2008年05月08日
戻り駕籠(サイレン節、白保節、唐船どーい)
戻り駕籠
むどぅいかぐ
mudui kagu
○戻る駕籠
作詞 玉城盛義
【サイレン節】
(男)駕籠に乗したる美ら女 うぬ年春ぬ若みどり 遠山目眉に芙蓉ぬ色 昔ぬ楊貴妃うりがやら
かぐにぬしたる ちゅらうぃなぐ 'うぬとぅし はるぬわかみどぅり [えんざん]みまゆに ふゆぬ'いる んかしぬよーきひ'うりがやら
kagu ni nushitaru chura winagu 'unu tushi haru nu wakamiduri [eNzaN]mimayu ni huyu nu 'iru Nkashi nu yookihi 'uri ga yara
○駕籠に乗せた美しい女 その年(は)春の若い芽 遠山のようになだらかな目眉に芙蓉のような美しい色 昔の楊貴妃その(人)であろうか
語句・みどぅり新芽 緑。ここでは「芽」。・えんざん 大和口で「遠山の眉」とは「遠山のように薄くなだらかな眉」美人の眉のたとえ。・ふゆ 芙蓉 <ふゆー アオイ科の落葉低木。美人のたとえによく使われる。
(男)牡丹芍薬百合ぬ花 年やニ八ぬ花盛り 匂いぬ芳さや梅の花 ぬぶしんさがゆさ 鼻はんち
ぶたんしゃくやくゆいぬはな とぅしやにはちぬはなざかい にうぃぬかばさや'んみぬはな ぬぶしんさがゆさ はなはんち
butaN shakuyaku yui nu hana tushi ya nihachi nu hanazakai nwi nu kabasa ya 'Nmi nu hana nubushiN sagayusa hana haNchi
○牡丹芍薬百合の花 年は16(くらい)の花盛り 匂いの芳しさは梅の花 のぼせも下がるよ 鼻はじけ
語句・にはち 2×8=16 16くらいの。 ・ぬぶしん のぼせも <ぬぶし のぼせ 上気 ・はなはんち 直訳すれば「鼻(を)はじけ」 はんち<はんちゅん はじく。
(男)まじくま降ち汗入ってぃ憩やい駕籠ぬあぬ女 出じゃち話さな一人旅 する訳聞ちんだ寄しかきてぃ
まじくま'うるち'あし'いってぃ ゆくやいかぐぬ'あぬうぃなぐ 'んじゃちはなさなひちゅいたびするわきちちんだ ゆしかきてぃ
maji kuma 'uruchi 'ashi'itti yukuyai kagu nu 'anu winagu 'Njachi hanasana hwichui tabi suru wachi chichiNda yushikakiti
○まずここに下ろして涼んで休憩して 駕籠のあの女出させて話したい 一人旅する訳を 聞いてみたい 近づいて
語句・まじ まず ・くま ここ 「二人称」では「あなたさま」、「三人称」では「あの方」という使い方もある。ここでは場所だろう。・あしいってぃ 汗を入れて→涼んで ・ちちんだ 聞いてみたい。<ちち<ちちゅん 聞く 連用形 + んだ<んんじゅん 見る 未然形 ・・・してみたい。・ゆしかきてぃ 寄せ掛けて→近づいて。
(男)駕籠ぬ中ぬあぬ女 我妻なゆんどぅんやりば 妻ぬバチ小やちゃんなぎてぃ むる肝打ち呉てぃ儘なゆしが
かぐぬなかぬ'あぬうぃなぐ わーとぅじなゆんどぅんやりば とぅじぬばーちぐゎやちゃんなぎてぃ むるじむ'うちくぅいてぃままなゆしが
kagu nu naka nu 'anu winagu waatuji nayuN duNyariba tuji nu baachigwa ya chaNnagiti murujimu 'uchikwiti mamanayuru
○駕籠の中のあの女 私の妻にでもなれば 妻のカカアはほうり投げ捨てて 心すべてあげて一緒になるのだけども
語句・どぅん ・・でも。「duの強意」(琉)。ここでは「なりば」と結んで「もしも妻になるようなことでもあれば」と願いを強調。 ・ばーちぐゎ 普通、「バーチー」は「叔母さん、小母さん」くらいだが、ここでは卑小の「小」をつけて、妻をさす「かあちゃん」「カカア」ぐらいが適当。短縮して「ばち」・ままなゆしが 一緒にになるのだけども。 「まま」は「思い通りに」。「ままなゆん」で「一緒になる」「結婚する」くらい。
(男)汝やむる肝 また我んねえ 蛸のまちぶい ちゃーまちぶい バチ小や捨てぃやい あぬ女妻しば極楽 しかきてぃんだ
'やーやむるじむ またわんねー たくぬまちぶい ちゃーまちぶい ばちぐわゎやしてぃやい 'あぬうぃなぐとぅじしばぐくらく しかきてぃんだ
'yaa ya murujimu mata waNnee taku nu machibui chaa machibui bachigwa ya shitiyai 'anu winagu tujishiba gukuraku shikakitiNda
○お前は全ての心 また私も(同じ) タコがからみつく(ように)ずっと離れられない カカアは捨ててあの女(を)妻にすれば極楽 (話し)しかけてみたい
語句・むるじむ 直訳で「全ての心」。二人の男が美人に「惚れまくった」くらいか。 ・まちぶい タコがからみくっついた様子。・ちゃー ずっと…している。・んだ …してみたい。<んんじゅん 見る …してみる。
(男)・思ゆる女やただ一人 男や余てぃ中たなか
'うむゆるうぃなぐやただひちゅい うぃきがや'あまてぃなかたなか
'umuyuru winagu ya tada hwicui wikiga ya 'amati nakatanaka
○思う女はただ一人 男は余って仲(は)二つ仲
語句・なかたなか 仲は二つの仲→女性を巡り対立している様。<なか+たー 二つの+なか。
(男)喧嘩てぃ勝ちゅしが妻すゆん とう早くしかきり 我ね負きらん
'おーてぃかちゅしが とぅじすゆん とーふぇーくしかきり わねまきらん
'ooti kachushi ga tuji suyuN too hweeku shikakiri wane makiraN
○決闘して勝ったほうが妻にする さあ早く(決闘)仕掛けろ 俺は負けない
語句・おーてぃ 喧嘩して。決闘して。・かちゅし 勝った者。 「し」は動詞について名詞化する。
(男)我んにん負きらん 女ぬたみなかいどぅ生ちちょる とーしかきり
わんにんまきらんうぃなぐぬたみなかいどぅ'いちちょる とーしかきり
waNniN makiraN winagu nu tami nakai du 'ichichoru too shikakiri
○俺も負けない 女のためにこそ生きているのだ さあ仕掛けろ
語句・なかい に。
【白保節】
(女)女を我ん一人 男や二所 語れないびらん 今から後を友小なやい 踊てぃ遊ば
うぃなごーわんちゅい うぃきがやたとぅくる かたれーないびらん なまから'あとーどぅしぐゎなやい 'うどぅてぃ'あしば
winagoo waN chui wikiga ya tatukuru kataree naibiraN nama kara 'atoo dushigwa nayai 'uduti 'ashiba
○女は私一人 男は二人 仲間になりましょうよ 今からずっと友達になって踊り遊びたい
語句・うぃなごー 女は<うぃなぐ+や 融合して語尾が「ごー」となる。「わん」(私)が「わんねー」(私は)となる原理と同じ。「や」は「短いi,a,uに終わる語に付く時はそれらの母音と融合し、ee、aa、ooとなる。」(沖)。・かたれー 「仲間になること。仲間入りを約束すること」(沖)。・ないびらん なりましょうね。<ない<なゆん+びら<あびゆん ます。→あびら 希望を表す未然形。+ん 強調を表す。・あとー 後は。<あとぅ+や。上述参考。
(男)我んねえしむしが汝やちゃーすが
わんねーしむしがやーやちゃーすが
wanee shimushiga yaa ya chaasuga
○俺はかまわないがお前はどうするか?
語句・しむしが かまわないが。<しむん 済む。終わる。「しむさ」いいよ。
(男)我んにんゆたさんてー
わんにんゆたさんてー
waNniN yutasaNtee
○俺もいいよ
語句・ゆたさん よい。よろしい。形容詞。・てー よ。
【唐船ドーイ】
でぃちゃよ 押し連れてぃ眺みやい遊ば 今日や名に立ちゅる十五夜でむぬ
でぃちゃよ'うしちりてぃながみやい'あしば きゆやなにたちゅるじゅぐやでむぬ
dicha yoo 'ushichiriti nagamiyai 'ashiba kiyu ya na ni tachuru juguya demunu
○さあ一緒に連れ立って眺めたりして遊ぼう 今日は有名な十五夜なのだから
語句・でぃちゃ さあ。・でむぬ ・・だから。・・なので。
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むどぅいかぐ
mudui kagu
○戻る駕籠
作詞 玉城盛義
【サイレン節】
(男)駕籠に乗したる美ら女 うぬ年春ぬ若みどり 遠山目眉に芙蓉ぬ色 昔ぬ楊貴妃うりがやら
かぐにぬしたる ちゅらうぃなぐ 'うぬとぅし はるぬわかみどぅり [えんざん]みまゆに ふゆぬ'いる んかしぬよーきひ'うりがやら
kagu ni nushitaru chura winagu 'unu tushi haru nu wakamiduri [eNzaN]mimayu ni huyu nu 'iru Nkashi nu yookihi 'uri ga yara
○駕籠に乗せた美しい女 その年(は)春の若い芽 遠山のようになだらかな目眉に芙蓉のような美しい色 昔の楊貴妃その(人)であろうか
語句・みどぅり新芽 緑。ここでは「芽」。・えんざん 大和口で「遠山の眉」とは「遠山のように薄くなだらかな眉」美人の眉のたとえ。・ふゆ 芙蓉 <ふゆー アオイ科の落葉低木。美人のたとえによく使われる。
(男)牡丹芍薬百合ぬ花 年やニ八ぬ花盛り 匂いぬ芳さや梅の花 ぬぶしんさがゆさ 鼻はんち
ぶたんしゃくやくゆいぬはな とぅしやにはちぬはなざかい にうぃぬかばさや'んみぬはな ぬぶしんさがゆさ はなはんち
butaN shakuyaku yui nu hana tushi ya nihachi nu hanazakai nwi nu kabasa ya 'Nmi nu hana nubushiN sagayusa hana haNchi
○牡丹芍薬百合の花 年は16(くらい)の花盛り 匂いの芳しさは梅の花 のぼせも下がるよ 鼻はじけ
語句・にはち 2×8=16 16くらいの。 ・ぬぶしん のぼせも <ぬぶし のぼせ 上気 ・はなはんち 直訳すれば「鼻(を)はじけ」 はんち<はんちゅん はじく。
(男)まじくま降ち汗入ってぃ憩やい駕籠ぬあぬ女 出じゃち話さな一人旅 する訳聞ちんだ寄しかきてぃ
まじくま'うるち'あし'いってぃ ゆくやいかぐぬ'あぬうぃなぐ 'んじゃちはなさなひちゅいたびするわきちちんだ ゆしかきてぃ
maji kuma 'uruchi 'ashi'itti yukuyai kagu nu 'anu winagu 'Njachi hanasana hwichui tabi suru wachi chichiNda yushikakiti
○まずここに下ろして涼んで休憩して 駕籠のあの女出させて話したい 一人旅する訳を 聞いてみたい 近づいて
語句・まじ まず ・くま ここ 「二人称」では「あなたさま」、「三人称」では「あの方」という使い方もある。ここでは場所だろう。・あしいってぃ 汗を入れて→涼んで ・ちちんだ 聞いてみたい。<ちち<ちちゅん 聞く 連用形 + んだ<んんじゅん 見る 未然形 ・・・してみたい。・ゆしかきてぃ 寄せ掛けて→近づいて。
(男)駕籠ぬ中ぬあぬ女 我妻なゆんどぅんやりば 妻ぬバチ小やちゃんなぎてぃ むる肝打ち呉てぃ儘なゆしが
かぐぬなかぬ'あぬうぃなぐ わーとぅじなゆんどぅんやりば とぅじぬばーちぐゎやちゃんなぎてぃ むるじむ'うちくぅいてぃままなゆしが
kagu nu naka nu 'anu winagu waatuji nayuN duNyariba tuji nu baachigwa ya chaNnagiti murujimu 'uchikwiti mamanayuru
○駕籠の中のあの女 私の妻にでもなれば 妻のカカアはほうり投げ捨てて 心すべてあげて一緒になるのだけども
語句・どぅん ・・でも。「duの強意」(琉)。ここでは「なりば」と結んで「もしも妻になるようなことでもあれば」と願いを強調。 ・ばーちぐゎ 普通、「バーチー」は「叔母さん、小母さん」くらいだが、ここでは卑小の「小」をつけて、妻をさす「かあちゃん」「カカア」ぐらいが適当。短縮して「ばち」・ままなゆしが 一緒にになるのだけども。 「まま」は「思い通りに」。「ままなゆん」で「一緒になる」「結婚する」くらい。
(男)汝やむる肝 また我んねえ 蛸のまちぶい ちゃーまちぶい バチ小や捨てぃやい あぬ女妻しば極楽 しかきてぃんだ
'やーやむるじむ またわんねー たくぬまちぶい ちゃーまちぶい ばちぐわゎやしてぃやい 'あぬうぃなぐとぅじしばぐくらく しかきてぃんだ
'yaa ya murujimu mata waNnee taku nu machibui chaa machibui bachigwa ya shitiyai 'anu winagu tujishiba gukuraku shikakitiNda
○お前は全ての心 また私も(同じ) タコがからみつく(ように)ずっと離れられない カカアは捨ててあの女(を)妻にすれば極楽 (話し)しかけてみたい
語句・むるじむ 直訳で「全ての心」。二人の男が美人に「惚れまくった」くらいか。 ・まちぶい タコがからみくっついた様子。・ちゃー ずっと…している。・んだ …してみたい。<んんじゅん 見る …してみる。
(男)・思ゆる女やただ一人 男や余てぃ中たなか
'うむゆるうぃなぐやただひちゅい うぃきがや'あまてぃなかたなか
'umuyuru winagu ya tada hwicui wikiga ya 'amati nakatanaka
○思う女はただ一人 男は余って仲(は)二つ仲
語句・なかたなか 仲は二つの仲→女性を巡り対立している様。<なか+たー 二つの+なか。
(男)喧嘩てぃ勝ちゅしが妻すゆん とう早くしかきり 我ね負きらん
'おーてぃかちゅしが とぅじすゆん とーふぇーくしかきり わねまきらん
'ooti kachushi ga tuji suyuN too hweeku shikakiri wane makiraN
○決闘して勝ったほうが妻にする さあ早く(決闘)仕掛けろ 俺は負けない
語句・おーてぃ 喧嘩して。決闘して。・かちゅし 勝った者。 「し」は動詞について名詞化する。
(男)我んにん負きらん 女ぬたみなかいどぅ生ちちょる とーしかきり
わんにんまきらんうぃなぐぬたみなかいどぅ'いちちょる とーしかきり
waNniN makiraN winagu nu tami nakai du 'ichichoru too shikakiri
○俺も負けない 女のためにこそ生きているのだ さあ仕掛けろ
語句・なかい に。
【白保節】
(女)女を我ん一人 男や二所 語れないびらん 今から後を友小なやい 踊てぃ遊ば
うぃなごーわんちゅい うぃきがやたとぅくる かたれーないびらん なまから'あとーどぅしぐゎなやい 'うどぅてぃ'あしば
winagoo waN chui wikiga ya tatukuru kataree naibiraN nama kara 'atoo dushigwa nayai 'uduti 'ashiba
○女は私一人 男は二人 仲間になりましょうよ 今からずっと友達になって踊り遊びたい
語句・うぃなごー 女は<うぃなぐ+や 融合して語尾が「ごー」となる。「わん」(私)が「わんねー」(私は)となる原理と同じ。「や」は「短いi,a,uに終わる語に付く時はそれらの母音と融合し、ee、aa、ooとなる。」(沖)。・かたれー 「仲間になること。仲間入りを約束すること」(沖)。・ないびらん なりましょうね。<ない<なゆん+びら<あびゆん ます。→あびら 希望を表す未然形。+ん 強調を表す。・あとー 後は。<あとぅ+や。上述参考。
(男)我んねえしむしが汝やちゃーすが
わんねーしむしがやーやちゃーすが
wanee shimushiga yaa ya chaasuga
○俺はかまわないがお前はどうするか?
