2009年06月28日
胡蝶の唄
胡蝶の唄
こちょうぬうた
kochoo nu 'uta
○蝶の唄
作詞 大濱安伴
1、初春になりば押す風ん涼しゃ 露受きてぃ咲ちゅる花ぬ(花ぬ)美らさ (すりささ しゅらさ はいや)(括弧は繰り返し、囃子。以下省略)
はちはるになりば 'うすかじんしだしゃ ちゆ'うきてぃさちゅるはなぬ はなぬちゅらさ
hachiharu ni nariba 'usu kajiN shidasha chiyu 'ukiti sachuru hana nu (hana nu )churasa
○初春(正月)になったのでそよ風も涼しいことよ!露を受けて咲いている花が美しいことよ!
語句・なりば 已然形+ば ・・なので。・うすかじ そよ風。順風。
2、我んや花やとてぃ里前綾はびる 花ぬ寄らりゆみ里前 いもり忍ば
わんやはなやとてぃ さとぅめ'あやはびる はなぬゆらりゆみさとぅめ 'いもりしぬば
waN ya hana yatoti satume 'ayahabiru hana nu yurariyumi satume 'imori shinuba
○私は花であって 貴方(は)美しい蝶 花が寄ることはできないでしょう?貴方がいらして忍ぼう
語句・やとてぃ ・・であって。
3、花にたわむりてぃ遊ぶ綾はびる 互に肝内や 他所ぬ知ゆみ
はなにたわむりてぃ 'あしぶ'あやはびる たげにちむ'うちや ゆすぬしゆみ
hana ni tawamuriti 'ashibu 'ayahabiru tage ni chimu 'uchi ya yusu nu shiyumi
○花にたわむれて遊ぶ美しい蝶 互いの心のうちを他人は知るまい
4、あん美らさ咲ちゅる花に肝引かり いちまでぃん あかん別り苦しゃ
'あんちゅらさ さちゅるはなに ちむふぃかり 'いちまでぃん'あかんわかりぐりしゃ
'aN churasa sachuru hana ni chimu hwikari 'ichimadiN 'akaN wakarigurisha
○あのように美しく咲く花に心を引かれ いつまでも飽きもせず 別れがたいものだ!
語句・あかん 飽きない。文語的表現。
5、花や咲ちしりてぃ黄葉になるまでぃん 変わるなよ互に 元ぬ心
はなやさちしりてぃちばになるまでぃん かわるなよたげに むとぅぬくくる
hana ya sachi shiriti chiba ni narumadiN kawaruna yo tage ni matu nu kukuru
○花は咲き揃って 黄葉(枯葉?)になるまでも変わるなよ互いに 昔の心を
語句・しりてぃ 不明。しかし伊野波節に「咲きすれて」(さきすりてぃ)とあり、意味は「咲きそろって」と訳せる。なぜ「すりてぃ」でなく「しりてぃ」なのか不明だが「suriti」→「shiriti」と「u 」と「i]が入れ替わったのではないか?・ちば 黄葉。しかし辞書にはなく「枯れた葉」のことか?
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こちょうぬうた
kochoo nu 'uta
○蝶の唄
作詞 大濱安伴
1、初春になりば押す風ん涼しゃ 露受きてぃ咲ちゅる花ぬ(花ぬ)美らさ (すりささ しゅらさ はいや)(括弧は繰り返し、囃子。以下省略)
はちはるになりば 'うすかじんしだしゃ ちゆ'うきてぃさちゅるはなぬ はなぬちゅらさ
hachiharu ni nariba 'usu kajiN shidasha chiyu 'ukiti sachuru hana nu (hana nu )churasa
○初春(正月)になったのでそよ風も涼しいことよ!露を受けて咲いている花が美しいことよ!
語句・なりば 已然形+ば ・・なので。・うすかじ そよ風。順風。
2、我んや花やとてぃ里前綾はびる 花ぬ寄らりゆみ里前 いもり忍ば
わんやはなやとてぃ さとぅめ'あやはびる はなぬゆらりゆみさとぅめ 'いもりしぬば
waN ya hana yatoti satume 'ayahabiru hana nu yurariyumi satume 'imori shinuba
○私は花であって 貴方(は)美しい蝶 花が寄ることはできないでしょう?貴方がいらして忍ぼう
語句・やとてぃ ・・であって。
3、花にたわむりてぃ遊ぶ綾はびる 互に肝内や 他所ぬ知ゆみ
はなにたわむりてぃ 'あしぶ'あやはびる たげにちむ'うちや ゆすぬしゆみ
hana ni tawamuriti 'ashibu 'ayahabiru tage ni chimu 'uchi ya yusu nu shiyumi
○花にたわむれて遊ぶ美しい蝶 互いの心のうちを他人は知るまい
4、あん美らさ咲ちゅる花に肝引かり いちまでぃん あかん別り苦しゃ
'あんちゅらさ さちゅるはなに ちむふぃかり 'いちまでぃん'あかんわかりぐりしゃ
'aN churasa sachuru hana ni chimu hwikari 'ichimadiN 'akaN wakarigurisha
○あのように美しく咲く花に心を引かれ いつまでも飽きもせず 別れがたいものだ!
語句・あかん 飽きない。文語的表現。
5、花や咲ちしりてぃ黄葉になるまでぃん 変わるなよ互に 元ぬ心
はなやさちしりてぃちばになるまでぃん かわるなよたげに むとぅぬくくる
hana ya sachi shiriti chiba ni narumadiN kawaruna yo tage ni matu nu kukuru
○花は咲き揃って 黄葉(枯葉?)になるまでも変わるなよ互いに 昔の心を
語句・しりてぃ 不明。しかし伊野波節に「咲きすれて」(さきすりてぃ)とあり、意味は「咲きそろって」と訳せる。なぜ「すりてぃ」でなく「しりてぃ」なのか不明だが「suriti」→「shiriti」と「u 」と「i]が入れ替わったのではないか?・ちば 黄葉。しかし辞書にはなく「枯れた葉」のことか?
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2009年06月20日
どぅなんスンカニ
どぅなんスンカニ
どぅなんすんかに
dunaN suNkani
〇与那国のスンカニ節
語句・「与那国しょんかねー」を参照。
一、与那国ぬ情 い言葉どぅ情 命ぬある間や とぅやいしゃびら
ゆなぐにぬなさぎ 'いくとぅばどぅなさぎ ぬてぃぬ'ある'あいや とぅやいしゃびら
yunaguni nu nasagi 'ikutuba du nasagi nuti nu 'aru 'ai ya tuyai shabira
〇与那国の情けは 言葉通りの情け 命のある間は夫婦でいましょう
語句・なさぎ 情け。与那国方言であろう。・ぬてぃ 命。これも方言。本島「ぬち」。石垣「ぬちぃ nuchï」 ・とぅやい 夫婦で。 【琉辞】に「とぅやーしゅん」(取り合わせる、整える、夫婦にする)から。
ンゾナリムヌヨ ハリ カヌシャマヨ
Nzo nari munu yoo hari kanushama yo
〇貴方は慣れ親しんだ人 (はり)愛しい人(よ)
二、波多浜下りてぃむちゃる酒盃や 目涙あわむらち 飲みぬならぬ
なんたはま 'うりてぃむちゃるさかじきや みなだ'あわむらち ぬみぬならぬ
naNtahama 'uriti mucharu sakajiki ya minada 'awamurachi numi nu naranu
〇なんた浜に下りて持つ盃は 目涙あふれて飲むことができない
語句・なんたはま 与那国島の北部にある浜。首里からの役人はここから船で出入りした。
三、波多浜までぃや 妻に送らりてぃ 屋手久東崎 女童たまし
なんたはままでぃや とぅじに 'うくらりてぃ やてぃく'あがりざち みやらびたまし
naNtahama madi ya tuji ni 'ukurariti yatiku 'agarizachi miyarabi tamashi
〇なんた浜までは妻に送られて 屋手久、東崎(地名)は娘の責任
語句・たまし 【石辞】には「分け前。権利。義務。責任」とある。妻とは別の娘たちが東崎まで行き見送ったと解釈できる。
四、東ぬ海や千尋どぅたちゅる 家ぬ妻ぬ思い うりんかん深さ
'あんぬとぅやしんぴるどぅたちゅる やぬとぅじぬ'うむい 'うりんかんふかさ
'aN nu tu ya shiNpiru du tachuru ya nu tuji nu 'umui 'uriN kaN hukasa
〇東の海は千尋も深い 家の妻の思いはそれよりも深いのだ
語句・しんぴる 一尋は両手を広げた長さ。その千倍も深いという例え。
五、与那国ぬ渡海や池ぬ水心 心やしやしとぅ 渡てぃいもり
ゆなぐにぬとぅけや'いちぬみじぐくる くくるやしやしとぅわたてぃ'いもり
yunaguni nu tuke ya 'ichi nu miji gukuru kukuru yashiyashi tu watati 'imori
〇与那国の海は池の水のように(静か) 心安心してお渡りください
語句・参照「与那国ションカネー」
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どぅなんすんかに
dunaN suNkani
〇与那国のスンカニ節
語句・「与那国しょんかねー」を参照。
一、与那国ぬ情 い言葉どぅ情 命ぬある間や とぅやいしゃびら
ゆなぐにぬなさぎ 'いくとぅばどぅなさぎ ぬてぃぬ'ある'あいや とぅやいしゃびら
yunaguni nu nasagi 'ikutuba du nasagi nuti nu 'aru 'ai ya tuyai shabira
〇与那国の情けは 言葉通りの情け 命のある間は夫婦でいましょう
語句・なさぎ 情け。与那国方言であろう。・ぬてぃ 命。これも方言。本島「ぬち」。石垣「ぬちぃ nuchï」 ・とぅやい 夫婦で。 【琉辞】に「とぅやーしゅん」(取り合わせる、整える、夫婦にする)から。
ンゾナリムヌヨ ハリ カヌシャマヨ
Nzo nari munu yoo hari kanushama yo
〇貴方は慣れ親しんだ人 (はり)愛しい人(よ)
二、波多浜下りてぃむちゃる酒盃や 目涙あわむらち 飲みぬならぬ
なんたはま 'うりてぃむちゃるさかじきや みなだ'あわむらち ぬみぬならぬ
naNtahama 'uriti mucharu sakajiki ya minada 'awamurachi numi nu naranu
〇なんた浜に下りて持つ盃は 目涙あふれて飲むことができない
語句・なんたはま 与那国島の北部にある浜。首里からの役人はここから船で出入りした。
三、波多浜までぃや 妻に送らりてぃ 屋手久東崎 女童たまし
なんたはままでぃや とぅじに 'うくらりてぃ やてぃく'あがりざち みやらびたまし
naNtahama madi ya tuji ni 'ukurariti yatiku 'agarizachi miyarabi tamashi
〇なんた浜までは妻に送られて 屋手久、東崎(地名)は娘の責任
語句・たまし 【石辞】には「分け前。権利。義務。責任」とある。妻とは別の娘たちが東崎まで行き見送ったと解釈できる。
四、東ぬ海や千尋どぅたちゅる 家ぬ妻ぬ思い うりんかん深さ
'あんぬとぅやしんぴるどぅたちゅる やぬとぅじぬ'うむい 'うりんかんふかさ
'aN nu tu ya shiNpiru du tachuru ya nu tuji nu 'umui 'uriN kaN hukasa
〇東の海は千尋も深い 家の妻の思いはそれよりも深いのだ
語句・しんぴる 一尋は両手を広げた長さ。その千倍も深いという例え。
五、与那国ぬ渡海や池ぬ水心 心やしやしとぅ 渡てぃいもり
ゆなぐにぬとぅけや'いちぬみじぐくる くくるやしやしとぅわたてぃ'いもり
yunaguni nu tuke ya 'ichi nu miji gukuru kukuru yashiyashi tu watati 'imori
〇与那国の海は池の水のように(静か) 心安心してお渡りください
語句・参照「与那国ションカネー」
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2009年06月20日
これまでの曲の一覧
○参考にしている辞書と、それの表示方法は以下の通り。
沖縄語辞典 国立国語研究所 (沖)
琉球語辞典 半田一郎 (琉)
石垣方言辞典 宮城信勇 (石)
317どぅなんスンカニ
316蝶小節
315すーり東
314久場山越路節 元歌 (八重山民謡)
313久場山越路節 (八重山民謡)
312ぬんぬくそいそい
311久場山越地
310桃売アン小
309嘆きの梅
308九年母木節 2
307九年母木節
306サイサイ節 (沖永良部民謡)
305山崎のアブジャマ (八重山民謡)
304盛え榮え
303辺野喜節
303仲里節
302黄金産子
301情けの唄
300スンサーミー 2
299あら不思議宮古根~かいされ
298スンサーミ
297永良部シュンサーミ
296十九の春
295与論小唄
294めでたい節 (本島民謡)
293目出度節 (八重山民謡)
292伊計離節 2(舞踊曲)
291世果報節 (八重山民謡)
290サーサー節
289フェーレー口説
288あきとーなー
287丘の一本松
286昔の若さ
285地翔どーい
284与勝海上めぐり
283あがろーざ(八重山民謡)
282遊び仲風
281姑がなし
280年中口説
279仲風節
278ハワイ節
277砂持節
276とーとーめーさい (童謡)
275あかな (童謡)
274うりずん(若夏)の詩
273しんかぬ達
272出征出船の唄(熊本節)
271軍人節
271じっそう節
270宮古根~山原汀間当 (嘉手苅林昌)
269真福地のはいちやう節
268下千鳥 2
267芋堀り宮古根 2~山原汀間当(嘉手苅林昌)
266戻り駕籠
265漲水のクイチャー (宮古民謡)
264サン・サン・サン
263月のマピローマ (八重山民謡)
262月のまぴろーま節 (八重山民謡)
261伊集早作田節 (舞踊 揚作田節)
260揚作田節 (舞踊 揚作田節)
259安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島以外)
258安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島)
257安里屋節 (八重山民謡)
256七尺節 (舞踊「綛掛之踊」)
255糸満乙女
254干瀬節 (舞踊「綛掛之踊」)
253三拝云
252芋の葉節
251むんじゅるー
250早竹田節
249トゥータンカニ節 2
248トゥータンカニ節 1
247秋の踊り
246島尻口説
245さいんする節
244うふんしゃり節
243万歳かふす
242高平良萬才口説
241かぎやで風節(正月バージョン)
240夫婦千鳥
239孝行口説
238ぶちゅい小
237ケーヒットリ節
236あがろーざ節 (八重山民謡)
235主ン妻節
234タノムゾ節
233デンスナー節
232くいぬぱな節 (八重山民謡)
231繁昌節 (八重山民謡)
230千の風になって(ウチナーグチバージョン)
229ソーキ骨不足
228読谷宮古根
227あやぐ
226恨みの唄
225宮古根~ハンタ原 (知名定男)
224宮古根~ハンタ原 (普久原朝喜)
223宮古根~ハンタ原 (登川誠仁)
222恋語れ
221ハンタ原 3
220谷茶前 2 (谷茶バヤシ)
219いちゅび小 2
218踊い宮古根 前川朝昭
217毛遊び宮古根 嘉手苅林昌
216宮古根~ハンタ原 嘉手苅林昌
215宮古根~山原汀間とぅ 山内昌徳
214なりやまあやぐ (宮古民謡)
213月ぬかいしゃー節(八重山民謡)
212どぅーちゅいむにー
211冨原宮古根
210赤田首里殿内節 2
209寄せ事る宝
208みなとーま (八重山民謡)
207デンサー節 (本島民謡)
206トバラーマ
205白保節 (八重山民謡)
204新でんさー節
203やりこのし節
202それかん節
201舟越節
200諸屯節
199しゅんだう節
198中城情話 2
197崎山節 (八重山民謡)
196崎山ゆんた (後半) (八重山民謡)
195崎山ゆんた (前半) (八重山民謡)
194かいされ 2
193デンサー節 (八重山民謡)
192デンサー節 (本島民謡)
191いちん嘉利吉
190述懐節
189花風
188宮城クワディーサー節
187つんだら節 (八重山民謡)
186バイバイ沖縄
185島々美しゃ
184おめやから節
183想偲び
182女工節
181廃藩の武士
180芋の時代
179宮古根 3
178国の花
177下り口説
176与那国のまや小 (八重山民謡)
175鳩間節 (八重山民謡)
174シューラー節 2
173南洋小唄のツラネ
172流れ舟
171ハンタ原
170永良部千鳥節
169じいちゃん ばあちゃん
168涙そうそう
167徳利小
166イラヨイ月夜浜
165十番口説
164アッチャメー小 2
163国頭大福
162赤犬子
161十七、八節
160安波節 2
159恋の花 2
158ハリクヤマク
157城の前節
156ヤッチー
155シューラー節
154国頭ジントヨー
153むちはじき節
152通い船
151芭蕉布
150本部宮古根(本歌)
149本部宮古根
148平和の琉歌
147こてい節
146耳切坊主
145真謝井
144ファムレウタ
143白鳥小節
142我した生まれ島
141與那原節
140坂原口説
139前之浜
138お母さん
137油断するな
136運玉義留
135無情の唄
134トゥガレ節(中城情話)
133舞方
132アンマ形見の一番着物
131踊りクワディサー節
130網打ちゃー小
129白浜節
128手間当小
127黒島口説
126御持奉行
125ダイサナジャー
124安里屋ゆんた
123沖縄
122与那国ションカネー (八重山民謡)
121月眺み節
120今帰仁ミャークニー 2
119豊年音頭
118伊野波節
117今帰仁ミャークニー 1
116今帰仁の城節
115小浜節 (八重山民謡)
114崎山くばま
113別れの唄
112情けの唄
111鷲の鳥
110道具の美らさ
109童神
108ミルクムナリ
107すーしすーさー
106テーゲー
105金武節
104かなさんどー
103艦砲の喰い残さ
102三村踊り節
101キザミ節
100天底節
99月の夜節
98鳩間節
97ハイサイおじさん
96南嶽節
95ヒンスー尾類小
94惣慶漢那
93花笠節
92武富節(貫花)
91サーサー節
90永良部百合の花
89県道節
88下千鳥
87稲しり節
86ピーラルラー(二合節)
85前田節
84ましゅんく節
83国頭捌吏
82だんじゅかりゆし
81いったーあんまーまーかいが
80謝敷節
79梅の香り
78うんじゅが情けど頼ぬまれる
77恋の花
76紺地小
75島造い
74別れの煙
73収納奉行
72スヌ万歳
71御縁節
70越来節
69夫婦船
68ヤッチャー小
67片思い
66カイサレ
65ちんぬくじゅーしー
64恩納節
63ウーマクカマデー
62山原汀間と
61浦波節
60多幸山
59アッチャメー小
58花の風車
57伊計離り節
56バチクヮイ節
55芋堀宮古根
54仲島節
53早嘉手久節
52赤田首里殿内
51時代の流れ
50宮古根
49じんじん
48チョンチョンキジムナー
47汀間とぅ
46懐かしき故郷
45兄弟小節
44唐船ドーイ
43ちぶみ
42夏の涼浜
41屋慶名クワディサー
40門たんかー
39ひやみかち節
38屋嘉節
37(イサヘイヨーのちらし)デンサー節
36伊佐ヘイヨー
35二見情話
34上り口説
33新宮古節
32加那よー
31いちゅび小節
30海やから
29赤山
28海のちんぼーらー
27西武門節
26南洋小唄
25恋千鳥
24白雲節
23世宝節
22かぎやで風節
21スーリー東節
20かたみ節
19てんよう節
18久高万寿主
17仲順流れ
16遊び庭
15鶴亀節
14遊びションガネー
13伊計離節
12豊節
11島尻天川
10由絃の謡
9汗水節
8谷茶前
7安波節
6歌の心
5染みなし節
4浜千鳥
3肝がなさ節
2祝い節
1てんさぐの花
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沖縄語辞典 国立国語研究所 (沖)
琉球語辞典 半田一郎 (琉)
石垣方言辞典 宮城信勇 (石)
317どぅなんスンカニ
316蝶小節
315すーり東
314久場山越路節 元歌 (八重山民謡)
313久場山越路節 (八重山民謡)
312ぬんぬくそいそい
311久場山越地
310桃売アン小
309嘆きの梅
308九年母木節 2
307九年母木節
306サイサイ節 (沖永良部民謡)
305山崎のアブジャマ (八重山民謡)
304盛え榮え
303辺野喜節
303仲里節
302黄金産子
301情けの唄
300スンサーミー 2
299あら不思議宮古根~かいされ
298スンサーミ
297永良部シュンサーミ
296十九の春
295与論小唄
294めでたい節 (本島民謡)
293目出度節 (八重山民謡)
292伊計離節 2(舞踊曲)
291世果報節 (八重山民謡)
290サーサー節
289フェーレー口説
288あきとーなー
287丘の一本松
286昔の若さ
285地翔どーい
284与勝海上めぐり
283あがろーざ(八重山民謡)
282遊び仲風
281姑がなし
280年中口説
279仲風節
278ハワイ節
277砂持節
276とーとーめーさい (童謡)
275あかな (童謡)
274うりずん(若夏)の詩
273しんかぬ達
272出征出船の唄(熊本節)
271軍人節
271じっそう節
270宮古根~山原汀間当 (嘉手苅林昌)
269真福地のはいちやう節
268下千鳥 2
267芋堀り宮古根 2~山原汀間当(嘉手苅林昌)
266戻り駕籠
265漲水のクイチャー (宮古民謡)
264サン・サン・サン
263月のマピローマ (八重山民謡)
262月のまぴろーま節 (八重山民謡)
261伊集早作田節 (舞踊 揚作田節)
260揚作田節 (舞踊 揚作田節)
259安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島以外)
258安里屋ゆんた (八重山民謡 竹富島)
257安里屋節 (八重山民謡)
256七尺節 (舞踊「綛掛之踊」)
255糸満乙女
254干瀬節 (舞踊「綛掛之踊」)
253三拝云
252芋の葉節
251むんじゅるー
250早竹田節
249トゥータンカニ節 2
248トゥータンカニ節 1
247秋の踊り
246島尻口説
245さいんする節
244うふんしゃり節
243万歳かふす
242高平良萬才口説
241かぎやで風節(正月バージョン)
240夫婦千鳥
239孝行口説
238ぶちゅい小
237ケーヒットリ節
236あがろーざ節 (八重山民謡)
235主ン妻節
234タノムゾ節
233デンスナー節
232くいぬぱな節 (八重山民謡)
231繁昌節 (八重山民謡)
230千の風になって(ウチナーグチバージョン)
229ソーキ骨不足
228読谷宮古根
227あやぐ
226恨みの唄
225宮古根~ハンタ原 (知名定男)
224宮古根~ハンタ原 (普久原朝喜)
223宮古根~ハンタ原 (登川誠仁)
222恋語れ
221ハンタ原 3
220谷茶前 2 (谷茶バヤシ)
219いちゅび小 2
218踊い宮古根 前川朝昭
217毛遊び宮古根 嘉手苅林昌
216宮古根~ハンタ原 嘉手苅林昌
215宮古根~山原汀間とぅ 山内昌徳
214なりやまあやぐ (宮古民謡)
213月ぬかいしゃー節(八重山民謡)
212どぅーちゅいむにー
211冨原宮古根
210赤田首里殿内節 2
209寄せ事る宝
208みなとーま (八重山民謡)
207デンサー節 (本島民謡)
206トバラーマ
205白保節 (八重山民謡)
204新でんさー節
203やりこのし節
202それかん節
201舟越節
200諸屯節
199しゅんだう節
198中城情話 2
197崎山節 (八重山民謡)
196崎山ゆんた (後半) (八重山民謡)
195崎山ゆんた (前半) (八重山民謡)
194かいされ 2
193デンサー節 (八重山民謡)
192デンサー節 (本島民謡)
191いちん嘉利吉
190述懐節
189花風
188宮城クワディーサー節
187つんだら節 (八重山民謡)
186バイバイ沖縄
185島々美しゃ
184おめやから節
183想偲び
182女工節
181廃藩の武士
180芋の時代
179宮古根 3
178国の花
177下り口説
176与那国のまや小 (八重山民謡)
175鳩間節 (八重山民謡)
174シューラー節 2
173南洋小唄のツラネ
172流れ舟
171ハンタ原
170永良部千鳥節
169じいちゃん ばあちゃん
