誰かいませんか?


(女)居やびしが 誰やみせが
うやびーしが たーやみせーが
uyabiishiga taa yamiseega
居りますよ どなたでございますか?


(男)我んどぅやる 遠道ぬ疲り足だるさあむぬ 煙草やちょん 吹かち呉り
わんどぅやる とーみちぬちかり ふぃさだるさあむぬ たばくやちょーん ふかちくぃり
waN du yaru too michi nu chikari hwisa darusa 'amunu tabaku ya chooN hukachikwiri
私ですが遠くから来たので疲れて足がだるいのです せめて煙草をちょっと吸わせてください
語句・ふぃさ 足。脚。 ・ちょーん 「せめて・・だけでも」「すら」。


(女)遠道ぬ疲り足だるさあみせら うちんかい入みそり
とーみちぬちかりふぃさだるさあみせーら うちんかいいみそーり
toomichi nu chikari hwisa darusa 'amiseera 'uchiNkai 'imisoori
遠方から来られて足がお疲れのことでしょう 中にお入りください


(男)煙草吹ちがや 我ねあらん 思い思い語らなや
たばくふちがや わねあらん うむいうむいかたらなや
tabaku huchi ga ya wane 'araN 'umui 'umui katarana ya
煙草ふかしに来たのではない 私の恋の思いを語りたいのだ


(女)うま居とてぃうひなあなあ あびみせね大事やしが あまんかい入みそり
うまうとーてぃ うひなーなー あびみせーね でーじやしが あまんかいいみそーり
'uma utooti 'uhi naa naa 'abimiseenee deeji yashiga 'amaNkai 'imisoori
そこに居てこんなにも大声でしゃべられたら大変なのであちらにお入りください
語句・うま そこ。「んま」とも。・うひな 「うふぃな」とも。「そんなにも(沢山、あるいは少なく)」



(男)汝が事ゆ思てぃ あがとからくがと 云言葉になりてぃ呉り
やーがゆくとぅうむてぃ あがとーからくがとーいくとぅばになりてぃくぃり
yaa ga kutu yu 'umuti 'agatoo kara kugatoo 'ikutuba ni nariti kwiri
お前のことを思ってあんなに遠くからこんなに遠くまで(来た)私の言葉で親密になってくれ
語句・あがとー あんなに遠く。・くがとー こんなに遠く。・いくとぅば 「言葉」。ここでは「告白」の言葉。・なりてぃ <なゆん 「慣れる。なじむ。親密になる」


(女)云言葉んねらん 思い思い知やびらん うま居とてぃ うひなあなあ あびみせね 親兄弟に   聞かりいね大事やしが
いくとぅばんねらん うむいうむいしやびらん うまうとーてぃ うひなーなーあびみせーねー うやちょーでーにちかりーね でーじやしが
'ikutubaN neeraN 'umui 'umui shiyabiraN 'uma utooti 'uhinaa naa 'abimiseenee 'uyachoodee ni chikariine deeji yashiga
言葉もでない(貴方の)思いも知りません そこでこんなに大声だされたら親兄弟に聞かれて大変なことになるわ


(男)あきよ自由ならんたきゆ又やりば くま居とてぃ死ぬしどぅまし
あきよ じゆならんたきゆまたやりば くまうとーてぃしぬしどぅまし
'akiyoo jiyu naraN taki yu mata yariba kuma utooti shinushi du mashi
えー!自由にならないのであれば ここで死んだほうがましだ
語句・あきよ あら!・たきゆ ほどの。「たきゆまたやりば」は良く芝居の台詞で使われる。「・・ほどのことであるならば」くらいの意味。


(女)命までぃ捨てぃるたきゆ又やりば 云言葉にんなりやびら
ぬちまでぃしてぃるたきゆまたやりば いくとぅばにんなりやびら
nuchi madi shitiru taki yu mata yariba 'ikutuba niN nari yabira
命を捨てるほど(思っておられるの)であれば 貴方のお言葉通りになりましょう