語句・しむしが かまわないが。<しむん 済む。終わる。「しむさ」いいよ。
(男)我んにんゆたさんてー
わんにんゆたさんてー
waNniN yutasaNtee
○俺もいいよ
語句・ゆたさん よい。よろしい。形容詞。・てー よ。
【唐船ドーイ】
でぃちゃよ 押し連れてぃ眺みやい遊ば 今日や名に立ちゅる十五夜でむぬ
でぃちゃよ'うしちりてぃながみやい'あしば きゆやなにたちゅるじゅぐやでむぬ
dicha yoo 'ushichiriti nagamiyai 'ashiba kiyu ya na ni tachuru juguya demunu
○さあ一緒に連れ立って眺めたりして遊ぼう 今日は有名な十五夜なのだから
語句・でぃちゃ さあ。・でむぬ ・・だから。・・なので。
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2008年05月02日
これまでの曲の一覧
○参考にしている辞書と、それの表示方法は以下の通り。
沖縄語辞典 国立国語研究所 (沖)
琉球語辞典 半田一郎 (琉)
石垣方言辞典 宮城信勇 (石)
266戻り駕籠
265漲水のクイチャー (宮古民謡)
264サン・サン・サン
263月のマピローマ (八重山民謡)
262月のまぴろーま節 (八重山民謡)
261伊集早作田節 (舞踊 揚作田節)
260揚作田節 (舞踊 揚作田節)
259安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島以外)
258安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島)
257安里屋節 (八重山民謡)
256七尺節 (舞踊「綛掛之踊」)
255糸満乙女
254干瀬節 (舞踊「綛掛之踊」)
253三拝云
252芋の葉節
251むんじゅるー
250早竹田節
249トゥータンカニ節 2
248トゥータンカニ節 1
247秋の踊り
246島尻口説
245さいんする節
244うふんしゃり節
243万歳かふす
242高平良萬才口説
241かぎやで風節(正月バージョン)
240夫婦千鳥
239孝行口説
238ぶちゅい小
237ケーヒットリ節
236あがろーざ節 (八重山民謡)
235主ン妻節
234タノムゾ節
233デンスナー節
232くいぬぱな節 (八重山民謡)
231繁昌節 (八重山民謡)
230千の風になって(ウチナーグチバージョン)
229ソーキ骨不足
228読谷宮古根
227あやぐ
226恨みの唄
225宮古根~ハンタ原 (知名定男)
224宮古根~ハンタ原 (普久原朝喜)
223宮古根~ハンタ原 (登川誠仁)
222恋語れ
221ハンタ原 3
220谷茶前 2 (谷茶バヤシ)
219いちゅび小 2
218踊い宮古根 前川朝昭
217毛遊び宮古根 嘉手苅林昌
216宮古根~ハンタ原 嘉手苅林昌
215宮古根~山原汀間とぅ 山内昌徳
214なりやまあやぐ (宮古民謡)
213月ぬかいしゃー節(八重山民謡)
212どぅーちゅいむにー
211冨原宮古根
210赤田首里殿内節 2
209寄せ事る宝
208みなとーま (八重山民謡)
207デンサー節 (本島民謡)
206トバラーマ
205白保節 (八重山民謡)
204新でんさー節
203やりこのし節
202それかん節
201舟越節
200諸屯節
199しゅんだう節
198中城情話 2
197崎山節 (八重山民謡)
196崎山ゆんた (後半) (八重山民謡)
195崎山ゆんた (前半) (八重山民謡)
194かいされ 2
193デンサー節 (八重山民謡)
192デンサー節 (本島民謡)
191いちん嘉利吉
190述懐節
189花風
188宮城クワディーサー節
187つんだら節 (八重山民謡)
186バイバイ沖縄
185島々美しゃ
184おめやから節
183想偲び
182女工節
181廃藩の武士
180芋の時代
179宮古根 3
178国の花
177下り口説
176与那国のまや小 (八重山民謡)
175鳩間節 (八重山民謡)
174シューラー節 2
173南洋小唄のツラネ
172流れ舟
171ハンタ原
170永良部千鳥節
169じいちゃん ばあちゃん
168涙そうそう
167徳利小
166イラヨイ月夜浜
165十番口説
164アッチャメー小 2
163国頭大福
162赤犬子
161十七、八節
160安波節 2
159恋の花 2
158ハリクヤマク
157城の前節
156ヤッチー
155シューラー節
154国頭ジントヨー
153むちはじき節
152通い船
151芭蕉布
150本部宮古根(本歌)
149本部宮古根
148平和の琉歌
147こてい節
146耳切坊主
145真謝井
144ファムレウタ
143白鳥小節
142我した生まれ島
141與那原節
140坂原口説
139前之浜
138お母さん
137油断するな
136運玉義留
135無情の唄
134トゥガレ節(中城情話)
133舞方
132アンマ形見の一番着物
131踊りクワディサー節
130網打ちゃー小
129白浜節
128手間当小
127黒島口説
126御持奉行
125ダイサナジャー
124安里屋ゆんた
123沖縄
122与那国ションカネー (八重山民謡)
121月眺み節
120今帰仁ミャークニー 2
119豊年音頭
118伊野波節
117今帰仁ミャークニー 1
116今帰仁の城節
115小浜節 (八重山民謡)
114崎山くばま
113別れの唄
112情けの唄
111鷲の鳥
110道具の美らさ
109童神
108ミルクムナリ
107すーしすーさー
106テーゲー
105金武節
104かなさんどー
103艦砲の喰い残さ
102三村踊り節
101キザミ節
100天底節
99月の夜節
98鳩間節
97ハイサイおじさん
96南嶽節
95ヒンスー尾類小
94惣慶漢那
93花笠節
92武富節(貫花)
91サーサー節
90永良部百合の花
89県道節
88下千鳥
87稲しり節
86ピーラルラー(二合節)
85前田節
84ましゅんく節
83国頭捌吏
82だんじゅかりゆし
81いったーあんまーまーかいが
80謝敷節
79梅の香り
78うんじゅが情けど頼ぬまれる
77恋の花
76紺地小
75島造い
74別れの煙
73収納奉行
72スヌ万歳
71御縁節
70越来節
69夫婦船
68ヤッチャー小
67片思い
66カイサレ
65ちんぬくじゅーしー
64恩納節
63ウーマクカマデー
62山原汀間と
61浦波節
60多幸山
59アッチャメー小
58花の風車
57伊計離り節
56バチクヮイ節
55芋堀宮古根
54仲島節
53早嘉手久節
52赤田首里殿内
51時代の流れ
50宮古根
49じんじん
48チョンチョンキジムナー
47汀間とぅ
46懐かしき故郷
45兄弟小節
44唐船ドーイ
43ちぶみ
42夏の涼浜
41屋慶名クワディサー
40門たんかー
39ひやみかち節
38屋嘉節
37(イサヘイヨーのちらし)デンサー節
36伊佐ヘイヨー
35二見情話
34上り口説
33新宮古節
32加那よー
31いちゅび小節
30海やから
29赤山
28海のちんぼーらー
27西武門節
26南洋小唄
25恋千鳥
24白雲節
23世宝節
22かぎやで風節
21スーリー東節
20かたみ節
19てんよう節
18久高万寿主
17仲順流れ
16遊び庭
15鶴亀節
14遊びションガネー
13伊計離節
12豊節
11島尻天川
10由絃の謡
9汗水節
8谷茶前
7安波節
6歌の心
5染みなし節
4浜千鳥
3肝がなさ節
2祝い節
1てんさぐの花
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沖縄語辞典 国立国語研究所 (沖)
琉球語辞典 半田一郎 (琉)
石垣方言辞典 宮城信勇 (石)
266戻り駕籠
265漲水のクイチャー (宮古民謡)
264サン・サン・サン
263月のマピローマ (八重山民謡)
262月のまぴろーま節 (八重山民謡)
261伊集早作田節 (舞踊 揚作田節)
260揚作田節 (舞踊 揚作田節)
259安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島以外)
258安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島)
257安里屋節 (八重山民謡)
256七尺節 (舞踊「綛掛之踊」)
255糸満乙女
254干瀬節 (舞踊「綛掛之踊」)
253三拝云
252芋の葉節
251むんじゅるー
250早竹田節
249トゥータンカニ節 2
248トゥータンカニ節 1
247秋の踊り
246島尻口説
245さいんする節
244うふんしゃり節
243万歳かふす
242高平良萬才口説
241かぎやで風節(正月バージョン)
240夫婦千鳥
239孝行口説
238ぶちゅい小
237ケーヒットリ節
236あがろーざ節 (八重山民謡)
235主ン妻節
234タノムゾ節
233デンスナー節
232くいぬぱな節 (八重山民謡)
231繁昌節 (八重山民謡)
230千の風になって(ウチナーグチバージョン)
229ソーキ骨不足
228読谷宮古根
227あやぐ
226恨みの唄
225宮古根~ハンタ原 (知名定男)
224宮古根~ハンタ原 (普久原朝喜)
223宮古根~ハンタ原 (登川誠仁)
222恋語れ
221ハンタ原 3
220谷茶前 2 (谷茶バヤシ)
219いちゅび小 2
218踊い宮古根 前川朝昭
217毛遊び宮古根 嘉手苅林昌
216宮古根~ハンタ原 嘉手苅林昌
215宮古根~山原汀間とぅ 山内昌徳
214なりやまあやぐ (宮古民謡)
213月ぬかいしゃー節(八重山民謡)
212どぅーちゅいむにー
211冨原宮古根
210赤田首里殿内節 2
209寄せ事る宝
208みなとーま (八重山民謡)
207デンサー節 (本島民謡)
206トバラーマ
205白保節 (八重山民謡)
204新でんさー節
203やりこのし節
202それかん節
201舟越節
200諸屯節
199しゅんだう節
198中城情話 2
197崎山節 (八重山民謡)
196崎山ゆんた (後半) (八重山民謡)
195崎山ゆんた (前半) (八重山民謡)
194かいされ 2
193デンサー節 (八重山民謡)
192デンサー節 (本島民謡)
191いちん嘉利吉
190述懐節
189花風
188宮城クワディーサー節
187つんだら節 (八重山民謡)
186バイバイ沖縄
185島々美しゃ
184おめやから節
183想偲び
182女工節
181廃藩の武士
180芋の時代
179宮古根 3
178国の花
177下り口説
176与那国のまや小 (八重山民謡)
175鳩間節 (八重山民謡)
174シューラー節 2
173南洋小唄のツラネ
172流れ舟
171ハンタ原
170永良部千鳥節
169じいちゃん ばあちゃん
168涙そうそう
167徳利小
166イラヨイ月夜浜
165十番口説
164アッチャメー小 2
163国頭大福
162赤犬子
161十七、八節
160安波節 2
159恋の花 2
158ハリクヤマク
157城の前節
156ヤッチー
155シューラー節
154国頭ジントヨー
153むちはじき節
152通い船
151芭蕉布
150本部宮古根(本歌)
149本部宮古根
148平和の琉歌
147こてい節
146耳切坊主
145真謝井
144ファムレウタ
143白鳥小節
142我した生まれ島
141與那原節
140坂原口説
139前之浜
138お母さん
137油断するな
136運玉義留
135無情の唄
134トゥガレ節(中城情話)
133舞方
132アンマ形見の一番着物
131踊りクワディサー節
130網打ちゃー小
129白浜節
128手間当小
127黒島口説
126御持奉行
125ダイサナジャー
124安里屋ゆんた
123沖縄
122与那国ションカネー (八重山民謡)
121月眺み節
120今帰仁ミャークニー 2
119豊年音頭
118伊野波節
117今帰仁ミャークニー 1
116今帰仁の城節
115小浜節 (八重山民謡)
114崎山くばま
113別れの唄
112情けの唄
111鷲の鳥
110道具の美らさ
109童神
108ミルクムナリ
107すーしすーさー
106テーゲー
105金武節
104かなさんどー
103艦砲の喰い残さ
102三村踊り節
101キザミ節
100天底節
99月の夜節
98鳩間節
97ハイサイおじさん
96南嶽節
95ヒンスー尾類小
94惣慶漢那
93花笠節
92武富節(貫花)
91サーサー節
90永良部百合の花
89県道節
88下千鳥
87稲しり節
86ピーラルラー(二合節)
85前田節
84ましゅんく節
83国頭捌吏
82だんじゅかりゆし
81いったーあんまーまーかいが
80謝敷節
79梅の香り
78うんじゅが情けど頼ぬまれる
77恋の花
76紺地小
75島造い
74別れの煙
73収納奉行
72スヌ万歳
71御縁節
70越来節
69夫婦船
68ヤッチャー小
67片思い
66カイサレ
65ちんぬくじゅーしー
64恩納節
63ウーマクカマデー
62山原汀間と
61浦波節
60多幸山
59アッチャメー小
58花の風車
57伊計離り節
56バチクヮイ節
55芋堀宮古根
54仲島節
53早嘉手久節
52赤田首里殿内
51時代の流れ
50宮古根
49じんじん
48チョンチョンキジムナー
47汀間とぅ
46懐かしき故郷
45兄弟小節
44唐船ドーイ
43ちぶみ
42夏の涼浜
41屋慶名クワディサー
40門たんかー
39ひやみかち節
38屋嘉節
37(イサヘイヨーのちらし)デンサー節
36伊佐ヘイヨー
35二見情話
34上り口説
33新宮古節
32加那よー
31いちゅび小節
30海やから
29赤山
28海のちんぼーらー
27西武門節
26南洋小唄
25恋千鳥
24白雲節
23世宝節
22かぎやで風節
21スーリー東節
20かたみ節
19てんよう節
18久高万寿主
17仲順流れ
16遊び庭
15鶴亀節
14遊びションガネー
13伊計離節
12豊節
11島尻天川
10由絃の謡
9汗水節
8谷茶前
7安波節
6歌の心
5染みなし節
4浜千鳥
3肝がなさ節
2祝い節
1てんさぐの花
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2008年04月28日
漲水のクイチャー (宮古民謡)
漲水のクイチャー
ぱるみずぃ ぬ くいちゃー
parumizi nu kuichaa
○漲水(宮古島の地名)のクイチャー
語句・くいちゃー 諸説あり不明。一説は「声(くい)合わす(チャース)」(「島うた紀行」)、「神の魂を抱き寄せる『世乞い(ゆーくい)』と関係あるのでは」(同左)
※歌詞は「島うた紀行」と、「宮古民謡工工四」(與儀栄功 編)を参考。
※これまでこのブログでは「ぃ」「i」は中舌母音([ï])としてきたが、宮古方言では舌先母音とする。工工四などに「き゜」「す゜」(半濁音)と表記されているものもこの舌先母音をあらわしていると思われる。舌先母音とは「舌先、あるいは前舌の舌先寄りの部分を歯茎あるいは歯茎寄りの口蓋に接近させ、せばめをつくっている」(沖縄宮古平良方言のフォネーム」(かりまたしげひさ 以下(平良)と略す)。中舌母音のときの舌の位置よりやや上に上がって空気の道が狭くなっているような状態で発音するようだ。そのときに無声、有声の摩擦音(s、z)が発生するようだ。
一、保良真牛 沖縄から上り参ば(ヨ ヤイヤヌ ヨイマーヌーユ 上り参ばヨ ニノヨイサッサイ イヤサッサ ハイ ハイ ハイ)
(括弧は以下省略)
ぶらまうす うきぃなからぬぶりんみゃば
buramausu ukina kara nuburi Nmyaba
○保良真牛 沖縄から上り(上京して)帰れば
語句・うきぃな 沖縄。本によっては「うぎな」と振り仮名を打ってあるものもある(「島うた紀行」も)。しかし、国吉源次さんの「クイチャー」を聴いても「うぎな」とは唄わないようだ。(平良)によれば、舌先母音が無声破裂音/p//k/と結合するとき無声の摩擦音[s]が観察される、という。つまり「きぃ」が「k[s]ï」と聞える。こういう状態を工工四などで表現するとき「き゜」と表記し、それが「ぎ」と誤解されていくのではないだろうか。これは故胤森弘さんも「す゜」という表記が「中舌母音ïでsïを表記していることは確かなようです」(「こりくつタンメーのウチナーグチ講座メモ 2006年2月版 P447)といわれている。
二、宮古皆ぬ三十原ぬ男達や
みゃーくんなぬみすばらぬびきりゃーたーや
myaaku Nna nu misubara nu bikiryaataa ya
○宮古すべての三十(あまり)の村の男達は
(「宮古民謡工工四」では)
島皆ぬ三十原ぬ兄小や
すまんなぬみすばらすざがまたーや
suma Nna nu misubara nu suzagamataa ya
○島すべての三十(あまり)の村の兄さん達は
三、ヒラとらだ カニヤ押さだゆからでだら
ひらとぅらだ かにやうさだゆからでだら
hira turada kaniya usada yukarade dara
(「島うた紀行」では)
ピラとぅらぬ 金やうさだ ゆからでぃだら
ぴらとぅらぬ かにゃうさだ ゆからでぃだら
piraturanu kanya usada yukaradi dara
○ヘラ(農耕器具)取らないで 鍬押さないでよくなるよ
四、漲水ぬ 船着ぬ 砂んなぐぬ
ぴゃるみずぃぬふなつきぃぬ すなんなぐぬ
pyarumizi nu hunatsuki nu suna Nnagu nu
○漲水の船着き(港)の砂々が
語句・んなぐ 砂 「すなんなぐ」では砂砂、砂々となる。砂は平良方言では「mnagu」(mは鼻音)。
(「島うた紀行」では)
漲水ぬ 船着ぬ 白砂ぬ
ぴゃるみずぃぬ ふなつきぃぬ しるんなぐぬ
pyarumizi nu hunatsuki nu shiruNnagunu
○漲水の船着き(港)の白砂が
五、粟んななり 米んななり 上ゆりくば 上がりくば
あわんななり くみんななり ぬゆりくば あがりくば