168涙そうそう
167徳利小
166イラヨイ月夜浜
165十番口説
164アッチャメー小 2
163国頭大福
162赤犬子
161十七、八節
160安波節 2
159恋の花 2
158ハリクヤマク
157城の前節
156ヤッチー
155シューラー節
154国頭ジントヨー
153むちはじき節
152通い船
151芭蕉布
150本部宮古根(本歌)
149本部宮古根
148平和の琉歌
147こてい節
146耳切坊主
145真謝井
144ファムレウタ
143白鳥小節
142我した生まれ島
141與那原節
140坂原口説
139前之浜
138お母さん
137油断するな
136運玉義留
135無情の唄
134トゥガレ節(中城情話)
133舞方
132アンマ形見の一番着物
131踊りクワディサー節
130網打ちゃー小
129白浜節
128手間当小
127黒島口説
126御持奉行
125ダイサナジャー
124安里屋ゆんた
123沖縄
122与那国ションカネー (八重山民謡)
121月眺み節
120今帰仁ミャークニー 2
119豊年音頭
118伊野波節
117今帰仁ミャークニー 1
116今帰仁の城節
115小浜節 (八重山民謡)
114崎山くばま
113別れの唄
112情けの唄
111鷲の鳥
110道具の美らさ
109童神
108ミルクムナリ
107すーしすーさー
106テーゲー
105金武節
104かなさんどー
103艦砲の喰い残さ
102三村踊り節
101キザミ節
100天底節
99月の夜節
98鳩間節
97ハイサイおじさん
96南嶽節
95ヒンスー尾類小
94惣慶漢那
93花笠節
92武富節(貫花)
91サーサー節
90永良部百合の花
89県道節
88下千鳥
87稲しり節
86ピーラルラー(二合節)
85前田節
84ましゅんく節
83国頭捌吏
82だんじゅかりゆし
81いったーあんまーまーかいが
80謝敷節
79梅の香り
78うんじゅが情けど頼ぬまれる
77恋の花
76紺地小
75島造い
74別れの煙
73収納奉行
72スヌ万歳
71御縁節
70越来節
69夫婦船
68ヤッチャー小
67片思い
66カイサレ
65ちんぬくじゅーしー
64恩納節
63ウーマクカマデー
62山原汀間と
61浦波節
60多幸山
59アッチャメー小
58花の風車
57伊計離り節
56バチクヮイ節
55芋堀宮古根
54仲島節
53早嘉手久節
52赤田首里殿内
51時代の流れ
50宮古根
49じんじん
48チョンチョンキジムナー
47汀間とぅ
46懐かしき故郷
45兄弟小節
44唐船ドーイ
43ちぶみ
42夏の涼浜
41屋慶名クワディサー
40門たんかー
39ひやみかち節
38屋嘉節
37(イサヘイヨーのちらし)デンサー節
36伊佐ヘイヨー
35二見情話
34上り口説
33新宮古節
32加那よー
31いちゅび小節
30海やから
29赤山
28海のちんぼーらー
27西武門節
26南洋小唄
25恋千鳥
24白雲節
23世宝節
22かぎやで風節
21スーリー東節
20かたみ節
19てんよう節
18久高万寿主
17仲順流れ
16遊び庭
15鶴亀節
14遊びションガネー
13伊計離節
12豊節
11島尻天川
10由絃の謡
9汗水節
8谷茶前
7安波節
6歌の心
5染みなし節
4浜千鳥
3肝がなさ節
2祝い節
1てんさぐの花
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2009年06月13日
蝶小節
蝶小節
はべるぐゎーぶし
habarugwaa bushi
○蝶の歌
(安冨祖流工工四より)
(すり)東り打ち向て飛びうる綾蝶 (すり)先ゆ待て蝶いやり我ね頼ま
'あがり'うちんかてぃ とぅびゅる'あやはべる まじゆまてぃはべる'いやいわねたぬま
'agari 'uchiNkati tubyuru 'ayahaberu majiyu mati haberu 'iyai wane tanuma
○東に向かって飛んでいる美しい蝶よ しばらく待て蝶よ 伝言を私は頼みたい
語句・「すーり東」参照
(すり)東り立雲や世果報しにゆくゆい(すり)遊しにゆくゆる二十才美童達
あがり たちぐむや ゆがふしにゅくゆい 'あしびしにゅくゆる はたちみゃらび
'agari tachigumu ya yugahu shinyukuyui 'agari 'ashibi shinyukuyuru hatachi myarabi
○東の立ち雲は豊年満作を準備しており 遊びを準備する二十歳娘
語句・「すーり東」参照
(野村流工工四より)
(それ)あがり打向て飛びゆる綾蝶 (それ)先づよ待て蝶いやりわないたのま
'あがり'うちんかてぃ とぅびゅる'あやはべる まじゆまてぃはべる'いやいわねたぬま
'agari 'uchiNkati tubyuru 'ayahaberu majiyu mati haberu 'iyai wane tanuma
○東に向かって飛んでいる美しい蝶よ しばらく待て蝶よ 伝言を私は頼みたい
語句・「すーり東」参照
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はべるぐゎーぶし
habarugwaa bushi
○蝶の歌
(安冨祖流工工四より)
(すり)東り打ち向て飛びうる綾蝶 (すり)先ゆ待て蝶いやり我ね頼ま
'あがり'うちんかてぃ とぅびゅる'あやはべる まじゆまてぃはべる'いやいわねたぬま
'agari 'uchiNkati tubyuru 'ayahaberu majiyu mati haberu 'iyai wane tanuma
○東に向かって飛んでいる美しい蝶よ しばらく待て蝶よ 伝言を私は頼みたい
語句・「すーり東」参照
(すり)東り立雲や世果報しにゆくゆい(すり)遊しにゆくゆる二十才美童達
あがり たちぐむや ゆがふしにゅくゆい 'あしびしにゅくゆる はたちみゃらび
'agari tachigumu ya yugahu shinyukuyui 'agari 'ashibi shinyukuyuru hatachi myarabi
○東の立ち雲は豊年満作を準備しており 遊びを準備する二十歳娘
語句・「すーり東」参照
(野村流工工四より)
(それ)あがり打向て飛びゆる綾蝶 (それ)先づよ待て蝶いやりわないたのま
'あがり'うちんかてぃ とぅびゅる'あやはべる まじゆまてぃはべる'いやいわねたぬま
'agari 'uchiNkati tubyuru 'ayahaberu majiyu mati haberu 'iyai wane tanuma
○東に向かって飛んでいる美しい蝶よ しばらく待て蝶よ 伝言を私は頼みたい
語句・「すーり東」参照
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2009年05月29日
すーり東
すーり東
すーりー'あがり
suurii 'agari
語句・すーりー 囃子言葉。「それ」と表記されている古典本もある。「sore→(三母音化)→suri」・あがり 東。「すーり東うち・・・」の歌の「すーり東」だけをとって題名にしたもの。
一、スーリ東 うち向かて飛ぶる綾蝶(すーりさーさー しゅらさ はいや)
すーりー'あがり うち'んかてぃ とぅぶる 'あやはびる(すーりーさーさー しゅらっさ はいや)
suurii 'agari uchi'Nkati tuburu 'ayahabiru (suurisaasaa shurassa haiya)
○さあ 東に向かって飛んでいる美しい蝶よ
語句・あやはびる 「蝶の美称。美しい蝶。」【沖】。「はべる」ともいう。(沖縄語にはかなり珍しい短母音の「e」が含まれている語句。)
二、スーリ先じゆ待て蝶 伝い我ね頼ま
すーりまじゆ まてぃはびる 'いやい わねたぬま
suuri majiyu mati habiru 'iyai wane tanuma
○さあ しばらく待て蝶よ 伝言を私は頼みたい
語句・まじゆ まず。しばらく。<まじ まず。+ ゆ 「強意の虚辞」【琉辞】。・いやい 「伝言。ことづて。言い遣りの意」【沖】。八重山では「いやりぃ 'iyarï」。
三、スーリ東 明がりば 墨習が行ちゅん
すーり'あがり 'あかがりば しみなれが'いちゅん
suuri 'agari 'akagariba shiminare ga 'ichuN
○さあ 東が明るくなったので 学校に行く
語句・しみなれ 学校。<しみ 学問。+なれー 習い。 ・が に。
四、スーリ東頭結うて給れ 我親加那志
すーりあがり かしらゆてぃたぼり わうやがなし
suuri 'agari kashira yutitabori wauya ganashi
○さあ (東) 頭を結ってください 私のご両親様
語句・あがり この歌詞の「東」に意味はない。元の琉歌は「東明がりば墨習が行ちゅん 頭結て給れ 我親加那志」。これを上、下句にわけて歌われるが、下句は打ち出しが「スーリ頭」になるのが自然。しかし「スーリ東」と歌われる。下の六番も同様。
五、スーリ東 立雲や世果報しにゆくゆい
すーりあがり たちぐむや ゆがふしにゅくゆい
suuri 'agari tachigumu ya yugahu shinyukuyui
○さあ、東の立ち雲は豊年満作を準備しており
語句・しにゅくゆい 準備しており <しにゅくゆん 苦労して準備すること 「・・ゆい」という形になるのは「弱変化の連用形」【琉辞】。
六、スーリ東遊びしにゆくゆる 二十歳美童
すーり'あがり 'あしびしにゅくゆる はたちみやらび
suuri 'agari 'ashibi shinyukuyuru hatachi miyarabi
○遊びを準備する二十歳娘
語句・あしび 「遊び;(仕事を休んで行う)祭事などの歌舞[演芸];歌・三線や踊りを楽しむこと。」【琉辞】。もちろん「毛遊び」(もーあしび)などの庶民の遊びから神事などの公式な行事も含まれる。ここでは「豊年祭り」を意味していると思われる。
七、スーリ何がし綾蝶 紅葉に宿る
すーり ぬがし'あやはびる むみじばにやどぅる
suuri 'agari nugashi 'ayahabiru mumijiba ni yaduru
○さあ どうして美しい蝶は落ち葉に止まるのか
語句・むみじ 落ち葉。「紅葉〔沖縄では紅葉する木は(櫨[はぜ]以外には)ほとんど無い〕;落葉;〔比喩的に〕落命」【琉辞】。つまり「紅葉(もみじ)」ではなく落ち葉。これは下句(八番)を見ればわかる。
八、スーリ東頼む花ぬ上や 嵐やたみ
すーりたぬむはなぬ'うぃや 'あらしやたみ
suuri tanumu hana nu 'wi ya 'arashi yatami
○さあ 頼りにする花の上は嵐であったのか?
語句・たぬむ 頼りにする。<たぬむん 頼む。頼りにする。あてにする。・うぃ 上。<'
うぃー 'wii ←ヤマトゥンチュは発音に注意したい。「ういー」(3文字)ではなく「うぃー」(2文字)。琉歌では「うぃ」(1文字)。・やたみ だったのか?<やん ある。過去形 やた +み 疑問。
九、スーリ無蔵や牡丹花 我身や綾蝶
すーりんぞやぶたんばな わみや'あやはびる
suuri Nzo ya butaNbana wami ya 'ayahabiri
○さあ 貴女は牡丹花 私は美しい蝶
十、スーリ花ぬ ゆらりゆみ我が忍で行ちゅさ
すーりはなぬ ゆらりゆみ わがしぬでぃ'いちゅさ
suuri hana nu yurariyumi wa ga shinudi 'ichusa
○さあ 花が寄ることはできまい 私が忍んで行くよ
十一、スーリ花に来て止まる春ぬ綾蝶
すーりはなにちてぃとぅまる はるぬ'あやはびる
suuri hana ni chiti tumaru haru nu 'ayahabiri
○さあ 花に来て止まる 春の美しい蝶
十二、スーリ我肝うみとぅまり無蔵が心
すーりわちむ 'うみとぅまりんぞがくくる
suuri wachimu 'umi tumari Nzo ga kukuru
○さあ 私の心留めておけ 貴女の心
語句・うみとぅまり 留めておけ。<うみとぅまりゆん 思いを留める。命令形。
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すーりー'あがり
suurii 'agari
語句・すーりー 囃子言葉。「それ」と表記されている古典本もある。「sore→(三母音化)→suri」・あがり 東。「すーり東うち・・・」の歌の「すーり東」だけをとって題名にしたもの。
一、スーリ東 うち向かて飛ぶる綾蝶(すーりさーさー しゅらさ はいや)
すーりー'あがり うち'んかてぃ とぅぶる 'あやはびる(すーりーさーさー しゅらっさ はいや)
suurii 'agari uchi'Nkati tuburu 'ayahabiru (suurisaasaa shurassa haiya)
○さあ 東に向かって飛んでいる美しい蝶よ
語句・あやはびる 「蝶の美称。美しい蝶。」【沖】。「はべる」ともいう。(沖縄語にはかなり珍しい短母音の「e」が含まれている語句。)
二、スーリ先じゆ待て蝶 伝い我ね頼ま
すーりまじゆ まてぃはびる 'いやい わねたぬま
suuri majiyu mati habiru 'iyai wane tanuma
○さあ しばらく待て蝶よ 伝言を私は頼みたい
語句・まじゆ まず。しばらく。<まじ まず。+ ゆ 「強意の虚辞」【琉辞】。・いやい 「伝言。ことづて。言い遣りの意」【沖】。八重山では「いやりぃ 'iyarï」。
三、スーリ東 明がりば 墨習が行ちゅん
すーり'あがり 'あかがりば しみなれが'いちゅん
suuri 'agari 'akagariba shiminare ga 'ichuN
○さあ 東が明るくなったので 学校に行く
語句・しみなれ 学校。<しみ 学問。+なれー 習い。 ・が に。
四、スーリ東頭結うて給れ 我親加那志
すーりあがり かしらゆてぃたぼり わうやがなし
suuri 'agari kashira yutitabori wauya ganashi
○さあ (東) 頭を結ってください 私のご両親様
語句・あがり この歌詞の「東」に意味はない。元の琉歌は「東明がりば墨習が行ちゅん 頭結て給れ 我親加那志」。これを上、下句にわけて歌われるが、下句は打ち出しが「スーリ頭」になるのが自然。しかし「スーリ東」と歌われる。下の六番も同様。
五、スーリ東 立雲や世果報しにゆくゆい
すーりあがり たちぐむや ゆがふしにゅくゆい
suuri 'agari tachigumu ya yugahu shinyukuyui
○さあ、東の立ち雲は豊年満作を準備しており
語句・しにゅくゆい 準備しており <しにゅくゆん 苦労して準備すること 「・・ゆい」という形になるのは「弱変化の連用形」【琉辞】。
六、スーリ東遊びしにゆくゆる 二十歳美童
すーり'あがり 'あしびしにゅくゆる はたちみやらび
suuri 'agari 'ashibi shinyukuyuru hatachi miyarabi
○遊びを準備する二十歳娘
語句・あしび 「遊び;(仕事を休んで行う)祭事などの歌舞[演芸];歌・三線や踊りを楽しむこと。」【琉辞】。もちろん「毛遊び」(もーあしび)などの庶民の遊びから神事などの公式な行事も含まれる。ここでは「豊年祭り」を意味していると思われる。
七、スーリ何がし綾蝶 紅葉に宿る
すーり ぬがし'あやはびる むみじばにやどぅる
suuri 'agari nugashi 'ayahabiru mumijiba ni yaduru
○さあ どうして美しい蝶は落ち葉に止まるのか
語句・むみじ 落ち葉。「紅葉〔沖縄では紅葉する木は(櫨[はぜ]以外には)ほとんど無い〕;落葉;〔比喩的に〕落命」【琉辞】。つまり「紅葉(もみじ)」ではなく落ち葉。これは下句(八番)を見ればわかる。
八、スーリ東頼む花ぬ上や 嵐やたみ
すーりたぬむはなぬ'うぃや 'あらしやたみ
suuri tanumu hana nu 'wi ya 'arashi yatami
○さあ 頼りにする花の上は嵐であったのか?
語句・たぬむ 頼りにする。<たぬむん 頼む。頼りにする。あてにする。・うぃ 上。<'
うぃー 'wii ←ヤマトゥンチュは発音に注意したい。「ういー」(3文字)ではなく「うぃー」(2文字)。琉歌では「うぃ」(1文字)。・やたみ だったのか?<やん ある。過去形 やた +み 疑問。
九、スーリ無蔵や牡丹花 我身や綾蝶
すーりんぞやぶたんばな わみや'あやはびる
suuri Nzo ya butaNbana wami ya 'ayahabiri
○さあ 貴女は牡丹花 私は美しい蝶
十、スーリ花ぬ ゆらりゆみ我が忍で行ちゅさ
すーりはなぬ ゆらりゆみ わがしぬでぃ'いちゅさ
suuri hana nu yurariyumi wa ga shinudi 'ichusa
○さあ 花が寄ることはできまい 私が忍んで行くよ
十一、スーリ花に来て止まる春ぬ綾蝶
すーりはなにちてぃとぅまる はるぬ'あやはびる
suuri hana ni chiti tumaru haru nu 'ayahabiri
○さあ 花に来て止まる 春の美しい蝶
十二、スーリ我肝うみとぅまり無蔵が心
すーりわちむ 'うみとぅまりんぞがくくる
suuri wachimu 'umi tumari Nzo ga kukuru
○さあ 私の心留めておけ 貴女の心
語句・うみとぅまり 留めておけ。<うみとぅまりゆん 思いを留める。命令形。
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2009年04月30日
久場山越路節 元歌 (八重山民謡)
久場山越路節 元歌
作 大浜英普
1、越地道ぬねぬらば 山道ぬ ねぬらば
くいちぃみちぃぬ ねぬらば やまみちぃぬ ねぬらば
kuichïmichï nu nenuraba yamachï nu nenuraba
○越地道がなかったなら 山道がなかったならば
2、越地道ん ありばど みしゃる 山道ん ありばど みしゃる
くいちぃみちぃん 'ありばどぅ みしゃる やまみちぃん 'ありばどぅみしゃる
kuichïmichïN 'ariba du misharu yamamichïN 'ariba du misharu
○越地道もあるから良いのだ 山道もあるから良いのだ
語句・みしゃる <みしゃーん 「①好ましい。心にかなう②満足できる③十分でないがまずまずの程度である」【石辞】。「どぅ」との係り結びで連体形。
3、なうしきぬ 越地道 いかしきぬ 越地道
のーしきぬくいちぃみちぃ 'いかしきぬくいちぃみちぃ
noochiki nu kuichïmichï 'ikashiki nu kuichïmichï
○何ゆえの越地道であるのか どのような越地道であるのか
語句。のーしき <のーしきー のーしき。 「何故。なにゆえ。どうして。」【石辞】。 表記と発音の差異があるので、実際には「なうしき」と歌われたのか「のーしき」なのかわからない。
4、ふんだしぬ 越地道 薙い通ふしぬ山道
ふんだしぬくいちぃみちぃ ないどーしぬやまみちぃ
huNdashi nu kuichïmichï naidooshi nu yamamichï
○踏んだような越地道 草をなぎ倒したような山道
語句・ふんだしぬ < ふむん 踏む。 ・ないどーし <なぎどーしん なぎ倒す。
5、越地道ぬ長ぬまま 山道ぬ幅ぬ儘
くいちぃみちぃぬなぎぬまま やまみちぃぬはばぬまま
kuichïmichï nu nagi nu mama yamamichï nu haba nu mama
○越地道の長さのまま 山道の幅のまま
6、糸はゆて ちかいす 布はゆて おはらす
'いちゅはゆてぃ ちかいす ぬぬはゆてぃ 'おはらす
'ichu hayuti chikaisu nunu hayuti 'iharasu
○絹を張って 案内します 布張って 「ご案内します」
語句 ・ちかいす <ちぃかいしぃうん 案内する。 後の「おはらす」は語句が辞書にみあたらない。対句で「ちかいす」とほぼ同意だと見て「案内する」とする。
7、たるだると(※) ちかいす ぢりぢりどおはらす
(※「八重山島民謡誌」には「と」とあるが、「どぅ」の誤植だろう)
たるだるどぅちかいす じりじりどぅ'おはらす
tarudaru du chikaisu jirijiri tu 'oaharasu
○誰々をご案内するか どの方たちを「ご案内」するのか
語句・じりじり <じり 「どれ。いずれ。『いずれ』の『い』の脱落した形。「じりじり」(「どれ」の複数形。
8、野底主ど ちかいす 目差主ど おはらす
ぬすくしゅどぅちかいす みざしぃしゅどぅおはらす
nusuku shu du chikaisu mizashïshu du 'oharasu
○野底村の与人(村長)をご案内するのだ 目差主をご案内するのだ
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作 大浜英普
1、越地道ぬねぬらば 山道ぬ ねぬらば
くいちぃみちぃぬ ねぬらば やまみちぃぬ ねぬらば
kuichïmichï nu nenuraba yamachï nu nenuraba
○越地道がなかったなら 山道がなかったならば
2、越地道ん ありばど みしゃる 山道ん ありばど みしゃる
くいちぃみちぃん 'ありばどぅ みしゃる やまみちぃん 'ありばどぅみしゃる
kuichïmichïN 'ariba du misharu yamamichïN 'ariba du misharu
○越地道もあるから良いのだ 山道もあるから良いのだ
語句・みしゃる <みしゃーん 「①好ましい。心にかなう②満足できる③十分でないがまずまずの程度である」【石辞】。「どぅ」との係り結びで連体形。
3、なうしきぬ 越地道 いかしきぬ 越地道
のーしきぬくいちぃみちぃ 'いかしきぬくいちぃみちぃ
noochiki nu kuichïmichï 'ikashiki nu kuichïmichï
○何ゆえの越地道であるのか どのような越地道であるのか
語句。のーしき <のーしきー のーしき。 「何故。なにゆえ。どうして。」【石辞】。 表記と発音の差異があるので、実際には「なうしき」と歌われたのか「のーしき」なのかわからない。
4、ふんだしぬ 越地道 薙い通ふしぬ山道
ふんだしぬくいちぃみちぃ ないどーしぬやまみちぃ
huNdashi nu kuichïmichï naidooshi nu yamamichï
○踏んだような越地道 草をなぎ倒したような山道
語句・ふんだしぬ < ふむん 踏む。 ・ないどーし <なぎどーしん なぎ倒す。
5、越地道ぬ長ぬまま 山道ぬ幅ぬ儘
くいちぃみちぃぬなぎぬまま やまみちぃぬはばぬまま
kuichïmichï nu nagi nu mama yamamichï nu haba nu mama
○越地道の長さのまま 山道の幅のまま
6、糸はゆて ちかいす 布はゆて おはらす
'いちゅはゆてぃ ちかいす ぬぬはゆてぃ 'おはらす
'ichu hayuti chikaisu nunu hayuti 'iharasu
○絹を張って 案内します 布張って 「ご案内します」
語句 ・ちかいす <ちぃかいしぃうん 案内する。 後の「おはらす」は語句が辞書にみあたらない。対句で「ちかいす」とほぼ同意だと見て「案内する」とする。
7、たるだると(※) ちかいす ぢりぢりどおはらす
(※「八重山島民謡誌」には「と」とあるが、「どぅ」の誤植だろう)
たるだるどぅちかいす じりじりどぅ'おはらす
tarudaru du chikaisu jirijiri tu 'oaharasu
○誰々をご案内するか どの方たちを「ご案内」するのか
語句・じりじり <じり 「どれ。いずれ。『いずれ』の『い』の脱落した形。「じりじり」(「どれ」の複数形。
8、野底主ど ちかいす 目差主ど おはらす
ぬすくしゅどぅちかいす みざしぃしゅどぅおはらす
nusuku shu du chikaisu mizashïshu du 'oharasu
○野底村の与人(村長)をご案内するのだ 目差主をご案内するのだ
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2009年04月28日
久場山越路節 (八重山民謡)
久場山越路節
くばやまくいつぃぶしぃ
kubayamakuitsï bushï
語句・くばやまくいつぃ この名前のいわれについては「久場山越地節」に書いた。 「くいつぃ」の発音について。八重山方言では「越える」は「くいるん」(kuiruN)と発音するので「くい」でよい。ウチナーグチ(本島方言)では「くぃーゆん」(kwiiyuN)なので「くぃ」(kwi)となる点は指摘しておきたい。「くい」は二音であるが「くぃ」は一音であるように発音は異なる。また「つぃ」は八重山方言に特有の「中舌母音」をあらわす。「ぶしぃ」も同様。