(男)どでぃんぐゎなりてぃ呉り 七夜に及でぃ通たくとぅ自由なとさ 通らんむん自由なゆみ通   たくとぅ自由なとさ 
どーでぃんぐゎなりてぃくぃり ななゆるにうゆでぃかゆたくつ じゆなとーさ かゆらんむんじゆなゆみ かゆたくとぅじゆなとーさ
doodiNgwa nariti kwiri nanayuru ni 'uyudi kayuta kutu jiyu natoosa kayuraNmuN jiyu nayumi kayutakutu jiyu natoosa
どうか親密になってくれ いくつもの夜をかけて通ったので自由になったよ 通わなければ自由になるまい?通ったから自由になったんだ
語句・どーでぃん どうか。どうにか。・ななゆる 数字の「七」回ではなく「何回も」の意味。  続きを読む

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2011年04月12日

挽物口説

挽物口説
ふぃちむんくどぅち
hwichi muN kuduchi
挽物口説
語句・ふぃちむん 「挽物。ろくろがんなで作ったもの。木の皿・椀・盆など」【沖辞】。「挽物」(ひきもの)とは古来からある工芸技術の一つで、ろくろを横にしたようなものに木を取り付け、回転させながらカンナなどで削り日用品から工芸品まで作る。


男A 我んどぅ挽物細工やしが 田場天願かい行ちゅる事やしが前引ちぬ居らん事 
   隣ぬ津覇添うてぃ行ちゅん 津覇よ 津覇よ

わんどぅふぃちむんぜーくやしが たーばてぃんがんかいいちゅるぐとぅやしが めーふぃちぬうらんぐとぅ とぅないぬちーふぁーそーてぃいちゅん ちーふぁーよちーふぁーよ
waN du hwichimuNzeeku yashiga taaba tiNgan kai 'ichuru gutu yashiga meehwichi nu uraNgutu tunai nu chiihwaa sooti 'ichuN chiihwaa yo chiihwaa yo
私こそは挽物師であるが 田場天願に行くのだが (荷物の)前を引く者が居ないので隣の津覇を連れて行く 津覇よ 津覇よ
語句・ふぃちむんぜーく 挽物師。・たーばてぃんがん 田場、天願。地名は隣同士の二つの地名を繋げていうことが多い。中頭、具志川間切にあった。

男B 誰やみせーびーが
たーやみせーびーが
taa ya mi seebiiga
どなたでございますか?

男A 我んどぅやっさみ津覇 津覇よ くぬ間御頑丈んあっちゅたみ
わんどぅやっさみちーふぁー ちーふぁーよ くぬえだがんじゅーんあっちゅたみ
waN du yassami chiihwaa chiihwaa yoo kunu yeda gaNjuN 'acchutami
私だよ 津覇 津覇よ このところ元気にしていたか?

男B うーうんじゅん御頑丈んあっちみせーびてぃい
うーうんじゅんうがんじゅーんあっちみせーびてぃい
'uu 'uNjuN 'ugaNjuN 'acchimiseebitii
〇はい 貴方もお元気でいらっしゃいましたか?
語句・うーはい。 目上のものへの返事。

男A 田場天願かい行ちゅる事やしが 前引ちぬ居らん事汝や行かに
たーばてぃんがんかい'いちゅるくとぅやしが めーふぃちぬうらんくとぅやーやいかに
taaba tiNgaN kai 'ichuru kutu yashiga meehwichi nu uraN kutu yaa ya 'ikani
田場天願に行くのだが 前引きが居ないのでお前行かないか?

男B 我んや腰ぬ病でぃ行ちゅうさびらん事 別から頼みんそうち そうてぃめんそうれ
わんやくしぬやでぃいちゅーさびらんくとぅ びちからたぬみんそーち そーてぃめんそーれ
waN ya kushi nu yadi 'ichusabiraN kutu bichi kara tanumiNsoochi sooree
私は腰を痛めていくことができないので別から頼んでください(その人を)連れて行ってください

男A 彼方やよう津覇 津覇よ 地頭代ぬ御祝儀食ぇーやてぃ牛豚殺すんど
あまやよーちーふぁー ちーふぁーよ じとぅでーぬぐすーじぐぇーやてぃ うしうゎーくるすんど
'ama ya yoo chiihwaa chiihwaa yoo jitudee nu gusuuji gwee yati 'ushi 'waa kurusuN doo
あそこはよ 津覇よ 津覇よ 地頭代のお祝い料理で牛豚を殺すんだよ
語句・ぐぇー <くぇー<くぇーむん 御馳走。