awa Nna nari kumi Nna nari nuyurikuba
○粟になり 米になり 上がってくるよ
語句・あわ 平良方言では「粟」awaは「w抜け」により「あー」aa。
(「島うた紀行」では)
粟んなり 米んなり上りくば
あわんなり くみんなり ぬりくば
awaNnari kumiNnari nurikuba
○粟になり 米になり 上がってくるよ
六、大神島后フヂ並び 折波小ぬ 白波小ぬ
うがんぐすふじならび ぶりなんがまぬ しるなんがまぬ
ugaNgusu hujinarabi burinaNgama nu
○大神島のうしろの干瀬に寄せる波が
語句・ぐす 後ろ 沖縄語の「くし」。 「す」は「shi」なのかもしれない。・ふじ 「干瀬」(ふぃじ)。八重干瀬という世界最大の干瀬が有名。「島うた紀行」には「富士干瀬」とある。実際宮古の方に聞いたら「富士びし」という場所があり、ただし「干瀬」というより浜辺に近いということらしい。
七、糸んななり かしんななり 上ゆりくば 上がりくば
いちゅんななり かしんななり ぬーゆりくば
ichuNna nari kashi Nnanari nuuyurikuba
○糸になり 桛になり 上がってくる
語句・かし 桛。綛糸。糸をよる道具。または糸を巻いたもの。
七、島皆ぬ 三十原ぬ 姉小たや
すまんなぬ みすばらぬ あにがまたや
sumaNna nu misubara nu anigama taa ya
○島皆の三十(あまりの)村の 姉さん達は
八、ぶやんうまだ かしやかきだ ゆからでぃだら
ぶやんうまだ かしやかきだ ゆからでぃだら
buyaN umada kashi ya kakida yukaradidara
○苧麻を作らなくても 桛を掛けなくても よくなるよ
語句・ぶ 苧麻。<ぶー。宮古上布の原料で過酷な人頭税の対象になっていた。
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ぱるみずぃ ぬ くいちゃー
parumizi nu kuichaa
○漲水(宮古島の地名)のクイチャー
語句・くいちゃー 諸説あり不明。一説は「声(くい)合わす(チャース)」(「島うた紀行」)、「神の魂を抱き寄せる『世乞い(ゆーくい)』と関係あるのでは」(同左)
※歌詞は「島うた紀行」と、「宮古民謡工工四」(與儀栄功 編)を参考。
※これまでこのブログでは「ぃ」「i」は中舌母音([ï])としてきたが、宮古方言では舌先母音とする。工工四などに「き゜」「す゜」(半濁音)と表記されているものもこの舌先母音をあらわしていると思われる。舌先母音とは「舌先、あるいは前舌の舌先寄りの部分を歯茎あるいは歯茎寄りの口蓋に接近させ、せばめをつくっている」(沖縄宮古平良方言のフォネーム」(かりまたしげひさ 以下(平良)と略す)。中舌母音のときの舌の位置よりやや上に上がって空気の道が狭くなっているような状態で発音するようだ。そのときに無声、有声の摩擦音(s、z)が発生するようだ。
一、保良真牛 沖縄から上り参ば(ヨ ヤイヤヌ ヨイマーヌーユ 上り参ばヨ ニノヨイサッサイ イヤサッサ ハイ ハイ ハイ)
(括弧は以下省略)
ぶらまうす うきぃなからぬぶりんみゃば
buramausu ukina kara nuburi Nmyaba
○保良真牛 沖縄から上り(上京して)帰れば
語句・うきぃな 沖縄。本によっては「うぎな」と振り仮名を打ってあるものもある(「島うた紀行」も)。しかし、国吉源次さんの「クイチャー」を聴いても「うぎな」とは唄わないようだ。(平良)によれば、舌先母音が無声破裂音/p//k/と結合するとき無声の摩擦音[s]が観察される、という。つまり「きぃ」が「k[s]ï」と聞える。こういう状態を工工四などで表現するとき「き゜」と表記し、それが「ぎ」と誤解されていくのではないだろうか。これは故胤森弘さんも「す゜」という表記が「中舌母音ïでsïを表記していることは確かなようです」(「こりくつタンメーのウチナーグチ講座メモ 2006年2月版 P447)といわれている。
二、宮古皆ぬ三十原ぬ男達や
みゃーくんなぬみすばらぬびきりゃーたーや
myaaku Nna nu misubara nu bikiryaataa ya
○宮古すべての三十(あまり)の村の男達は
(「宮古民謡工工四」では)
島皆ぬ三十原ぬ兄小や
すまんなぬみすばらすざがまたーや
suma Nna nu misubara nu suzagamataa ya
○島すべての三十(あまり)の村の兄さん達は
三、ヒラとらだ カニヤ押さだゆからでだら
ひらとぅらだ かにやうさだゆからでだら
hira turada kaniya usada yukarade dara
(「島うた紀行」では)
ピラとぅらぬ 金やうさだ ゆからでぃだら
ぴらとぅらぬ かにゃうさだ ゆからでぃだら
piraturanu kanya usada yukaradi dara
○ヘラ(農耕器具)取らないで 鍬押さないでよくなるよ
四、漲水ぬ 船着ぬ 砂んなぐぬ
ぴゃるみずぃぬふなつきぃぬ すなんなぐぬ
pyarumizi nu hunatsuki nu suna Nnagu nu
○漲水の船着き(港)の砂々が
語句・んなぐ 砂 「すなんなぐ」では砂砂、砂々となる。砂は平良方言では「mnagu」(mは鼻音)。
(「島うた紀行」では)
漲水ぬ 船着ぬ 白砂ぬ
ぴゃるみずぃぬ ふなつきぃぬ しるんなぐぬ
pyarumizi nu hunatsuki nu shiruNnagunu
○漲水の船着き(港)の白砂が
五、粟んななり 米んななり 上ゆりくば 上がりくば
あわんななり くみんななり ぬゆりくば あがりくば
awa Nna nari kumi Nna nari nuyurikuba
○粟になり 米になり 上がってくるよ
語句・あわ 平良方言では「粟」awaは「w抜け」により「あー」aa。
(「島うた紀行」では)
粟んなり 米んなり上りくば
あわんなり くみんなり ぬりくば
awaNnari kumiNnari nurikuba
○粟になり 米になり 上がってくるよ
六、大神島后フヂ並び 折波小ぬ 白波小ぬ
うがんぐすふじならび ぶりなんがまぬ しるなんがまぬ
ugaNgusu hujinarabi burinaNgama nu
○大神島のうしろの干瀬に寄せる波が
語句・ぐす 後ろ 沖縄語の「くし」。 「す」は「shi」なのかもしれない。・ふじ 「干瀬」(ふぃじ)。八重干瀬という世界最大の干瀬が有名。「島うた紀行」には「富士干瀬」とある。実際宮古の方に聞いたら「富士びし」という場所があり、ただし「干瀬」というより浜辺に近いということらしい。
七、糸んななり かしんななり 上ゆりくば 上がりくば
いちゅんななり かしんななり ぬーゆりくば
ichuNna nari kashi Nnanari nuuyurikuba
○糸になり 桛になり 上がってくる
語句・かし 桛。綛糸。糸をよる道具。または糸を巻いたもの。
七、島皆ぬ 三十原ぬ 姉小たや
すまんなぬ みすばらぬ あにがまたや
sumaNna nu misubara nu anigama taa ya
○島皆の三十(あまりの)村の 姉さん達は
八、ぶやんうまだ かしやかきだ ゆからでぃだら
ぶやんうまだ かしやかきだ ゆからでぃだら
buyaN umada kashi ya kakida yukaradidara
○苧麻を作らなくても 桛を掛けなくても よくなるよ
語句・ぶ 苧麻。<ぶー。宮古上布の原料で過酷な人頭税の対象になっていた。
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2008年04月15日
サン・サン・サン
サン・サン・サン
さん さん さん
saN saN saN
○しない しない しない
語句・さん 「する」という意味の「しゅん」「すん」の否定形。
作詞:知名定男、松田弘一
作曲:知名定男
([]は大和口)
一、何やがこの頃の唄や 受け取ったる宝物からはんでて やんでて くんでて無ぇらんしが
※決して我達やうぬ様な事や 決してさん 決してさん さんさんさんさん 決して絶対さん
ぬーやがくぬぐるぬ'うたや'うきとったるたからむんから はんでぃてぃ やんでぃてぃ くんでぃてぃ ねーらんしが
※[決して:ちしてぃ]わったや 'うぬ[様な:よな]くとぅやちしてぃさん ちしてぃさん さんさんさんさん ちしてぃ[絶対:じぇったい]さん
nuuyaga kunuguru nu 'uta ya 'ukituttaru takaramuN kara haNditi yaNditi kuNditi neeraNshiga chishiti watta ya 'unu [様なyona]kutu ya chishiti saN chishiti saN saN saN saN saN chishiti [絶対jettai]saN
○何かこの頃の唄は 受け取った宝物からはずれ、壊れて、はっきりしなくなってしまっているが決して私達はその様な事は決してしない、決してしない、しない、しない、しない、しない、決して絶対しない
語句・ぬーやが 何か。<ぬー 何。+や<やん だ。+が 疑問を表す。「何だろうか」→「何か」。・はんでぃてぃ はずれて。<はんでぃゆん はずれる。・やんでぃてぃ 壊れて<やんでぃゆん 壊れる。・くんでぃゆん はっきりしなくなって。<はんでぃゆん 「(こすれて)消える。(字・印などが)鮮明でなくなり、わからなくなる。」(沖)・ねーらんしが …してしまっているが。 動詞の連用形に「ねーん」がつくと、「無い」という意味ではなく「…してしまった」。(例)「かでぃねーん」→食べてしまった。・ちしてぃ 沖縄語辞典などにはない。大和口「けっして」を沖縄口読みしたものか。・絶対 これも同じ。CDでは「じぇったい」と発音されている。
二、確かこの頃の唄や 習れ取ったる昔手からはいしじて ゆーしじて とぅんじて無らんしが ※(繰り返し)
たしかくぬぐるぬ'うたや なれーとぅったる んかしでぃーから はいしじてぃ ゆーしじてぃ とぅんじてぃねーらんしが
tashika kunuguru nu 'uta ya nareetuttaru Nkashidii kara haishijiti yuushiti tuNjitineeraNshiga
○確かこの頃の唄は習い取った昔手(奏法)に比べて お利口すぎて、良すぎて、飛び出してしまっているが
語句・んかしでぃー 昔(の)手→昔の奏法。・からから。→に比べて。 「から」は沖縄語辞典によると、?から。「空間、時間の起点を示す」?を。「通行する場所」?で。「通行手段を示す」?から。「原料・根拠などを示す」とある。ここでは?を採用し「比べて」とした。はいしじてぃ お利口すぎて。<はいしじゆん 才走る。お利口にすぎる。・ゆーしじてぃ良くできすぎて <ゆー よく。+しじゆん 過ぎる。・とぅんじてぃ飛び出して。<とぅんじゆん 飛び出す。
三、あぎじゃびよ この頃の唄や授かたる財産から喰ぇー果てて使け果てて飽き果てて無ぇらんしが※
'あぎじゃびよ くぬぐるぬ'うたや さじかたる[財産じぇーさん]からくぇーはてぃてぃ ちけーはてぃてぃ 'あちはてぃてぃねーらんしが
'agijabiyo kunuguru nu 'uta ya sajikataru [財産jeesaN] kara kweehatiti chikeehatiti 'achihatitineeraNshiga
○ああ この頃の唄は授かった財産でもって肥え果てて使い果てて飽き果ててしまっている
語句・あぎじゃびよ ああ。<あきさみよー。「あれぇっ。きゃあっ。助けてくれ。非常に驚いた時、悲しい時、苦痛にたえない時、救いを求める時などに発する声」(沖)。・さじかたる 授かった。 <さじゃかゆん 授かる。「さじか…」は、やや大和口に近い。・じぇーさん 財産。の沖縄口読み。財産は「ゆじぇー」(余財→財産)、「むち」(持つ)、「うぇーき」。・からでもって。上述の「から」の用法のうち?を採用。・くぇーはてぃてぃ 肥え果てて <くぇーゆん 太る。肥える。+はてぃゆん はてる。 「食べ果てて」では微妙。・あちはてぃてぃ 飽きて <あちはてぃゆん 飽きる。
四、何がよこの頃の唄や 三線てぃちからギター入って ピアノ入って ドラム入って上等やんや やしが我達やうぬ様な事や 決してさん 決してさん さんさんさんさん 決して絶対すん
ぬーがよーくぬぐるぬ'うたや さんしんてぃーちから[ギター]'いってぃ[ピアノ]'いってぃ[ドラム]'いってぃじょーとーやんや やしがわったや 'うぬ[様な:よな]くとぅやちしてぃさん ちしてぃさん さんさんさんさん ちしてぃ[絶対:じぇったい]さん
nuugayoo kunuguru nu 'uta ya saNshiN tiichi kara [ギター]'itti[ピアノ]'itti[ドラム]'itti jootoo yaNyaa yashiga watta ya 'unu [様なyona]kutu ya chishiti saN chishiti saN saN saN saN saN chishiti [絶対jettai]suN
○何かねえ この頃の唄は三線一本からギター入れてピアノ入れてドラム入れて上等だよ けれども私達はその様なことは決してしない 決してしない しない しない しない しない決して する
語句・じょーとぅー 上等。 「じょーとー」と発音すると大和口になる。・すん する。 最後の最後だけが「さん」ではない所がミソ。
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さん さん さん
saN saN saN
○しない しない しない
語句・さん 「する」という意味の「しゅん」「すん」の否定形。
作詞:知名定男、松田弘一
作曲:知名定男
([]は大和口)
一、何やがこの頃の唄や 受け取ったる宝物からはんでて やんでて くんでて無ぇらんしが
※決して我達やうぬ様な事や 決してさん 決してさん さんさんさんさん 決して絶対さん
ぬーやがくぬぐるぬ'うたや'うきとったるたからむんから はんでぃてぃ やんでぃてぃ くんでぃてぃ ねーらんしが
※[決して:ちしてぃ]わったや 'うぬ[様な:よな]くとぅやちしてぃさん ちしてぃさん さんさんさんさん ちしてぃ[絶対:じぇったい]さん
nuuyaga kunuguru nu 'uta ya 'ukituttaru takaramuN kara haNditi yaNditi kuNditi neeraNshiga chishiti watta ya 'unu [様なyona]kutu ya chishiti saN chishiti saN saN saN saN saN chishiti [絶対jettai]saN
○何かこの頃の唄は 受け取った宝物からはずれ、壊れて、はっきりしなくなってしまっているが決して私達はその様な事は決してしない、決してしない、しない、しない、しない、しない、決して絶対しない
語句・ぬーやが 何か。<ぬー 何。+や<やん だ。+が 疑問を表す。「何だろうか」→「何か」。・はんでぃてぃ はずれて。<はんでぃゆん はずれる。・やんでぃてぃ 壊れて<やんでぃゆん 壊れる。・くんでぃゆん はっきりしなくなって。<はんでぃゆん 「(こすれて)消える。(字・印などが)鮮明でなくなり、わからなくなる。」(沖)・ねーらんしが …してしまっているが。 動詞の連用形に「ねーん」がつくと、「無い」という意味ではなく「…してしまった」。(例)「かでぃねーん」→食べてしまった。・ちしてぃ 沖縄語辞典などにはない。大和口「けっして」を沖縄口読みしたものか。・絶対 これも同じ。CDでは「じぇったい」と発音されている。
二、確かこの頃の唄や 習れ取ったる昔手からはいしじて ゆーしじて とぅんじて無らんしが ※(繰り返し)
たしかくぬぐるぬ'うたや なれーとぅったる んかしでぃーから はいしじてぃ ゆーしじてぃ とぅんじてぃねーらんしが
tashika kunuguru nu 'uta ya nareetuttaru Nkashidii kara haishijiti yuushiti tuNjitineeraNshiga
○確かこの頃の唄は習い取った昔手(奏法)に比べて お利口すぎて、良すぎて、飛び出してしまっているが
語句・んかしでぃー 昔(の)手→昔の奏法。・からから。→に比べて。 「から」は沖縄語辞典によると、?から。「空間、時間の起点を示す」?を。「通行する場所」?で。「通行手段を示す」?から。「原料・根拠などを示す」とある。ここでは?を採用し「比べて」とした。はいしじてぃ お利口すぎて。<はいしじゆん 才走る。お利口にすぎる。・ゆーしじてぃ良くできすぎて <ゆー よく。+しじゆん 過ぎる。・とぅんじてぃ飛び出して。<とぅんじゆん 飛び出す。
三、あぎじゃびよ この頃の唄や授かたる財産から喰ぇー果てて使け果てて飽き果てて無ぇらんしが※
'あぎじゃびよ くぬぐるぬ'うたや さじかたる[財産じぇーさん]からくぇーはてぃてぃ ちけーはてぃてぃ 'あちはてぃてぃねーらんしが
'agijabiyo kunuguru nu 'uta ya sajikataru [財産jeesaN] kara kweehatiti chikeehatiti 'achihatitineeraNshiga
○ああ この頃の唄は授かった財産でもって肥え果てて使い果てて飽き果ててしまっている
語句・あぎじゃびよ ああ。<あきさみよー。「あれぇっ。きゃあっ。助けてくれ。非常に驚いた時、悲しい時、苦痛にたえない時、救いを求める時などに発する声」(沖)。・さじかたる 授かった。 <さじゃかゆん 授かる。「さじか…」は、やや大和口に近い。・じぇーさん 財産。の沖縄口読み。財産は「ゆじぇー」(余財→財産)、「むち」(持つ)、「うぇーき」。・からでもって。上述の「から」の用法のうち?を採用。・くぇーはてぃてぃ 肥え果てて <くぇーゆん 太る。肥える。+はてぃゆん はてる。 「食べ果てて」では微妙。・あちはてぃてぃ 飽きて <あちはてぃゆん 飽きる。