一、黒島にうるけや さふ島にうるけや (はりぬつぃんだらやう かぬしゃまやう)
くるしぃまに 'うるけや さふしぃまに 'うるけや はりぬつぃんだらよーかぬしゃまよー
kurushïma ni 'uruke ya sahushïma ni 'uru ke ya harinu tsïNdarayoo kanuchama yoo
○黒島に居た間は さふ島(黒島の別称)に居た間は ([はり](囃子言葉) 愛しいよう[かわいそうだよう]愛しい人よ)
[以下囃子言葉略]
語句・うる 居る。<'うん 居る。「うるけや」については、活用等不明だが、石垣方言で接続助詞に「んけん」があり、「・・まで」「間の時」「・・したところ」(「石垣方言辞典」より。以下【石辞】と略す)という意味がある。うる+んけん が融合して「うるけ」になったのかもしれない。【石辞】に「サフジゥマ 二 ウリゥ ケンヤ」「(黒島に居った時は)」という記載があり、普通「けーや」と歌われるが「けんや」という表記もされる場合がある。・さふしぃま 黒島の別称。「さふしま、ぷしま、ぷすま、ふしま」という別称がある。「星の形をした」ということからきているという説もある。 ・ふん 「「国(くに)」の訛語。①国②村」【石辞】 ・はりぬつぃんだらよーかぬしゃまよー 「はり」については囃子言葉である以上の訳は避けるが、こちらに意見を書いている。「つぃんだら」は 「つぃんだーさーん」(①可愛らしい②かわいそうである)【石辞】に感嘆をあらわす「らー」がついたもの。「かぬしゃま」は「かぬしゃー」(「男性からいう女性の恋人。『愛(かな)しき人』の意。「かぬしゃーま」ともいう」【石辞】。
二、島一つやりうり ふん一つやりうり
しぃまぴてぃじぃやり'うり ふんぴてぃじぃやり'うり
shïma pitiijï yari 'uri huN pitiijï yari 'uri
○故郷は一つであった 村はひとつであった
語句・やり 「やり」については「やん」(・・である)の活用。「居る」をあらわす「うり」とともに「・・であった」と訳せる。解説書には「島で永久にいると思っていたのに」という訳が多い。
三、ぶなびしん我二人 ゆいふなぐん我二人
ぶなびしん ばふたりぃ ゆいふなぐん ばふたりぃ
bunabi shiN ba hutarï yui hunaguN ba hutarï
○苧(カラムシ)の農作業をするときも私たち二人 ゆい(共同作業)をする時も二人
語句・ぶなび 苧(カラムシ)の収穫。 <ぶー「苧(お)。カラムシ。八重山上布の原料となる。真苧(まお)。ラミー。」【石辞】。イラクサ目イラクサ科の多年生植物。 + なび 作業。 「ゆなび」(夜業)という言葉がある。 カラムシを収穫し、繊維を取り、紡ぎ、織る。この一連の作業のうち、繊維を取る以後の作業は女性の作業とされていたから、最初の「収穫」だけを意味しているのではないだろうか。・しん するのも。 <しぃん する。 +ん も。 ・ば 私たち。<ばー 。 ・ゆい 「共同作業に互いに労力を提供しあうこと。継続的な結びつきである。「ゆいまーりぃ」は 『ゆい』を順番に行うこと」【石辞】。「ふなぐ」いついては辞書でみあたらない。今後の課題。
四、山行きん我二人 いす下れん 我二人
やま'いきん ばふたりぃ 'いす'うれん ばふたりぃ
yama 'ikiN ba hutarï 'isu 'ureN ba hutarï
○山に行くのも私たち二人 磯下りても私たち二人
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くばやまくいつぃぶしぃ
kubayamakuitsï bushï
語句・くばやまくいつぃ この名前のいわれについては「久場山越地節」に書いた。 「くいつぃ」の発音について。八重山方言では「越える」は「くいるん」(kuiruN)と発音するので「くい」でよい。ウチナーグチ(本島方言)では「くぃーゆん」(kwiiyuN)なので「くぃ」(kwi)となる点は指摘しておきたい。「くい」は二音であるが「くぃ」は一音であるように発音は異なる。また「つぃ」は八重山方言に特有の「中舌母音」をあらわす。「ぶしぃ」も同様。
一、黒島にうるけや さふ島にうるけや (はりぬつぃんだらやう かぬしゃまやう)
くるしぃまに 'うるけや さふしぃまに 'うるけや はりぬつぃんだらよーかぬしゃまよー
kurushïma ni 'uruke ya sahushïma ni 'uru ke ya harinu tsïNdarayoo kanuchama yoo
○黒島に居た間は さふ島(黒島の別称)に居た間は ([はり](囃子言葉) 愛しいよう[かわいそうだよう]愛しい人よ)
[以下囃子言葉略]
語句・うる 居る。<'うん 居る。「うるけや」については、活用等不明だが、石垣方言で接続助詞に「んけん」があり、「・・まで」「間の時」「・・したところ」(「石垣方言辞典」より。以下【石辞】と略す)という意味がある。うる+んけん が融合して「うるけ」になったのかもしれない。【石辞】に「サフジゥマ 二 ウリゥ ケンヤ」「(黒島に居った時は)」という記載があり、普通「けーや」と歌われるが「けんや」という表記もされる場合がある。・さふしぃま 黒島の別称。「さふしま、ぷしま、ぷすま、ふしま」という別称がある。「星の形をした」ということからきているという説もある。 ・ふん 「「国(くに)」の訛語。①国②村」【石辞】 ・はりぬつぃんだらよーかぬしゃまよー 「はり」については囃子言葉である以上の訳は避けるが、こちらに意見を書いている。「つぃんだら」は 「つぃんだーさーん」(①可愛らしい②かわいそうである)【石辞】に感嘆をあらわす「らー」がついたもの。「かぬしゃま」は「かぬしゃー」(「男性からいう女性の恋人。『愛(かな)しき人』の意。「かぬしゃーま」ともいう」【石辞】。
二、島一つやりうり ふん一つやりうり
しぃまぴてぃじぃやり'うり ふんぴてぃじぃやり'うり
shïma pitiijï yari 'uri huN pitiijï yari 'uri
○故郷は一つであった 村はひとつであった
語句・やり 「やり」については「やん」(・・である)の活用。「居る」をあらわす「うり」とともに「・・であった」と訳せる。解説書には「島で永久にいると思っていたのに」という訳が多い。
三、ぶなびしん我二人 ゆいふなぐん我二人
ぶなびしん ばふたりぃ ゆいふなぐん ばふたりぃ
bunabi shiN ba hutarï yui hunaguN ba hutarï
○苧(カラムシ)の農作業をするときも私たち二人 ゆい(共同作業)をする時も二人
語句・ぶなび 苧(カラムシ)の収穫。 <ぶー「苧(お)。カラムシ。八重山上布の原料となる。真苧(まお)。ラミー。」【石辞】。イラクサ目イラクサ科の多年生植物。 + なび 作業。 「ゆなび」(夜業)という言葉がある。 カラムシを収穫し、繊維を取り、紡ぎ、織る。この一連の作業のうち、繊維を取る以後の作業は女性の作業とされていたから、最初の「収穫」だけを意味しているのではないだろうか。・しん するのも。 <しぃん する。 +ん も。 ・ば 私たち。<ばー 。 ・ゆい 「共同作業に互いに労力を提供しあうこと。継続的な結びつきである。「ゆいまーりぃ」は 『ゆい』を順番に行うこと」【石辞】。「ふなぐ」いついては辞書でみあたらない。今後の課題。
四、山行きん我二人 いす下れん 我二人
やま'いきん ばふたりぃ 'いす'うれん ばふたりぃ
yama 'ikiN ba hutarï 'isu 'ureN ba hutarï
○山に行くのも私たち二人 磯下りても私たち二人
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2009年04月23日
ぬんぬくそいそい
ぬんぬくそいそい
ぬんぬくそいそい
nuNnuku soisoi
語句・ぬんぬくそいそい 所持している辞書にない。しかし、内容からは「いちゃいちゃ」とか「べたべた」というような語句のニュアンスに近いと思われる。
(ヤマー)
夕間暮になりば城ぬ下なかい毎夜マジムンぬ現りゆんでぬ事 今日は我んねー大事なとさアキサミヨーナ死じゃるうちやさ盗人加那志命一ぇーさい助けて呉みそり 何も我ね持ちゃびらんで子産祝事のアンダギーと揚豆腐とさり うりんうんじゅにうさぎやびくと命一ぇ助けて呉みそり
ゆまんぐぃになりば ぐしくぬしちゃなかい めゆるまじむんぬ'あらわりゆんでぃぬくとぅ ちゅーやわんねーでーじなとーさ 'あきさみよーなー しじゃる 'うちやさ ぬすどぅがなし ぬちてぃーちぇーさい たしきてぃくぃみそり ぬーんわんねー むちゃびらんでー くゎなしすーじぬ 'あんだぎーとぅ 'あぎどーふとぅ さり 'うりん うんじゅに 'うさぎやびーくとぅ ぬちてぃーちぇー さり たしきてぃくぃみそり
yumaNgwi ni nariba gushiku nu shicha nakai meyuru majimuN nu 'arawariyuNdi nu kutu chuu ya waNnee deeji natoosa 'akisamiyoonaa shijaru 'uchiyasa nusuduganashi nuchi tiichee sai tashikiti kwimisori nuuN waNnee muchabiraNdee kwanashi suuji nu 'aNdagii tu 'agidoohu tu sari 'uriN uNju ni 'usagiyabiikutu nuchi tiichee sari tashikitikwimisori
○夕暮れになると城に下に毎晩魔物が現れるとのこと 今日は私は大変になっているよ あれー!過ぎ去ってくれないかな。盗人様、命だけは、あの~助けてください。何も私は持っておりませんよ。出産祝いの揚げ菓子と揚げ豆腐とをでございますが、あなたさまに差し上げますので命だけはお助けてください。
語句・まじむん 魔物。・しじゃるうちやさ 「しじゆん」は「過ぎる」。「死ぬ」(人生を「過ぎる」意味で)の意味もある。・てぃーちぇー <てぃーち ひとつ。+や は。 融合して「てーちぇー」 直訳では「ひとつは」だが「だけは」と。・さい 敬語。「はいさい」の「さい」。「目上に対する男性の呼びかけ」。「あの~」と訳しておく。「さり」もほぼ同じ。・うさぎやびくとぅ 差し上げますので。<うさぎゆん 差し上げる。 +あびーん ・・ます。+くとぅ ・・なので。
マジムンやらわんゆたさん 山賊やらわんかむらん 我ん見ち驚くなしかむな逃んぎるな 此のクファイ見ち今逃んぎらに
まじむんやらわん ゆたさん ふぇーれーやらわん かむらん わん んーち'うどぅるくな しかむな ひんぎるな くぬくふぁいんーち なまひんぎらに
majimuN yarawaN yutasa heeree yarawaN kamuraN waN nNchi 'udurukuna shikamuna hiNgiruna kunu kuhwai nNchi nama hiNgirani
○魔物であってもよい。山賊であっても構わん!私を見て驚くな、怖がるな、逃げるな。この力コブを見てさあ逃げないか。
語句・やらわん ・・であっても。・しかむん おじける。臆病になる。・ひんぎるな <ふぃんぎゆん 逃げる。・くふぁい 固いもの→力こぶ。<くふぁゆん 固くなる。+い。名詞化。・んーち <んーじゅん 接続形 んーち。見て。
(マチャー)
云る事の可笑さ する事のまぎさ我見ち驚くなしかむな逃ぎるな 探て突ち込でしかびさきりんち やらさやーひゃー 閻魔王の御側に
'いるくとぅぬ うかさ するくとぅぬ まぎさ わんんーち'うどぅるくな しかむな ひんぎるな さぐてぃちちくでぃ しかびさきりんち やらさやーひゃー えんまおーぬ うすばに
'irukutu nu ukasa surukutu nu magisa waN nNchi 'uduruku na shikamuna hiNgiruna saguti chichikudi shikabisa kiriNchi yarasa yaa hyaa 'eNmaoo nu usuba ni
○云うことがまったく可笑しい!する事がなんと大げさ!私を見て驚くな 怖がるな、逃げるなよ。探してこずいて 束ねて切ってとか云って。行かせようか、こいつ!閻魔王の御側に。
語句・まぎさ 大きいことよ!<まぎさん 大きい。形容詞の体言止め(感嘆)。・んち と云って。・やらさ <やらしゅん いかせる。 希望。・やーひゃー きさま。おまえ。
(ヤマー)
アキサミヨーナー命一ぇさい 助きて呉みそり
'あきさみよーなー ぬちてぃーちぇー さい たしきてぃくぃみそり
'akisamiyoonaa nuchi tiichee sai tashikitikwimisori
○あれー!命だけは助けてください!
(マチャー)
いぇーいぇーなまや確いと見でマチャーどやんでー
いぇー いぇー なまや しかいとぅんーでー まちゃーどぅやんでー
'yee 'yee nama ya shikaitu nNdee mahcaa du ya nNdee
○おい おい あわてもの!しっかり見ろよ マチャーだよ!
語句・なまや 「なま」には「今」以外に、いわゆる「生 なま」からくる語句があり、「なまちゃー」(気の荒いもの」、「なまち」(無鉄砲)、「なまじら](厚顔無恥な者、おどけ者)などがある。 また形容詞「なまさん」(なまである。無神経である)がある。ここでは「あわてもの」と訳す。・しかいとぅ しっかりと。・んーでー 見ろよ。 <んーじゅん 命令形 んーでぃ 見ろ。+よー ねえ。 融合して「んーでー」
(ヤマー)
あんやさ 汝ひゃーマチャーどやさや 何が汝や此処に立ちょる
'あんやさ やーひゃー まちゃーどぅやさや ぬーが やーや くまにたっちょる
'aN yasa 'yaa hyaa machaa du yasa ya nuu ga yaa ya kuma ni tacchoru
○そうだ!お前はマチャーだよ!なぜお前ここに立っている?
(マチャー)
那覇に酒降るち戻る道しがら城の下ゆ我身の通ゆるばす 天から女の下りてめんそち男と行逢とてぬんぬくそいそい
なふぁにさき うるち むどぅるみちしがら ぐしくぬしちゃゆ わみぬとぅーゆるばす てぃんからいなぐぬ うりてぃめんそーち いきがとぅ'いちゃとてぃ ぬんぬくそいそい
nahwa ni saki uruchi muduru michishigara gushiku nu shicya yu wami nu tooyuru basu tiN kara yinagu nu uriti meNsochi yikigatu 'ichatoti nuNnukusoisoi
○那覇に酒を下ろして戻る道すがら城の下を私が通っているとき 天から女が降りていらっしゃって男と逢って「ぬんぬくそいそい」(不明)
語句・ばす 「場合、時」(琉)。
(ヤマー)
フラーやナマーやあがとー天にん女の居み ひゃー
ふらーや なまーや 'あがとーてぃんにん いなぐぬ うみ ひゃー
huwaa ya namaa ya 'agatoo tiNniN yinagu nu umi hyaa
○馬鹿だよ あわてものだよ あんな遠くの天に女がいるか?お前。
語句・あがとー あんな遠く。
(マチャー)
アネ!彼処見で あの白布からさらみかちそろみかち 滑んでてめんそち 委細にいちゃとてぬんぬくそいそい
'あね 'あまんーでー 'あぬしるぬぬから さらみかち そろみかち しんでぃてぃめんそち 'いしぇーに'いちゃとてぃ ぬんぬくそいそい
'ane 'ama nNdee 'anu shirununu kara saramikachi soromikachi shiNditi meNsochi 'ishee ni 'ichatoti nuNnukusoisoi
○おい あそこ見ろ あの白布からそろ~とすべりでていらしゃって たしかに出遭って「ぬんぬくそいそい」
語句・しんでぃてぃ <しんでぃゆん すべる。・いしぇー 「委細」から来ていて、「詳しく」以外に「確かに」。
(ヤマー)
如何しぬんぬくそいそいすたが
ちゃーし ぬんぬんく そいそい すたが
chaashi nuNnukusoisoi sutaga
○どんなふうに「ぬんぬくそいそい」したのか?
(マチャー)
香ばさ匂い高さ丁子の匂い鼻はんちゃー闇夜光らする黄金の御ジーファー絹衣あからふたら着みそち 笠小かんとて面顔隠ちょて男の手取て女の袖ひち委細にいちゃとてぬんぬくそいそい
かばさにうぃだかさ ちょーじぬにうぃはなはんちゃー やみゆふぃちゃらする くがにぬ みじーふぁー 'いとぅじん あから ふたらちみそち かさぐゎかんとてぃ 'うむかうかくちょてぃ いきがぬてぃーとぅてぃ いなぐぬすでぃふぃち 'いせーに'いちゃとてぃ ぬんぬくそいそい
kabasa niwidakasa chooji nu niwi hana haNchaa yamiyu hwikarasuru kugani nu mijiihwaa 'itujiN 'akra hutarachimisochi kasagwa kaNtoti 'umukau kakuchoti yikiga nu tii tuti yinagu nu sudi hwichi 'isee ni 'ichatoti nuNnukusoisoi
○香り、匂い高く、丁子(香料)の匂い鼻について 闇夜を照らす黄金のかんざし 絹の衣派手にお着になられて 笠をかぶって顔を隠していて男の手を取り女の袖を引き確かに出逢って「ぬんぬくそいそい」
語句・ちょーじ 蕾から香辛料を取る。クローブ。・いとぅじん 絹の着物。<いとぅ 絹。(糸は'iichuu)。+ちん 着物。連濁で「じん」。 ライナーノーツには「ちぬじん」をあるが間違い。・あからふたら 辞書には「あからくゎーら」があり、「派手なけばけばしい様」とある。
(ヤマー)
黄金の御ジーファー差ち絹衣うち重に重び確かに変わらんうみないびの前御城うち居て自由ならんち城の下や語れ所
くがにぬみじーふぁーさち 'いとぅじん 'うちかさにかさび たしかにかわらん 'うみないびぬめー 'うぐしく'うちうてぃ じゆねーならんち ぐしくぬしちゃや かたれーどぅくる
kugani mijiihwaa sachi 'itujiN 'uchikasanikasabi tashikani kawaraN 'uminaibi nu mee 'ugushiku 'uchiuti jiyu nee naraNchi gushiku nu shicha ya kataree dukuru
○黄金のかんざしをさして絹の衣を幾重にも重ねて、確かにまったく王女様 お城に居て自由にならないといって城の下が逢瀬の場所
語句・うみないび <うみない 士族語で「兄[弟]に対する妹[姉]」(琉)。+び(「複数語尾で敬称」(琉) で「王女さま」。・かたれーどぅくる 「かたれー」は沖縄語辞典には「仲間となること」「男女の一緒になる約束」とあり、「語らう」に対応する語句だが「-kata(味方)との連想もある」(沖)とある。つまり、単に「お話」場所ではなく「男女の契り」を深める場所。
(ヤマー&マチャー)
でぃーひゃー我達んぬんぬくそいそい そいそいそいそい ぬんぬくそいそい
でぃーひゃー わったーん ぬんぬくそいそい そいそいそいそい ぬんぬくそいそい
dii hyaa wattaaN nuNnukusoisoi soisoisoisoi nuNnukusoisoi
○さあ、お前、私たちも「ぬんぬくそいそい・・・」
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ぬんぬくそいそい
nuNnuku soisoi
語句・ぬんぬくそいそい 所持している辞書にない。しかし、内容からは「いちゃいちゃ」とか「べたべた」というような語句のニュアンスに近いと思われる。
(ヤマー)
夕間暮になりば城ぬ下なかい毎夜マジムンぬ現りゆんでぬ事 今日は我んねー大事なとさアキサミヨーナ死じゃるうちやさ盗人加那志命一ぇーさい助けて呉みそり 何も我ね持ちゃびらんで子産祝事のアンダギーと揚豆腐とさり うりんうんじゅにうさぎやびくと命一ぇ助けて呉みそり
ゆまんぐぃになりば ぐしくぬしちゃなかい めゆるまじむんぬ'あらわりゆんでぃぬくとぅ ちゅーやわんねーでーじなとーさ 'あきさみよーなー しじゃる 'うちやさ ぬすどぅがなし ぬちてぃーちぇーさい たしきてぃくぃみそり ぬーんわんねー むちゃびらんでー くゎなしすーじぬ 'あんだぎーとぅ 'あぎどーふとぅ さり 'うりん うんじゅに 'うさぎやびーくとぅ ぬちてぃーちぇー さり たしきてぃくぃみそり
yumaNgwi ni nariba gushiku nu shicha nakai meyuru majimuN nu 'arawariyuNdi nu kutu chuu ya waNnee deeji natoosa 'akisamiyoonaa shijaru 'uchiyasa nusuduganashi nuchi tiichee sai tashikiti kwimisori nuuN waNnee muchabiraNdee kwanashi suuji nu 'aNdagii tu 'agidoohu tu sari 'uriN uNju ni 'usagiyabiikutu nuchi tiichee sari tashikitikwimisori
○夕暮れになると城に下に毎晩魔物が現れるとのこと 今日は私は大変になっているよ あれー!過ぎ去ってくれないかな。盗人様、命だけは、あの~助けてください。何も私は持っておりませんよ。出産祝いの揚げ菓子と揚げ豆腐とをでございますが、あなたさまに差し上げますので命だけはお助けてください。
語句・まじむん 魔物。・しじゃるうちやさ 「しじゆん」は「過ぎる」。「死ぬ」(人生を「過ぎる」意味で)の意味もある。・てぃーちぇー <てぃーち ひとつ。+や は。 融合して「てーちぇー」 直訳では「ひとつは」だが「だけは」と。・さい 敬語。「はいさい」の「さい」。「目上に対する男性の呼びかけ」。「あの~」と訳しておく。「さり」もほぼ同じ。・うさぎやびくとぅ 差し上げますので。<うさぎゆん 差し上げる。 +あびーん ・・ます。+くとぅ ・・なので。
マジムンやらわんゆたさん 山賊やらわんかむらん 我ん見ち驚くなしかむな逃んぎるな 此のクファイ見ち今逃んぎらに
まじむんやらわん ゆたさん ふぇーれーやらわん かむらん わん んーち'うどぅるくな しかむな ひんぎるな くぬくふぁいんーち なまひんぎらに
majimuN yarawaN yutasa heeree yarawaN kamuraN waN nNchi 'udurukuna shikamuna hiNgiruna kunu kuhwai nNchi nama hiNgirani
○魔物であってもよい。山賊であっても構わん!私を見て驚くな、怖がるな、逃げるな。この力コブを見てさあ逃げないか。
語句・やらわん ・・であっても。・しかむん おじける。臆病になる。・ひんぎるな <ふぃんぎゆん 逃げる。・くふぁい 固いもの→力こぶ。<くふぁゆん 固くなる。+い。名詞化。・んーち <んーじゅん 接続形 んーち。見て。
(マチャー)
云る事の可笑さ する事のまぎさ我見ち驚くなしかむな逃ぎるな 探て突ち込でしかびさきりんち やらさやーひゃー 閻魔王の御側に
'いるくとぅぬ うかさ するくとぅぬ まぎさ わんんーち'うどぅるくな しかむな ひんぎるな さぐてぃちちくでぃ しかびさきりんち やらさやーひゃー えんまおーぬ うすばに
'irukutu nu ukasa surukutu nu magisa waN nNchi 'uduruku na shikamuna hiNgiruna saguti chichikudi shikabisa kiriNchi yarasa yaa hyaa 'eNmaoo nu usuba ni
○云うことがまったく可笑しい!する事がなんと大げさ!私を見て驚くな 怖がるな、逃げるなよ。探してこずいて 束ねて切ってとか云って。行かせようか、こいつ!閻魔王の御側に。
語句・まぎさ 大きいことよ!<まぎさん 大きい。形容詞の体言止め(感嘆)。・んち と云って。・やらさ <やらしゅん いかせる。 希望。・やーひゃー きさま。おまえ。
(ヤマー)
アキサミヨーナー命一ぇさい 助きて呉みそり
'あきさみよーなー ぬちてぃーちぇー さい たしきてぃくぃみそり
'akisamiyoonaa nuchi tiichee sai tashikitikwimisori
○あれー!命だけは助けてください!