男B あんせーな道具取てぃ来わ添うてぃめんそーり 
   あぬ坂何んでぃ云ゆる坂だやびるが

あんせーなーどーぐとぅてぃくーわ そーてぃめんそーり あぬふぃらぬーんでぃいゆるふぃらだやびるが
'ansee naa doogu tuti kuuwa sooti meNsoori 'anu hwira nuu Ndi 'iyuru hwira dayabiru ga
そうなんですか 道具を取って来たら連れていってください あの坂はなんという坂でございますか?
語句・ <「ば」の弱まった形。・・たら。

男A ありやよー津覇 津覇よ 荻道大城ぬ坂んでぃ云んど
ありやよーちーふぁー ちーふぁーよ うんじょーうふぐしくんでぃいゆんどー
'ari ya yoo chiihwaa chiihwaa yo uNjoo 'uhugushiku nu hwira Ndi 'iyuN doo
あれはよ 津覇 津覇よ 荻道大城の坂というんだよ
語句・うんじょー 荻城。中城にある。

男B あんしん高さる坂んあやびかや 彼方居てぃ鳴ちゅる牛ぇー何牛だやびるが
あんしんたかさるたかさるふぃらんあやびかや あまうてぃなちゅるうしぇーぬーうしだやびるが
'anshiN takasaru hwiraN 'ayabika yaa 'ama uti nachuru 'ushee nuu 'ushi dayabiru ga
あのように高い坂もあるのでしょうか? あそこで鳴いている牛はなんという牛でございますか?
語句・うしぇー 牛は。<うし+や。

男A ありやよー津覇 津覇よ 地頭代ぬ御祝儀喰ぇーやてぃ殺する牛てぃんど
ありやよーちーふぁー ちーふぁーよ じとぅでーぬぐすーじくぇーやてぃくるするうしてぃんどー
'ari ya yoo chiihwaa chiihwaa yoo jitudee nu gusuuji kwee yati kurusuru 'ushi tiN doo
あれはね津覇 津覇よ 地頭代のお祝い料理で殺す牛なのだよ
語句・じとぅでー 「地頭(zituu)のかわりに、その地頭の采邑すなわち間切(maziri)を統治する者。中央集権後、地頭は首里に住み、地方の平民の有力者がかわってその間切を統治することになりzitudeeと呼ばれた」【沖辞】。

男B あんしぇーな 我達までぃん御馳走さびいさや 病むる腰までぃん 治ゆるぐとぅさ 
   鍋なくーさびら 挽物さびら

あんしぇーなー わったーまでぃんくわっちーさびいさや やむるくしまでぃん のーゆるぐとぅさ なーびなくーさびら ふぃちむんさびら
'anshee naa watta madiN kwacchi sabiisa yaa yamuru kushi madiN nooyuru gutu sa naabinakuusabira hwichimuNsabira
そうですか!私たちまでも御馳走されるのですか 腰痛までも治るようですね 「鍋修理しましょうか~ 挽物しましょうか」
語句・くゎっちー 御馳走。「『活計』に対応する語か」【沖辞】。・なーびなくー 鍋修理。「なーびぬくー」とも云う。「鍋釜の修理。鍋釜の穴のあいたものをふさぐこと。いかけ。いかけ屋。鍋の(naabinu)いかけ(kuu)の意」【沖辞】。

女  いぇーたり主ぬ前 何んでぃ云みせーが
えーたり すぬめー ぬーんでぃいみせーが
'ee tari su nu mee nuu Ndi 'imisee ga
もし!あなた方 なんとおっしゃいましたか
語句・えーたり 目上のものへの女性の呼びかけ語。「もし」

男A 鍋なくー挽物すんでぃち 歩っちゅしが
なーびなくーふぃちむんすんでぃち あっちゅしが
naabinakuu hwichimuN suNdichi 'acchushi ga
鍋修理、挽物するといって歩いているのだが