四、何がよこの頃の唄や 三線てぃちからギター入って ピアノ入って ドラム入って上等やんや やしが我達やうぬ様な事や 決してさん 決してさん さんさんさんさん 決して絶対すん
ぬーがよーくぬぐるぬ'うたや さんしんてぃーちから[ギター]'いってぃ[ピアノ]'いってぃ[ドラム]'いってぃじょーとーやんや やしがわったや 'うぬ[様な:よな]くとぅやちしてぃさん ちしてぃさん さんさんさんさん ちしてぃ[絶対:じぇったい]さん
nuugayoo kunuguru nu 'uta ya saNshiN tiichi kara [ギター]'itti[ピアノ]'itti[ドラム]'itti jootoo yaNyaa yashiga watta ya 'unu [様なyona]kutu ya chishiti saN chishiti saN saN saN saN saN chishiti [絶対jettai]suN
○何かねえ この頃の唄は三線一本からギター入れてピアノ入れてドラム入れて上等だよ けれども私達はその様なことは決してしない 決してしない しない しない しない しない決して する
語句・じょーとぅー 上等。 「じょーとー」と発音すると大和口になる。・すん する。 最後の最後だけが「さん」ではない所がミソ。
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2008年04月11日
月のまぴろーま節(八重山民謡)
月のまぴろーま節
つぃきぃぬまぴぃろーま ぶしぃ
tsiki nu mapiroma bushi
○月が(出て明るい)真昼間(のような夜中)
語句・まぴろーま 真昼間。「真昼、正午から三時ごろまで。」(石)。ここでは真夜中に月が照らし、まるで真昼間のように明るい様。
(しぃ、tsi、kiなどは中舌母音を表す。)
月ぬ真昼間や やんさ潮ぬ真干り 夜ぬ真夜中や(ハイヘー)女童ぬ潮時(ハイヘー)
ちぃきぃぬまぴぃろーまややんさすぬまふぇり ゆるぬまゆなかや(はいへー)みやらびぬすどぅきぃ(はいへー)
(囃子は以下省略。)
tsiki nu mapiroma ya yaNsasu nu mahweri yuru nu mayunaka ya miyarabi nu suduki
○月が(出て明るい)真昼間(のような夜中)はヤンサ潮が1番干がり 夜の真夜中は娘の潮時
語句・やんさす ヤンサ潮<ヤンザ潮yaNza suu 「二月夜間の干潮の甚だしい時の潮。陰暦二、三月ごろの夜間の干潮とも、陰暦十一月ごろの干潮ともいう」(石) ・まふぇり 1番干上がり。「干上がる」は辞書に「ぴぃすん」。その活用形か。
月に願立てぃてい 星に夜半参り 思いすとぅ我んとぅ 行逢しゆ給り
ちぃきぃにぐわんたてぃてぃ ふすにやはんまいり 'うむいすとぅばんとぅ 'いかしゆたぼり
tsiki ni gwaN tatiti husu ni yahaNmairi 'umuisu tu baN tu 'ikashiyutabori
○月に願立てて星に夜半参り 思う人と私と出会わせてください
語句・ふす (石)には星は「ぷす」または「…ぶしぃ」しかない。・やはんまいり 「島うた紀行」(仲宗根幸市編著)によると「女性が男装し、男性が女装して意中の人に会わせてくれることを願い、神仏に祈願をして、その人の通る道端の暗いところに人目を忍び立つこと」・うむいす 思う人。<うむい+す。「す」は「事、物、人。連体形に続く形式名詞」(石)。・いかし 出会わせて。<いかーしぃん 'ikaashiN 会うようにさせる。出会わせる。沖縄口の「いちゃーしゅん」
思いすとぅ我んとぅ 行逢さんどぅあらば あたら我が命 とぅらばちゃすが
'うむいすとぅばんとぅ'いかさんどぅ'あらば 'あたらわがぬちぃ とぅらばちゃすが
'umuisu tu baN tu 'ikasaN du 'araba 'atara waga nuchi turaba chasuga
○思う人と私と出会わせないのであれば 大事な私の命取ればいかが
語句・あたら 大事な。<あたらさーん「可惜(あたら)し。可愛らしい。」(石)。あたらむん 大事なもの。沖縄口の「あたらしゃん」(大事である)。・ちゃすが いかがするか→いかが?。
東から上りおる大月加那志 沖縄から八重山まで照らしょうり
'あーりぃから'あーりぃおーる'うふつぃきぃがなし 'うきぃなからやいままでぃてぃらしたぼり
'aari kara 'aariooru 'uhutsikiganashi 'ukina kara yaima madi tirashitabori
○東からあがられる満月様 沖縄から八重山まで御照らしください
潮の満干や月からど定まみようる 島の有卦無卦やはらの主から
すぬ'んちぷぃしぃや つぃきぃからどぅさだみようる しぃまぬ'うきむきや はらぬしゅから
su nu 'Nchipishi ya tsiki kara du sadamiyouru shima nu 'ukimuki ya hara nu shu kara
○潮の満ち干きは月によって定まっておられる 島[村]の幸不幸は村の主によって決まる
語句・んちぴぃしぃ 満ち干き。<んちぃすー 上げ潮。ぴぃしぃすー 引き潮。「引く」は「ぴぃすん」。
・から「原因・理由をあらわす。」(石)。…によって。・うきむき 有卦無卦。幸不幸。はら村。「古謡に出てくる。村。」(石)。
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つぃきぃぬまぴぃろーま ぶしぃ
tsiki nu mapiroma bushi
○月が(出て明るい)真昼間(のような夜中)
語句・まぴろーま 真昼間。「真昼、正午から三時ごろまで。」(石)。ここでは真夜中に月が照らし、まるで真昼間のように明るい様。
(しぃ、tsi、kiなどは中舌母音を表す。)
月ぬ真昼間や やんさ潮ぬ真干り 夜ぬ真夜中や(ハイヘー)女童ぬ潮時(ハイヘー)
ちぃきぃぬまぴぃろーまややんさすぬまふぇり ゆるぬまゆなかや(はいへー)みやらびぬすどぅきぃ(はいへー)
(囃子は以下省略。)
tsiki nu mapiroma ya yaNsasu nu mahweri yuru nu mayunaka ya miyarabi nu suduki
○月が(出て明るい)真昼間(のような夜中)はヤンサ潮が1番干がり 夜の真夜中は娘の潮時
語句・やんさす ヤンサ潮<ヤンザ潮yaNza suu 「二月夜間の干潮の甚だしい時の潮。陰暦二、三月ごろの夜間の干潮とも、陰暦十一月ごろの干潮ともいう」(石) ・まふぇり 1番干上がり。「干上がる」は辞書に「ぴぃすん」。その活用形か。
月に願立てぃてい 星に夜半参り 思いすとぅ我んとぅ 行逢しゆ給り
ちぃきぃにぐわんたてぃてぃ ふすにやはんまいり 'うむいすとぅばんとぅ 'いかしゆたぼり
tsiki ni gwaN tatiti husu ni yahaNmairi 'umuisu tu baN tu 'ikashiyutabori
○月に願立てて星に夜半参り 思う人と私と出会わせてください
語句・ふす (石)には星は「ぷす」または「…ぶしぃ」しかない。・やはんまいり 「島うた紀行」(仲宗根幸市編著)によると「女性が男装し、男性が女装して意中の人に会わせてくれることを願い、神仏に祈願をして、その人の通る道端の暗いところに人目を忍び立つこと」・うむいす 思う人。<うむい+す。「す」は「事、物、人。連体形に続く形式名詞」(石)。・いかし 出会わせて。<いかーしぃん 'ikaashiN 会うようにさせる。出会わせる。沖縄口の「いちゃーしゅん」
思いすとぅ我んとぅ 行逢さんどぅあらば あたら我が命 とぅらばちゃすが
'うむいすとぅばんとぅ'いかさんどぅ'あらば 'あたらわがぬちぃ とぅらばちゃすが
'umuisu tu baN tu 'ikasaN du 'araba 'atara waga nuchi turaba chasuga
○思う人と私と出会わせないのであれば 大事な私の命取ればいかが
語句・あたら 大事な。<あたらさーん「可惜(あたら)し。可愛らしい。」(石)。あたらむん 大事なもの。沖縄口の「あたらしゃん」(大事である)。・ちゃすが いかがするか→いかが?。
東から上りおる大月加那志 沖縄から八重山まで照らしょうり
'あーりぃから'あーりぃおーる'うふつぃきぃがなし 'うきぃなからやいままでぃてぃらしたぼり
'aari kara 'aariooru 'uhutsikiganashi 'ukina kara yaima madi tirashitabori
○東からあがられる満月様 沖縄から八重山まで御照らしください
潮の満干や月からど定まみようる 島の有卦無卦やはらの主から
すぬ'んちぷぃしぃや つぃきぃからどぅさだみようる しぃまぬ'うきむきや はらぬしゅから
su nu 'Nchipishi ya tsiki kara du sadamiyouru shima nu 'ukimuki ya hara nu shu kara
○潮の満ち干きは月によって定まっておられる 島[村]の幸不幸は村の主によって決まる
語句・んちぴぃしぃ 満ち干き。<んちぃすー 上げ潮。ぴぃしぃすー 引き潮。「引く」は「ぴぃすん」。
・から「原因・理由をあらわす。」(石)。…によって。・うきむき 有卦無卦。幸不幸。はら村。「古謡に出てくる。村。」(石)。
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2008年04月06日
伊集早作田節 (舞踊 揚作田)
伊集早作田節
'いじゅはいちくてんぶし
'iju haichikuteN bushi
蘭の匂い心 朝夕おみとまれ(よーしたりぬ よーんぞ) いつまでも人の(よーはり) あかぬごとに (いつまでも人の よーはり あかぬごとに )
(囃子と繰り返し、以下省略)
らんぬにうぃぐくる 'あさゆ'うみとぅまり 'いちまでぃん ふぃとぅぬ 'あかんぐとぅに
raN nu niwigukuru 'asayu 'umitumari 'ichimadiN hwitu nu 'akaN gutu ni
○蘭の匂いのように朝夕心(に)留めよ いつまでも人の飽きないように
語句・ぐくる ・・のように。琉歌ではよく「・・心」と出てくるが比喩と思えばよい。・うみとぅまり 思い留めよ→心に留めよ <うみ 思い。+とぅまりゆん 命令形 とぅまり。・あかん 飽きない <あちゅん 飽きる。「飽きる」には「あちゃがゆん」(時期が去る。飽きが来る。)「あちはてぃゆん」(飽きはてる→飽きる)などがある。「あかん」は「あちゅん」の否定形。
【屋嘉比工工四】
月夜や月夜ともて明ける夜や知らんわらべ腕枕にやうちふれて
ちちゅや ちちゅとぅむてぃ 'あきるゆやしらん わらび'うでぃまくら な'うちふりてぃ
chichu ya chichu tumuti 'akiru yu ya shiraN warabi 'udimakura na 'uchihuriti
○月夜は月夜と思って明ける夜をば知らない 娘腕枕にさらに惚れて
語句・ちちゅ 月夜。 月夜は「ちちゆー」だが、琉歌では「ちちゅ」と発音。・とぅむてぃ と思って(文語表現)。・な さらに。もう一度、という意味もある。<なー
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'いじゅはいちくてんぶし
'iju haichikuteN bushi
蘭の匂い心 朝夕おみとまれ(よーしたりぬ よーんぞ) いつまでも人の(よーはり) あかぬごとに (いつまでも人の よーはり あかぬごとに )
(囃子と繰り返し、以下省略)
らんぬにうぃぐくる 'あさゆ'うみとぅまり 'いちまでぃん ふぃとぅぬ 'あかんぐとぅに
raN nu niwigukuru 'asayu 'umitumari 'ichimadiN hwitu nu 'akaN gutu ni
○蘭の匂いのように朝夕心(に)留めよ いつまでも人の飽きないように
語句・ぐくる ・・のように。琉歌ではよく「・・心」と出てくるが比喩と思えばよい。・うみとぅまり 思い留めよ→心に留めよ <うみ 思い。+とぅまりゆん 命令形 とぅまり。・あかん 飽きない <あちゅん 飽きる。「飽きる」には「あちゃがゆん」(時期が去る。飽きが来る。)「あちはてぃゆん」(飽きはてる→飽きる)などがある。「あかん」は「あちゅん」の否定形。
【屋嘉比工工四】
月夜や月夜ともて明ける夜や知らんわらべ腕枕にやうちふれて
ちちゅや ちちゅとぅむてぃ 'あきるゆやしらん わらび'うでぃまくら な'うちふりてぃ
chichu ya chichu tumuti 'akiru yu ya shiraN warabi 'udimakura na 'uchihuriti
○月夜は月夜と思って明ける夜をば知らない 娘腕枕にさらに惚れて
語句・ちちゅ 月夜。 月夜は「ちちゆー」だが、琉歌では「ちちゅ」と発音。・とぅむてぃ と思って(文語表現)。・な さらに。もう一度、という意味もある。<なー
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2008年04月05日
揚作田節(舞踊 揚作田)
【舞踊】
揚作田節
'あぎちくてんぶし
'agichikuteN bushi
二葉から出ていくとしがへたら いわをだち松のもたへ清らさ
ふたふぁから'んじてぃ'いくとぅしがふぃたら 'いわをだちまちぬむていぢゅらさ
hutahwa kara 'Njiti 'ikutushi ga hwitara 'iwawo dachimachi nu muteijurasa
○双葉から出て何年が経ったら巌(岩石)抱く松の茂りの美しいことよ語句・いわを 巌。堅くて大きな岩石。「岩を」ではない。・まち 松。<まーち。・むてい 茂る様。繁栄。<むてーゆん 太る。茂る。栄える。
【本歌】
豊かなる御代のしるしあらはれて 雨露の恵み 時もたがぬ
ゆたかなるみゆぬしるし'あらわりてぃ 'あみちゆぬみぐみ とぅちんたがん
yutakanaru miyu nu shirushi 'arawariti 'amichiyu nu migumi tuchiN tagaN
○豊かなる御代の前兆顕れて 雨露の恵み(は)時も違わない[雨露などの天候も順調だ]
語句・しるし きざし。前兆。・たがん 違わない。<たがゆん 違う。たがえる。
【屋嘉比工工四】
面影のていんす 立たなうちくいれわ 忘れよる暇んあよらやすが
'うむかじぬでんし たたな'うちくぃりば わしりゆるふぃまん'あゆらやしが
'umukaji nu deNshi tatana'uchikwiriba washiriyuru hwimaN 'ayurayashiga
○面影でさえ立たないでくれたら忘れていく暇もあるのだが
語句・でんし …でさえ。・うちくぃりば くれたら 「うち」は強意。しかし、訳すほどの意味はない。・ふぃま 暇。・あゆらやしが あるのだろうけれども<あん。ある。の推量 あゆら+ やしが。
揚作田節
'あぎちくてんぶし
'agichikuteN bushi
二葉から出ていくとしがへたら いわをだち松のもたへ清らさ
ふたふぁから'んじてぃ'いくとぅしがふぃたら 'いわをだちまちぬむていぢゅらさ
hutahwa kara 'Njiti 'ikutushi ga hwitara 'iwawo dachimachi nu muteijurasa
○双葉から出て何年が経ったら巌(岩石)抱く松の茂りの美しいことよ語句・いわを 巌。堅くて大きな岩石。「岩を」ではない。・まち 松。<まーち。・むてい 茂る様。繁栄。<むてーゆん 太る。茂る。栄える。
【本歌】
豊かなる御代のしるしあらはれて 雨露の恵み 時もたがぬ
ゆたかなるみゆぬしるし'あらわりてぃ 'あみちゆぬみぐみ とぅちんたがん
yutakanaru miyu nu shirushi 'arawariti 'amichiyu nu migumi tuchiN tagaN
○豊かなる御代の前兆顕れて 雨露の恵み(は)時も違わない[雨露などの天候も順調だ]
語句・しるし きざし。前兆。・たがん 違わない。<たがゆん 違う。たがえる。
【屋嘉比工工四】
面影のていんす 立たなうちくいれわ 忘れよる暇んあよらやすが
'うむかじぬでんし たたな'うちくぃりば わしりゆるふぃまん'あゆらやしが
'umukaji nu deNshi tatana'uchikwiriba washiriyuru hwimaN 'ayurayashiga
○面影でさえ立たないでくれたら忘れていく暇もあるのだが
語句・でんし …でさえ。・うちくぃりば くれたら 「うち」は強意。しかし、訳すほどの意味はない。・ふぃま 暇。・あゆらやしが あるのだろうけれども<あん。ある。の推量 あゆら+ やしが。
2008年03月31日
安里屋ユンタ(八重山民謡 竹富島以外)
安里屋ゆんた
'あさどやゆんた
'asadoya yuNta
一、(サア)安里屋ぬ くやまに(ヤゥ サーユイユイ) あん美らさ生りばし(ヤゥ マタハーリヌ ツンダラカヌシャマヤゥ)
(さー)あさどやーぬくやまに(よー さーゆいゆい)あんちゅらさまりばし(よー またはーりぬ つぃんだらかぬしゃまよー(saa)'asadoyaa nu kuyama ni (yoo) 'aNchurasa maribashi (yoo matahaarinu chiNdara kanushama yoo)
○安里家のクヤマはあのように美しく生まれたために