(マチャー)
いぇーいぇーなまや確いと見でマチャーどやんでー
いぇー いぇー なまや しかいとぅんーでー まちゃーどぅやんでー
'yee 'yee nama ya shikaitu nNdee mahcaa du ya nNdee
○おい おい あわてもの!しっかり見ろよ マチャーだよ!
語句・なまや 「なま」には「今」以外に、いわゆる「生 なま」からくる語句があり、「なまちゃー」(気の荒いもの」、「なまち」(無鉄砲)、「なまじら](厚顔無恥な者、おどけ者)などがある。 また形容詞「なまさん」(なまである。無神経である)がある。ここでは「あわてもの」と訳す。・しかいとぅ しっかりと。・んーでー 見ろよ。 <んーじゅん 命令形 んーでぃ 見ろ。+よー ねえ。 融合して「んーでー」
(ヤマー)
あんやさ 汝ひゃーマチャーどやさや 何が汝や此処に立ちょる
'あんやさ やーひゃー まちゃーどぅやさや ぬーが やーや くまにたっちょる
'aN yasa 'yaa hyaa machaa du yasa ya nuu ga yaa ya kuma ni tacchoru
○そうだ!お前はマチャーだよ!なぜお前ここに立っている?
(マチャー)
那覇に酒降るち戻る道しがら城の下ゆ我身の通ゆるばす 天から女の下りてめんそち男と行逢とてぬんぬくそいそい
なふぁにさき うるち むどぅるみちしがら ぐしくぬしちゃゆ わみぬとぅーゆるばす てぃんからいなぐぬ うりてぃめんそーち いきがとぅ'いちゃとてぃ ぬんぬくそいそい
nahwa ni saki uruchi muduru michishigara gushiku nu shicya yu wami nu tooyuru basu tiN kara yinagu nu uriti meNsochi yikigatu 'ichatoti nuNnukusoisoi
○那覇に酒を下ろして戻る道すがら城の下を私が通っているとき 天から女が降りていらっしゃって男と逢って「ぬんぬくそいそい」(不明)
語句・ばす 「場合、時」(琉)。
(ヤマー)
フラーやナマーやあがとー天にん女の居み ひゃー
ふらーや なまーや 'あがとーてぃんにん いなぐぬ うみ ひゃー
huwaa ya namaa ya 'agatoo tiNniN yinagu nu umi hyaa
○馬鹿だよ あわてものだよ あんな遠くの天に女がいるか?お前。
語句・あがとー あんな遠く。
(マチャー)
アネ!彼処見で あの白布からさらみかちそろみかち 滑んでてめんそち 委細にいちゃとてぬんぬくそいそい
'あね 'あまんーでー 'あぬしるぬぬから さらみかち そろみかち しんでぃてぃめんそち 'いしぇーに'いちゃとてぃ ぬんぬくそいそい
'ane 'ama nNdee 'anu shirununu kara saramikachi soromikachi shiNditi meNsochi 'ishee ni 'ichatoti nuNnukusoisoi
○おい あそこ見ろ あの白布からそろ~とすべりでていらしゃって たしかに出遭って「ぬんぬくそいそい」
語句・しんでぃてぃ <しんでぃゆん すべる。・いしぇー 「委細」から来ていて、「詳しく」以外に「確かに」。
(ヤマー)
如何しぬんぬくそいそいすたが
ちゃーし ぬんぬんく そいそい すたが
chaashi nuNnukusoisoi sutaga
○どんなふうに「ぬんぬくそいそい」したのか?
(マチャー)
香ばさ匂い高さ丁子の匂い鼻はんちゃー闇夜光らする黄金の御ジーファー絹衣あからふたら着みそち 笠小かんとて面顔隠ちょて男の手取て女の袖ひち委細にいちゃとてぬんぬくそいそい
かばさにうぃだかさ ちょーじぬにうぃはなはんちゃー やみゆふぃちゃらする くがにぬ みじーふぁー 'いとぅじん あから ふたらちみそち かさぐゎかんとてぃ 'うむかうかくちょてぃ いきがぬてぃーとぅてぃ いなぐぬすでぃふぃち 'いせーに'いちゃとてぃ ぬんぬくそいそい
kabasa niwidakasa chooji nu niwi hana haNchaa yamiyu hwikarasuru kugani nu mijiihwaa 'itujiN 'akra hutarachimisochi kasagwa kaNtoti 'umukau kakuchoti yikiga nu tii tuti yinagu nu sudi hwichi 'isee ni 'ichatoti nuNnukusoisoi
○香り、匂い高く、丁子(香料)の匂い鼻について 闇夜を照らす黄金のかんざし 絹の衣派手にお着になられて 笠をかぶって顔を隠していて男の手を取り女の袖を引き確かに出逢って「ぬんぬくそいそい」
語句・ちょーじ 蕾から香辛料を取る。クローブ。・いとぅじん 絹の着物。<いとぅ 絹。(糸は'iichuu)。+ちん 着物。連濁で「じん」。 ライナーノーツには「ちぬじん」をあるが間違い。・あからふたら 辞書には「あからくゎーら」があり、「派手なけばけばしい様」とある。
(ヤマー)
黄金の御ジーファー差ち絹衣うち重に重び確かに変わらんうみないびの前御城うち居て自由ならんち城の下や語れ所
くがにぬみじーふぁーさち 'いとぅじん 'うちかさにかさび たしかにかわらん 'うみないびぬめー 'うぐしく'うちうてぃ じゆねーならんち ぐしくぬしちゃや かたれーどぅくる
kugani mijiihwaa sachi 'itujiN 'uchikasanikasabi tashikani kawaraN 'uminaibi nu mee 'ugushiku 'uchiuti jiyu nee naraNchi gushiku nu shicha ya kataree dukuru
○黄金のかんざしをさして絹の衣を幾重にも重ねて、確かにまったく王女様 お城に居て自由にならないといって城の下が逢瀬の場所
語句・うみないび <うみない 士族語で「兄[弟]に対する妹[姉]」(琉)。+び(「複数語尾で敬称」(琉) で「王女さま」。・かたれーどぅくる 「かたれー」は沖縄語辞典には「仲間となること」「男女の一緒になる約束」とあり、「語らう」に対応する語句だが「-kata(味方)との連想もある」(沖)とある。つまり、単に「お話」場所ではなく「男女の契り」を深める場所。
(ヤマー&マチャー)
でぃーひゃー我達んぬんぬくそいそい そいそいそいそい ぬんぬくそいそい
でぃーひゃー わったーん ぬんぬくそいそい そいそいそいそい ぬんぬくそいそい
dii hyaa wattaaN nuNnukusoisoi soisoisoisoi nuNnukusoisoi
○さあ、お前、私たちも「ぬんぬくそいそい・・・」
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2009年04月09日
久場山越地
久場山越地
くばやまくいち
kubayamakuichi
語句・くばやまくいち 八重山民謡「久場山越路節」(大浜英普[1775-1843]作)の曲をもとにしたのでこの名前がある。「久場山越路の峠は、昔の桃里村と野底村の間にあって、曲がりくねって登るので、八重山の峠の中で最も険しい山道といわれている」(「島うた紀行」仲宗根幸市編著より)。いうまでもないが桃里村、野底村は石垣島の村。
作詞 小浜守栄
一、(女)布ぬ袖取やい 我がゆ知りなぎな 如何ならわんとぅ思てぃ捨てぃてぃいめんな よう里前
んすぬすでぃとぅやい わがゆしりなぎな ちゃならわんとぅむてぃしてぃてぃ'いめんな よーさとぅめ
Nsu nu sudi tuyai waga yu shirinagina cha narawaN tumuti shititi 'imeNna yoo satume
○お着物の袖を取ったりする私を知りながら どうにもならないと思って捨ててお行きにならないで ねえ貴方
語句・んす着物。「①着物(ciN)の敬語。お召し物。みそ(御衣)。②ciirukabi(正月などに祭壇と火の神の前に供える黄色の紙)のことをいうときがある」(沖)。「布」という当て字があるが「お着物」ぐらいが適当。 「・なぎな<なぎーな ・・ながら。・いめんな <いめーん 「居る・行く・来るの敬語」(琉)。 否定の命令形。「お行きにならないで」
二、(男)うぬ肝やあらん むしか他所知りてぃ 世間口しばに かからちゃすが よう無蔵よ
'うぬちむや'あらん むしかゆすしりてぃ しきんくちしばにかからちゃすが よーんぞよ
'unu chimu ya 'araN mushika yusu shiriti shikiN kuchishiba ni kakara chasuga yoo Nzo yo
○そんなつもりではない もしも他人が知って世間の噂にでもなればどうする? なあお前
語句・うぬちむやあらん そんなつもりではない。・むしか もしか。もしも。 ・くちしば 噂。「[口唇]噂。~-shiba ni kakajun 世間の噂にのぼる。」(琉)。
三、(女)女身ぬなれぬ義理恥ん捨てぃてぃ焦がりゆる肝や里や知らに よう里前
うぃきがみぬなれぬじりはじんしてぃてぃ くがりゆるちむやさとぅやしらに よーさとぅめ
wikiga mi nu nare nu jirihajiN shititi kugariyuru chimu ya satu ya shirani yoo satume
○女身の習わしである義理や恥も捨てて焦がれる心を貴方は知らないの? ねえ貴方
。なれ <なれー。 習わし。習慣。
四(男)嵐声ぬあてぃん 靡くなよ胸内ぬ契り 他所に知らすなよ よう無蔵よ
'あらしぐぃぬ'あてぃんなびくなよ んにうちぬちじり ゆすにしらすなよ よーんぞよ
'arashigwi nu 'atiN nabikuna yo Nni 'uchi nu chijiri yusuni shirasuna yo yoo Nzo yoo
○悪い知らせがあっても(心)なびくなよ 胸内の契りを他人に知らせるなよ なあお前
語句・あらしぐぃ<あらしぐぃー 'arashigwii 「不幸な知らせ。死んだという知らせなど」しかし、ここでは「不幸な」ではピンとこない。「あらし」には「嵐。おとなの使う語」(沖)ともある。周囲からのいろいろな「声」を「嵐」にたとえているとも考えられる。
五、(男女)二人が真心ん あだになちなゆみ 変わるなよ互に幾世迄ん よう無蔵よ よう 里前
たいがまぐくるん 'あだになちなゆみ かわるなよ たげに'いくゆまでぃん よーんぞよ よーさとぅめ
tai ga magukuruN 'adani nachi nayumi kawaruna yo tage ni 'ikuyu madiN yoo Nzo yoo yoo satume
○二人の真心も無駄にしてはなるまい 変わるなよ互いに幾世までも なあお前 ねえあなた
語句・なちなゆみ <なしゅん ・・にする。・・してしまう。+ なゆん ・・なる。→なゆみ 疑問。なるか?そして「反語」を含んでいるので「なるか?」「ならない」→「なるまい」と訳す。
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くばやまくいち
kubayamakuichi
語句・くばやまくいち 八重山民謡「久場山越路節」(大浜英普[1775-1843]作)の曲をもとにしたのでこの名前がある。「久場山越路の峠は、昔の桃里村と野底村の間にあって、曲がりくねって登るので、八重山の峠の中で最も険しい山道といわれている」(「島うた紀行」仲宗根幸市編著より)。いうまでもないが桃里村、野底村は石垣島の村。
作詞 小浜守栄
一、(女)布ぬ袖取やい 我がゆ知りなぎな 如何ならわんとぅ思てぃ捨てぃてぃいめんな よう里前
んすぬすでぃとぅやい わがゆしりなぎな ちゃならわんとぅむてぃしてぃてぃ'いめんな よーさとぅめ
Nsu nu sudi tuyai waga yu shirinagina cha narawaN tumuti shititi 'imeNna yoo satume
○お着物の袖を取ったりする私を知りながら どうにもならないと思って捨ててお行きにならないで ねえ貴方
語句・んす着物。「①着物(ciN)の敬語。お召し物。みそ(御衣)。②ciirukabi(正月などに祭壇と火の神の前に供える黄色の紙)のことをいうときがある」(沖)。「布」という当て字があるが「お着物」ぐらいが適当。 「・なぎな<なぎーな ・・ながら。・いめんな <いめーん 「居る・行く・来るの敬語」(琉)。 否定の命令形。「お行きにならないで」
二、(男)うぬ肝やあらん むしか他所知りてぃ 世間口しばに かからちゃすが よう無蔵よ
'うぬちむや'あらん むしかゆすしりてぃ しきんくちしばにかからちゃすが よーんぞよ
'unu chimu ya 'araN mushika yusu shiriti shikiN kuchishiba ni kakara chasuga yoo Nzo yo
○そんなつもりではない もしも他人が知って世間の噂にでもなればどうする? なあお前
語句・うぬちむやあらん そんなつもりではない。・むしか もしか。もしも。 ・くちしば 噂。「[口唇]噂。~-shiba ni kakajun 世間の噂にのぼる。」(琉)。
三、(女)女身ぬなれぬ義理恥ん捨てぃてぃ焦がりゆる肝や里や知らに よう里前
うぃきがみぬなれぬじりはじんしてぃてぃ くがりゆるちむやさとぅやしらに よーさとぅめ
wikiga mi nu nare nu jirihajiN shititi kugariyuru chimu ya satu ya shirani yoo satume
○女身の習わしである義理や恥も捨てて焦がれる心を貴方は知らないの? ねえ貴方
。なれ <なれー。 習わし。習慣。
四(男)嵐声ぬあてぃん 靡くなよ胸内ぬ契り 他所に知らすなよ よう無蔵よ
'あらしぐぃぬ'あてぃんなびくなよ んにうちぬちじり ゆすにしらすなよ よーんぞよ
'arashigwi nu 'atiN nabikuna yo Nni 'uchi nu chijiri yusuni shirasuna yo yoo Nzo yoo
○悪い知らせがあっても(心)なびくなよ 胸内の契りを他人に知らせるなよ なあお前
語句・あらしぐぃ<あらしぐぃー 'arashigwii 「不幸な知らせ。死んだという知らせなど」しかし、ここでは「不幸な」ではピンとこない。「あらし」には「嵐。おとなの使う語」(沖)ともある。周囲からのいろいろな「声」を「嵐」にたとえているとも考えられる。
五、(男女)二人が真心ん あだになちなゆみ 変わるなよ互に幾世迄ん よう無蔵よ よう 里前
たいがまぐくるん 'あだになちなゆみ かわるなよ たげに'いくゆまでぃん よーんぞよ よーさとぅめ
tai ga magukuruN 'adani nachi nayumi kawaruna yo tage ni 'ikuyu madiN yoo Nzo yoo yoo satume
○二人の真心も無駄にしてはなるまい 変わるなよ互いに幾世までも なあお前 ねえあなた
語句・なちなゆみ <なしゅん ・・にする。・・してしまう。+ なゆん ・・なる。→なゆみ 疑問。なるか?そして「反語」を含んでいるので「なるか?」「ならない」→「なるまい」と訳す。
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2009年03月22日
桃売アン小
桃売アン小
むむ'うい'あんぐゎ
mumu 'ui 'aNgwa
○桃売りねえさん
語句・あんぐゎ 「①姉、姉さん②姐(ねえ)さん〔平民の若い女性〕」(琉)。
一、(女)桃売やい我んね サユン布買うてえくとぅ 此りし着物縫やーい かなしアヒ小に我ね着しゆん
むむ'うやいわんね さゆんぬぬこーてーくとぅ くり(っ)しちんのーやい かなし'あふぃぐゎにわねくしゆん
mumu 'uyai waNne sayuN nunu kootee kutu kuri(s)shi chiN nooyai kanashi 'ahwigwa ni wane kushiyuN
○桃を売って私はサユン布買ってあるので これで着物を縫って 愛しい兄さんにわたしは着せるの
語句 ・うやい 売って。<うゆん 売る う + やい ・・して。 ・さゆん 「sayumi【貲布:サヨミ、サイミ〔ヨミは機[はた]の筬[おさ]の目数〕】織り上げてまだ水通ししていない布。〔sayunとも〕」(琉)。 ちなみに貲布(さよみ)とは国語辞典では「〔「狭読(さよみ)」の意〕カラムシの繊維で細かく織った布。奈良時代に調(ちよう)として上納された。のちには粗く織った麻布をいう。さいみ。さゆみ。さよみのぬの。」ともある。・こーてー 買ってある。 買った。<こーゆん 買う。 ・くとぅ ・・なので。・くりっし これで。これを使って。<くり これ。+っし ・・で。・・を使って。歌の中では「っ」を省略して歌われている。したがって括弧をつけた。・のーやい 縫って。<のーゆん 縫う。 + やい ・・して。 ・あふぃぐゎ 平民の兄、兄さん。ちなみに士族は「やっちー」。・くしゆん 着せる。ちなみに「着る」は ちゆん。
二、(女)此りし着物縫やい着りぬ余ゆくとぅ 我身ぬ着物ぬ袖に付きてぃ我ね着ゆん此ぬ着りや
くり(っ)しちんのーやいちるぬ'あまゆくとぅ わみぬちんぬすでぃにちきてぃわねちゆん くぬちりや
ku(s)shi chiN nooyai chiri nu 'amayukutu wami nu chiN nu sudi ni chikiti wane chiyuN kunu chiri ya
○これで着物を縫って切れ端が余るので 私の着物の袖に付けて私はこれを着るわ この切れ端を
語句・ちり 布の切れ端。「ゴミ」といういう意味もある。・や をば。
三、(男)着物どぅ洗ゆるい 布どぅ晒するい 水や我が汲むさ 疲てや居らに イェー無蔵よ
ちんどぅ'あらゆるい ぬぬどぅさらするい みじやわがくむさ うたてぃやうらに 'えーんぞよ
chiN du 'arayuru i nini du sarasaru i miji ya waga kumu sa utati ya urani 'ee Nzo yo
○着物洗うよね 布晒すよね (その)水は私が汲むよ 疲れてはいないかい? なあお前
語句・あらゆるい 洗うよね? <あらゆん 洗う。 前の「どぅ」との係り結びで連体形「あらゆる」 +い 疑問。 ・さらするい 晒すよね?同左。・うたてぃ 疲れて。 <うたゆん 疲れる。
四、(女)此りし着物縫やーいアヒ小に着しゆくとぅ今からぬ後や他所とぅ毛遊びすなようやー
くり(っ)しちんのーやい 'あふぃぐゎにくしゆくとぅ なまからぬ'あとぅやゆすとぅもー'あしびすなよーやー
kuri(s)shi chiN nooyai ahwigwa ni kushiyu kutu nama kara nu 'atu ya yusu tu moo'ashibi suna yoo yaa
○これで着物縫って兄さんに着せるから今後他所の人と毛遊びしないでね
五、(男)誠真実ぬ形見どぅんやりば今からぬ後や他所とぅ毛遊び我ねすんなあ
まくとぅしんじちぬかたみどぅんやりば なまからぬ'あとぅやゆすとぅもー'あしびわねすんなー
makutu shiNjichi nu katami duN yariba nama kara nu 'atu ya yusu tu moo'ashibi wane suN naa
○誠真実の(愛の)形見なのであるから 今後他所の人と毛遊びを私がするものか
語句・かたみ 男女の契りとして交わす記念品 ・すんなー するものか?するか?<すん する。+なー 軽い疑問。
六、(女)云ちゃんどうやイェーあひ小(男)変わるなよ互に(男女)親に云ち二人や夫婦にならな我っ達二人
'いちゃんどーや'えー'あふぃぐゎ かわるなよたげに 'うやに'いちたいやみーとぅにならな わったーたい
'ichaN doo ya 'ee 'ahwigwa kawaruna yo tage ni 'uya ni 'ichi tai ya miitu narana wattaa tai
○言ったわね ねえ兄さん 変わるなよ互いに 親に話して二人は夫婦になろうね 私たち二人
語句・いちゃん 言った。<ゆん 言う。
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むむ'うい'あんぐゎ
mumu 'ui 'aNgwa
○桃売りねえさん
語句・あんぐゎ 「①姉、姉さん②姐(ねえ)さん〔平民の若い女性〕」(琉)。
一、(女)桃売やい我んね サユン布買うてえくとぅ 此りし着物縫やーい かなしアヒ小に我ね着しゆん
むむ'うやいわんね さゆんぬぬこーてーくとぅ くり(っ)しちんのーやい かなし'あふぃぐゎにわねくしゆん
mumu 'uyai waNne sayuN nunu kootee kutu kuri(s)shi chiN nooyai kanashi 'ahwigwa ni wane kushiyuN
○桃を売って私はサユン布買ってあるので これで着物を縫って 愛しい兄さんにわたしは着せるの
語句 ・うやい 売って。<うゆん 売る う + やい ・・して。 ・さゆん 「sayumi【貲布:サヨミ、サイミ〔ヨミは機[はた]の筬[おさ]の目数〕】織り上げてまだ水通ししていない布。〔sayunとも〕」(琉)。 ちなみに貲布(さよみ)とは国語辞典では「〔「狭読(さよみ)」の意〕カラムシの繊維で細かく織った布。奈良時代に調(ちよう)として上納された。のちには粗く織った麻布をいう。さいみ。さゆみ。さよみのぬの。」ともある。・こーてー 買ってある。 買った。<こーゆん 買う。 ・くとぅ ・・なので。・くりっし これで。これを使って。<くり これ。+っし ・・で。・・を使って。歌の中では「っ」を省略して歌われている。したがって括弧をつけた。・のーやい 縫って。<のーゆん 縫う。 + やい ・・して。 ・あふぃぐゎ 平民の兄、兄さん。ちなみに士族は「やっちー」。・くしゆん 着せる。ちなみに「着る」は ちゆん。
二、(女)此りし着物縫やい着りぬ余ゆくとぅ 我身ぬ着物ぬ袖に付きてぃ我ね着ゆん此ぬ着りや
くり(っ)しちんのーやいちるぬ'あまゆくとぅ わみぬちんぬすでぃにちきてぃわねちゆん くぬちりや
ku(s)shi chiN nooyai chiri nu 'amayukutu wami nu chiN nu sudi ni chikiti wane chiyuN kunu chiri ya
○これで着物を縫って切れ端が余るので 私の着物の袖に付けて私はこれを着るわ この切れ端を
語句・ちり 布の切れ端。「ゴミ」といういう意味もある。・や をば。
三、(男)着物どぅ洗ゆるい 布どぅ晒するい 水や我が汲むさ 疲てや居らに イェー無蔵よ
ちんどぅ'あらゆるい ぬぬどぅさらするい みじやわがくむさ うたてぃやうらに 'えーんぞよ
chiN du 'arayuru i nini du sarasaru i miji ya waga kumu sa utati ya urani 'ee Nzo yo
○着物洗うよね 布晒すよね (その)水は私が汲むよ 疲れてはいないかい? なあお前
語句・あらゆるい 洗うよね? <あらゆん 洗う。 前の「どぅ」との係り結びで連体形「あらゆる」 +い 疑問。 ・さらするい 晒すよね?同左。・うたてぃ 疲れて。 <うたゆん 疲れる。
四、(女)此りし着物縫やーいアヒ小に着しゆくとぅ今からぬ後や他所とぅ毛遊びすなようやー
くり(っ)しちんのーやい 'あふぃぐゎにくしゆくとぅ なまからぬ'あとぅやゆすとぅもー'あしびすなよーやー
kuri(s)shi chiN nooyai ahwigwa ni kushiyu kutu nama kara nu 'atu ya yusu tu moo'ashibi suna yoo yaa
○これで着物縫って兄さんに着せるから今後他所の人と毛遊びしないでね
五、(男)誠真実ぬ形見どぅんやりば今からぬ後や他所とぅ毛遊び我ねすんなあ
まくとぅしんじちぬかたみどぅんやりば なまからぬ'あとぅやゆすとぅもー'あしびわねすんなー
makutu shiNjichi nu katami duN yariba nama kara nu 'atu ya yusu tu moo'ashibi wane suN naa
○誠真実の(愛の)形見なのであるから 今後他所の人と毛遊びを私がするものか
語句・かたみ 男女の契りとして交わす記念品 ・すんなー するものか?するか?<すん する。+なー 軽い疑問。
六、(女)云ちゃんどうやイェーあひ小(男)変わるなよ互に(男女)親に云ち二人や夫婦にならな我っ達二人
'いちゃんどーや'えー'あふぃぐゎ かわるなよたげに 'うやに'いちたいやみーとぅにならな わったーたい
'ichaN doo ya 'ee 'ahwigwa kawaruna yo tage ni 'uya ni 'ichi tai ya miitu narana wattaa tai
○言ったわね ねえ兄さん 変わるなよ互いに 親に話して二人は夫婦になろうね 私たち二人
語句・いちゃん 言った。<ゆん 言う。
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2009年03月19日
嘆きの梅
嘆きの梅
[なげきのうめ]
※題名は大和口。
作詞・作曲 知名定繁
一、鶯の留守に(ヨー)情無ん梅の あねる夜烏に宿ゆからち (あんなてぃいちゅしんたゆいが)
'うぐいしぬるすに なさきねん'んみぬ 'あねるゆがらしにやどぅゆからち('あんなてぃ'いちゅしんたゆいが)
'uguishi nu rusu ni nasaki neN 'Nmi nu 'aneru yugarashi ni yadu yu karachi ('aNnati 'ichushiN taa yui ga)
○鶯の留守に情けない梅が あんな夜カラスに宿を借して (あんなふうになっていったのも誰のせいか?)