女  我たーにんあいびー事 気張てぃ呉みそーれ くぬ鍋鹿児島下いぬ 
   一枚二合三枚中だに 穴ぎとんでぃ くぬ前ぬ鍋なくーがん あん云みせーたん

わったーにんあいびーくとぅ ちばてぃくぃみそーれ くぬなーべーかぐしまくだいぬ いちめーにんごーさんめー なかだに ふぎとんでぃ くぬめーぬなーびなくーがん あんいみせーたん
wattaa niN 'aibii kutu chibati kwimisoore kunu naabee kagushima kudai nu 'ichimee niNgoo saNmee nakadani kunu mee nu naabinakuu gaN 'aN 'imiseetaN
私の家にもあるので頑張ってください この鍋は鹿児島から来たもので一枚ニ合三枚の中にしっかり穴があいているんだと この前の鍋修理がそういっておりました
語句・ふぎとんでぃ 穴があいていると。<ふぎゆん ふぎいん。穴があく。+んでぃ と。

女  商ーとぅユウベーとぅたんかまんか 鍋なくー主ぬ前んうちばいみそり 
   挽物主ぬ前んちばいみそり 我んやくま居とーてぃ囃子さびら

あちねーとぅゆーべーとぅたんかーまんかー なーびなくーすぬめーん うちばいみそり ふぃちむんすぬめーんちばいみそり わんやくまうとーてぃふぇーしさびら
'achinee tu yuubee tu taNkaamaNkaa naabinakuu sunumeeN 'uchibaimisori hwichimuN sunumeeN chibaimisori waN ya kuma utooti hweeshi sabira
商売と妾(遊び)は向かい合わせ 鍋修理のお方頑張ってください 挽物のお方頑張ってください 私はここで囃子をしましょう
語句・たんかーまんかー 「相対するさま。向かい合うさま」。ここでは「仕事がうまくいけば遊びもできますよ」くらいの意味か。

【唐船ドーイ】
(略)

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2011年04月08日

なりたい節

なりたい節
なりたいぶし
(題名、大和口のため発音、意味略)


作詞 比嘉盛雄 登川誠仁
作曲 登川誠仁


一、(男)鶯になやい思女が寝座敷ぬ駕籠なかに宿て暮らしぶさぬ
うぐいしになやい んぞがにざしちぬ かぐなかにやどぅてぃくらしぶさぬ
'uguishi ni nayai Nzo ga nizashichi nu kagu naka ni yaduti kurashibusanu
鶯になって愛しい貴女の寝ている部屋のカゴの中に宿って暮らしたくてたまらない
語句・くらしぶさぬ くらしたくてたまらない。ぶさぬ<ぶさん、ぶしゃんの「原因形」(【琉辞】)。・・したいので。・・したくてたまらない。


  (女)うかしいむんやさ すくちなむん すくちなむんやさ 口びけい
うかしいむんやさ すくちなむん すくちなむんやさ くちびけい
ukashiimuN yasa sukuchinamuN sukuchinamuN yasa kuchi bikei
おかしい人だよ おもしろい人 おもしろい人だよ 口ばかり
語句・すくち 「【粗忽[そこつ]】そそっかしいこと;剽軽[ひょうきん]なこと」【琉辞】。おもしろい、くらいの意味。
(返しは以下同じなので略す)


二、(女)帽子小になやい何時迄ん里にかみらりて我んね暮らしぶさぬ
ぼーしぐゎになやい いちまでぃんさとぅにかみらりてぃわんねくらしぶさぬ
booshigwa ni nayai 'ichimadiN satu ni kamirariti waNne kurashibusanu
帽子になって何時までも貴方にかぶられて私は暮らしてみたくてたまらない
語句・かみらりてぃ かぶられて。<かみゆん 頭の上にのせる、頂く。の受身。


三、(男)ハンドバックになやい何時迄ん思女に大切にさりて暮らしぶさぬ
[はんどばっく]になやい いちまでぃんんぞにてーしちにさりてぃくらしぶさぬ
[はんどばっく]ni nayai 'ichimadiN Nzo ni teeshichi ni sariti kurashibusanu
ハンドバックになって何時までも愛する貴女に大切にされて暮らしてみたくてたまらない