語句・あん あのように。・ちゅらさ 美しく。石垣方言では形容詞の語幹(「ちゅらさ」)は「そのまま副詞として使用される。メヘン タカサ トゥビ(もっと高く跳べ)。」(石)。「ちゅら」は本島からの影響。・まりばし生まれたために <まり 生まれ。+ば「歌謡など文学表現に、沖縄本島からの借用語で既定を表す。から。ので。」(石)+し 格助詞「ために、故に。原因を表す。」(石) ・ゆいゆい 囃子言葉。「ゆい」という労働形式で歌われたゆえんなのか、独自の意味があるのか不明。 ・またはーりぬ 「また」は繰り返す時の囃子。「はーりぬ」は諸説あるが定説はない。「はり」が「晴れ」「ハレの日」との関連があるという説がある。つぃんだら かわいらしい。 かわいそうである。<つぃんだーさん。・かぬしゃま <かぬしゃー 「男性からいう女性の恋人。『愛(かな)しき人』の意。『かぬしゃーま』ともいう。」
二、いみしゃからあふあり生まりばし くゆさからしるさすでばし
'いみしゃから'あふぁりまりばし くゆさからしるさすぃでぃばし
'imisha kara 'ahwari maribashi kuyusa kara shirusa shidibashi
○幼少の時から美しいので 幼少から白く生まれたので
語句・いみしゃ 幼少の時。 あふぁり美しく。<あふぁりしゃーん。美しい。・くゆさ 幼少。
三、目差主ぬ乞よたら 当りょう親ぬ望みょうた
みざしぃしゅぬくよたら あたりょーやぬぬずみょた
mizashishu nu kuyotara 'ataryooya nu nuzumyota
○目差主(助役相当)が(賄い方を)請うたら 与人親(村長相当)が(賄い方を)望んだ
語句・ぬずみょーた <ぬずむん 望む。欲する。沖縄口では「結婚の相手に望む。結婚を申し込む。惚れる」(沖)の意味がある。
三、目差主やばなんぱ 当りょう親やくれゆむ
みざしぃしゅやばな'んぱ 'あたりょうややくれゆむ
mizashishu ya bana 'Npa 'ataryouya ya kure yumu
○目差主は私は嫌 与人親はこれ嫌なもの
四、なゆりゃどぅんぱです 如何やりゃどぅゆむです
なゆりゃどぅ'んぱでしぃ 'いきゃやりゃどぅゆむでしぃ
nayurya du 'Npa deshi 'ikayarya du yumu deshi
○なぜ嫌なのか どうして嫌なものなのか
語句・なゆ「なぜ。古語で、歌謡などで使う。」(石)。
五、島ぬ夫持つぁばどぅ ふんぬ里かむばどぅ
すぃまぬぶどぅむつぁばどぅ ふんぬさとぅかむばどぅ
shima nu budu mutsabadu huN nu satu kamubadu
○村の夫(を)持つためにこそ 村の彼氏(に)関わるために
語句・すぃま 島。村。国。郷里。ぶどぅ 夫。ふん 国。村。組。さとぅ (石)には「里。村。滅多に用いない。古謡に出てくる語」とある。対句として「ふんぬさとぅ」に対応するのは「夫」。したがって「里」を沖縄口の「彼氏」と解釈した。かむばどぅ 「持つ」に対応する語句としては「かみるん(頭に載せる、頂く、頂戴する)」か「かもーん」(かまう、関係する)があるが活用からみると後者が自然。
六、後ぬ為あるです すらぬ為あるです
'あとぅぬたみあるでしぃ すらぬたみ'あるでしぃ
'atu nu tami 'arudeshi sura nu tami 'arudeshi
○将来(子孫)のために 身空のために
語句・あとぅ 後(空間には言わない)。後継者、子孫。後(のち)すなわち将来。・すら (石)には「こずえ」しかない。(沖)に「身空」がある。
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'あさどやゆんた
'asadoya yuNta
一、(サア)安里屋ぬ くやまに(ヤゥ サーユイユイ) あん美らさ生りばし(ヤゥ マタハーリヌ ツンダラカヌシャマヤゥ)
(さー)あさどやーぬくやまに(よー さーゆいゆい)あんちゅらさまりばし(よー またはーりぬ つぃんだらかぬしゃまよー(saa)'asadoyaa nu kuyama ni (yoo) 'aNchurasa maribashi (yoo matahaarinu chiNdara kanushama yoo)
○安里家のクヤマはあのように美しく生まれたために
語句・あん あのように。・ちゅらさ 美しく。石垣方言では形容詞の語幹(「ちゅらさ」)は「そのまま副詞として使用される。メヘン タカサ トゥビ(もっと高く跳べ)。」(石)。「ちゅら」は本島からの影響。・まりばし生まれたために <まり 生まれ。+ば「歌謡など文学表現に、沖縄本島からの借用語で既定を表す。から。ので。」(石)+し 格助詞「ために、故に。原因を表す。」(石) ・ゆいゆい 囃子言葉。「ゆい」という労働形式で歌われたゆえんなのか、独自の意味があるのか不明。 ・またはーりぬ 「また」は繰り返す時の囃子。「はーりぬ」は諸説あるが定説はない。「はり」が「晴れ」「ハレの日」との関連があるという説がある。つぃんだら かわいらしい。 かわいそうである。<つぃんだーさん。・かぬしゃま <かぬしゃー 「男性からいう女性の恋人。『愛(かな)しき人』の意。『かぬしゃーま』ともいう。」
二、いみしゃからあふあり生まりばし くゆさからしるさすでばし
'いみしゃから'あふぁりまりばし くゆさからしるさすぃでぃばし
'imisha kara 'ahwari maribashi kuyusa kara shirusa shidibashi
○幼少の時から美しいので 幼少から白く生まれたので
語句・いみしゃ 幼少の時。 あふぁり美しく。<あふぁりしゃーん。美しい。・くゆさ 幼少。
三、目差主ぬ乞よたら 当りょう親ぬ望みょうた
みざしぃしゅぬくよたら あたりょーやぬぬずみょた
mizashishu nu kuyotara 'ataryooya nu nuzumyota
○目差主(助役相当)が(賄い方を)請うたら 与人親(村長相当)が(賄い方を)望んだ
語句・ぬずみょーた <ぬずむん 望む。欲する。沖縄口では「結婚の相手に望む。結婚を申し込む。惚れる」(沖)の意味がある。
三、目差主やばなんぱ 当りょう親やくれゆむ
みざしぃしゅやばな'んぱ 'あたりょうややくれゆむ
mizashishu ya bana 'Npa 'ataryouya ya kure yumu
○目差主は私は嫌 与人親はこれ嫌なもの
四、なゆりゃどぅんぱです 如何やりゃどぅゆむです
なゆりゃどぅ'んぱでしぃ 'いきゃやりゃどぅゆむでしぃ
nayurya du 'Npa deshi 'ikayarya du yumu deshi
○なぜ嫌なのか どうして嫌なものなのか
語句・なゆ「なぜ。古語で、歌謡などで使う。」(石)。
五、島ぬ夫持つぁばどぅ ふんぬ里かむばどぅ
すぃまぬぶどぅむつぁばどぅ ふんぬさとぅかむばどぅ
shima nu budu mutsabadu huN nu satu kamubadu
○村の夫(を)持つためにこそ 村の彼氏(に)関わるために
語句・すぃま 島。村。国。郷里。ぶどぅ 夫。ふん 国。村。組。さとぅ (石)には「里。村。滅多に用いない。古謡に出てくる語」とある。対句として「ふんぬさとぅ」に対応するのは「夫」。したがって「里」を沖縄口の「彼氏」と解釈した。かむばどぅ 「持つ」に対応する語句としては「かみるん(頭に載せる、頂く、頂戴する)」か「かもーん」(かまう、関係する)があるが活用からみると後者が自然。
六、後ぬ為あるです すらぬ為あるです
'あとぅぬたみあるでしぃ すらぬたみ'あるでしぃ
'atu nu tami 'arudeshi sura nu tami 'arudeshi
○将来(子孫)のために 身空のために
語句・あとぅ 後(空間には言わない)。後継者、子孫。後(のち)すなわち将来。・すら (石)には「こずえ」しかない。(沖)に「身空」がある。
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2008年03月29日
安里屋ユンタ(八重山民謡、竹富島)
安里屋ユンタ
'あさどやゆんた
'asadoya yuNta
一、(ひや)安里屋ぬくやまに(よう さあゆいゆい)目差主ぬくよたら(よう はーりぬつんだらかぬしゃまよー またはーりぬつんだらかぬしゃまよー)
(ひや)'あさどやぬ くやまに (よー さーゆいゆい)みざしぃしゅぬくよたら(よー はーりぬつぃんだらかぬしゃまよー またはーりぬつぃんだらかぬしゃまよー)
(hiya)'asadoya nu kuyama ni (saayuiyui)mizashishu nu kuyotara (yoo haari nu chiNdara kanushama yoo mata haari nu chiNdara kanushama yoo)
○安里屋のクヤマに目差主が請うたら(括弧内の囃子は以下省略する)
二、目差主やばなんぱ あたる親やくりゃおいす
みざしぃしゅ や ばな'んぱ' あたるや や くりゃ 'おいす
mizashishu ya bana 'Npa 'ataruya ya kurya 'oisu
○目差主は 私は嫌 与人親は これ(わたし)差し上げる
三、んぱてぃからみささみ べーるてぃからゆくさみ
'んぱてぃから みささみ べーるてぃから ゆくさみ
'Npa ti kara misasami beeru ti kara yukusami
○嫌と言うならよろしいのだよ 駄目と言うなら良いのだよ
語句(安里屋節参照)
四、んぱてぃすぬみるみん べーるてぃすぬ しくみん
'んぱ てぃ すぬ みるみん べーる てぃ すぬ しくみん
'Npa ti sunu mirumiN beeru ti sunu shikumiN
○嫌と言った人の目に見よとばかりに 駄目と言った人の耳に聞けとばかりに
語句(安里屋節参照)
三、中筋に走りおーり ふんかどぅにとぅびおーり
なかすじに ぱりおーり ふんかどぅにとぅびおーり
nakasuji ni parioori huNkadu ni tubioori
○中筋(地名)に走られて 町内に飛んで(行か)れて
語句・おーり いらっしゃって。尊敬体 「連用形1、または2にオールン['ooruN](いらっしゃる)という補助動詞がついて、尊敬の意を表す」(石)。 ・ふんかどぅ 町内。 「フンは組でカドゥと同じ。琉球時代の集落の小さな区画。今の隣組、町内班くらいの集まり」(石)。
四、道廻りしみりばどぅ 村くりし聞きばどぅ
みちまーりし みりばどぅ むら くりし しきばどぅ
michi maari shi miriba du mura kuri shi shikiba du
○道(を)廻って見ると 村(に)来て聞けば
五、あばれ子にいかゆてぃ みやらびにすなゆてぃ
'あばれふぁに'いかゆてぃ みやらびにすなゆてぃ
'abare hwa ni 'ikayuti miyarabi ni sunayuti
○綺麗な子に出会って 美しい娘に見初めて
語句・あばれ 綺麗な <あふぁりしゃーん 'ahwarishaaN 美しい。あっぱりしゃーん'apparishaaN 美しい。 「abare」という語句は辞書にはない。(石)にはさらに「アッパレ 'appare」(あっぱれ えらい)が「古謡にでてくる」とある。「あふぁりしゃーん」などは「美しい、きれいである。『あはれ』と同系のことば。『美しい』を意味する方言『あっぱい』(徳島県、高知市、山口県、福岡県などにある)も同系か」(石)とある。 ・いかゆてぃ 出会って <いかうん。 いこーん。
・すなゆてぃ これも辞書にない。「すないるん」は①列を整える②準備する。妻を準備する=縁談を整える。と(石)にある。さらに沖縄語の「すぬん」(染まる)と同系だと思われる。それで「見初めて」と訳す。
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'あさどやゆんた
'asadoya yuNta
一、(ひや)安里屋ぬくやまに(よう さあゆいゆい)目差主ぬくよたら(よう はーりぬつんだらかぬしゃまよー またはーりぬつんだらかぬしゃまよー)
(ひや)'あさどやぬ くやまに (よー さーゆいゆい)みざしぃしゅぬくよたら(よー はーりぬつぃんだらかぬしゃまよー またはーりぬつぃんだらかぬしゃまよー)
(hiya)'asadoya nu kuyama ni (saayuiyui)mizashishu nu kuyotara (yoo haari nu chiNdara kanushama yoo mata haari nu chiNdara kanushama yoo)
○安里屋のクヤマに目差主が請うたら(括弧内の囃子は以下省略する)
二、目差主やばなんぱ あたる親やくりゃおいす
みざしぃしゅ や ばな'んぱ' あたるや や くりゃ 'おいす
mizashishu ya bana 'Npa 'ataruya ya kurya 'oisu
○目差主は 私は嫌 与人親は これ(わたし)差し上げる
三、んぱてぃからみささみ べーるてぃからゆくさみ
'んぱてぃから みささみ べーるてぃから ゆくさみ
'Npa ti kara misasami beeru ti kara yukusami
○嫌と言うならよろしいのだよ 駄目と言うなら良いのだよ
語句(安里屋節参照)
四、んぱてぃすぬみるみん べーるてぃすぬ しくみん
'んぱ てぃ すぬ みるみん べーる てぃ すぬ しくみん
'Npa ti sunu mirumiN beeru ti sunu shikumiN
○嫌と言った人の目に見よとばかりに 駄目と言った人の耳に聞けとばかりに
語句(安里屋節参照)
三、中筋に走りおーり ふんかどぅにとぅびおーり
なかすじに ぱりおーり ふんかどぅにとぅびおーり
nakasuji ni parioori huNkadu ni tubioori
○中筋(地名)に走られて 町内に飛んで(行か)れて
語句・おーり いらっしゃって。尊敬体 「連用形1、または2にオールン['ooruN](いらっしゃる)という補助動詞がついて、尊敬の意を表す」(石)。 ・ふんかどぅ 町内。 「フンは組でカドゥと同じ。琉球時代の集落の小さな区画。今の隣組、町内班くらいの集まり」(石)。
四、道廻りしみりばどぅ 村くりし聞きばどぅ
みちまーりし みりばどぅ むら くりし しきばどぅ
michi maari shi miriba du mura kuri shi shikiba du
○道(を)廻って見ると 村(に)来て聞けば
五、あばれ子にいかゆてぃ みやらびにすなゆてぃ
'あばれふぁに'いかゆてぃ みやらびにすなゆてぃ
'abare hwa ni 'ikayuti miyarabi ni sunayuti
○綺麗な子に出会って 美しい娘に見初めて
語句・あばれ 綺麗な <あふぁりしゃーん 'ahwarishaaN 美しい。あっぱりしゃーん'apparishaaN 美しい。 「abare」という語句は辞書にはない。(石)にはさらに「アッパレ 'appare」(あっぱれ えらい)が「古謡にでてくる」とある。「あふぁりしゃーん」などは「美しい、きれいである。『あはれ』と同系のことば。『美しい』を意味する方言『あっぱい』(徳島県、高知市、山口県、福岡県などにある)も同系か」(石)とある。 ・いかゆてぃ 出会って <いかうん。 いこーん。
・すなゆてぃ これも辞書にない。「すないるん」は①列を整える②準備する。妻を準備する=縁談を整える。と(石)にある。さらに沖縄語の「すぬん」(染まる)と同系だと思われる。それで「見初めて」と訳す。
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2008年03月27日
安里屋節 (八重山民謡)
安里屋節
'あさどーやーぶしぃ
'asadooyaa bushi
語句・あさどーやー 現在の石垣市竹富町にある「安里家」。屋号の読み方では「あさとぅやー 'asatuyaa」。歌では「あさどーやー」と濁る。石垣方言辞典には「あさどーや 'asadooya」とある。
一、安里屋ぬ くやまに(ヤゥ) 目差主ぬ乞よたら(ヤゥ ウヤキ ヤゥヌユバナウレ)
'あさどやぬくやまに(よー) みざしぃしゅぬくよたら(よー 'うやき よーぬゆばなうれ)
asadooyaa nu kuyamani (yoo) mizashishu nu kuyotara (yoo 'uyaki yoo nu yubanaure)
○安里家のクヤマに目差主(助役)が(賄いを)請われたら
語句・くやま 実在したとされる。1722年生まれ、1797年に70才で亡くなった。16才(1738年)で村長にあたる与人の賄い方(現地妻)を勤めたとされる。・みざしぃしゅ 首里が派遣した役職名、助役にあたる。・くよたら 請われたら。<こーん 「?請う。求める。?嫁として申し込む。」(石)。実際には目差主がクヤマに、賄い方という名目の現地妻になるよう求めた。「こーん」の過去形「くいだ」→尊敬「くいよーだ」から「くよた」。また「くよだ」「くゆだ」と歌う歌詞もある。・ うやき よーぬゆばなうれ 故胤森弘さんからの遺言「囃子は手を出すな」があるので省略したい。よく「実り豊かな世に直れ」と訳したものを見る。もちろんそう訳せないこともないが、囃子言葉は時代的に歌詞本体より古いので難解である。
二、 目差主やばなんぱ 当りょう親やくれおいす
みざしぃしゅやばな'んぱ 'あたりょうややくれおいす
mizashishu ya bana 'Npa 'ataryouya ya kure 'oisu
○目差主は私は嫌 与人は これ(私を)差し上げる
語句・ばな 私は。<ばなー<ばなbana 私 + やya の融合。 ・んぱ 嫌。・あたるや 与親→与人親=首里が派遣した村長にあたる役職。目差主の上司。・おいす 差し上げる。 < おいしぃん 'oishiN 差し上げる。
三、んぱてぃからみささみ べーるてぃからゆくさみ
'んぱてぃから みささみ べーるてぃから ゆくさみ
'Npa ti kara misasami beeru ti kara yukusami
○嫌と言うならよろしいのだよ 駄目と言うなら良いのだよ