※()は以下略。
語句・あねる あのような(悪い意味につかわれる)。・からち 貸して。 <からしゅん 貸す。連用形 ・いちゅしん <いちゅん 行く。 下略形 いちゅ +し 「・・の」 + ん も。→行ったのも
二、昔聞き馴れし鶯の鳴き声 紅葉になれば聞きんならぬ(かんなてぃいちゅしんたゆいが)
んかしちちなりし'うぐいしぬなちぐぃ むみじばになりばちちんならん(かんなてぃ'いちゅしんたーゆいが)
Nkashi chichi narishi 'uguishi nu nachigwi mumijiba ni nariba chichiN naraN(kaNnati 'ichushiN taa yui ga)
○昔聞き馴れた鶯の鳴き声 落ち葉になったので聞くことができない(こんなになっていってしまったのも誰のせいか?)
語句・むみじ 「紅葉〔沖縄では紅葉する木は(櫨[はぜ]以外には)ほとんど無い〕;落葉;〔比喩的に〕落命。」(琉)。ここでは梅が主題なので「紅葉」ではなく「梅の落葉」とする。
三、梅と鶯やあかぬ縁やしが 与所肝に迷て馴れていちゅみ(あんなてぃいちゅしんたゆいが)
'んみとぅ'うぐいしや'あかんいんやしが ゆすちむにまゆてぃなりてぃ'いちゅみ('あんなてぃ'いちゅしんたゆいが)
'Nmi tu 'uguishi ya 'akaN yiN yashiga yusuchimu ni mayuti nariti 'ichumi('aNnati 'ichushiN taa yui ga)
○梅と鶯は離れない縁であるが 他人の心に迷って(その人に)なれていくのだろうか(あんなふうになっていったのも誰のせいか?)
語句・あかん 飽きない。 <あちゅん 飽きる。「飽きる」には「あちゃがゆん」(時期が去る。飽きが来る。)「あちはてぃゆん」(飽きはてる->飽きる)などがある。「あかん」は「あちゅん」の否定形。・いちゅみ いくのか?<いちゅん 下略形 いちゅ +み 「一般疑問文の文末の動詞・形容詞の語末にみられる形」
四、しばし慰めに夜烏に迷て 後や肝くやで泣ちゅる苦りしゃ(かんなてぃいちゅしんたゆいが)
しばしなぐさみに ゆがらしにまゆてぃ 'あとぅやちむくやでぃ なちゅるくりしゃ(かんなてぃ'いちゅしんたーゆいが)
shibashi nagusami ni yugarashi ni mayuti 'atu ya chimu kuyadi nachuru kurisha(kaNnati 'ichushiN taa yui ga)
○しばしの慰めに夜カラスに(心)迷って 今後は心悔やんで泣くのはなんと苦しいことよ!(こんなになっていってしまったのも誰のせいか?)
語句・しばし 「しばし。しばらくの間」(沖)。
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[なげきのうめ]
※題名は大和口。
作詞・作曲 知名定繁
一、鶯の留守に(ヨー)情無ん梅の あねる夜烏に宿ゆからち (あんなてぃいちゅしんたゆいが)
'うぐいしぬるすに なさきねん'んみぬ 'あねるゆがらしにやどぅゆからち('あんなてぃ'いちゅしんたゆいが)
'uguishi nu rusu ni nasaki neN 'Nmi nu 'aneru yugarashi ni yadu yu karachi ('aNnati 'ichushiN taa yui ga)
○鶯の留守に情けない梅が あんな夜カラスに宿を借して (あんなふうになっていったのも誰のせいか?)
※()は以下略。
語句・あねる あのような(悪い意味につかわれる)。・からち 貸して。 <からしゅん 貸す。連用形 ・いちゅしん <いちゅん 行く。 下略形 いちゅ +し 「・・の」 + ん も。→行ったのも
二、昔聞き馴れし鶯の鳴き声 紅葉になれば聞きんならぬ(かんなてぃいちゅしんたゆいが)
んかしちちなりし'うぐいしぬなちぐぃ むみじばになりばちちんならん(かんなてぃ'いちゅしんたーゆいが)
Nkashi chichi narishi 'uguishi nu nachigwi mumijiba ni nariba chichiN naraN(kaNnati 'ichushiN taa yui ga)
○昔聞き馴れた鶯の鳴き声 落ち葉になったので聞くことができない(こんなになっていってしまったのも誰のせいか?)
語句・むみじ 「紅葉〔沖縄では紅葉する木は(櫨[はぜ]以外には)ほとんど無い〕;落葉;〔比喩的に〕落命。」(琉)。ここでは梅が主題なので「紅葉」ではなく「梅の落葉」とする。
三、梅と鶯やあかぬ縁やしが 与所肝に迷て馴れていちゅみ(あんなてぃいちゅしんたゆいが)
'んみとぅ'うぐいしや'あかんいんやしが ゆすちむにまゆてぃなりてぃ'いちゅみ('あんなてぃ'いちゅしんたゆいが)
'Nmi tu 'uguishi ya 'akaN yiN yashiga yusuchimu ni mayuti nariti 'ichumi('aNnati 'ichushiN taa yui ga)
○梅と鶯は離れない縁であるが 他人の心に迷って(その人に)なれていくのだろうか(あんなふうになっていったのも誰のせいか?)
語句・あかん 飽きない。 <あちゅん 飽きる。「飽きる」には「あちゃがゆん」(時期が去る。飽きが来る。)「あちはてぃゆん」(飽きはてる->飽きる)などがある。「あかん」は「あちゅん」の否定形。・いちゅみ いくのか?<いちゅん 下略形 いちゅ +み 「一般疑問文の文末の動詞・形容詞の語末にみられる形」
四、しばし慰めに夜烏に迷て 後や肝くやで泣ちゅる苦りしゃ(かんなてぃいちゅしんたゆいが)
しばしなぐさみに ゆがらしにまゆてぃ 'あとぅやちむくやでぃ なちゅるくりしゃ(かんなてぃ'いちゅしんたーゆいが)
shibashi nagusami ni yugarashi ni mayuti 'atu ya chimu kuyadi nachuru kurisha(kaNnati 'ichushiN taa yui ga)
○しばしの慰めに夜カラスに(心)迷って 今後は心悔やんで泣くのはなんと苦しいことよ!(こんなになっていってしまったのも誰のせいか?)
語句・しばし 「しばし。しばらくの間」(沖)。
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2009年03月13日
九年母木節 2
九年母木節
くぬぶんぎぶし
kunubuNgu bushi
語句・くぬぶんぎ 意味については「九年母木節」参照。
(歌詞 「ジルー」参考。 歌三線 嘉手苅林昌 筆者聞き取り)
一、九年母木ぬ下をてぃ(ヨ スーリ) 布巻ちゅる女 あっちぇーひゃー あんし美らさぬ ひゃー 今帰仁御神ぬ妹ぬぐとぅさ
くぬぶんぎぬしちゃうてぃぬぬまちゅるうぃなぐ 'あっちぇーひゃー 'あんしちゅらさぬひゃー なきじんぬ'うかみぬ'うっとぅぬぐとぅさ
kunubuNgi nu shicha uti nunu machuru winagu 'acchehyaa 'aNshi churasanu hyaa nakijiN 'ukami nu 'uttu nu gutu sa
○九年母木の下で布巻いている女 なんとまあ あんなに美人だ!今帰仁御神の妹のようだね!
語句・あっちぇーひゃー 辞書にはないが感嘆語であろう。「あきよ」「あきさみよ」と同じ。・なきじんうかみ 「九年母木節」参照。
二、カミジャー島をてや(ヨ スーリ)したたかあまちゃる あんまくやしが やがいひゃー ありねー惚りゆらや
かみじゃーしまうてぃや したたか'あまちゃる'あんまくやしが やがいひゃー 'ありねーふりゆらや
kamijaa shima uti shitataka 'amacharu 'aNmaku yashiga yagai hyaa 'arinee huriyura
○カミジャー(名前)村ではよ 非常に暴れている、きかん坊であるが お前はあの女に惚れるだろうね
語句・カミジャー「kamizjuu 【亀千代】士族の男子(または女子)名。〔平民ではkamizjaa〕」(琉)。つまり平民の名前。ここでは男子名。 ・したたか 「したたか。ひどく。非常に」(琉)。 ・あまちゃる <あまちゅん。あばれる。・あんまく 暴れん坊。
三、いえーカミジャーひーあぬ女に(ヨ スーリ)惚りらん男や奥武山ぬ(スーリ)ヒグどぅやんてぃんど ・・・・
'えーかみじゃーひー 'あぬうぃなぐに ふりらんうぃきがや 'おーむやまぬふぃぐどぅやんてぃんど
'ee kamijaa hii 'anu winagu ni huriraN wikiga ya 'oomuyama nu hwigu du yaNtiN doo
○おい カミジャーよ あの女に惚れない男は奥武山のヘゴしかいないぞ
四、恋ぬ手始みや(ヨ スーリ)意地どぅかなみ んでぃちあるむん ちゃーならわん でぃ先じしかきてぃんだ 一番初みや 我んからしかきら
くいぬてぃはじみや'いじどぅかなみ んでぃち'あるむん ちゃーならわん でぃまじしかきんだ 'いちばんはじみや わんからしかきら
kui nu tihajimi ya 'iji du kanami Ndichi 'arumuN chaa narawaN di maji shikaki Nda 'ichibaN hajimi ya waN kara shikakira
○恋の手始めは勇気が大事っていうじゃないか どうなろうとも さあまず仕掛けてみよう 一番初めは俺から仕掛けよう
語句・いじ 「勇気。意地。意気地。元気。」「怒り。怒気」(沖)。 ここでは勇気。・かなみ 「交際上のかなめとなる点。すなわち挨拶。また交際上のかんどころ」(沖)。つまり直訳すれば「勇気が挨拶」となる。ここでは軽く「勇気が大事」くらいにしておく。・んでぃち ・・と云って。<んでぃ ・・と。+いち 云って。・ちゃーならわん 如何になろうとも。 <ちゃー 如何に。+ならわ なると。+ん も。・でぃ さあ。・しかきんだ <しかきゆん 仕掛ける。+ んだ どれ。
五、初みてぃどやしが(スーリ) 年幾ちなゆが(スーリ)十七、八やらや 我んね三十
はじみてぃどぅやしが とぅし'いくちなゆが じゅうしちはちやゆら わんねさんじゅー
hajimiti du yashiga tushi 'ikuchi nayuga juushichi hachi yayura waNne sanjuu
○はじめまして!年は幾つになるの?十七、八だろうか?私は三十
語句・はじみてぃどぅやしが 直訳では「初めてなのであるが」。初めて会った目下への挨拶言葉。
六、やれー何やが やなふーじゃー小や(ヨ スーリ) うまうてぃ やーてーふぃーてーしーねー(スーリ)仕事んならん ・・・・ (・・・は聞き取り不能)
やれーぬーやが やなふーじゃーぐゎや んまうてぃ やーてーふぃーてーしーねー しぐとぅんならん
yaree nuuyaga yana huujaa gwa ya 'Nma uti yaateehwiitee shiinee shigutuN naraN
○そうだから何なの?いやな感じの人だわ そこにいて ああだこうだいわれたら仕事にならないわ
語句 ・やれー そうだから。 <や<やん そう。 +れー<り+ば ・やな嫌な。・ふーじゃー かんじの人。「ふーじ」は「風習。流儀;風采、様子」(琉)。ここでは「様子」。「やな」がついて、さらに人格化する「aa」がついて「嫌な感じの人」 ・んま そこ。・やーてーふぃーてー 「ああだ、こうだ」(「よーてーふぃーてー」ともいうようだ。このへんは「新宮古節」参照。)
七、ゆむふーじやねらん(ヨ スーリ)汝やあんしどぅ しかきーくゎいるい (スーリ)我がどぅなゆる
ゆむふーじやねらん 'やーや'あんしどぅ しかきーくゎるい わーがどぅなゆる
yumu huuji ya neraN 'yaa ya 'aNshi du shikakii kuwa ru i waa ga du nayuru
○変な人じゃない お前があんなふうに仕掛けやがるからだぞ 俺がやるよ
語句・ゆむ 変な。嫌な。・くわるい ・・しやがるからだよ おい。<くわゆん 接尾語で「・・しやがる」+る=どぅ +い おい。
八、初みてぃやアバ小(ヨ スーリ)汝や 我妻なてぃとらし(ヨ スーリ)しぐ合点やらや
はじみてぃや'あばぐゎ 'やーや わんとぅじなてぃとぅらっし しぐがってぃんやらや
hajimiti ya 'abagwa 'yaa ya waNtuji natiturasshi shigu gattiN yaraya
○はじめまして ねえさん お前、俺の妻になってくれ すぐ承知するよね?
語句・とぅらっし <とぅらしゅん 「与える。・・(して)やる。・・(して)おくれよ」(琉)。・しぐ すぐ。・がってぃん 承諾する。
九、云ちん聞かん やなふじゃー小(ヨ スーリ)うまうてぃ じゃーひぇー てぃーひぇーしーくゎってぃ (スーリ)仕事んならん
'いちんちかん やなふーじーぐゎ 'んまうてぃ じゃーひぇー てぃーひぇー しーくゎってぃ しぐとぅんならん
'ichiN chikaN yana huujiigwa 'Nma uti jaahyee tiihyee shiikuwatti shigutuN naraN
○云っても聞かん嫌な感じの人 そこにいて なんじゃかんじゃと云いやがって 仕事にもならん!
語句・じゃーひぇー てぃーひぇー 辞書にはないが上の「やーてーふぃーてー」と同類語だろう。
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くぬぶんぎぶし
kunubuNgu bushi
語句・くぬぶんぎ 意味については「九年母木節」参照。
(歌詞 「ジルー」参考。 歌三線 嘉手苅林昌 筆者聞き取り)
一、九年母木ぬ下をてぃ(ヨ スーリ) 布巻ちゅる女 あっちぇーひゃー あんし美らさぬ ひゃー 今帰仁御神ぬ妹ぬぐとぅさ
くぬぶんぎぬしちゃうてぃぬぬまちゅるうぃなぐ 'あっちぇーひゃー 'あんしちゅらさぬひゃー なきじんぬ'うかみぬ'うっとぅぬぐとぅさ
kunubuNgi nu shicha uti nunu machuru winagu 'acchehyaa 'aNshi churasanu hyaa nakijiN 'ukami nu 'uttu nu gutu sa
○九年母木の下で布巻いている女 なんとまあ あんなに美人だ!今帰仁御神の妹のようだね!
語句・あっちぇーひゃー 辞書にはないが感嘆語であろう。「あきよ」「あきさみよ」と同じ。・なきじんうかみ 「九年母木節」参照。
二、カミジャー島をてや(ヨ スーリ)したたかあまちゃる あんまくやしが やがいひゃー ありねー惚りゆらや
かみじゃーしまうてぃや したたか'あまちゃる'あんまくやしが やがいひゃー 'ありねーふりゆらや
kamijaa shima uti shitataka 'amacharu 'aNmaku yashiga yagai hyaa 'arinee huriyura
○カミジャー(名前)村ではよ 非常に暴れている、きかん坊であるが お前はあの女に惚れるだろうね
語句・カミジャー「kamizjuu 【亀千代】士族の男子(または女子)名。〔平民ではkamizjaa〕」(琉)。つまり平民の名前。ここでは男子名。 ・したたか 「したたか。ひどく。非常に」(琉)。 ・あまちゃる <あまちゅん。あばれる。・あんまく 暴れん坊。
三、いえーカミジャーひーあぬ女に(ヨ スーリ)惚りらん男や奥武山ぬ(スーリ)ヒグどぅやんてぃんど ・・・・
'えーかみじゃーひー 'あぬうぃなぐに ふりらんうぃきがや 'おーむやまぬふぃぐどぅやんてぃんど
'ee kamijaa hii 'anu winagu ni huriraN wikiga ya 'oomuyama nu hwigu du yaNtiN doo
○おい カミジャーよ あの女に惚れない男は奥武山のヘゴしかいないぞ
四、恋ぬ手始みや(ヨ スーリ)意地どぅかなみ んでぃちあるむん ちゃーならわん でぃ先じしかきてぃんだ 一番初みや 我んからしかきら
くいぬてぃはじみや'いじどぅかなみ んでぃち'あるむん ちゃーならわん でぃまじしかきんだ 'いちばんはじみや わんからしかきら
kui nu tihajimi ya 'iji du kanami Ndichi 'arumuN chaa narawaN di maji shikaki Nda 'ichibaN hajimi ya waN kara shikakira
○恋の手始めは勇気が大事っていうじゃないか どうなろうとも さあまず仕掛けてみよう 一番初めは俺から仕掛けよう
語句・いじ 「勇気。意地。意気地。元気。」「怒り。怒気」(沖)。 ここでは勇気。・かなみ 「交際上のかなめとなる点。すなわち挨拶。また交際上のかんどころ」(沖)。つまり直訳すれば「勇気が挨拶」となる。ここでは軽く「勇気が大事」くらいにしておく。・んでぃち ・・と云って。<んでぃ ・・と。+いち 云って。・ちゃーならわん 如何になろうとも。 <ちゃー 如何に。+ならわ なると。+ん も。・でぃ さあ。・しかきんだ <しかきゆん 仕掛ける。+ んだ どれ。
五、初みてぃどやしが(スーリ) 年幾ちなゆが(スーリ)十七、八やらや 我んね三十
はじみてぃどぅやしが とぅし'いくちなゆが じゅうしちはちやゆら わんねさんじゅー
hajimiti du yashiga tushi 'ikuchi nayuga juushichi hachi yayura waNne sanjuu
○はじめまして!年は幾つになるの?十七、八だろうか?私は三十
語句・はじみてぃどぅやしが 直訳では「初めてなのであるが」。初めて会った目下への挨拶言葉。
六、やれー何やが やなふーじゃー小や(ヨ スーリ) うまうてぃ やーてーふぃーてーしーねー(スーリ)仕事んならん ・・・・ (・・・は聞き取り不能)
やれーぬーやが やなふーじゃーぐゎや んまうてぃ やーてーふぃーてーしーねー しぐとぅんならん
yaree nuuyaga yana huujaa gwa ya 'Nma uti yaateehwiitee shiinee shigutuN naraN
○そうだから何なの?いやな感じの人だわ そこにいて ああだこうだいわれたら仕事にならないわ
語句 ・やれー そうだから。 <や<やん そう。 +れー<り+ば ・やな嫌な。・ふーじゃー かんじの人。「ふーじ」は「風習。流儀;風采、様子」(琉)。ここでは「様子」。「やな」がついて、さらに人格化する「aa」がついて「嫌な感じの人」 ・んま そこ。・やーてーふぃーてー 「ああだ、こうだ」(「よーてーふぃーてー」ともいうようだ。このへんは「新宮古節」参照。)
七、ゆむふーじやねらん(ヨ スーリ)汝やあんしどぅ しかきーくゎいるい (スーリ)我がどぅなゆる
ゆむふーじやねらん 'やーや'あんしどぅ しかきーくゎるい わーがどぅなゆる
yumu huuji ya neraN 'yaa ya 'aNshi du shikakii kuwa ru i waa ga du nayuru
○変な人じゃない お前があんなふうに仕掛けやがるからだぞ 俺がやるよ
語句・ゆむ 変な。嫌な。・くわるい ・・しやがるからだよ おい。<くわゆん 接尾語で「・・しやがる」+る=どぅ +い おい。
八、初みてぃやアバ小(ヨ スーリ)汝や 我妻なてぃとらし(ヨ スーリ)しぐ合点やらや
はじみてぃや'あばぐゎ 'やーや わんとぅじなてぃとぅらっし しぐがってぃんやらや
hajimiti ya 'abagwa 'yaa ya waNtuji natiturasshi shigu gattiN yaraya
○はじめまして ねえさん お前、俺の妻になってくれ すぐ承知するよね?
語句・とぅらっし <とぅらしゅん 「与える。・・(して)やる。・・(して)おくれよ」(琉)。・しぐ すぐ。・がってぃん 承諾する。
九、云ちん聞かん やなふじゃー小(ヨ スーリ)うまうてぃ じゃーひぇー てぃーひぇーしーくゎってぃ (スーリ)仕事んならん
'いちんちかん やなふーじーぐゎ 'んまうてぃ じゃーひぇー てぃーひぇー しーくゎってぃ しぐとぅんならん
'ichiN chikaN yana huujiigwa 'Nma uti jaahyee tiihyee shiikuwatti shigutuN naraN
○云っても聞かん嫌な感じの人 そこにいて なんじゃかんじゃと云いやがって 仕事にもならん!