四、(女)我ね靴になやい里が行く所何時迄んお供拝みぶさぬ
わねくつになやいさとぅがいくとぅくる いちまでぃんうとぅむ うがみぶさぬ
wane kucu ni nayai satu ga 'iku tukuru 'ichimadiN 'utumu ugamibusanu
私、靴になって貴方が行く所に何時までもお供してみたくてたまらないわ
語句・うがみ <うがぬん うがむん。「拝む」「会う」「見る」の謙譲語。ここでは「(お供して)みたい」くらいの意味。



五、(男)皮帯になやい思女ガマクだちょて何時迄ん供に暮らしぶさぬ
かわうびになやいんぞがまくだちょてぃ いちまでぃんとぅむにくらしぶさぬ
kawaubi ni nayai Nzo gamaku dachoti 'ichimadiN tumu ni kurashibusanu
ベルト(?)になって愛しい貴女の腰を抱いていつまでも共に暮らしてみたくてたまらない
語句・かわうび 皮製の帯だから「ベルト」のことではないだろうか。沖縄語辞書にはない。


六、(女)思み里と互に浮世ほがらかに何時んぬくぬくと暮らしぶさぬ
うみさとぅとぅたげにうちゆふがらかに いちんぬくぬくとぅくらしぶさぬ
'umisatu tu tage ni 'uchiyu hugaraka ni 'ichiN nukunuku tu kurashibusanu
愛しい貴方と互いに浮世をほがらかに何時もぬくぬくと暮らしてみたくてたまらない


七、(男)鏡小になやい朝夕さん思女に拝まりて我んや暮らしぶさぬ
かがんぐゎになやい あさゆさんんぞにうがまりてぃわんやくらしぶさぬ
kagaNgwa ni nayai 'asayusaN Nzo ni ugamariti waN ya kurashibusanu
鏡になって一日中も愛しい貴女に見られて私は暮らしたくてたまらない
語句・かがん 鏡。・あさゆさん 一日中も。


八、(男女)自転車になやい後先ややてん供に一道から走して暮らさ
[じてんしゃ]になやいあとぅさちややてぃん とぅむにちゅみちからはしてぃくらさ
[じてんしゃ]ni nayai 'atu sachi ya yatiN tumu ni chumichi kara hashiti kurasa
自転車になって後先になったりであっても共に協力しあって走ってくらそうね
語句・あとぅさち 直訳では「前後」「後先」だが、「後ない先ない」(あとぅないさちない。後になったり先になったり。相前後して)という言葉もある。・ちゅみちから 「一つの道、同じ道。同じ方針で進むこと。協力すること」【沖辞】。「夫婦一道」(みーとぅんだー ちゅみち 夫婦は協力しあうべし。)という言葉もある。・くらさ 暮らしたい。暮らそう。<くらしゅん、くらすん。暮らす。志向形(・・したい。しよう)。  続きを読む

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2011年03月31日

便り

便り
たゆい
tayui
便り
語句・たゆい 「便り」「頼り(となるもの)」【琉辞】。ここでは手紙のこと。

作詞 作曲/喜屋武 繁雄  

一 達者しちいめみ かなし親がなし渡海や隔ぢゃみとてぃ 思たびけい [思たびけい](繰り返し 以下略)
たっしゃしちいめみ かなしうやがなし とぅけやふぃじゃみとてぃ うむたびけい
tassha shichi 'imemi kanashi 'uya ganashi tuke ya hwijamitoti 'umutabikei
達者しておられますか 愛しいご両親様 離れて居て 思うばかり (思うばかり)
語句・しちいめみ しておられますか? <しち(<しゅん 接続形)+ いめ<いめー(<いめーん の活用語幹。いらっしゃる。)+み(疑問形の文末につく活用語尾)・かなし 愛しい。「かなし親がなし」は敬語を重複させ最大級の敬意を含めている。・ふぃじゃみとてぃ <ふぃじゃみゆん ふぃじゃみいん 隔てる。→ふぃじゃみとーてぃ 隔てていて。・うむたびけい 思うばかり。(直訳では「思っていたばかり」)