語句・てぃ 辞書(石)には「てぃ」はなく、「で」(…と)はあり、また他の安里屋ユンタでは「で」と歌われているものがあるから古語的表現と思われる。 ・から <からー …たら。…なら。 ・みさ <みしゃーん よろしい。 ・さみ 首里語の「さみ」(…なのだよ。…なんだよ。)と同じ。・べーる 「拒絶の意志を表す。」(石) 。「駄目」と訳した。 ・ゆく (石)には「別の、異なる」とあるが対語表現からすると「みさ」に対応する、「良い」を意味する「ゆか」の訛りではないだろうか。
四、んぱてぃすぬみるみん べーるてぃすぬ しくみん
'んぱ てぃ すぬ みるみん べーる てぃ すぬ しくみん
'Npa ti sunu mirumiN beeru ti sunu shikumiN
○嫌と言った人の目に見よとばかりに 駄目と言った人の耳に聞けとばかりに
語句・すぬ <す 「事。物。人」(石)+ぬ の。 ・みるみん 「目に見よとばかりに」(石)。・しくむん 耳に聞けとばかりに。 <しきぃん 聞く。
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'あさどーやーぶしぃ
'asadooyaa bushi
語句・あさどーやー 現在の石垣市竹富町にある「安里家」。屋号の読み方では「あさとぅやー 'asatuyaa」。歌では「あさどーやー」と濁る。石垣方言辞典には「あさどーや 'asadooya」とある。
一、安里屋ぬ くやまに(ヤゥ) 目差主ぬ乞よたら(ヤゥ ウヤキ ヤゥヌユバナウレ)
'あさどやぬくやまに(よー) みざしぃしゅぬくよたら(よー 'うやき よーぬゆばなうれ)
asadooyaa nu kuyamani (yoo) mizashishu nu kuyotara (yoo 'uyaki yoo nu yubanaure)
○安里家のクヤマに目差主(助役)が(賄いを)請われたら
語句・くやま 実在したとされる。1722年生まれ、1797年に70才で亡くなった。16才(1738年)で村長にあたる与人の賄い方(現地妻)を勤めたとされる。・みざしぃしゅ 首里が派遣した役職名、助役にあたる。・くよたら 請われたら。<こーん 「?請う。求める。?嫁として申し込む。」(石)。実際には目差主がクヤマに、賄い方という名目の現地妻になるよう求めた。「こーん」の過去形「くいだ」→尊敬「くいよーだ」から「くよた」。また「くよだ」「くゆだ」と歌う歌詞もある。・ うやき よーぬゆばなうれ 故胤森弘さんからの遺言「囃子は手を出すな」があるので省略したい。よく「実り豊かな世に直れ」と訳したものを見る。もちろんそう訳せないこともないが、囃子言葉は時代的に歌詞本体より古いので難解である。
二、 目差主やばなんぱ 当りょう親やくれおいす
みざしぃしゅやばな'んぱ 'あたりょうややくれおいす
mizashishu ya bana 'Npa 'ataryouya ya kure 'oisu
○目差主は私は嫌 与人は これ(私を)差し上げる
語句・ばな 私は。<ばなー<ばなbana 私 + やya の融合。 ・んぱ 嫌。・あたるや 与親→与人親=首里が派遣した村長にあたる役職。目差主の上司。・おいす 差し上げる。 < おいしぃん 'oishiN 差し上げる。
三、んぱてぃからみささみ べーるてぃからゆくさみ
'んぱてぃから みささみ べーるてぃから ゆくさみ
'Npa ti kara misasami beeru ti kara yukusami
○嫌と言うならよろしいのだよ 駄目と言うなら良いのだよ
語句・てぃ 辞書(石)には「てぃ」はなく、「で」(…と)はあり、また他の安里屋ユンタでは「で」と歌われているものがあるから古語的表現と思われる。 ・から <からー …たら。…なら。 ・みさ <みしゃーん よろしい。 ・さみ 首里語の「さみ」(…なのだよ。…なんだよ。)と同じ。・べーる 「拒絶の意志を表す。」(石) 。「駄目」と訳した。 ・ゆく (石)には「別の、異なる」とあるが対語表現からすると「みさ」に対応する、「良い」を意味する「ゆか」の訛りではないだろうか。
四、んぱてぃすぬみるみん べーるてぃすぬ しくみん
'んぱ てぃ すぬ みるみん べーる てぃ すぬ しくみん
'Npa ti sunu mirumiN beeru ti sunu shikumiN
○嫌と言った人の目に見よとばかりに 駄目と言った人の耳に聞けとばかりに
語句・すぬ <す 「事。物。人」(石)+ぬ の。 ・みるみん 「目に見よとばかりに」(石)。・しくむん 耳に聞けとばかりに。 <しきぃん 聞く。
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2008年03月12日
七尺節(綛掛之踊)
七尺節
しちしゃくぶし
shichishaku bushi
枠の糸綛に繰り返し返し かけて面影の勝て立つさ (さゆ やうんな)
わくぬ'いとぅかしにくいかいしがいし かきてぃ'うむかじぬまさてぃたちゅさ (さゆ よーんな)
waku nu 'itukashi ni kuikaishigaishi kakiti 'umukaji nu masati tachusa (sayu yooNna)
○枠の糸綛に繰り返し何回も掛けて 面影が強く浮かぶよ
語句・わく 前掲の「かしかき」で説明したように「綛」(かし)に巻いた糸を一定の力を加えて「枠」(わく)に巻いて機織りの準備をする。かつては女性の仕事とされた。・たちゅさ 浮かぶよ。<たちゅん 立つ。この動詞は、大和口同様、いわゆる「立つ。」以外に「起きる。生じる。」「経つ。経過する。」がある。また「嫁ぐ」などもあり多義多様。「面影がたつ」という場合、心に面影が「浮かぶ」と訳したほうがよいと思う。
かせかけて 伽やならぬものさらめ 繰り返し返し思どましゆる
かしかきてぃ とぅじやならんむぬさらみ くいかいしがいし'うみどぅましゅる
kashikakiti tuji ya naraNmunusarami kuikaishigaishi 'umi du mashuru
○綛(に)掛けて慰め(に)ならないものであろうぞ 繰り返し返し思いだけが増す
語句・とぅじ 「伽。相手となって慰めること。また、その者。」(沖)。・さらみ「『であろう』の意を強調して表す。…であろうぞ。」(沖)
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しちしゃくぶし
shichishaku bushi
枠の糸綛に繰り返し返し かけて面影の勝て立つさ (さゆ やうんな)
わくぬ'いとぅかしにくいかいしがいし かきてぃ'うむかじぬまさてぃたちゅさ (さゆ よーんな)
waku nu 'itukashi ni kuikaishigaishi kakiti 'umukaji nu masati tachusa (sayu yooNna)
○枠の糸綛に繰り返し何回も掛けて 面影が強く浮かぶよ
語句・わく 前掲の「かしかき」で説明したように「綛」(かし)に巻いた糸を一定の力を加えて「枠」(わく)に巻いて機織りの準備をする。かつては女性の仕事とされた。・たちゅさ 浮かぶよ。<たちゅん 立つ。この動詞は、大和口同様、いわゆる「立つ。」以外に「起きる。生じる。」「経つ。経過する。」がある。また「嫁ぐ」などもあり多義多様。「面影がたつ」という場合、心に面影が「浮かぶ」と訳したほうがよいと思う。
かせかけて 伽やならぬものさらめ 繰り返し返し思どましゆる
かしかきてぃ とぅじやならんむぬさらみ くいかいしがいし'うみどぅましゅる
kashikakiti tuji ya naraNmunusarami kuikaishigaishi 'umi du mashuru
○綛(に)掛けて慰め(に)ならないものであろうぞ 繰り返し返し思いだけが増す
語句・とぅじ 「伽。相手となって慰めること。また、その者。」(沖)。・さらみ「『であろう』の意を強調して表す。…であろうぞ。」(沖)
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2008年03月05日
糸満乙女
糸満乙女'いちまん'あんぐゎ
'ichimaN 'aNgwaa
○糸満(の)娘さん
語句・あんぐゎ (平民の)姉さん、娘さん。姉妹関係なら前者だがここでは海で働く女性、若い娘。発音は「あんぐゎー」と語尾を伸ばす。ちなみに士族の場合は「んみー 'Nmii」。
作詞 真境名由康
一、我した糸満 海の業 二才達うち揃て サバニくなびて
わした'いちまん'うみぬわざ にせた'うちするてぃ さばにくなびてぃ
washita 'ichimaN 'umi nu waza nisetaa 'uchisuruti sabani kunabiti
○我々糸満(の)海の仕事、青年達(は)せい揃いしサバニを並べて
語句・わざ 仕事 ・くなびてぃ 並べて。<くなびゆん 並べる 比べる。
二、漕ぎ出じゃち行けば 沖や波静か 凪の渡中
くじ'んじゃち'いちば'うちやなみしじか [なぎ]ぬとぅなか
kuji'Njachi'ichiba 'uchi ya nami shijika [なぎ] nu tunaka
○漕ぎ出て行けば波静か 凪の沖の海上
語句・なぎ 凪は沖縄語で「とぅり」だが標準語の「なぎ」と歌われる。
三、エサ小ぶん投ぎれ 魚の数あまた 寄し来る 寄し来る 舟に取いんち サバニ積ん込で
[エサ]ぐわぶんなぎれ 'いゆぬかじ'あまた ゆしくるゆしくる ふににとぅいんち さばにちんくでぃ
[エサ]gwa buNnagiree 'iyu nu kaji 'amata yushikuruyushikuru huni ni tuiNchi sabani chiNkudi
○エサ(を)なげいれるなれば魚の数が無数寄せて来る 寄せて来る(のを)船に取り込みサバニに積み込んで
語句・えさ これも沖縄語は「むんだに」で「えさ」は標準語。 ・とぅいんち 取り込んで。 <とぅい<とぅゆん 取る。+んち<んちゅん 込む。ちんくでぃ 積み込んで。<ちぬん 積む。+んちゅん 込む。
四、大漁満船 海出来らち 戻る嘉利吉の 走るよ舟小 しちゃーら走いど
たいりょーまんしん 'うみできらち むどぅるかりゆしぬ はるよふにぐわ しちゃーらはいどー
tairyo maNshiN 'umi dikirachi muduru kariyushi nu haruyo hunigwa shichaara hai doo
○大漁(で)満船、海(の漁は)成功し戻る縁起良き、走るよ船、押し合いへしあい走れよ
語句・でぃきらち 成功させ <でぃきらしゅん うまくいく。成功する。・かりゆし 縁起のよい。航海で使われた言葉で「航海安全」を祈る呪文。・しちゃーら <しちゃーしゅん 押し合いへしあう 「ら」となる活用については不明。・はり 走れ。 <はゆん 走るの命令形。
五、浜に持ち出じて 舟待ちゅるアン小達が 手振い口笛 フィフィそうてサバニ迎ぇてぃサバニ引き揚ぎ
はまにむち'んじてぃふにまちゅる 'あんぐわたーがてぃふいくちふい ふぃーふぃーそーてぃ さばに'んけーてぃ さばにふぃちあぎ
hama ni muchi'Njiti hunimachuru 'aNgwataa ga ti hui kuchi hui hwiihwiisooti sabani 'Nkeeti sabani hwichiagi
○浜に持ちでて船待つ娘達が手振り口笛フィーフィー鳴らし サバニ迎えてサバニ引き上げ
六、分きぶん分きとてアン小達や ちじにひっかみて 那覇の町かい いっさん走え いっさん走え 嘉利吉糸満 那覇の町かい
わきぶんわきとてぃ'あんぐわや ちじにふっかみてぃ なふぁぬまちかい 'いっさんはーえー 'いっさんはーえー かりゆし'いちまん なふぁぬまちかい
wakibuN wakitoti 'aNgwa ya chiji ni hwikkamiti nahwa nu machi kai 'issaNhaaee 'issaNhaaee kariyushi 'ichimaN nahwa nu machi kai
○分け前わけて娘は頭上に乗せて那覇の市に一目散に一目散に縁起良い糸満(から)那覇の市に
語句・わきぶん 分け前 ・ちじ 頭上 ・ふっかみてぃ のせて。<「ふぃっ」(「ふぃっちゃてぃゆん」ひっさげる。などの接頭語)+「かみゆん」(女性が荷物を頭にのせる)。・まち 市場、市。「町」ではない。・かい へ。に。
七、トブー グルクン町一番 みー口幸(せーうぇー)はいかかて バーキうつぃちょて売りたらじやさ
とぅぶーぐるくんまち'いちばん みーぐちせーうぇーはいかかてぃ ばーき'うちちょてぃ'うりたらじやさ
tubuu gurukuN machi'ichibaN miiguchi seewee haikkati baaki 'uchichoti 'uritaraji yasa
○トビウオ、グルクン市場1番最初の客(に)幸運(にも)出合って ザル空になって 売り切れだよ
語句・とぅぶー トビウオ ・ぐるくん たかさご ・みーぐち 最初の客。・せーうぇー 幸い 幸運。・はいかかてぃ 出合って =はいいちゃてぃ<はいいちゃゆん。 ・うちちょてぃ 空になって <うちゅん ・うりたらじ 「売りきれ」 辞書にも見当たらず師匠に尋ねてこう教えられた。文法的には不明。
八、商ね出来らち肝いそーさ 戻る足軽さ 地にもちかんさ 飛ぶる心地飛ぶる心地
'あちねーでぃきらち ちむ'いそーさ むどぅる'あしかるさ じーにんちかんさ とぅぶるくくち とぅぶるくくち
'achinee dikirachi chimu 'isoosa muduru 'ashikarusa jii niN chikaNsa tuburu kukuchi tuburu kukuchi
○商いうまくいき気持ち嬉しいことよ!戻る足(が)軽いことよ!飛ぶ心地 飛ぶ心地
語句・あちねー 商い ・でぃきらち 成功し
九、那覇の土産や貫花染 二才達 遊びの前うき小 情呉ゆん 情呉ゆん
なふぁぬみゃーぎやぬちばなずみ にせた 'あしびぬ めー'うきぐゎ なさきくいゆん なさきくいゆん
nahwa nu myaagi ya nuchibanazumi niseta 'ashibi nu mee'ukigwa nasaki kwiyuN nasaki kwiyuN
○那覇の土産は貫花染め 男たち(がつける)遊びの「めーうきぐゎ」 情け(を)あげる 情けあげる
語句・ぬちばなずみ 「ぬちばな」は赤や白の花を糸を通してレイのようにしたもの。その模様を染めたものか? ・めーうきぐゎ 不明。 師匠からは「男性が腰の前結びをして相手(女性)を惹きつけるもの」と教えられた。
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'ichimaN 'aNgwaa
○糸満(の)娘さん
語句・あんぐゎ (平民の)姉さん、娘さん。姉妹関係なら前者だがここでは海で働く女性、若い娘。発音は「あんぐゎー」と語尾を伸ばす。ちなみに士族の場合は「んみー 'Nmii」。
作詞 真境名由康
一、我した糸満 海の業 二才達うち揃て サバニくなびて
わした'いちまん'うみぬわざ にせた'うちするてぃ さばにくなびてぃ
washita 'ichimaN 'umi nu waza nisetaa 'uchisuruti sabani kunabiti
○我々糸満(の)海の仕事、青年達(は)せい揃いしサバニを並べて
語句・わざ 仕事 ・くなびてぃ 並べて。<くなびゆん 並べる 比べる。
二、漕ぎ出じゃち行けば 沖や波静か 凪の渡中
くじ'んじゃち'いちば'うちやなみしじか [なぎ]ぬとぅなか
kuji'Njachi'ichiba 'uchi ya nami shijika [なぎ] nu tunaka
○漕ぎ出て行けば波静か 凪の沖の海上
語句・なぎ 凪は沖縄語で「とぅり」だが標準語の「なぎ」と歌われる。
三、エサ小ぶん投ぎれ 魚の数あまた 寄し来る 寄し来る 舟に取いんち サバニ積ん込で
[エサ]ぐわぶんなぎれ 'いゆぬかじ'あまた ゆしくるゆしくる ふににとぅいんち さばにちんくでぃ
[エサ]gwa buNnagiree 'iyu nu kaji 'amata yushikuruyushikuru huni ni tuiNchi sabani chiNkudi
○エサ(を)なげいれるなれば魚の数が無数寄せて来る 寄せて来る(のを)船に取り込みサバニに積み込んで
語句・えさ これも沖縄語は「むんだに」で「えさ」は標準語。 ・とぅいんち 取り込んで。 <とぅい<とぅゆん 取る。+んち<んちゅん 込む。ちんくでぃ 積み込んで。<ちぬん 積む。+んちゅん 込む。
四、大漁満船 海出来らち 戻る嘉利吉の 走るよ舟小 しちゃーら走いど
たいりょーまんしん 'うみできらち むどぅるかりゆしぬ はるよふにぐわ しちゃーらはいどー
tairyo maNshiN 'umi dikirachi muduru kariyushi nu haruyo hunigwa shichaara hai doo
○大漁(で)満船、海(の漁は)成功し戻る縁起良き、走るよ船、押し合いへしあい走れよ
語句・でぃきらち 成功させ <でぃきらしゅん うまくいく。成功する。・かりゆし 縁起のよい。航海で使われた言葉で「航海安全」を祈る呪文。・しちゃーら <しちゃーしゅん 押し合いへしあう 「ら」となる活用については不明。・はり 走れ。 <はゆん 走るの命令形。
五、浜に持ち出じて 舟待ちゅるアン小達が 手振い口笛 フィフィそうてサバニ迎ぇてぃサバニ引き揚ぎ
はまにむち'んじてぃふにまちゅる 'あんぐわたーがてぃふいくちふい ふぃーふぃーそーてぃ さばに'んけーてぃ さばにふぃちあぎ
hama ni muchi'Njiti hunimachuru 'aNgwataa ga ti hui kuchi hui hwiihwiisooti sabani 'Nkeeti sabani hwichiagi