語句・じゃーひぇー てぃーひぇー 辞書にはないが上の「やーてーふぃーてー」と同類語だろう。
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2009年03月12日
九年母木節
九年母木節
くぬぶんぎぶし
kunubuNgi bushi
語句・くぬぶんぎ 「くにぶんぎ」(kunibuNgi)とも言う。「九年母」(kunibu)とは「オレンジ類の総称。みかんなど。kaabucii(実の皮が厚く、汁が少なく甘いもの)、'ootoo(実の皮が薄く、汁が多く、すっぱいもの)などの種類がある」(沖)。実がなるのに九年程もかかることからその名前がついたとされるが、原産はタイ、インドネシア。中国から沖縄に渡ったとされる。そして語源はサンスクリット語で「ライムの総称がnimbu、接頭語のkuがついたもの」という説もある。俳句の季語にもある。
一、九年母木ぬ下うてぃ(ヨ スーリー)香ばさん木ぬ 陰ぬ下うてぃ(スーリー)遊び出来らさや
くぬぶんぎぬしちゃうてぃ かばさんぎぬ かぎぬしちゃうてぃ 'あしびでぃきらさや
kunubuNgi nu shicya uti kabasaNgi nu kagi nu shicha uti 'ashibi dikirasa ya
○九年母木の下で、香り高い木の陰の下で 遊び盛り上げたいね
語句・うてぃ 直訳では「居て」だが「・・で」と訳すことが多い。 ・かばさん 香り高い。 ・でぃきらさ 成功させたい、盛りあげたい。 <でぃきゆん よくできる。うまくいく。成功する。の未然形「・・したい」と希望をあらわす。
二、花惚り二才達が仕様や(ヨ スーリー)色惚りサー惚り まんぶりそうてぃる(スーリー)面白むんてぃふぁよ
はなぶりにせたがしじゃまや 'いるぶりさーぶり まんぶりそーてぃる 'うむしるむん てーふぁよ
hanaburi niseta ga shijama ya 'iruburi saa buri maNburi sooti ru 'umushirumuN teehwaa yo
○花(女)に惚れた青年達のしたことは 色(気)に惚れちょっと惚れ 首ったけ 面白いもの おかしい者だね
語句・はなぶり 「はな」は植物の「花」以外「華やかな」「遊郭の」「美しい」など隠喩が多い。ここでは「女に惚れた」と。・いるぶり さーぶり 「さー」は「ちょっと」。「さーふーふー」(ほろ酔い)。・まんぶり 「首ったけ。まる惚れの意」(沖)。・てーふぁー 「おどけ者」(沖)。または「てーふぁ」で「冗談、おどけ。こっけい」(沖)の意味もある。
三、花惚り二才達が美童まちぢや(ヨ スーリー)香ばさん木ぬ 陰ぬ下やさ(スーリー)遊び語らなや
はなぶりにせたがみやらびまちじや かばさんぎぬ かぎぬしちゃやさ 'あしびかたらなや
hanaburi nisetaa ga miyarabi machiji ya kabasaNgi nu kagi nu shicha yasa 'ashibi katarana ya
○女に惚れた青年達が娘を待つところは香り高い木の陰の下でだよ 遊び語りたいね
語句・まちじ <まち+じ(地) 待ち所。
四、花惚り二才達が花染み手拭や(ヨ スーリー)美童達がる 染みてぃ呉てえさ(スーリー)他所にや知らすなよ
はなぶりにせたがはなずみてぃさじや みやらびたがるすみてぃくぃてさ ゆすにしらすなよ
hanaburi niseta ga hanazumi tisaji ya miyarabita ga ru sumiti kwiti sa yusu ni shirasuna yo
○女に惚れた青年達の花染め手ぬぐいは 娘たちが染めて呉れたんだよ 他所に知らせるなよ
語句・る 強調の「どぅ」(du)の「d」が「r」と入れ替わったもの。
五、九年母木ぬ下うてぃ(ヨ スーリー)布巻ちゅる女(スーリー)あんしん美らさるや 今帰仁御神ぬ妹どぅやがや
くぬぶんぎぬしちゃうてぃ ぬぬまちゅるうぃなぐ 'あんしんちゅらさるや なきじん'うかみぬ'うっとぅどぅやがや
kunubuNgi nu shicha uti nunumachuru winagu 'aNshiN churasaru ya nakijiN 'ukami nu 'uttu du yagaya
○九年母木の下で布巻いている女 あんなにも美しいよ!今帰仁御神の妹でこそあろうか!
語句・なきじんうかみ 「今帰仁御神」は「今帰仁の城霜ないの九年母志慶真乙樽がぬきやいはきやい」(今帰仁の城節)にでてくる志慶真乙樽をさしている。絶世の美女とされるが、この歌は士族のものではなく庶民が歌っていた証拠があるため、架空の女性だといわれている。ここでは、「その美女の妹ではないか!」と。 ・うっとぅ 「弟。妹」(沖)をさす。男女の区別はないが、ここでは女性をさす。
六、イェー亀ぢゃー汝や(ヨ スーリー)したたか あまちゃる あんまくやしが(スーリー)汝がん惚りやゆら 我がん惚りゆさ
'えー かみじゃー 'やーやしたたか'あまちゃる 'あんまくやしが'やー 'やーがんふりゆら わーがんふりゆさ
'ee kamijaa 'yaa ya sitataka 'amacharu 'aNmaku yashiga 'yaa gaN huriyura waa gaN huriyusa
○おい カミジャー(名前) お前はけっこう暴れ者で腕白者だけれど お前でも惚れるだろう 俺も惚れたよ
語句・したたか ・あまちゃる <あまゆん 「あばれる。いたずらなどをして騒ぐ。主として子ども・犬・猫などについていう」(沖)。 ・あんまく 「腕白。きかん坊。乱暴者」(沖)。
七、ありに惚りらん男や(ヨ スーリー)奥武山ぬヒグどぅ(スーリー)ヒグどぅやるはじど
'ありにふりらんうぃきがや'おーぬやまぬふぃぐどぅ ふぃぐどぅやるはじど
'ari ni hiriraN wikiga ya 'oonuyama nu hwigu du hwigu du yaruhaji do
○彼女に惚れない男は奥武山のヘゴしか ヘゴしかいないはずだよ
語句・ふぃぐ へご。茶化す場合に代名詞として使われる。(参照 ハンタ原)
八、イェーアバ小(ヨ スーリー)年幾ちなゆが(スーリー)十七、八やゆら我んねえ三十
'えー'あばぐゎ とぅし'いくちなゆが じゅうしちはちやゆら わんねーさんじゅー
'ee 'abagwa tushi 'ikuchi nayuga juushichi hachi yayura waN nee saNjuu
○おい ねえちゃん 年は幾つになるか?十七、八であろうか?俺は三十だ
九、あん美らさ 香ばさ(スーリー)咲ち美らさ(スーリー)あんしん美らさるや
'あんちゅらさ かばさ さちじゅらさ 'あんしんちゅらさるや
'an churasa kabasa sachijurasa 'aNshiN churasaru ya
○あの(九年母木の)ように美しいことよ!香りだかいことよ!咲いて美しい!あのようにも美しいねえ!
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くぬぶんぎぶし
kunubuNgi bushi
語句・くぬぶんぎ 「くにぶんぎ」(kunibuNgi)とも言う。「九年母」(kunibu)とは「オレンジ類の総称。みかんなど。kaabucii(実の皮が厚く、汁が少なく甘いもの)、'ootoo(実の皮が薄く、汁が多く、すっぱいもの)などの種類がある」(沖)。実がなるのに九年程もかかることからその名前がついたとされるが、原産はタイ、インドネシア。中国から沖縄に渡ったとされる。そして語源はサンスクリット語で「ライムの総称がnimbu、接頭語のkuがついたもの」という説もある。俳句の季語にもある。
一、九年母木ぬ下うてぃ(ヨ スーリー)香ばさん木ぬ 陰ぬ下うてぃ(スーリー)遊び出来らさや
くぬぶんぎぬしちゃうてぃ かばさんぎぬ かぎぬしちゃうてぃ 'あしびでぃきらさや
kunubuNgi nu shicya uti kabasaNgi nu kagi nu shicha uti 'ashibi dikirasa ya
○九年母木の下で、香り高い木の陰の下で 遊び盛り上げたいね
語句・うてぃ 直訳では「居て」だが「・・で」と訳すことが多い。 ・かばさん 香り高い。 ・でぃきらさ 成功させたい、盛りあげたい。 <でぃきゆん よくできる。うまくいく。成功する。の未然形「・・したい」と希望をあらわす。
二、花惚り二才達が仕様や(ヨ スーリー)色惚りサー惚り まんぶりそうてぃる(スーリー)面白むんてぃふぁよ
はなぶりにせたがしじゃまや 'いるぶりさーぶり まんぶりそーてぃる 'うむしるむん てーふぁよ
hanaburi niseta ga shijama ya 'iruburi saa buri maNburi sooti ru 'umushirumuN teehwaa yo
○花(女)に惚れた青年達のしたことは 色(気)に惚れちょっと惚れ 首ったけ 面白いもの おかしい者だね
語句・はなぶり 「はな」は植物の「花」以外「華やかな」「遊郭の」「美しい」など隠喩が多い。ここでは「女に惚れた」と。・いるぶり さーぶり 「さー」は「ちょっと」。「さーふーふー」(ほろ酔い)。・まんぶり 「首ったけ。まる惚れの意」(沖)。・てーふぁー 「おどけ者」(沖)。または「てーふぁ」で「冗談、おどけ。こっけい」(沖)の意味もある。
三、花惚り二才達が美童まちぢや(ヨ スーリー)香ばさん木ぬ 陰ぬ下やさ(スーリー)遊び語らなや
はなぶりにせたがみやらびまちじや かばさんぎぬ かぎぬしちゃやさ 'あしびかたらなや
hanaburi nisetaa ga miyarabi machiji ya kabasaNgi nu kagi nu shicha yasa 'ashibi katarana ya
○女に惚れた青年達が娘を待つところは香り高い木の陰の下でだよ 遊び語りたいね
語句・まちじ <まち+じ(地) 待ち所。
四、花惚り二才達が花染み手拭や(ヨ スーリー)美童達がる 染みてぃ呉てえさ(スーリー)他所にや知らすなよ
はなぶりにせたがはなずみてぃさじや みやらびたがるすみてぃくぃてさ ゆすにしらすなよ
hanaburi niseta ga hanazumi tisaji ya miyarabita ga ru sumiti kwiti sa yusu ni shirasuna yo
○女に惚れた青年達の花染め手ぬぐいは 娘たちが染めて呉れたんだよ 他所に知らせるなよ
語句・る 強調の「どぅ」(du)の「d」が「r」と入れ替わったもの。
五、九年母木ぬ下うてぃ(ヨ スーリー)布巻ちゅる女(スーリー)あんしん美らさるや 今帰仁御神ぬ妹どぅやがや
くぬぶんぎぬしちゃうてぃ ぬぬまちゅるうぃなぐ 'あんしんちゅらさるや なきじん'うかみぬ'うっとぅどぅやがや
kunubuNgi nu shicha uti nunumachuru winagu 'aNshiN churasaru ya nakijiN 'ukami nu 'uttu du yagaya
○九年母木の下で布巻いている女 あんなにも美しいよ!今帰仁御神の妹でこそあろうか!
語句・なきじんうかみ 「今帰仁御神」は「今帰仁の城霜ないの九年母志慶真乙樽がぬきやいはきやい」(今帰仁の城節)にでてくる志慶真乙樽をさしている。絶世の美女とされるが、この歌は士族のものではなく庶民が歌っていた証拠があるため、架空の女性だといわれている。ここでは、「その美女の妹ではないか!」と。 ・うっとぅ 「弟。妹」(沖)をさす。男女の区別はないが、ここでは女性をさす。
六、イェー亀ぢゃー汝や(ヨ スーリー)したたか あまちゃる あんまくやしが(スーリー)汝がん惚りやゆら 我がん惚りゆさ
'えー かみじゃー 'やーやしたたか'あまちゃる 'あんまくやしが'やー 'やーがんふりゆら わーがんふりゆさ
'ee kamijaa 'yaa ya sitataka 'amacharu 'aNmaku yashiga 'yaa gaN huriyura waa gaN huriyusa
○おい カミジャー(名前) お前はけっこう暴れ者で腕白者だけれど お前でも惚れるだろう 俺も惚れたよ
語句・したたか ・あまちゃる <あまゆん 「あばれる。いたずらなどをして騒ぐ。主として子ども・犬・猫などについていう」(沖)。 ・あんまく 「腕白。きかん坊。乱暴者」(沖)。
七、ありに惚りらん男や(ヨ スーリー)奥武山ぬヒグどぅ(スーリー)ヒグどぅやるはじど
'ありにふりらんうぃきがや'おーぬやまぬふぃぐどぅ ふぃぐどぅやるはじど
'ari ni hiriraN wikiga ya 'oonuyama nu hwigu du hwigu du yaruhaji do
○彼女に惚れない男は奥武山のヘゴしか ヘゴしかいないはずだよ
語句・ふぃぐ へご。茶化す場合に代名詞として使われる。(参照 ハンタ原)
八、イェーアバ小(ヨ スーリー)年幾ちなゆが(スーリー)十七、八やゆら我んねえ三十
'えー'あばぐゎ とぅし'いくちなゆが じゅうしちはちやゆら わんねーさんじゅー
'ee 'abagwa tushi 'ikuchi nayuga juushichi hachi yayura waN nee saNjuu
○おい ねえちゃん 年は幾つになるか?十七、八であろうか?俺は三十だ
九、あん美らさ 香ばさ(スーリー)咲ち美らさ(スーリー)あんしん美らさるや
'あんちゅらさ かばさ さちじゅらさ 'あんしんちゅらさるや
'an churasa kabasa sachijurasa 'aNshiN churasaru ya
○あの(九年母木の)ように美しいことよ!香りだかいことよ!咲いて美しい!あのようにも美しいねえ!
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2009年03月06日
サイサイ節 (沖永良部民謡)
サイサイ節
さいさいぶし
saisaibushi
語句・さい 沖永良部方言で「酒」。sake→(三母音化)saki→(kの脱落)sai という変化だろうと推測する。沖永良部島も「琉球語方言」の圏内。行政区では沖縄県奄美地方に属しているが、方言も民謡も沖縄本島の影響が濃い。
一、(サイサイサイ サイ持ち来う 飲でぃ遊ば)今日の福らしや(すーり)物に立てららん
(サイサイサイ サイ持ち来う 飲でぃ遊ば)何時む今日ぬ如に(すーり)あらち あらちたぼり
(さいさいさい さいむちくー ぬでぃ'あしば)きゆぬふくらしゃや(すーり)むぬにたてぃららん
(さいさいさい さいむちくー ぬでぃ'あしば)'いちむひゅぬぐとぅに(すーり)'あらち 'あらちたぼり
sai sai sai sai muchi kuu nudi 'ashiba kiyu nu hukurasya ya (suuri)munu ni tatiraraN
sai sai sai sai muchi kuu nudi 'ashiba 'ichimu hyu nu gutu ni (suuri) 'arachi arachitabori
○(酒 酒 酒 酒持って来い 飲んで遊ぼう)今日の嬉しさは物にたとえができない 何時も今日の如くあらせてください
語句・ふくらしゃ 嬉しさ。歓び。<沖縄語の「ふくらしゃん」 嬉しい。・むぬにたてぃららん なにものにも例えられない。 (参考)「今日ぬ誇らしゃや物に譬ららん」(きゆぬふくらしゃやむぬにたとぅららん)。・いちむ いつも。 「む」は沖縄語の「ん」に相当。 ・ひゅ 今日。 kiyuの「k」が弱まって「h」。・あらち あらちたぼり 「あらち」が繰りかえされるのは琉歌特有の最後の句が8文字より少なく(6文字)になるためだが、この歌では2文字ではなく3文字が繰り返される。
※以下囃子、繰り返しは略す。
二、はにまさぬ御酒 我一人飲まりゆみ 親(はな)しゃある友達と共てぬまな
はにまさぬ'うざき わちゅいぬまりゆみ はなしゃ'あるどぅしとぅゆようてぬまな
hanimasa nu 'uzaki wachui numariyumi hanasha 'aru dushi tu yuyoute numana
○このように美味しいお酒私一人で飲めるか(飲めない) 愛しい友と寄り集まって飲みたい
語句・はに 後述の前田綾子さんの唄では「其(が)に」となっている。沖縄語の「かに」(かように)の「ka」が強く変化して「ga」に、弱くなると「ha」となったものだろう。・はなしゃ 「かなしゃん」(愛しい)の「ka」が弱くなったもの。前田綾子さんでは「かなしゃ」。・ゆようて 寄り集まって <ゆゆん 寄る。+居ん(活用語尾) 居る。
三、酒とムリハクや 身ぬ薬でむぬ 如何なギグやてむ 満ちておいしら
さきとぅむりはくや みぬくすいでむぬ 'いかなぎぐやてぃん みちてぃおいしら
saki tu murihaku ya mi nu kusui demunu 'ikana gigu yatiN michiti oisira
○酒と諸白(地酒の一種)は身の薬であるから どんな下戸であっても満足して召し上がってください
語句・むりはく または「むるはく」。「諸白」(標準語で『もろはく』)とは「麹米と掛け米の両方に精白米を使う酒の製法、またはそれによってできた酒」のことであるが、沖永良部では酒造方法は蒸留が主であるため、少し意味が違う。地酒の一種としておく。 ・ぎぐ 下戸(げこ)。geko→(三母音化) giku。 「ku」が連濁の影響を受けて「gu」になったものと見られる。
四、酒飲でむ八十 飲まだなむ八十 酒飲でぬ八十ましやあらみ
さきぬでぃむはちじゅー ぬまだなむはちじゅー さきぬでぃはちじゅーましや'あらみ
saki nudim hachijuu numadanam hachijuu saki nudi hachijuu mashi ya 'arami
○酒飲んで八十歳(まで生きる) 酒飲まないで八十歳 (ならば)酒飲んで八十歳(になるのが)ましではないか?
語句・ぬでぃむ <ぬでぃ 飲んで。+む ん。強調。・ぬまだなむ 沖縄語で「飲まんでぃん」に相当。詳しい活用は不明。・あらみ 沖縄語での「あらに」(ないか?ないだろうか。)に相当。
五、白髪年寄りや床ぬ前に飾てぃ産し子歌しみてぃ又孫踊い
しらぎとぅしゆりや とぅくぬめにかじゃてぃ なしぐゎ'うたしみてぃひまがうどぅい
shiragi tushiyuri ya tuku nu me ni kajati nashigwa 'uta shimiti himaga udui
○白髪のお年寄りは床の前に飾って わが子歌わせて孫を踊らせる
語句・ひまぐ 沖縄語の「んまが」に相当。
(前田綾子さんのCDから)
※上掲歌詞にないもの、相違するものをあげる。
一、酒む飲み里前 遊女む招び里前 二、三十ぬ頃に死にや如何しゆが
さきむぬみさとぅめ ずりむゆびさとぅめ にさんじゅーぬくるに しにやちゃしゆが
saki mu numi satume zuri mu yubi satume nisaNjyu nu kuru ni shini ya chashiyuga
○酒も飲みなさいあなた 遊女も呼びなさいあなた (でも)二、三十の頃に死んだらどうしますか?
語句・む 「ん」に相当。・ずり 「じゅり」に相当。
二、其に旨さぬ御酒 我一人飲まりゆみ 親愛しゃ有ぬ友達とぅ居寄てぃ飲もや
がにまさぬ'うざき わふぃちゅいぬまりゆみ かなしゃあぬどぅしとぅ いよてぃぬもや
gani masanu 'usagi wahwichui numariyumi kanasha a nu dushi tu 'iyoti numo ya
○こんなに美味しいお酒 私一人で飲まれないでしょう 大好きな友達と集まって飲もうよ
語句・がに かような。上掲の「はに」に相当。沖縄語の「かに」。・まさぬ CDライナーノツには「んまさぬ」とあるがCDを聞き取ると「まさぬ」と聞える。沖縄語の「まーさん」。
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さいさいぶし
saisaibushi
語句・さい 沖永良部方言で「酒」。sake→(三母音化)saki→(kの脱落)sai という変化だろうと推測する。沖永良部島も「琉球語方言」の圏内。行政区では沖縄県奄美地方に属しているが、方言も民謡も沖縄本島の影響が濃い。
一、(サイサイサイ サイ持ち来う 飲でぃ遊ば)今日の福らしや(すーり)物に立てららん
(サイサイサイ サイ持ち来う 飲でぃ遊ば)何時む今日ぬ如に(すーり)あらち あらちたぼり
(さいさいさい さいむちくー ぬでぃ'あしば)きゆぬふくらしゃや(すーり)むぬにたてぃららん
(さいさいさい さいむちくー ぬでぃ'あしば)'いちむひゅぬぐとぅに(すーり)'あらち 'あらちたぼり
sai sai sai sai muchi kuu nudi 'ashiba kiyu nu hukurasya ya (suuri)munu ni tatiraraN
sai sai sai sai muchi kuu nudi 'ashiba 'ichimu hyu nu gutu ni (suuri) 'arachi arachitabori
○(酒 酒 酒 酒持って来い 飲んで遊ぼう)今日の嬉しさは物にたとえができない 何時も今日の如くあらせてください
語句・ふくらしゃ 嬉しさ。歓び。<沖縄語の「ふくらしゃん」 嬉しい。・むぬにたてぃららん なにものにも例えられない。 (参考)「今日ぬ誇らしゃや物に譬ららん」(きゆぬふくらしゃやむぬにたとぅららん)。・いちむ いつも。 「む」は沖縄語の「ん」に相当。 ・ひゅ 今日。 kiyuの「k」が弱まって「h」。・あらち あらちたぼり 「あらち」が繰りかえされるのは琉歌特有の最後の句が8文字より少なく(6文字)になるためだが、この歌では2文字ではなく3文字が繰り返される。
※以下囃子、繰り返しは略す。
二、はにまさぬ御酒 我一人飲まりゆみ 親(はな)しゃある友達と共てぬまな
はにまさぬ'うざき わちゅいぬまりゆみ はなしゃ'あるどぅしとぅゆようてぬまな
hanimasa nu 'uzaki wachui numariyumi hanasha 'aru dushi tu yuyoute numana
○このように美味しいお酒私一人で飲めるか(飲めない) 愛しい友と寄り集まって飲みたい
語句・はに 後述の前田綾子さんの唄では「其(が)に」となっている。沖縄語の「かに」(かように)の「ka」が強く変化して「ga」に、弱くなると「ha」となったものだろう。・はなしゃ 「かなしゃん」(愛しい)の「ka」が弱くなったもの。前田綾子さんでは「かなしゃ」。・ゆようて 寄り集まって <ゆゆん 寄る。+居ん(活用語尾) 居る。
三、酒とムリハクや 身ぬ薬でむぬ 如何なギグやてむ 満ちておいしら
さきとぅむりはくや みぬくすいでむぬ 'いかなぎぐやてぃん みちてぃおいしら
saki tu murihaku ya mi nu kusui demunu 'ikana gigu yatiN michiti oisira
○酒と諸白(地酒の一種)は身の薬であるから どんな下戸であっても満足して召し上がってください
語句・むりはく または「むるはく」。「諸白」(標準語で『もろはく』)とは「麹米と掛け米の両方に精白米を使う酒の製法、またはそれによってできた酒」のことであるが、沖永良部では酒造方法は蒸留が主であるため、少し意味が違う。地酒の一種としておく。 ・ぎぐ 下戸(げこ)。geko→(三母音化) giku。 「ku」が連濁の影響を受けて「gu」になったものと見られる。
四、酒飲でむ八十 飲まだなむ八十 酒飲でぬ八十ましやあらみ
さきぬでぃむはちじゅー ぬまだなむはちじゅー さきぬでぃはちじゅーましや'あらみ
saki nudim hachijuu numadanam hachijuu saki nudi hachijuu mashi ya 'arami
○酒飲んで八十歳(まで生きる) 酒飲まないで八十歳 (ならば)酒飲んで八十歳(になるのが)ましではないか?
語句・ぬでぃむ <ぬでぃ 飲んで。+む ん。強調。・ぬまだなむ 沖縄語で「飲まんでぃん」に相当。詳しい活用は不明。・あらみ 沖縄語での「あらに」(ないか?ないだろうか。)に相当。
五、白髪年寄りや床ぬ前に飾てぃ産し子歌しみてぃ又孫踊い
しらぎとぅしゆりや とぅくぬめにかじゃてぃ なしぐゎ'うたしみてぃひまがうどぅい
shiragi tushiyuri ya tuku nu me ni kajati nashigwa 'uta shimiti himaga udui
○白髪のお年寄りは床の前に飾って わが子歌わせて孫を踊らせる
語句・ひまぐ 沖縄語の「んまが」に相当。
(前田綾子さんのCDから)
※上掲歌詞にないもの、相違するものをあげる。
一、酒む飲み里前 遊女む招び里前 二、三十ぬ頃に死にや如何しゆが
さきむぬみさとぅめ ずりむゆびさとぅめ にさんじゅーぬくるに しにやちゃしゆが
saki mu numi satume zuri mu yubi satume nisaNjyu nu kuru ni shini ya chashiyuga
○酒も飲みなさいあなた 遊女も呼びなさいあなた (でも)二、三十の頃に死んだらどうしますか?