ニ 別てぃ旅出じる 親ぬ上ん知ゆるわがままぬ昔 許ちたぼり
わかてぃたびんじる うやぬうぃんしゆる わがままぬんかし ゆるちたぼり
wakati tabi 'Njiru 'uya nu wiN shiyuru wagamama nu Nkashi yuruchitabori
別れて旅にでてから親の心をしることができました わがままの昔をお許しください
語句・んじる 直訳では「出てこそ」。ここでは「出てはじめて」「出てから」くらいの意味。 <んじ (<んじゆん んじいん 出る。)+ る (<どぅ duとru はしばしば同じ様に使われる。)・うぃ 上。身の上。立場。ここでは「心」とした。


三 世間ぬ波風や 冷たさやあてぃん負きらじに居むぬ 心配やみそな
しけぬなみかじや ちみたさやあてぃん まきらじにうむぬ しわやみそな
shike nu namikaji ya chimitasa ya 'atiN makiraji ni 'umunu shiwa ya misona
世の中の波風は冷たくはあれども負けないでいますので心配はされないように
語句・むぬ 「①…ものを」「②…のに」「③…ので」【琉辞】。ここでは③「居るので」。 ・みそな されないように。<みせーん なさる。の禁止命令。なさるな。


四 肝心磨ち 戻てぃ来ゅる間やしばし別り路や 淋さみそな かなし親がなし
ちむぐくるみがち むどぅてぃちゅるいぇだや しばしわかりじや さびさみそな かなしうやがなし
chimugukuru migachi muduti churu yeda ya shibashi wakariji ya sabisamisona kanashi 'uyaganashi
真心を磨き戻ってくるまでの間はしばしの別れですから 淋しくなされないように 愛しいご両親様  続きを読む

Posted by たる一 at 10:31Comments(0)た行

2011年03月12日

東北太平洋沖地震

昨日起きた東北・太平洋沖地震。

被災された皆様、関係者の皆様、心よりお見舞い申し上げます。  

Posted by たる一 at 08:18Comments(8)

2011年03月06日

ムリカ六星

ムリカ六星
むりかむちぶし
murika muchi bushi
昴(すばる)群星
語句・むりか「昴(すばる)星」【石垣方言辞典】ムリブスィmuribushU+EFとも。「ムリカの[murika]のカ[ka]は愛称接尾辞カー[ka:]のつまった形」【石辞】ともある。 ・むちぶし すばる。プレアデス星団。「ぶりぶしburibushi」ともいう。「群星〔特に、天の川〕;〔八重山ではmuru-bushiとして〕すばる[プレアデス星団]」【琉辞】。「六」という数字はすばるが肉眼では六個ほどの星に見えることとにもかけている。

作詞/照屋林助 作曲/照屋林賢


一、ムリカ六星や群りてぃ盛り上がる天ぬまなかみち渡る清らさ
むりかむちぶしやむりてぃむりあがる てぃんぬまなかみちわたるちゅらさ
murika muchibushi ya muriti muriagaru tiN nu manaka michi wataru churasa
スバル群星は群れて盛り上がる 天の真ん中の道を渡るのが美しいことよ!


二、天ぬ御心ゆ委細に聞ちうがでぃ世間ぬたみしゅんでぃ渡るいそさ
てぃんぬみくくるゆいせにちちうがでぃ しけぬたみしゅんでぃわたるいそさ
tiN nu mikukuru yu 'ise ni chichi ugadi shike nu tamishuNdi wataru 'isosa
天の御心を詳しく拝聴し 世界を試すために渡ることの嬉しさ
語句・いせ <いせー 'isee  「委細;明細」「詳しく」「明確に」【琉辞】 詳しく。・うがでぃ 拝む。お会いする。ここでは「ちちうがでぃ」直訳すれば「聞き拝む」→「拝聴する」。・たみしゅんでぃ 試すために。<たみし。<たみしゅん 試す。+んでぃ ために。・いそさ <いそーしゃ。 いしょーしゃ。嬉しさ。


三、むちり星でんさ夜毎むちりやいムヅクイ期節ゆ知らす嬉しゃ
むちりぶしでんさ ゆぐとぅむちりやい むじゅくいぬとぅちゆしらすうりしゃ
muchiri bushi deNsa yu gutu muchiriyai mujukui nu tuchi yu shirasu 'urisha
群れた星であるからなるほど夜ごとに仲良くして 農業の時季を知らせることの嬉しいことよ!
語句・でんさ 八重山方言の「でんさー」、「尤もだ、その通りだ」【琉辞】。ここでは接続後的に使用され「・・だからなるほど」くらいに訳せる。・むちりやい仲良くして。<むちりゆん。仲睦まじくする。仲良くする。・むじゅくい 農業。農作。