○浜に持ちでて船待つ娘達が手振り口笛フィーフィー鳴らし サバニ迎えてサバニ引き上げ
六、分きぶん分きとてアン小達や ちじにひっかみて 那覇の町かい いっさん走え いっさん走え 嘉利吉糸満 那覇の町かい
わきぶんわきとてぃ'あんぐわや ちじにふっかみてぃ なふぁぬまちかい 'いっさんはーえー 'いっさんはーえー かりゆし'いちまん なふぁぬまちかい
wakibuN wakitoti 'aNgwa ya chiji ni hwikkamiti nahwa nu machi kai 'issaNhaaee 'issaNhaaee kariyushi 'ichimaN nahwa nu machi kai
○分け前わけて娘は頭上に乗せて那覇の市に一目散に一目散に縁起良い糸満(から)那覇の市に
語句・わきぶん 分け前 ・ちじ 頭上 ・ふっかみてぃ のせて。<「ふぃっ」(「ふぃっちゃてぃゆん」ひっさげる。などの接頭語)+「かみゆん」(女性が荷物を頭にのせる)。・まち 市場、市。「町」ではない。・かい へ。に。
七、トブー グルクン町一番 みー口幸(せーうぇー)はいかかて バーキうつぃちょて売りたらじやさ
とぅぶーぐるくんまち'いちばん みーぐちせーうぇーはいかかてぃ ばーき'うちちょてぃ'うりたらじやさ
tubuu gurukuN machi'ichibaN miiguchi seewee haikkati baaki 'uchichoti 'uritaraji yasa
○トビウオ、グルクン市場1番最初の客(に)幸運(にも)出合って ザル空になって 売り切れだよ
語句・とぅぶー トビウオ ・ぐるくん たかさご ・みーぐち 最初の客。・せーうぇー 幸い 幸運。・はいかかてぃ 出合って =はいいちゃてぃ<はいいちゃゆん。 ・うちちょてぃ 空になって <うちゅん ・うりたらじ 「売りきれ」 辞書にも見当たらず師匠に尋ねてこう教えられた。文法的には不明。
八、商ね出来らち肝いそーさ 戻る足軽さ 地にもちかんさ 飛ぶる心地飛ぶる心地
'あちねーでぃきらち ちむ'いそーさ むどぅる'あしかるさ じーにんちかんさ とぅぶるくくち とぅぶるくくち
'achinee dikirachi chimu 'isoosa muduru 'ashikarusa jii niN chikaNsa tuburu kukuchi tuburu kukuchi
○商いうまくいき気持ち嬉しいことよ!戻る足(が)軽いことよ!飛ぶ心地 飛ぶ心地
語句・あちねー 商い ・でぃきらち 成功し
九、那覇の土産や貫花染 二才達 遊びの前うき小 情呉ゆん 情呉ゆん
なふぁぬみゃーぎやぬちばなずみ にせた 'あしびぬ めー'うきぐゎ なさきくいゆん なさきくいゆん
nahwa nu myaagi ya nuchibanazumi niseta 'ashibi nu mee'ukigwa nasaki kwiyuN nasaki kwiyuN
○那覇の土産は貫花染め 男たち(がつける)遊びの「めーうきぐゎ」 情け(を)あげる 情けあげる
語句・ぬちばなずみ 「ぬちばな」は赤や白の花を糸を通してレイのようにしたもの。その模様を染めたものか? ・めーうきぐゎ 不明。 師匠からは「男性が腰の前結びをして相手(女性)を惹きつけるもの」と教えられた。
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2008年03月02日
干瀬節 (舞踊「綛掛之踊」)
干瀬節
ふぃしぶし
hwishi bushi
語句・ふぃし 「満潮の時は隠れ、干潮になるとあらわれる岩や洲。」(沖)。
(舞踊「綛掛之踊」)
[()は囃子言葉。発音、意味は省略]
七読と二十ん(よ)綛掛けておきゆて里があけず羽(よ)御衣よすらね
ななゆみとぅはてん かしかきてぃうちゅてぃ さとぅが'あけずば んすゆしらに
namayumi tu hateN kashikakiti uchuti satuga 'akezuba Nsu yu shirani
○上等の(布を織るために)糸を綛に掛けておいて 貴方のトンボ羽(のように美しい)御着物を作りたいな
語句・ななゆみとぅはてん 七読と二十読。「読」(ゆみ)とは「織り幅に入る縦糸の本数を段階的に表示した(布目の密度の)単位で、一[ひと]ヨミは(計算上)糸80本;目の粗い七[なな]ヨミ〔560本〕から、(上布など)目の細かい廿[はた]ヨミ〔1600本〕まである」(琉) 「読」とは「数え」と同義。 普段着用の七読み、と上布用の二十読→「七読」は付け足しで、ここでは上布を意味するという説もある。(島袋盛敏氏) 琉球語辞典では「(ふだんぎ用に)七読み[ななよみ]や(上布用に)廿読[はたよみ]で、織る糸を」というように両方、あるいはいろいろ用意して、という意味に解釈しているものもある。 ・かしかきて (糸を)かせに掛けておいて → 機織のための糸を準備しておいて 「綛掛 かせかけ」(かしかき)は、機織のための製経の工程をあらわす言葉。昔は女性の仕事であった。糸(絹や木綿)を一定の力で張り、まず小さな?(かせ kashi)から枠(わく)に巻き取っていくときに、縦糸の本数を決めていく。その密度の違いが「読」であらわされる。 ・あけずば トンボの羽(のように薄く美しい) 安冨祖流は「あけず」。野村流は「あけじ」と歌う。 ・んす 着物(ちん)の敬語 ・ゆ 文語で「を」 ・すらに したいな→作りたいな <しゅん 文語の未然形は「しら」 + に ・・・したい 希望。
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ふぃしぶし
hwishi bushi
語句・ふぃし 「満潮の時は隠れ、干潮になるとあらわれる岩や洲。」(沖)。
(舞踊「綛掛之踊」)
[()は囃子言葉。発音、意味は省略]
七読と二十ん(よ)綛掛けておきゆて里があけず羽(よ)御衣よすらね
ななゆみとぅはてん かしかきてぃうちゅてぃ さとぅが'あけずば んすゆしらに
namayumi tu hateN kashikakiti uchuti satuga 'akezuba Nsu yu shirani
○上等の(布を織るために)糸を綛に掛けておいて 貴方のトンボ羽(のように美しい)御着物を作りたいな
語句・ななゆみとぅはてん 七読と二十読。「読」(ゆみ)とは「織り幅に入る縦糸の本数を段階的に表示した(布目の密度の)単位で、一[ひと]ヨミは(計算上)糸80本;目の粗い七[なな]ヨミ〔560本〕から、(上布など)目の細かい廿[はた]ヨミ〔1600本〕まである」(琉) 「読」とは「数え」と同義。 普段着用の七読み、と上布用の二十読→「七読」は付け足しで、ここでは上布を意味するという説もある。(島袋盛敏氏) 琉球語辞典では「(ふだんぎ用に)七読み[ななよみ]や(上布用に)廿読[はたよみ]で、織る糸を」というように両方、あるいはいろいろ用意して、という意味に解釈しているものもある。 ・かしかきて (糸を)かせに掛けておいて → 機織のための糸を準備しておいて 「綛掛 かせかけ」(かしかき)は、機織のための製経の工程をあらわす言葉。昔は女性の仕事であった。糸(絹や木綿)を一定の力で張り、まず小さな?(かせ kashi)から枠(わく)に巻き取っていくときに、縦糸の本数を決めていく。その密度の違いが「読」であらわされる。 ・あけずば トンボの羽(のように薄く美しい) 安冨祖流は「あけず」。野村流は「あけじ」と歌う。 ・んす 着物(ちん)の敬語 ・ゆ 文語で「を」 ・すらに したいな→作りたいな <しゅん 文語の未然形は「しら」 + に ・・・したい 希望。
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2008年02月24日
三拝云
三拝云
みふぁいゆー
mihwai yuu
○ありがとうございます
語句・みふぁいゆー 石垣語辞典によると「ニファイ」は「①ありがたいこと。「御拝」と書き、首里、那覇で古風にはmihwee(ミフェー)という。シカイットゥ ニファイドー(大変ありがとう)。②おめでたいこと。ニファイユー(おめでとうございます)。(本)nihwee」とある。(発音記号等省略) 「ゆー」は同辞典で終助詞として「敬意」をあらわすとある。(例)「アンジユー」(そうでございます)。
「みふぁいゆー」は本島の「ニフェー」「ニフェーデービル」(ありがとう)に相当するものということだが、(琉球語辞典)によると「古くはミフェー」といったらしいから「ミフェー→ニフェー」と時系列で変化したようだ。ちなみに石垣島では「ニフェー」といいうのに対し竹富島では「ミフェー」という違いがあるのは竹富島に古風な発音が残っているということか。漢字で「三拝云」と当て字がしてあるが「御拝」「美拝」とも書く。
作詞作曲 ミヤギマモル
(発音部の「しぃ」や「shi」は「中舌母音」をあらわす。歌詞内の[]はヤマトグチ)
一、ヤファヤファと吹く風のぐとぅに島人の変わらぬ肝心 変わらぬ島のうた
やふぁーやふぁとぅふくかじぬぐとぅに しぃまぴとぅぬかわらぬ ちむぐくる かわらぬ しぃまぬ'うた
yahwaayahwa tu nu gutu ni shimapitu nu kawaranu chimugukuru kawaranu shima nu 'uta
○穏やかに吹く風のように村人の変わらない真心 変わらない村の歌
語句・やふぁーやふぁ 穏やかに (石) ・ちむぐくる 真心。「ちむ」は本島の発音。石垣では「きぃむぐくる」(石)
ドゥシンちゃと語らい オジーの笑い顔 いちまでぃん いちまでぃん 長生きしたぼり
どぅしんちゃーとぅ[語らい] [おじー]ぬわらいがう 'いちまでぃん 'いちまでぃん ながいきしたぼり
duchiNchaa tu [語らい] [おじー]nu waraigau 'ichimadiN 'ichimadiN nagaikishitabori
○友達と語らい おじーの笑い顔 いつまでも いつまでも 長生きしてください
語句・「語らい」、「おじー」はヤマト口である。
※みーはいゆー みーはいゆー 貴方に しかいとみーはいゆー
みはいゆー みはいゆー [あなたに]しかいとう みはいゆー
mihaiyuu mihaiyuu [あなたに]shikai tu mihaiyuu
○ありがとうございます ありがとうございます 貴方に しっかり ありがとうございます
語句・しかいとぅ 石垣方言で「しっかり」
二 人やけーらゆぬ生まりら 生まり上下やねーぬら
ぴとぅや けーら ゆぬ まりら 'んまりじょーぎや ねーぬら
pitu ya keera yunu marira 'Nmari joogi ya neenura
○人は皆同じ生まれだ 生まれ(に)上下はないのだ
語句・けーら 「みんな。すべて。」 ・ゆぬ 同じ ・ら 念を押す場合につく。(石) ・じょーぎ 「上下」は「ういしぃた」「かみしぃむ」と(石)にある。「じょーぎ」と読むかどうか不明。
どぅーしどぅどぅぬ 道や開きいこーる
どぅし どぅ どぅーぬ みちぃやぴらき'いこーる
dushi du duu nu michi ya piraki 'ikooru
○友達こそ自分の道をば開き行き会う
語句・どぅし 石垣では「どぅしぃ」 友達 ぴらきいこーる <ぴらくん 開く。 + いこーん 行き会う 出会う。→開き行き会う
雨風んしぬでぃ ワン守りたる親ぬ
'あみかじんしぬでぃ わんむりたる'うやぬ
'amikajiN shinudi waN muritaru 'uya nu
○雨風もしのいで 私を守りたる親の
し情け肝に染てぃ いちまでぃん 忘しららん
しなさき ちむにすみてぃ 'いちまでぃんわしららん
shinasaki chimu ni sumiti 'ichimadiN washiraraN
○愛情(を)心に染めて いつまでも 忘れられない
※くりかえし
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みふぁいゆー
mihwai yuu
○ありがとうございます
語句・みふぁいゆー 石垣語辞典によると「ニファイ」は「①ありがたいこと。「御拝」と書き、首里、那覇で古風にはmihwee(ミフェー)という。シカイットゥ ニファイドー(大変ありがとう)。②おめでたいこと。ニファイユー(おめでとうございます)。(本)nihwee」とある。(発音記号等省略) 「ゆー」は同辞典で終助詞として「敬意」をあらわすとある。(例)「アンジユー」(そうでございます)。
「みふぁいゆー」は本島の「ニフェー」「ニフェーデービル」(ありがとう)に相当するものということだが、(琉球語辞典)によると「古くはミフェー」といったらしいから「ミフェー→ニフェー」と時系列で変化したようだ。ちなみに石垣島では「ニフェー」といいうのに対し竹富島では「ミフェー」という違いがあるのは竹富島に古風な発音が残っているということか。漢字で「三拝云」と当て字がしてあるが「御拝」「美拝」とも書く。
作詞作曲 ミヤギマモル
(発音部の「しぃ」や「shi」は「中舌母音」をあらわす。歌詞内の[]はヤマトグチ)
一、ヤファヤファと吹く風のぐとぅに島人の変わらぬ肝心 変わらぬ島のうた
やふぁーやふぁとぅふくかじぬぐとぅに しぃまぴとぅぬかわらぬ ちむぐくる かわらぬ しぃまぬ'うた
yahwaayahwa tu nu gutu ni shimapitu nu kawaranu chimugukuru kawaranu shima nu 'uta
○穏やかに吹く風のように村人の変わらない真心 変わらない村の歌
語句・やふぁーやふぁ 穏やかに (石) ・ちむぐくる 真心。「ちむ」は本島の発音。石垣では「きぃむぐくる」(石)
ドゥシンちゃと語らい オジーの笑い顔 いちまでぃん いちまでぃん 長生きしたぼり
どぅしんちゃーとぅ[語らい] [おじー]ぬわらいがう 'いちまでぃん 'いちまでぃん ながいきしたぼり
duchiNchaa tu [語らい] [おじー]nu waraigau 'ichimadiN 'ichimadiN nagaikishitabori
○友達と語らい おじーの笑い顔 いつまでも いつまでも 長生きしてください
語句・「語らい」、「おじー」はヤマト口である。
※みーはいゆー みーはいゆー 貴方に しかいとみーはいゆー
みはいゆー みはいゆー [あなたに]しかいとう みはいゆー
mihaiyuu mihaiyuu [あなたに]shikai tu mihaiyuu
○ありがとうございます ありがとうございます 貴方に しっかり ありがとうございます
語句・しかいとぅ 石垣方言で「しっかり」
二 人やけーらゆぬ生まりら 生まり上下やねーぬら
ぴとぅや けーら ゆぬ まりら 'んまりじょーぎや ねーぬら
pitu ya keera yunu marira 'Nmari joogi ya neenura
○人は皆同じ生まれだ 生まれ(に)上下はないのだ
語句・けーら 「みんな。すべて。」 ・ゆぬ 同じ ・ら 念を押す場合につく。(石) ・じょーぎ 「上下」は「ういしぃた」「かみしぃむ」と(石)にある。「じょーぎ」と読むかどうか不明。
どぅーしどぅどぅぬ 道や開きいこーる
どぅし どぅ どぅーぬ みちぃやぴらき'いこーる
dushi du duu nu michi ya piraki 'ikooru
○友達こそ自分の道をば開き行き会う
語句・どぅし 石垣では「どぅしぃ」 友達 ぴらきいこーる <ぴらくん 開く。 + いこーん 行き会う 出会う。→開き行き会う
雨風んしぬでぃ ワン守りたる親ぬ
'あみかじんしぬでぃ わんむりたる'うやぬ
'amikajiN shinudi waN muritaru 'uya nu
○雨風もしのいで 私を守りたる親の
し情け肝に染てぃ いちまでぃん 忘しららん
しなさき ちむにすみてぃ 'いちまでぃんわしららん
shinasaki chimu ni sumiti 'ichimadiN washiraraN
○愛情(を)心に染めて いつまでも 忘れられない
※くりかえし
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2008年02月24日
芋の葉節
芋の葉節
'んむぬふぁ ぶし
'Nmu nu hwaa bushi
○芋の葉節
里が張て呉てる(へい ひやるが) むんじゅるの笠や (よ)被んではも涼しや(へい ひやるが)縁がやゆら(よんな)
さとぅがはてぃくぃてる (へーい ひやるが) むんじゅるぬかさや (よー) かんでぃわんしだしゃ (へーい ひやるが)いんがやゆら (よーんな)
satu ga hatikwiteeru (hei hiyaruga)muNjuru nu kasa ya (yoo)kaNdi waN sidasha (hei hiyaruga) iN ga yayura (yooNna)
○貴方が張ってくれていた麦わらの笠はかぶって私も涼しいことよ! 縁であろうか?
語句・くぃてーる くれていた ・かんでぃ 被って <かんじゅん ・いん 縁 「'いん」は「犬」。これは「いん」。
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'んむぬふぁ ぶし
'Nmu nu hwaa bushi
○芋の葉節
里が張て呉てる(へい ひやるが) むんじゅるの笠や (よ)被んではも涼しや(へい ひやるが)縁がやゆら(よんな)
さとぅがはてぃくぃてる (へーい ひやるが) むんじゅるぬかさや (よー) かんでぃわんしだしゃ (へーい ひやるが)いんがやゆら (よーんな)
satu ga hatikwiteeru (hei hiyaruga)muNjuru nu kasa ya (yoo)kaNdi waN sidasha (hei hiyaruga) iN ga yayura (yooNna)
○貴方が張ってくれていた麦わらの笠はかぶって私も涼しいことよ! 縁であろうか?