語句・む 「ん」に相当。・ずり 「じゅり」に相当。
二、其に旨さぬ御酒 我一人飲まりゆみ 親愛しゃ有ぬ友達とぅ居寄てぃ飲もや
がにまさぬ'うざき わふぃちゅいぬまりゆみ かなしゃあぬどぅしとぅ いよてぃぬもや
gani masanu 'usagi wahwichui numariyumi kanasha a nu dushi tu 'iyoti numo ya
○こんなに美味しいお酒 私一人で飲まれないでしょう 大好きな友達と集まって飲もうよ
語句・がに かような。上掲の「はに」に相当。沖縄語の「かに」。・まさぬ CDライナーノツには「んまさぬ」とあるがCDを聞き取ると「まさぬ」と聞える。沖縄語の「まーさん」。
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2009年02月27日
山崎ぬアブジャーマ (八重山民謡)
山崎ぬアブジャーマ
やまさきぃぬ'あぶじゃーま
yamsakï nu 'abuzaama
○山崎村のおじいさん
語句・やまさきぃ 「山崎村は黒島仲本村の東南方の海岸近くにあった村で、その周辺には『パイフタ村・ンギスク村・イリバラ村・アンカナー村・ナカモト村・サキハラ村』七ヶ村があったが、津波が襲来し、村は殆ど全滅してしまったので、生き残った人々が一ヶ所に新村を創建したのが現在の仲本部落である。」(喜舎場永珣 八重山民謡誌) ・あぶじゃーま 「アブジと同じ」(石垣方言辞典 以下(石)と略す) アブジ 「おじいさん。おじさん。平民のそれを士族がいう時にのみ使う。『ア(吾)ウプ(大)ヂ(父)の意』という説がある(日本語の系譜)」(石)。黒島では「アブゼーマ」と歌われている。
1、山崎ぬアブジャーマ 山端ぬ年寄れ シュラヨーイ シュラヨーイ キユスディルヨーンナ
(囃子言葉は以下略)
やまさきぃぬ 'あぶじゃーま やまばたぬとぅしぃゆれ
yamsakï nu 'abuzaama yamabata nu tushïyure
○山崎村のおじいさん 山の側の年寄り
語句・やまばた 山の縁。「やま」は「山林、森」の意。「はた」は「ぱた」ともいい「縁」「側」の意。
2、御嶽ぬ後ぬ んぎしゃーま うりが隣るぃぬ なびすぃけ
'おんぬくしぃぬ 'んぎしゃーま 'うりがとぅなりぃぬなびしぃけ
'oN nu kushï nu 'Ngishaama 'uri ga tunarï nu nabishïke
○御嶽の後ろのンギシャーマ(という名前の女) その隣のナビシケ(という名前の女)
語句・おん 「御嶽。神を祀った聖地。神社。『拝(おが)み』の転訛」(石)。
3、あんだぎなーぬ大工ぬ子ぬ うり程ぬ 司ぬ子ぬ
'あんだぎなーぬだいぐぬふぁーぬ 'うりふどぅぬちぃかさぬふぁーぬ
'aNdaginaa nu daigu nu hwaa nu 'urihudu nu chïkasa nu hwaa nu
○あれほどの大工の子が それほどの神女の子が
語句・ちぃかさ 「神事を司る人。多く農民の女がなる。」(石)。 ・だいぐ 「大工の棟梁。棟梁の下にいる大工には『サイフ』という」(石)。 ・ぬ が。 「主格をあらわす『が』にあたる」(石)。
4、アブジャーマに すぃかされ 年寄りゃーに だまされ
'あぶじゃーまにしぃかされ とぅしぃゆりゃーにだまされ
'abushaama ni shïkasare tushïyuryaa ni damasare
○おじいさんに騙されて 年寄りにだまされて
語句・しぃかされ <しぃかしぃん ①子どもをあやす。②宥める③おだてる④軽く騙す。
5、なゆぬ故どぅ すぃかさりだ いきゃぬつぃにゃんどぅ だまさりだ
なゆぬゆんどぅしぃかさりだ 'いきゃぬちぃにゃんどぅ だまさりだ
nayu nu yuN du shïkasarida 'ikya nu chïnyaN du damasarida
○どういう理由でだまされた(か) いかなる(理由 不明)でだまされた(か)
語句・ゆん 単独では辞書(石)にみあたらないが「ゆんから」(ゆえに)の「ゆん」であろう。 ・つぃにゃん 不明。これも辞書にない。しかし対句なので「ゆん」と同義ではあろう。「つぃな」は「綱」「一升枡」「幼稚な」などの意味がある。
6、トゥンナふくぃぬ故んどぅ ンガナびつぃぬつぃにゃんどぅ
とぅんなふきぃぬゆやんどぅ 'んがなびちぃぬちぃにゃんどぅ
tuNna hukï nu yu yaN du 'Ngana bichï nu chïnyaN du
○トゥン菜の芽の故でこそ ニガナの芯の故でこそ
語句・とぅんな 「アキノノゲシでキク科植物」(八重山の古典民謡集)。 ・ふくぃ 「芽。茎。」(石)。・んがな ニガナ。「(植)ホソバワダン。胃の薬として煮て食べたり、生の汁を飲んだりした」(石)。・びちぃ 「草木の心(しん)。」(石)。「びっちぃ」とも言う。こちらには「新芽を出す前の筆のようなもの」という意もある。
7、敷寝てぃるむぬや 蓑傘敷寝ばし枕てぃるむぬや ぴらつぃか枕ばし
しぃきぃにてぃるむぬや みぬかさしぃきぃにばし まくらてぃるむぬや ぴらちぃかまくらばし
shïkï nitiru munu ya minokasa shïkï nibashi makura tiru munu ya piratsïka makura bashi
○敷き寝ているものはミノカサで寝ている 枕にしているものは ヘラの柄を枕にして
語句・ぴらつぃか 「ぴら」は「へら。平たく細長い鉄でつくり、草をとったり、浅く耕すのに使う農具。箆(へら)の意。」(石)。
8、すぃかされぬ にたさ だまされぬ辛さ
しぃかさりぬ にたさ だまさりぬ ちらさ
shïkasarinu nitasa damasarinu chisrasa
○騙されたことの恨めしさよ!騙されたことの辛さよ!
語句・にたさ<にたさーん 妬ましい。恨めしい。
9.んぎしゃーまや 家ぬ妻 なびすぃけや妾
'んぎしゃーまや やぬとぅじぃ やぬとぅじぃ なびぃしぃけや みやらび
'Ngishaama ya tujï ya nu tujï nabïshïke ya miyarabi
○ンギシャーマは(じいさんの)家の妻 ナビシケは妾
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やまさきぃぬ'あぶじゃーま
yamsakï nu 'abuzaama
○山崎村のおじいさん
語句・やまさきぃ 「山崎村は黒島仲本村の東南方の海岸近くにあった村で、その周辺には『パイフタ村・ンギスク村・イリバラ村・アンカナー村・ナカモト村・サキハラ村』七ヶ村があったが、津波が襲来し、村は殆ど全滅してしまったので、生き残った人々が一ヶ所に新村を創建したのが現在の仲本部落である。」(喜舎場永珣 八重山民謡誌) ・あぶじゃーま 「アブジと同じ」(石垣方言辞典 以下(石)と略す) アブジ 「おじいさん。おじさん。平民のそれを士族がいう時にのみ使う。『ア(吾)ウプ(大)ヂ(父)の意』という説がある(日本語の系譜)」(石)。黒島では「アブゼーマ」と歌われている。
1、山崎ぬアブジャーマ 山端ぬ年寄れ シュラヨーイ シュラヨーイ キユスディルヨーンナ
(囃子言葉は以下略)
やまさきぃぬ 'あぶじゃーま やまばたぬとぅしぃゆれ
yamsakï nu 'abuzaama yamabata nu tushïyure
○山崎村のおじいさん 山の側の年寄り
語句・やまばた 山の縁。「やま」は「山林、森」の意。「はた」は「ぱた」ともいい「縁」「側」の意。
2、御嶽ぬ後ぬ んぎしゃーま うりが隣るぃぬ なびすぃけ
'おんぬくしぃぬ 'んぎしゃーま 'うりがとぅなりぃぬなびしぃけ
'oN nu kushï nu 'Ngishaama 'uri ga tunarï nu nabishïke
○御嶽の後ろのンギシャーマ(という名前の女) その隣のナビシケ(という名前の女)
語句・おん 「御嶽。神を祀った聖地。神社。『拝(おが)み』の転訛」(石)。
3、あんだぎなーぬ大工ぬ子ぬ うり程ぬ 司ぬ子ぬ
'あんだぎなーぬだいぐぬふぁーぬ 'うりふどぅぬちぃかさぬふぁーぬ
'aNdaginaa nu daigu nu hwaa nu 'urihudu nu chïkasa nu hwaa nu
○あれほどの大工の子が それほどの神女の子が
語句・ちぃかさ 「神事を司る人。多く農民の女がなる。」(石)。 ・だいぐ 「大工の棟梁。棟梁の下にいる大工には『サイフ』という」(石)。 ・ぬ が。 「主格をあらわす『が』にあたる」(石)。
4、アブジャーマに すぃかされ 年寄りゃーに だまされ
'あぶじゃーまにしぃかされ とぅしぃゆりゃーにだまされ
'abushaama ni shïkasare tushïyuryaa ni damasare
○おじいさんに騙されて 年寄りにだまされて
語句・しぃかされ <しぃかしぃん ①子どもをあやす。②宥める③おだてる④軽く騙す。
5、なゆぬ故どぅ すぃかさりだ いきゃぬつぃにゃんどぅ だまさりだ
なゆぬゆんどぅしぃかさりだ 'いきゃぬちぃにゃんどぅ だまさりだ
nayu nu yuN du shïkasarida 'ikya nu chïnyaN du damasarida
○どういう理由でだまされた(か) いかなる(理由 不明)でだまされた(か)
語句・ゆん 単独では辞書(石)にみあたらないが「ゆんから」(ゆえに)の「ゆん」であろう。 ・つぃにゃん 不明。これも辞書にない。しかし対句なので「ゆん」と同義ではあろう。「つぃな」は「綱」「一升枡」「幼稚な」などの意味がある。
6、トゥンナふくぃぬ故んどぅ ンガナびつぃぬつぃにゃんどぅ
とぅんなふきぃぬゆやんどぅ 'んがなびちぃぬちぃにゃんどぅ
tuNna hukï nu yu yaN du 'Ngana bichï nu chïnyaN du
○トゥン菜の芽の故でこそ ニガナの芯の故でこそ
語句・とぅんな 「アキノノゲシでキク科植物」(八重山の古典民謡集)。 ・ふくぃ 「芽。茎。」(石)。・んがな ニガナ。「(植)ホソバワダン。胃の薬として煮て食べたり、生の汁を飲んだりした」(石)。・びちぃ 「草木の心(しん)。」(石)。「びっちぃ」とも言う。こちらには「新芽を出す前の筆のようなもの」という意もある。
7、敷寝てぃるむぬや 蓑傘敷寝ばし枕てぃるむぬや ぴらつぃか枕ばし
しぃきぃにてぃるむぬや みぬかさしぃきぃにばし まくらてぃるむぬや ぴらちぃかまくらばし
shïkï nitiru munu ya minokasa shïkï nibashi makura tiru munu ya piratsïka makura bashi
○敷き寝ているものはミノカサで寝ている 枕にしているものは ヘラの柄を枕にして
語句・ぴらつぃか 「ぴら」は「へら。平たく細長い鉄でつくり、草をとったり、浅く耕すのに使う農具。箆(へら)の意。」(石)。
8、すぃかされぬ にたさ だまされぬ辛さ
しぃかさりぬ にたさ だまさりぬ ちらさ
shïkasarinu nitasa damasarinu chisrasa
○騙されたことの恨めしさよ!騙されたことの辛さよ!
語句・にたさ<にたさーん 妬ましい。恨めしい。
9.んぎしゃーまや 家ぬ妻 なびすぃけや妾
'んぎしゃーまや やぬとぅじぃ やぬとぅじぃ なびぃしぃけや みやらび
'Ngishaama ya tujï ya nu tujï nabïshïke ya miyarabi
○ンギシャーマは(じいさんの)家の妻 ナビシケは妾
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2009年02月14日
盛え栄え
盛え栄え
むて−さけ−
mutee sakee
○茂り栄え
作詞 上江洲由孝
作曲 普久原恒勇
一、(サーサー)巖抱き松の根の張りも見事 百枝の清らさ 千代の栄い (サーサーユーイヤサー)世代万代盛え栄え〔囃子言葉は以下省略〕
'いわおだちまちぬ にぬはいんみぐとぅ むむいだぬちゅらさ ちゆぬさかい ゆでーまんでー むていさかい
'iwao dachi machi nu ni nu haiN migutu mumuida nu churasa chiyu nu sakai yudee maNdee mutei sakai
○岩(を)抱く松の根の張りも見事(である)たくさんの枝の美しさ 千代の栄え すべての人がいつの世までも茂り栄え
語句・いわお 岩。 ・むむいだ たくさんの枝。「むむ」は数字としての「百」だけでなく「たくさんの」というたとえ。 ・ゆでーまんでー <ゆーでーまんでー すべての人がいつの世までも。 辞書にはない語句だが、「世代」は「せだい」と読むこともできる。「すべての人がいつまでも」くらいに訳せよう。・むていさけい <むてーゆん 「(体が)太る;茂る;栄える」(琉)。 むてー+い → 茂ること。 + さかい 繁栄。 題名の読み方と異なる。
二、心慰めの歌や節々に 謡の道一道一期でもの
くくるなぐさみぬ'うたやふしぶしに 'うたぬみち ちゅみち いちぐでむぬ
kukuru nagusami nu 'uta ya hushibushi ni 'uta nu michi chumichi 'ichigu demunu
○心を慰める歌は節々(曲々)に 歌の道はひとつの道(に) 人生なのだから
語句・いちぐ 人生。「一期一会」の「一期」。 ・でむぬ 「・・だから、・・なので」(琉)。
三、花や咲ち揃て匂い清らしゃ香ばしゃ 御万人の肝に染めてさびら
はなやさちするてぃ にうぃじゅらしゃかばしゃ 'うまんちゅぬちむに すみてぃさびら
hana ya sachisuruti niwi jurasha kabasha 'umaNchu nu chimu ni sumiti sabira
○花は咲き揃って匂いはなんと清らかで香り高いことよ! すべての人の心に染めてください
語句・じゅらしゃん <ちゅらさん 清らかな。美しい。 体言形で感嘆を表す。「なんと・・なことよ!」。沖縄語の形容詞の特徴は、美しい→「ちゅらさん」<ちゅらさ + あん と分解できる。 つまり「美しさがある」。語句により語末が「さん」または「しゃん」となるが、士族以外は「しゃん」という発音が「さん」となるので区別はなかった。ここでは「ちゅらさん」となるのが普通だが、歌では「ちゅらしゃん」と歌われている。 ・かばしゃ <かばしゃん 良い香り。
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むて−さけ−
mutee sakee
○茂り栄え
作詞 上江洲由孝
作曲 普久原恒勇
一、(サーサー)巖抱き松の根の張りも見事 百枝の清らさ 千代の栄い (サーサーユーイヤサー)世代万代盛え栄え〔囃子言葉は以下省略〕
'いわおだちまちぬ にぬはいんみぐとぅ むむいだぬちゅらさ ちゆぬさかい ゆでーまんでー むていさかい
'iwao dachi machi nu ni nu haiN migutu mumuida nu churasa chiyu nu sakai yudee maNdee mutei sakai
○岩(を)抱く松の根の張りも見事(である)たくさんの枝の美しさ 千代の栄え すべての人がいつの世までも茂り栄え
語句・いわお 岩。 ・むむいだ たくさんの枝。「むむ」は数字としての「百」だけでなく「たくさんの」というたとえ。 ・ゆでーまんでー <ゆーでーまんでー すべての人がいつの世までも。 辞書にはない語句だが、「世代」は「せだい」と読むこともできる。「すべての人がいつまでも」くらいに訳せよう。・むていさけい <むてーゆん 「(体が)太る;茂る;栄える」(琉)。 むてー+い → 茂ること。 + さかい 繁栄。 題名の読み方と異なる。
二、心慰めの歌や節々に 謡の道一道一期でもの
くくるなぐさみぬ'うたやふしぶしに 'うたぬみち ちゅみち いちぐでむぬ
kukuru nagusami nu 'uta ya hushibushi ni 'uta nu michi chumichi 'ichigu demunu
○心を慰める歌は節々(曲々)に 歌の道はひとつの道(に) 人生なのだから
語句・いちぐ 人生。「一期一会」の「一期」。 ・でむぬ 「・・だから、・・なので」(琉)。
三、花や咲ち揃て匂い清らしゃ香ばしゃ 御万人の肝に染めてさびら
はなやさちするてぃ にうぃじゅらしゃかばしゃ 'うまんちゅぬちむに すみてぃさびら
hana ya sachisuruti niwi jurasha kabasha 'umaNchu nu chimu ni sumiti sabira
○花は咲き揃って匂いはなんと清らかで香り高いことよ! すべての人の心に染めてください
語句・じゅらしゃん <ちゅらさん 清らかな。美しい。 体言形で感嘆を表す。「なんと・・なことよ!」。沖縄語の形容詞の特徴は、美しい→「ちゅらさん」<ちゅらさ + あん と分解できる。 つまり「美しさがある」。語句により語末が「さん」または「しゃん」となるが、士族以外は「しゃん」という発音が「さん」となるので区別はなかった。ここでは「ちゅらさん」となるのが普通だが、歌では「ちゅらしゃん」と歌われている。 ・かばしゃ <かばしゃん 良い香り。
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2009年02月09日
辺野喜節
辺野喜節
びぬち ぶし
binuchi bushi
語句・びぬち 地名。国頭村辺野喜。
伊集の木の花や あんきよらさ咲きゆい わぬも伊集やとて 真白咲かな
'んじゅぬきぬはなや 'あんちゅらささちゅい わぬん'んじゅやとぅてぃ ましらさかな
'Nju nu ki nu hana ya 'aN churasa sachui wanuN 'Nju yatuti mashira sakana
○伊集の木の花は あのように清らかに咲いている 私も伊集(の花)であって真白い花を咲かせたい
語句・んじゅ 「伊集」(いじゅ)。「んじゅ 'Nju」は口語。ツバキ科。奄美、沖縄に群生。5、6月に白い3cmほどの花が開く。 ・ちゅらさ 清らか。<ちゅらさん ・やとぅてぃ <やん である。 + とぅてぃ ・・ていて。 直訳すれば「・・であって」。 ・さかな <さちゅん 咲く。 未然形 さか + な 希望を表す。 咲きたい。
「琉歌百控」より
伊集の木の花や あか清さ咲ひ予ん伊集成て真白咲かな
'いじゅぬきぬはなや 'あがちゅらささちゅい わん'いじゅなとぅてぃましらさかな
'iju nu ki nu hana ya 'aga churasa sachui waN 'iju natuti mashira sakana
○伊集の木の花は あのように清らかに咲いて 私は伊集(に)なって真白く咲きたい
語句・あが あのように。<あ 接頭語 「'ari〔あり〕、'anu〔あぬ〕の語根」(琉)。+が の。直訳すれば「あの」。山原地方の方言という説もある。
山の木の軽さ 朝比と夕比 宮童の軽さ二十宮童
やまぬきぬかるさ 'あさぐるとぅゆぐる みやらびぬかるさ はたちみやらび
yama nu ki nu karusa 'asa guru tu yu guru miyarabi nu karusa hatachi miyarabi
○山の木の軽いこと 朝頃と夜頃 娘の軽さ 二十歳の娘
飛鳥の翅さ仮は夜々ごとに通路の空やわ自由やすが
とぅぶとぅいぬちばさ かりばゆゆぐとぅに かゆいじぬすらや わじゆやしが
tubu tui nu chibasa kariba yuyugutu ni kayuiji nu sura ya wa jiyu yashiga
○飛ぶ鳥の翼を借りたら毎夜(あなたに)通う路(で)の身の上は 私(の)自由であるのだが
飛鳥の翅さ仮は自由なよめ昔業平の羽のあため
とぅぶとぅいぬちばさ かりばじゆなゆみ 'んかしなりひらぬ はにぬ'あたみ
tubu tui nu chibasa kariba jiyunayumi 'Nkashi narihira nu hani nu 'atami
○飛ぶ鳥の翼をかりたら 自由になるか?昔(なりひら・・不明。 「付き合った恋人」か。)に羽があっただろうか?
語句・んかしなりひら 不明。 ただ、「なり」は「なりすむん」「なりすむん」(馴れ染める、馴れ親しむ)の「なり」と考え、「ひら」は「ふぃらゆん」(つきあう。交際する)の「ひら」と考えると「昔付き合った恋人」ととれる。
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びぬち ぶし
binuchi bushi
語句・びぬち 地名。国頭村辺野喜。
伊集の木の花や あんきよらさ咲きゆい わぬも伊集やとて 真白咲かな
'んじゅぬきぬはなや 'あんちゅらささちゅい わぬん'んじゅやとぅてぃ ましらさかな
'Nju nu ki nu hana ya 'aN churasa sachui wanuN 'Nju yatuti mashira sakana
○伊集の木の花は あのように清らかに咲いている 私も伊集(の花)であって真白い花を咲かせたい
語句・んじゅ 「伊集」(いじゅ)。「んじゅ 'Nju」は口語。ツバキ科。奄美、沖縄に群生。5、6月に白い3cmほどの花が開く。 ・ちゅらさ 清らか。<ちゅらさん ・やとぅてぃ <やん である。 + とぅてぃ ・・ていて。 直訳すれば「・・であって」。 ・さかな <さちゅん 咲く。 未然形 さか + な 希望を表す。 咲きたい。
「琉歌百控」より
伊集の木の花や あか清さ咲ひ予ん伊集成て真白咲かな
'いじゅぬきぬはなや 'あがちゅらささちゅい わん'いじゅなとぅてぃましらさかな
'iju nu ki nu hana ya 'aga churasa sachui waN 'iju natuti mashira sakana
○伊集の木の花は あのように清らかに咲いて 私は伊集(に)なって真白く咲きたい
語句・あが あのように。<あ 接頭語 「'ari〔あり〕、'anu〔あぬ〕の語根」(琉)。+が の。直訳すれば「あの」。山原地方の方言という説もある。
山の木の軽さ 朝比と夕比 宮童の軽さ二十宮童
やまぬきぬかるさ 'あさぐるとぅゆぐる みやらびぬかるさ はたちみやらび
yama nu ki nu karusa 'asa guru tu yu guru miyarabi nu karusa hatachi miyarabi
○山の木の軽いこと 朝頃と夜頃 娘の軽さ 二十歳の娘
飛鳥の翅さ仮は夜々ごとに通路の空やわ自由やすが
とぅぶとぅいぬちばさ かりばゆゆぐとぅに かゆいじぬすらや わじゆやしが
tubu tui nu chibasa kariba yuyugutu ni kayuiji nu sura ya wa jiyu yashiga
○飛ぶ鳥の翼を借りたら毎夜(あなたに)通う路(で)の身の上は 私(の)自由であるのだが
飛鳥の翅さ仮は自由なよめ昔業平の羽のあため
とぅぶとぅいぬちばさ かりばじゆなゆみ 'んかしなりひらぬ はにぬ'あたみ
tubu tui nu chibasa kariba jiyunayumi 'Nkashi narihira nu hani nu 'atami
○飛ぶ鳥の翼をかりたら 自由になるか?昔(なりひら・・不明。 「付き合った恋人」か。)に羽があっただろうか?