四、節々ゆ違んムリカ星影にムヅクイんゆかてぃみるく世果報ムリカ六星
しちしちゆたがんむりかぶしかじに むじゅくいんゆかてぃ みるくゆがふ むりかむちぶし
shichishichi yu tagaN murikabushikaji ni mujukuiN yukati mirukuyugahu murika muchibusi
季節を区別するスバルの星影に 農業は豊作となり五穀豊穣を迎える スバル群星
語句・しちしち 季節。・ を。・たがん <たがゆん たがいん。「違う、違える」【琉辞】。ここでは「季節を区切る、区別する」役割をスバルの星影(位置)が担うということであろう。


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Posted by たる一 at 10:36Comments(0)ま行

2011年01月23日

嘆きの渡り鳥

嘆きの渡り鳥
なじきぬわたりどぅり
najiki nu watariduri
嘆きの渡り鳥


作 川田松夫

一、母の懐恋忍でぃ寝ぐら出んじたる渡り鳥浮世嵐ぬ自由ならん迷てぃ夜半に泣ち飛ぶる
ふぁふぁぬふちゅくるくいしぬでぃ にぐらんじたるわたりどぅり うちゆあらしぬじゆならん まゆてぃゆわになちとぅぶる
hwahwa nu huchukuru kui shinudi nigura 'Njitaru watariduri 'uchiyu 'arashi nu jiyu naraN mayuti yuwa ni nachi tuburu
母の懐を恋忍ぶように寝ぐらを出て行く渡り鳥 浮世の嵐が自由にならないと迷って夜中に泣き飛ぶ
語句・んじたる 出る。<んじゆん 出る。


ニ、泣くな嘆くな渡り鳥今日や此ぬ村宿頼てぃ情きぬ露に袖濡らち明日や朝から母探ら
なくななじくなわたりどぅり きゅやくぬむらやどぅたゆてぃなさきぬちゆにすでぃぬらちあちゃやあさからふぁふぁとぅめら
nakuna najikuna watariduri kiyu ya kunu mura yadu tayuti nasaki nu chiyu ni sudi nurachi 'acha ya 'asa kara hwahwa tumera
泣くな嘆くな渡り鳥 今日は此の村に宿を頼って 情けの露に袖を濡らし明日は朝から母を探そう
語句・とぅめら探そう。<とぅめゆん 探す。未然形。「…しよう」「…したい」。


三、情ぬ露にふださりてぃ迷いさみたる此ぬ我身や今日ぬ良かる日に台南丸に打ち乗やい行ちゅん泣ちぇ呉るな
なさきぬちゆにふださりてぃまゆいさみたるくぬわみや きゅぬゆかるふぃにたいなんまるにうちぬやい いちゅんなちぇくぃるな
nasaki nu chiyu ni hudasariti mayui samitaru kunu wami ya kiyu nu yukaru hwi ni tainaNmaru ni 'uchi nuyai 'ichuN nachekwiruna
情けの露にほだされて迷っているこの私は今日の良い日取りに台南丸に乗り込んで行くが泣いてくれるな


四、今日ぬ振別りや苦さしが待てば海路ぬ日和さみ戻てぃめる時ぬ嬉さとぅ思ば涙押し払てぃ笑てぃ送やびら
きゆぬふやかりやくりさしがまてぃばかいるぬひゆりさみ むどぅてぃめるとぅちぬうりさとぅみば みなだうしはらてぃわらてぃうくやびら
kiyu nu huyakari ya kurisa shiga matiba kairu nu hiyuri sami mudutimeru tuchi nu 'urisa tu miba minada 'ushiharati warati 'ukuyabira
今日の一生の別れは苦しいが待てば海路の日和があるのだよ 戻ってくる時の嬉しさを思えば涙ぬぐって笑って送りましょう
語句・しが が。・さみ なのだよ。・みば 思えば。・みなだ 涙。<みーなだ 涙。<みー 目。+なだ なみだ。