語句・くぃてーる くれていた ・かんでぃ 被って <かんじゅん ・いん 縁 「'いん」は「犬」。これは「いん」。
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2008年02月23日
むんじゅる節
むんじゅる節
むんじゅるー (ぶし)
muNjuruu
語句・むんじゅるー 麦藁の笠 発音は「むんじゅるー」と語尾を延ばす。ただし歌われる時、短縮される場合がある。(「詩的許容」)
むんじゅる平笠清らものや 女童真頂にちいいせて(花染やう)
むんじゅるふぃらがさちゅらむぬや みやらびまちじに ちーいしてぃ (はなずみよー)
muNjuru hwiragasa churamunu ya miyarabi machiji ni chii ishiti (hanazumi yoo)
○麦藁平笠(は)美しいものよ! 娘の頭にちょっと乗せて (花染めは)
語句・や (詠嘆の)よ! 琉歌の多くは「や」は係助詞の「は」や「をば」の意味だが、まれにヤマト風の「詠嘆」をあらわす「よ!」の場合がある。・ちーいしてぃ ちょっとのせて <ちー ちょっと・・する。・・しちゃう。 + いしてぃ<いしゆん 据える 置く。 ・はなずみ 花染め 「露草などの花で染めたもの;色は淡藍〔はな(だ)色〕・淡紅から濃紅〔緋〕にわたる。」(琉) 歌われる場合「はなじゅみ」と歌っている。古典で野村流は「ちゅらむぬや」と歌い、安富祖流は「はなずみ」と歌う。
花染め手布や前に結で 二才惚らしもの(花染やう)
はなずみてぃさじや めにむしでぃ にせふらしむぬ (はなずみよー)
hanazumi tisaji ya me ni mushidi nise hurashi munu (hanazumi yoo)
○花染め手サージは前で結んで 青年(を)ほれさせるもの (花染めは)
語句・てぃさじ 手巾 手サージ 「広げると手拭いほどの大きさの布で女性装身具;これを織ったり染めたりした女性の心がこもった布として特別の意味を持つ;それゆえ“ハンカチ”とか“手拭い”とか訳すと当を得ない」(琉) といこうことなので「手サージ」と訳す。発音は「てぃーさーじ」tiisaaji。文語では「てぃさじ」。・ めに 前で 前は「めー」。「帯の前に」と訳したものもある。 ・ふらしむぬ 惚れさせるもの
照喜納坂からやううなよ むんじゅる平笠かぶるなよ(津波古の)
てぃるきなふぃらから よーうなよ むんじゅるふぃらがさ かぶるなよ (ちふぁぬくぬ)
tirukina hwira kara yoo una yo muNjuru hwiragasa kaburuna yo (chihwanuku nu)
○照喜納坂から なあ妹(娘さん)よ 麦藁平笠かぶるなよ (津波古の)
語句・うな 「娘」と訳したが、「うない」は「兄〔弟〕からみた妹〔姉〕」(琉)。「うな」はそれを短縮したものか?野村流は「うない」、安富祖流は「うなよ」と歌う。・ちふぁぬく 地名の「津波古」は「ちふぁぬく」と読む。
津波古の主の前が にや打ち惚れゆんど(津波古の)
ちふぁぬくぬしゅぬめが なー'うちふりゆんどー (ちふぁぬくぬ)
chihwanuku nu shu nu me ga naa 'uchihuriyuN doo (chihwanuku nu)
○津波古のご主人様がさらに惚れるよ (津波古の)
語句・なー もう さらに。
芋のうまさや唐かんだ 米のうまさや赤地米(神酒造ての)
'んむぬまーさやとーかんだ めーぬまーさやあかじめー (みきちゅくてぃぬ)
'Nmu nu maasa ya tookaNda mee nu maasa ya 'akajimee (miki chukuti nu)
○芋のおいしい(の)は唐かんだ(芋の種類) 米のおいしい(の)は赤地米(米の種類) (神酒作っての)
語句・とーかんだ 「かんだ」は「蔓[カヅラ];かむだ『混効験集』 蔓[つる]植物;(植物としての)甘薯(の蔓)」(琉) つまり「中国のつる植物」、いわゆる「唐芋」の一種。・あかじめー 野村琉はこう歌うが、安富祖流は「とーかちめー」と歌う。
神酒造てのうまさや 白ふぇ唐かんだ(神酒造ての)
みきちゅくてぃぬまーさや しらふぇーかんだ (みきちゅくてぃぬ)
miki chukuti nu maasa ya chirahwee kaNda (mikichukuti nu)
○神酒造っておいしいのは 白灰唐イモ (神酒造っての)
語句・しらふぇーかんだ 「しらふぇー」とは「【白灰】石灰[生石灰・消石灰の総称](琉)とある。おそらく芋の一種だろう。ネットで検索したら中国語のサイトにたくさん出てくる。
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むんじゅるー (ぶし)
muNjuruu
語句・むんじゅるー 麦藁の笠 発音は「むんじゅるー」と語尾を延ばす。ただし歌われる時、短縮される場合がある。(「詩的許容」)
むんじゅる平笠清らものや 女童真頂にちいいせて(花染やう)
むんじゅるふぃらがさちゅらむぬや みやらびまちじに ちーいしてぃ (はなずみよー)
muNjuru hwiragasa churamunu ya miyarabi machiji ni chii ishiti (hanazumi yoo)
○麦藁平笠(は)美しいものよ! 娘の頭にちょっと乗せて (花染めは)
語句・や (詠嘆の)よ! 琉歌の多くは「や」は係助詞の「は」や「をば」の意味だが、まれにヤマト風の「詠嘆」をあらわす「よ!」の場合がある。・ちーいしてぃ ちょっとのせて <ちー ちょっと・・する。・・しちゃう。 + いしてぃ<いしゆん 据える 置く。 ・はなずみ 花染め 「露草などの花で染めたもの;色は淡藍〔はな(だ)色〕・淡紅から濃紅〔緋〕にわたる。」(琉) 歌われる場合「はなじゅみ」と歌っている。古典で野村流は「ちゅらむぬや」と歌い、安富祖流は「はなずみ」と歌う。
花染め手布や前に結で 二才惚らしもの(花染やう)
はなずみてぃさじや めにむしでぃ にせふらしむぬ (はなずみよー)
hanazumi tisaji ya me ni mushidi nise hurashi munu (hanazumi yoo)
○花染め手サージは前で結んで 青年(を)ほれさせるもの (花染めは)
語句・てぃさじ 手巾 手サージ 「広げると手拭いほどの大きさの布で女性装身具;これを織ったり染めたりした女性の心がこもった布として特別の意味を持つ;それゆえ“ハンカチ”とか“手拭い”とか訳すと当を得ない」(琉) といこうことなので「手サージ」と訳す。発音は「てぃーさーじ」tiisaaji。文語では「てぃさじ」。・ めに 前で 前は「めー」。「帯の前に」と訳したものもある。 ・ふらしむぬ 惚れさせるもの
照喜納坂からやううなよ むんじゅる平笠かぶるなよ(津波古の)
てぃるきなふぃらから よーうなよ むんじゅるふぃらがさ かぶるなよ (ちふぁぬくぬ)
tirukina hwira kara yoo una yo muNjuru hwiragasa kaburuna yo (chihwanuku nu)
○照喜納坂から なあ妹(娘さん)よ 麦藁平笠かぶるなよ (津波古の)
語句・うな 「娘」と訳したが、「うない」は「兄〔弟〕からみた妹〔姉〕」(琉)。「うな」はそれを短縮したものか?野村流は「うない」、安富祖流は「うなよ」と歌う。・ちふぁぬく 地名の「津波古」は「ちふぁぬく」と読む。
津波古の主の前が にや打ち惚れゆんど(津波古の)
ちふぁぬくぬしゅぬめが なー'うちふりゆんどー (ちふぁぬくぬ)
chihwanuku nu shu nu me ga naa 'uchihuriyuN doo (chihwanuku nu)
○津波古のご主人様がさらに惚れるよ (津波古の)
語句・なー もう さらに。
芋のうまさや唐かんだ 米のうまさや赤地米(神酒造ての)
'んむぬまーさやとーかんだ めーぬまーさやあかじめー (みきちゅくてぃぬ)
'Nmu nu maasa ya tookaNda mee nu maasa ya 'akajimee (miki chukuti nu)
○芋のおいしい(の)は唐かんだ(芋の種類) 米のおいしい(の)は赤地米(米の種類) (神酒作っての)
語句・とーかんだ 「かんだ」は「蔓[カヅラ];かむだ『混効験集』 蔓[つる]植物;(植物としての)甘薯(の蔓)」(琉) つまり「中国のつる植物」、いわゆる「唐芋」の一種。・あかじめー 野村琉はこう歌うが、安富祖流は「とーかちめー」と歌う。
神酒造てのうまさや 白ふぇ唐かんだ(神酒造ての)
みきちゅくてぃぬまーさや しらふぇーかんだ (みきちゅくてぃぬ)
miki chukuti nu maasa ya chirahwee kaNda (mikichukuti nu)
○神酒造っておいしいのは 白灰唐イモ (神酒造っての)
語句・しらふぇーかんだ 「しらふぇー」とは「【白灰】石灰[生石灰・消石灰の総称](琉)とある。おそらく芋の一種だろう。ネットで検索したら中国語のサイトにたくさん出てくる。
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2008年02月16日
早竹田節
早竹田節
はいちくてん ぶし
haichikuteN bushi
(本歌)
春や花盛り深山鶯の匂しのでほける 声のしほらしや
はるやはなざかい みやま'うぐいしぬ にうぃ しぬでぃふきる くいぬしゅらしゃ
haru ya hanazakai miyama 'uguishi nu niwi shinudi hukiru kui nu shurasha
○春は花盛り 深山(の)ウグイスが(花の)匂いしのんでさえずる声のかわいらしいことよ!
語句・しぬでぃ 「?忍ぶ 耐える?(人目を避けて恋人に)会いに行く」(琉)<しぬぶん しのぶ。 よく琉歌に使われる語句だが、ここではヤマト口の「偲ぶ」(懐かしむ、好む)の意味。 ・ふきる (鳥などが)さえずる <ふきゆん ・しゅらしゃ かわいらしいことよ! <しゅーらーしゃん 文語では しゅらしゃん しゅらさん とも発音する。 愛しい人を意味する「しゅら」や囃子言葉の元でもある。体言止めで「なんと・・ことよ!」となる。
(舞踊 むんじゅる)
若さひと時の通い路のそらや 闇のさくひらもくるまとばる
わかさふぃとぅとぅちぬ かゆいじぬすらや やみぬさくふぃらん くるまとーばる
wakasa hwitutuchi nu kayuiji nu sura ya yami nu sakuhwiraN kuruma toobaru
○若い時の(恋人への)通い路の身空は 闇のきつい坂も車(を置けるほどの)平坦地
語句・すら 身空。 天空の「空」ではなく「若い身空で」という場合のそれ。身の上、境遇という意味がある。・さくひら 急な坂 「【伊波普猷は“saka[坂]+fira”の転としたが、saku[谷間]+fira[上り坂]であろう】」(琉) ・くるま 車。ただしこの歌ができたと思われる琉球王朝時代に人力車も自転車も、ましてや自動車もなかっただろう。沖縄語辞典によると、昔「くるま」といえば「砂糖車」であった。「(製糖工場の屋外に設置し牛を使って回転させた)甘蔗圧搾車。」(琉) ちなみに「西武門節」の「車乗てぃ」は「人力車」。・とーばる 平野 「くるまとーばる」とは「甘蔗圧搾車をすえるのに適した平坦な地」(琉)ということ。
夏や山川の流れ水たゆて 押し連れて互げに涼みぶしやぬ
なちややまかわぬながりみじたゆてぃ 'うしちりてぃたげにしだみぶしゃぬ
nchi ya yamkawa nu nagarimiji tayuti 'ushichiriti tage ni shidamibushanu
○夏は山川の流れる水(を)頼って (人を)連れて互いに涼みたくて(たまらない)
語句・みじ 水 発音は「みじ miji 」「みずぃ mizi 」どちらでもよい。士族男子は右の発音を教育で教え込まれた。教本などには「みづぃ」と書かれている。・しだみぶしゃぬ 涼みたくてたまらない <しだぬん 涼む +ぶしゃん 形容詞の原因形「・・ぬ」→・・ので(あちさぬ 暑いので)。
馬山川におりて髪洗れなづき 里と約束のあてど行ちゅる
ばじゃんがーに'うりてぃ からじ'あれなじき さとぅとぅやくしくぬ'あてぃどぅ'いちゅる
bajaNgaa ni 'uriti karaji 'are najiki satu tu yakushiku nu 'ati du 'ichuru
○ばじゃん井戸に下りて髪の毛を洗うのは口実 貴方と約束があるからこそ行く
語句・ばじゃんがー 八重山民謡の「真謝川」からきた名前で、本島では「馬山川」という名前の芝居で親しまれている。「真謝川」参照 「かー」は「井戸」のこと。
銀臼なかへ黄金ぢく立てて ためしすりましゅる雪の真米
なんじゃ'うしなかいくがにじくたてぃてぃ たみししりましゅる ゆちぬまぐみ
naNja 'ushi nakai kugani jiku tatiti tamishi shiri mashuru yuchi nu magumi
○
はいちくてん ぶし
haichikuteN bushi
(本歌)
春や花盛り深山鶯の匂しのでほける 声のしほらしや
はるやはなざかい みやま'うぐいしぬ にうぃ しぬでぃふきる くいぬしゅらしゃ
haru ya hanazakai miyama 'uguishi nu niwi shinudi hukiru kui nu shurasha
○春は花盛り 深山(の)ウグイスが(花の)匂いしのんでさえずる声のかわいらしいことよ!
語句・しぬでぃ 「?忍ぶ 耐える?(人目を避けて恋人に)会いに行く」(琉)<しぬぶん しのぶ。 よく琉歌に使われる語句だが、ここではヤマト口の「偲ぶ」(懐かしむ、好む)の意味。 ・ふきる (鳥などが)さえずる <ふきゆん ・しゅらしゃ かわいらしいことよ! <しゅーらーしゃん 文語では しゅらしゃん しゅらさん とも発音する。 愛しい人を意味する「しゅら」や囃子言葉の元でもある。体言止めで「なんと・・ことよ!」となる。
(舞踊 むんじゅる)
若さひと時の通い路のそらや 闇のさくひらもくるまとばる
わかさふぃとぅとぅちぬ かゆいじぬすらや やみぬさくふぃらん くるまとーばる
wakasa hwitutuchi nu kayuiji nu sura ya yami nu sakuhwiraN kuruma toobaru
○若い時の(恋人への)通い路の身空は 闇のきつい坂も車(を置けるほどの)平坦地
語句・すら 身空。 天空の「空」ではなく「若い身空で」という場合のそれ。身の上、境遇という意味がある。・さくひら 急な坂 「【伊波普猷は“saka[坂]+fira”の転としたが、saku[谷間]+fira[上り坂]であろう】」(琉) ・くるま 車。ただしこの歌ができたと思われる琉球王朝時代に人力車も自転車も、ましてや自動車もなかっただろう。沖縄語辞典によると、昔「くるま」といえば「砂糖車」であった。「(製糖工場の屋外に設置し牛を使って回転させた)甘蔗圧搾車。」(琉) ちなみに「西武門節」の「車乗てぃ」は「人力車」。・とーばる 平野 「くるまとーばる」とは「甘蔗圧搾車をすえるのに適した平坦な地」(琉)ということ。
夏や山川の流れ水たゆて 押し連れて互げに涼みぶしやぬ
なちややまかわぬながりみじたゆてぃ 'うしちりてぃたげにしだみぶしゃぬ
nchi ya yamkawa nu nagarimiji tayuti 'ushichiriti tage ni shidamibushanu
○夏は山川の流れる水(を)頼って (人を)連れて互いに涼みたくて(たまらない)
語句・みじ 水 発音は「みじ miji 」「みずぃ mizi 」どちらでもよい。士族男子は右の発音を教育で教え込まれた。教本などには「みづぃ」と書かれている。・しだみぶしゃぬ 涼みたくてたまらない <しだぬん 涼む +ぶしゃん 形容詞の原因形「・・ぬ」→・・ので(あちさぬ 暑いので)。
馬山川におりて髪洗れなづき 里と約束のあてど行ちゅる
ばじゃんがーに'うりてぃ からじ'あれなじき さとぅとぅやくしくぬ'あてぃどぅ'いちゅる
bajaNgaa ni 'uriti karaji 'are najiki satu tu yakushiku nu 'ati du 'ichuru
○ばじゃん井戸に下りて髪の毛を洗うのは口実 貴方と約束があるからこそ行く
語句・ばじゃんがー 八重山民謡の「真謝川」からきた名前で、本島では「馬山川」という名前の芝居で親しまれている。「真謝川」参照 「かー」は「井戸」のこと。
銀臼なかへ黄金ぢく立てて ためしすりましゅる雪の真米
なんじゃ'うしなかいくがにじくたてぃてぃ たみししりましゅる ゆちぬまぐみ
naNja 'ushi nakai kugani jiku tatiti tamishi shiri mashuru yuchi nu magumi
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