語句・んかしなりひら 不明。 ただ、「なり」は「なりすむん」「なりすむん」(馴れ染める、馴れ親しむ)の「なり」と考え、「ひら」は「ふぃらゆん」(つきあう。交際する)の「ひら」と考えると「昔付き合った恋人」ととれる。
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2009年01月31日
仲里節
仲里節
なかざとぅぶし
nakazatu bushi
語句・なかざとぅ 「『琉歌百控』には久米嶋仲里間切に起こった歌とあるが、伊平屋島の仲里説、また仲里は仲島のことだとする説もあるようだ」(「歌三線の世界」)。地名ではあるが確定はできないようだ。
聞けば仲里や 花の本てもの 咲き出らば一枝 持たちたぼうれ
ちきばなかざとぅや はなぬむとぅでむぬ さちじらばちゅいぇだ むたちだぼり
chikiba nakazatu ya hana nu mutu demunu sachijiraba chuyeda mutachi tabori
○聞いたこところ仲里は華やかな(遊びの)土地であるから 咲き出たら一枝持たせてください
語句・ちきば <ちちゅん 聞く。 ちき→已然形 + ば 「既定[順接]条件をあらわす」(琉)。 昔「古典」でならわれた記憶がある方も多いだろうが、「未然形+ば」は「…タラ、…ナラバ」などの意味になり、「已然形+ば」なら「…ノデ、…カラ、…タトコロ、…トイツモ、…ト必ズ」などの意味になる。つまり本土の古典の文法と密接だったから同じ法則が適用できる。そうすると、ここでは「聞いたところ」ぐらいがよいのではないだろうか。「噂では」というニュアンスだと理解しよう。 ・はなぬむとぅ 「はな」とは、植物の「花」であると同時に「華やかな遊び」つまり遊郭(「花」は遊女を指す場合が多い)や毛遊びがよく行われた場所をさす。「むとぅ」は文語で①許(もと)②元、元本③以前などの意味がある。 本部宮古根の「渡久地から登て花の元辺名地・・・」と同じ。
「琉歌百控え」から
(仲里節の歌詞としてあげてある琉歌)
聞けば仲里や花の本てもの咲出らば一枝持ち呉て給れ
ちきばなかざとぅやはなぬむとぅでむぬ さちじらばちゅいぇだむちくぃてぃたぼり
chikiba nakazatu ya hana nu mutu demunu sachijiraba chuyeda muchikwititabori
○聞いたこところ仲里は華やかな(遊びの)土地であるから 咲き出たら一枝持たせてください
花と思みは里前花持ち給れ いつまでも思は御身いまおれ
はなとぅみばさとぅめ はなむちたぼり 'いちまでぃん'うみば うんじゅ'いもり
hana tumiba satume hana muchitabori 'ichimadiN 'umiba uNju 'imori
○花と思ったら貴方、花をお持ちください いつまでも、思ったら貴方がいらしてください
音信も聞も見詰覧あれはおもひ安まらん旅の空や
'うとぅじりんちかん みちみらんありば 'うむいやしまらんたびぬすらや
'utujiriN chikaN michimiraN 'ariba 'umui yashimaraN tabinu sura ya
○音信も聞かない 見ることもないので 思いが休まらない 旅の身の上は
語句・うとぅじり 「うとぅ」は「音」で「音信」。「じり」は「信」と当て字があるが、「知り」であろうか、「義理」であろうか、不明。・みちみらん 「見詰覧」と当て字があるが、「覧」は「・・でない」と否定の「らん」ではないだろうか、不明。とりあえず「見つめない」→「見ない」と訳す。 ・すら いわゆる「空」ではなく「身空」、つまり「身の上」。
音に聞恋に思ひ焦とて拝て振別る縁の面灘
'うとぅにちく くいに'うむいくがりとてぃ うがでぃふわかりるいんぬちらさ
'utu ni chiku kui ni 'umui kugaritoti ugadi huwakariru yiN nu chirasa
○噂に聞く(だけの)恋に思い焦がれていても お会いして(すぐ)別れる縁のなんと辛いことよ!
語句・うがでぃ お会いして。<うがぬん うがむん。 拝む。お会いする。「いちゃゆん」会う の謙譲語。 ・ふわかる <ふり 接頭語 +わかりゆん 別れる。
かん自由も成ぬ世界やなて来はの主か世話世話と物よ思て
かんじゆんならぬ しけやなてぃくりば ぬしゅがしわじわとぅむぬゆ'うむてぃ
kaNjiyuN naranu shike ya natikuriba nushu ga shiwajiwa tu munu yu 'umuti
○こう自由もならぬ世界になってくると ご主人様の(ことが)心配で心配で もの思いになって
語句 ・かん こう。 ちょっと。・ぬしゅ 「主」(ぬし)だろう。 ・しわじわ 「心配する」の「しわ」を重ねている。「世話」からきている。
かん自由も成ぬのかすとくかにある一期さへ居ぬ世界と安か
かんじゆんならぬ ぬがしどぅくかねる いちぐさえ うらぬしけどぅやしが
kaN jiyuN naranu nugashi duku kaneru ichigusae uranu shike du yashiga
○こう自由もならない なぜあまりにも かような人生さえない世界であるが
語句・ぬがし <ぬー 何。 + が 疑問 + し 強意助詞。 「いかで、などて」「英語のhow,whyのいずれにも」(琉)。つまり、どうして。何故。いかに。 ・どぅく あまりにも。「過度に、余りに(も)、ひどく;ろくに〔ろくすっぽ〕(ない)〔rukuとも〕」(琉)。 ・いちぐ 一生涯。人生。
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なかざとぅぶし
nakazatu bushi
語句・なかざとぅ 「『琉歌百控』には久米嶋仲里間切に起こった歌とあるが、伊平屋島の仲里説、また仲里は仲島のことだとする説もあるようだ」(「歌三線の世界」)。地名ではあるが確定はできないようだ。
聞けば仲里や 花の本てもの 咲き出らば一枝 持たちたぼうれ
ちきばなかざとぅや はなぬむとぅでむぬ さちじらばちゅいぇだ むたちだぼり
chikiba nakazatu ya hana nu mutu demunu sachijiraba chuyeda mutachi tabori
○聞いたこところ仲里は華やかな(遊びの)土地であるから 咲き出たら一枝持たせてください
語句・ちきば <ちちゅん 聞く。 ちき→已然形 + ば 「既定[順接]条件をあらわす」(琉)。 昔「古典」でならわれた記憶がある方も多いだろうが、「未然形+ば」は「…タラ、…ナラバ」などの意味になり、「已然形+ば」なら「…ノデ、…カラ、…タトコロ、…トイツモ、…ト必ズ」などの意味になる。つまり本土の古典の文法と密接だったから同じ法則が適用できる。そうすると、ここでは「聞いたところ」ぐらいがよいのではないだろうか。「噂では」というニュアンスだと理解しよう。 ・はなぬむとぅ 「はな」とは、植物の「花」であると同時に「華やかな遊び」つまり遊郭(「花」は遊女を指す場合が多い)や毛遊びがよく行われた場所をさす。「むとぅ」は文語で①許(もと)②元、元本③以前などの意味がある。 本部宮古根の「渡久地から登て花の元辺名地・・・」と同じ。
「琉歌百控え」から
(仲里節の歌詞としてあげてある琉歌)
聞けば仲里や花の本てもの咲出らば一枝持ち呉て給れ
ちきばなかざとぅやはなぬむとぅでむぬ さちじらばちゅいぇだむちくぃてぃたぼり
chikiba nakazatu ya hana nu mutu demunu sachijiraba chuyeda muchikwititabori
○聞いたこところ仲里は華やかな(遊びの)土地であるから 咲き出たら一枝持たせてください
花と思みは里前花持ち給れ いつまでも思は御身いまおれ
はなとぅみばさとぅめ はなむちたぼり 'いちまでぃん'うみば うんじゅ'いもり
hana tumiba satume hana muchitabori 'ichimadiN 'umiba uNju 'imori
○花と思ったら貴方、花をお持ちください いつまでも、思ったら貴方がいらしてください
音信も聞も見詰覧あれはおもひ安まらん旅の空や
'うとぅじりんちかん みちみらんありば 'うむいやしまらんたびぬすらや
'utujiriN chikaN michimiraN 'ariba 'umui yashimaraN tabinu sura ya
○音信も聞かない 見ることもないので 思いが休まらない 旅の身の上は
語句・うとぅじり 「うとぅ」は「音」で「音信」。「じり」は「信」と当て字があるが、「知り」であろうか、「義理」であろうか、不明。・みちみらん 「見詰覧」と当て字があるが、「覧」は「・・でない」と否定の「らん」ではないだろうか、不明。とりあえず「見つめない」→「見ない」と訳す。 ・すら いわゆる「空」ではなく「身空」、つまり「身の上」。
音に聞恋に思ひ焦とて拝て振別る縁の面灘
'うとぅにちく くいに'うむいくがりとてぃ うがでぃふわかりるいんぬちらさ
'utu ni chiku kui ni 'umui kugaritoti ugadi huwakariru yiN nu chirasa
○噂に聞く(だけの)恋に思い焦がれていても お会いして(すぐ)別れる縁のなんと辛いことよ!
語句・うがでぃ お会いして。<うがぬん うがむん。 拝む。お会いする。「いちゃゆん」会う の謙譲語。 ・ふわかる <ふり 接頭語 +わかりゆん 別れる。
かん自由も成ぬ世界やなて来はの主か世話世話と物よ思て
かんじゆんならぬ しけやなてぃくりば ぬしゅがしわじわとぅむぬゆ'うむてぃ
kaNjiyuN naranu shike ya natikuriba nushu ga shiwajiwa tu munu yu 'umuti
○こう自由もならぬ世界になってくると ご主人様の(ことが)心配で心配で もの思いになって
語句 ・かん こう。 ちょっと。・ぬしゅ 「主」(ぬし)だろう。 ・しわじわ 「心配する」の「しわ」を重ねている。「世話」からきている。
かん自由も成ぬのかすとくかにある一期さへ居ぬ世界と安か
かんじゆんならぬ ぬがしどぅくかねる いちぐさえ うらぬしけどぅやしが
kaN jiyuN naranu nugashi duku kaneru ichigusae uranu shike du yashiga
○こう自由もならない なぜあまりにも かような人生さえない世界であるが
語句・ぬがし <ぬー 何。 + が 疑問 + し 強意助詞。 「いかで、などて」「英語のhow,whyのいずれにも」(琉)。つまり、どうして。何故。いかに。 ・どぅく あまりにも。「過度に、余りに(も)、ひどく;ろくに〔ろくすっぽ〕(ない)〔rukuとも〕」(琉)。 ・いちぐ 一生涯。人生。
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2009年01月22日
黄金産子
黄金産子
くがに なしぐゎ
kugani nashigwa
○大切な我が子
作 玉城 実明
一、赤子から育てぃ 玉黄金産子 今や親離り 旅ぬ暮らし (旅ぬくらし)
〔繰り返し以下省略〕
'あかぐからすだてぃ たまくがになしぐゎ なまや'うやはなり たびぬくらし
'akagu kara sudati tamakugani nashigwa nama ya 'uya hanari tabi nu kurashi
○赤ん坊から育てて 大事な我が子 今は親から離れて旅の暮らし
語句・たまくがに 宝石・黄金のように大切な。 ・なしぐゎ (自分が生んだ)子ども。 一般の子どもは「っくゎ」。
二、旅ぬ上ぬ暮らし 淋しさやあてぃん 肝あまぜ呉るな 黄金産子
たびぬぅいぬくらし さびしさや'あてぃん ちむ'あまぜくぃるな くがになしぐゎ
tabi nu wi nu kurashi sabishisa ya 'atiN chimu 'amazekwiruna kugani nashigwa
○旅の途中の暮らし 淋しくても 心揺らすことないようにしてほしい 大切なわが子
語句・ぅい 上。 <ぅいー wii ・あまぜ <あまじゅん 「動揺する。揺れる。」(琉)。 +や 「あまじぇー」 直訳すれば「動揺しては呉れるな」→「動揺しないで欲しい」と強く願う気持ち。
三、若さある時に 人勝い磨ち 戻てぃ来る御願い 黄金産子
わかさ'あるとぅちに ふぃとぅまさいみがち むどぅてぃちゅる'うにげ くがになしぐゎ
wakasa 'aru tuchi nu hwitu masai migachi muduti churu 'unige kugani nashigwa
○若い時に人より勝って磨いて 戻って来る(ことを)お願い(しています) 大事なわが子
語句・わかさあるとぅち 沖縄口での特有の表現。「若い時」をこういう。・ちゅる <ちゅーる <ちゅーん 来る。連体形。
四、待ちかにてぃ居ゆる 母親ぬ事ん 忘りてぃや呉るな 黄金産子
まちかにてぃうゆる ふぁふぁ'うやぬくとぅん わしりてぃくぃるな くがになしぐゎ
machikaniti utaru hwahwa'uya nu kutuN washiritikwiruna kugani nashigwa
○待ちかねている母親のことも忘れてくれるな 大事なわが子
五、親ぬ欲さむぬや 銭金んあらん 嫁孫見ぶさ 黄金産子
'うやぬふしゃむぬや じんかにん'あらん ゆみ'んまがみぶしゃ くがになしぐゎ
'uya nu husha munu ya jiNkaniN 'araN yumi 'Nmaga mibusha kugani nashigwa
○親の欲しいものは 銭金ではない 嫁(と)孫を見たい 大事なわが子
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くがに なしぐゎ
kugani nashigwa
○大切な我が子
作 玉城 実明
一、赤子から育てぃ 玉黄金産子 今や親離り 旅ぬ暮らし (旅ぬくらし)
〔繰り返し以下省略〕
'あかぐからすだてぃ たまくがになしぐゎ なまや'うやはなり たびぬくらし
'akagu kara sudati tamakugani nashigwa nama ya 'uya hanari tabi nu kurashi
○赤ん坊から育てて 大事な我が子 今は親から離れて旅の暮らし
語句・たまくがに 宝石・黄金のように大切な。 ・なしぐゎ (自分が生んだ)子ども。 一般の子どもは「っくゎ」。
二、旅ぬ上ぬ暮らし 淋しさやあてぃん 肝あまぜ呉るな 黄金産子
たびぬぅいぬくらし さびしさや'あてぃん ちむ'あまぜくぃるな くがになしぐゎ
tabi nu wi nu kurashi sabishisa ya 'atiN chimu 'amazekwiruna kugani nashigwa
○旅の途中の暮らし 淋しくても 心揺らすことないようにしてほしい 大切なわが子
語句・ぅい 上。 <ぅいー wii ・あまぜ <あまじゅん 「動揺する。揺れる。」(琉)。 +や 「あまじぇー」 直訳すれば「動揺しては呉れるな」→「動揺しないで欲しい」と強く願う気持ち。
三、若さある時に 人勝い磨ち 戻てぃ来る御願い 黄金産子
わかさ'あるとぅちに ふぃとぅまさいみがち むどぅてぃちゅる'うにげ くがになしぐゎ
wakasa 'aru tuchi nu hwitu masai migachi muduti churu 'unige kugani nashigwa
○若い時に人より勝って磨いて 戻って来る(ことを)お願い(しています) 大事なわが子
語句・わかさあるとぅち 沖縄口での特有の表現。「若い時」をこういう。・ちゅる <ちゅーる <ちゅーん 来る。連体形。
四、待ちかにてぃ居ゆる 母親ぬ事ん 忘りてぃや呉るな 黄金産子
まちかにてぃうゆる ふぁふぁ'うやぬくとぅん わしりてぃくぃるな くがになしぐゎ
machikaniti utaru hwahwa'uya nu kutuN washiritikwiruna kugani nashigwa
○待ちかねている母親のことも忘れてくれるな 大事なわが子
五、親ぬ欲さむぬや 銭金んあらん 嫁孫見ぶさ 黄金産子
'うやぬふしゃむぬや じんかにん'あらん ゆみ'んまがみぶしゃ くがになしぐゎ
'uya nu husha munu ya jiNkaniN 'araN yumi 'Nmaga mibusha kugani nashigwa
○親の欲しいものは 銭金ではない 嫁(と)孫を見たい 大事なわが子
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2009年01月17日
情の唄
情の唄
なさきぬ'うた
nasaki nu 'uta
○情けの唄
作 伊良波 尹吉
一、(女)思いある仲どぅ まちぶいんすゆる ぬがし思里や面ぬ変わてぃ 我思いん徒なすみ
'うむい'あるなかどぅ まちぶいんすゆる ぬがし'うみさとぅやちらぬかわてぃ わ'うむいん'あだなすみ
'umi 'aru naka du machibuiN suyuru nugashi 'umisatu ya chira nu kawati wa 'umuiN 'ada nasumi
○思いのある仲だからこそ離れられない どうして貴方はお顔色が変わって 私の思いも徒労に終わらせるの?
語句・まちぶいん 「巻きつく。つき纏う」「離れられない関係」(琉)。
二、(男)思い徒なする我やまたあらん 義理にちながりる無蔵とぅ我や 思いるまま自由ならん
'うむい'あだなする わんやまた'あらん じりにちながりるんぞとぅわんや 'うむいるままじゆならん
'umi 'ada nasuru waN ya mata 'araN jiri ni chinagariru Nzo tu waN ya 'umui ru mama jiyu naraN
○思いを徒労に私は絶対しない (しかし)義理に繋がれた貴女と私は 思いのまま自由にならない
語句・また いわゆる再びという意味の「又」と理解するとこの意味がわからなくなる。沖縄語で「また」は「またさん」(形。完全である)からきた接頭語「また」(全き。完全な)の意味もある。つまり「また あらん」で「絶対にしない」。
・じり 義理。さまざまな意味に解釈できるが、親が結婚に反対しているとか、すでにそれぞれ婚姻関係をもっているとか、それによって二人の仲が引き裂かれるおそれがあるという「義理」と解釈する。
三、(女)昔ふり者ぬ言ちぇる事守てぃ 義理てぃしや何やが 染みてぃたぼり 我思いん徒なすみ
んかし ふりむんぬ'いちぇるくとぅまむてぃ じりてぃしや ぬやが すみてぃたぼり わん'うむいん'あだなすみ
Nkashi hurimuN nu 'icheru kutu mamuti jiri tishi ya nu ya ga sumititabori waN 'umuiN 'ada nasumi
○昔、馬鹿者の言うことを守って 義理というものは何なの?(心を)染めてください 私の思いも徒労に終わらせるの?
語句・ふりむん 「(何かに心奪われた酔狂な)馬鹿(者)」(琉)。 ・てぃし 「・・ということ(もの)」(琉)。
四、(男)ありん捨てぃららん くりん投ぎららん あひゃんがれ二人 染みてぃんだな 思いるまま自由ならん
'ありんしてぃららん くりんなぎららん 'あひゃんがれ ふたい すみてぃんだな 'うむいるままじゆならん
'ariN shitiraraN kuriN nagiraraN 'ahyaNgare hutai sumiti Ndana 'umuirumama jiyunaraN
○あれも捨てられない これも投げられない どうにでもなれ二人 染めてみたい 思いのまま自由にならない
語句・あひゃんがれ <あひゃんがれー。 どうにでもなれ。 「あっぱんがれー」ともいう。 ・すみてぃんだな 染めてみたい。 <すみゆん 染める。+ んんじゅん 補助動詞で「・・してみる」。(見る、という動詞でもある)
五、(女)里行逢てぃからや 思ぬ端々に 情ねん鳥や唄てぃ呉るな 思いるまま自由ならん
さとぅ'いちゃてぃからや 'うみぬはしばしに なさきねんとぅいや'うたてぃくぃるな 'うむいるままじゆならん
satu 'ichati kara ya 'umi nu hashibashi ni nasakineN tui ya 'utati kwiruna 'umui ru mama jiyu naraN
○貴方と出会ってからは(私の)思いの隅々に 情け(心)のない鳥は歌ってくださるな 思いのまま自由にならない
語句・はしばし すみずみに。 ・なさきねんとぅい 情け心のない鳥。 周囲の人間を比喩しているのだろう。
六、(女)(男)干瀬に居る鳥や 満潮恨みゆい 我や暁ぬ鳥どぅ恨む 思いるまま自由ならん
ふぃしにうるとぅいや みちす'うらみゆい わんや'あかちちぬとぅいどぅ'うらむ 'うむいるままじゆならん
hwishi ni uru tui ya michisu 'uramiyui waN ya 'akachichi nu tui du 'uramu 'umui ru mama jiyu naraN
○干瀬に居る鳥は 満ち潮を恨む(ように)私は明け方(を告げる)鶏こそ恨む 思いのまま自由にならない
語句・ふぃし 「干潮時に現れる洲、礁原」(琉)。あまりにも琉歌ではよく出てくるので「干瀬」とそのまま訳に記す。
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なさきぬ'うた
nasaki nu 'uta
○情けの唄
作 伊良波 尹吉
一、(女)思いある仲どぅ まちぶいんすゆる ぬがし思里や面ぬ変わてぃ 我思いん徒なすみ
'うむい'あるなかどぅ まちぶいんすゆる ぬがし'うみさとぅやちらぬかわてぃ わ'うむいん'あだなすみ
'umi 'aru naka du machibuiN suyuru nugashi 'umisatu ya chira nu kawati wa 'umuiN 'ada nasumi
○思いのある仲だからこそ離れられない どうして貴方はお顔色が変わって 私の思いも徒労に終わらせるの?
語句・まちぶいん 「巻きつく。つき纏う」「離れられない関係」(琉)。
二、(男)思い徒なする我やまたあらん 義理にちながりる無蔵とぅ我や 思いるまま自由ならん
'うむい'あだなする わんやまた'あらん じりにちながりるんぞとぅわんや 'うむいるままじゆならん
'umi 'ada nasuru waN ya mata 'araN jiri ni chinagariru Nzo tu waN ya 'umui ru mama jiyu naraN
○思いを徒労に私は絶対しない (しかし)義理に繋がれた貴女と私は 思いのまま自由にならない
語句・また いわゆる再びという意味の「又」と理解するとこの意味がわからなくなる。沖縄語で「また」は「またさん」(形。完全である)からきた接頭語「また」(全き。完全な)の意味もある。つまり「また あらん」で「絶対にしない」。
・じり 義理。さまざまな意味に解釈できるが、親が結婚に反対しているとか、すでにそれぞれ婚姻関係をもっているとか、それによって二人の仲が引き裂かれるおそれがあるという「義理」と解釈する。
三、(女)昔ふり者ぬ言ちぇる事守てぃ 義理てぃしや何やが 染みてぃたぼり 我思いん徒なすみ
んかし ふりむんぬ'いちぇるくとぅまむてぃ じりてぃしや ぬやが すみてぃたぼり わん'うむいん'あだなすみ
Nkashi hurimuN nu 'icheru kutu mamuti jiri tishi ya nu ya ga sumititabori waN 'umuiN 'ada nasumi
○昔、馬鹿者の言うことを守って 義理というものは何なの?(心を)染めてください 私の思いも徒労に終わらせるの?
語句・ふりむん 「(何かに心奪われた酔狂な)馬鹿(者)」(琉)。 ・てぃし 「・・ということ(もの)」(琉)。
四、(男)ありん捨てぃららん くりん投ぎららん あひゃんがれ二人 染みてぃんだな 思いるまま自由ならん
'ありんしてぃららん くりんなぎららん 'あひゃんがれ ふたい すみてぃんだな 'うむいるままじゆならん
'ariN shitiraraN kuriN nagiraraN 'ahyaNgare hutai sumiti Ndana 'umuirumama jiyunaraN
○あれも捨てられない これも投げられない どうにでもなれ二人 染めてみたい 思いのまま自由にならない
語句・あひゃんがれ <あひゃんがれー。 どうにでもなれ。 「あっぱんがれー」ともいう。 ・すみてぃんだな 染めてみたい。 <すみゆん 染める。+ んんじゅん 補助動詞で「・・してみる」。(見る、という動詞でもある)
五、(女)里行逢てぃからや 思ぬ端々に 情ねん鳥や唄てぃ呉るな 思いるまま自由ならん
さとぅ'いちゃてぃからや 'うみぬはしばしに なさきねんとぅいや'うたてぃくぃるな 'うむいるままじゆならん
satu 'ichati kara ya 'umi nu hashibashi ni nasakineN tui ya 'utati kwiruna 'umui ru mama jiyu naraN
○貴方と出会ってからは(私の)思いの隅々に 情け(心)のない鳥は歌ってくださるな 思いのまま自由にならない
語句・はしばし すみずみに。 ・なさきねんとぅい 情け心のない鳥。 周囲の人間を比喩しているのだろう。
六、(女)(男)干瀬に居る鳥や 満潮恨みゆい 我や暁ぬ鳥どぅ恨む 思いるまま自由ならん
ふぃしにうるとぅいや みちす'うらみゆい わんや'あかちちぬとぅいどぅ'うらむ 'うむいるままじゆならん
hwishi ni uru tui ya michisu 'uramiyui waN ya 'akachichi nu tui du 'uramu 'umui ru mama jiyu naraN
○干瀬に居る鳥は 満ち潮を恨む(ように)私は明け方(を告げる)鶏こそ恨む 思いのまま自由にならない
語句・ふぃし 「干潮時に現れる洲、礁原」(琉)。あまりにも琉歌ではよく出てくるので「干瀬」とそのまま訳に記す。
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