五、結でぃある契りあぬ世までぃん比翼連理ぬ鳥心紺染みに染みてぃ変わて呉るな何時ん音信や送てぃたぼり
むしでぃあるちじりあぬゆまでぃん ひゆくりんりぬとぅいぐくる くんずみにすみてぃかわてぃくぃるな いちんうとぅしりやうくてぃたぼり
mushidi 'aru chijiri ya 'anu yu madiN hiyuku riNri nu tuigukuru kuNzumi ni sumiti kawati kwiruna 'ichiN 'utushiri ya 'ukutitabori
結んだ契りはあの世までも比翼連理の鳥のように一体で心も紺染めのように染めあって変わってくれるな 何時も音信を送ってください 
語句・ひゆくりんり 男女心も体も一体になること、仲むつまじい例。「比翼」は「比翼の鳥」で「目翼がそれぞれ一つづつで雌雄一体となって飛ぶ想像上の鳥」。「連理」は「連理の枝」で「日本の木の枝や根がひとつになること」。中国唐代の詩人白居易(=白楽天、772-846年)の長編叙事詩「長恨歌」の中の「天にあっては比翼の鳥となり、地にあっては連理の枝とならん」からきている。  続きを読む

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2011年01月22日

北谷真牛

北谷真牛
ちゃたんもーしー
chataN mooshii
北谷の真牛(名前)
語句・ちゃたん ・もーしー 「うしー」(牛)という沖縄の名前に「もー」(真)という敬称がついたもの。普通に「もーしー」「もーさー」という名前もあった。「童名[ワラビナー]のひとつ〔(男子にもあったが)女子に多かった;親しい間柄ではMoosaaとも〕」【琉辞】。

作詞 作曲/湧川 明


一 昔歌なかい詠まりたる人や誠歌心 北谷真牛
んかしうたなかい ゆまりたるふぃとぅや まくとぅうたぐくる ちゃたんもーし
Nkashi 'uta nakai yumaritaru hwitu ya makutu 'utagukuru chataN mooshii
昔の歌に詠まれた(その)人は本当の歌心があった(その人は)北谷の真牛
語句・なかいの中に。「〔存在する場所を示して〕…(の中)に。」【琉辞】。


ニ 飛ぶ鳥ん淀む打ち出ぢゃす歌声大川城ぬ北谷真牛
とぅぶとぅいんゆどぅむうちんじゃすうたぐぃ おーかーぐしくぬちゃたんもーし
tubu tuiN yudumu 'uchiNjasu 'utagui 'ookaagushiku nu chataN mooshii
飛ぶ鳥もと(聞き)どまる(真牛の)唄いだした歌声に 大川城の北谷真牛
語句・ゆどぅむ <ゆどぅぬん。 ゆどぅむん。よどむ。とどまる。・うちんじゃす 打ち出す。歌の「歌いだし」を意味することが多い。

 
三 三味線に乗してぃ美ら節ゆ入りてぃ月んなびかする北谷真牛
さんしんにぬしてぃちゅらふしゆいりてぃちちんなびかするちゃたんもーし
saNshiN ni nushiti chura hushi yu 'iriti chichiN nabikasuru chataN mooshii
三線にのせて美しい節をいれて 月もなびかせる北谷真牛
語句・ちゅらふし 美しい節。「ふし」とは歌のテクニックのひとつで、声の微妙な揚げ下げによって情感をかもしだすこと。・なびかする <なびちゅん なびく。
     

四 歌声ぬ美らさ島々に届ち北山に咲かす北谷真牛
うたぐぃぬちゅらさしまじまにとぅどぅちふくざんにさかすちゃたんもーし
'utagui nu churasa shimajima ni tuduchi hukuzaN ni sakasu chataN momoshii
歌声の美しさ村々に届き北山に咲かせる北谷真牛
語句・とぅどぅち 届き。<とぅどぅちゅん 届く。・ふくざん 北山。14~15世紀の沖縄本島を三つにわけて支配していた北部の勢力のひとつ。真牛には北山との関わりがあるとされている。
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Posted by たる一 at 11:43Comments(0)た行