コロナ節

たる一

2020年11月27日 13:57

コロナ節
[ころな]ぶし
[korona]bushi
新型コロナの唄
語句・ころな新型コロナ。COVID-19。この歌では標準語の読みと同じなので以下[]で囲む。ウチナーグチの発音ならば「くるな」kurunaとなるが外来語だからか。


作詞 里子・コートランド 節子・ランニング 秀子・ムーア
曲 デンサー節


 一 コロナ節歌てぃ 皆し肝あわち 守てぃいちゅしどぅ務みどーやー 御願げさびら
(※互にちばらや)

〈(※)は囃子。以下省略〉
[ころな]ぶし うたてぃ んなしちむあわち まむてぃいちゅしどぅちとぅみどーやー うにげーさびら
(たげーにちばらやー)
[korona]bushi ‘utati Nna shi chimu ‘awachi mamuti ‘ichushi du chitumi doo yaa ‘unigeesabira
(tagee ni chibara yaa)
コロナ節を歌って皆さんで心を合わせて守っていくことこそが務めであるね お願いします。
(お互いに頑張ろうね)

語句・んな 皆。・ で。 本土でも「みんなして」という言い方がある。・ちむ 心。特によい心を言う。本土の古語に「肝心(きもこころ)」という言い方があった。本土では死語になったが沖縄では今でも使われている。 ・うにげーさびら<うにげー。お願い。+さびら。しましょう。<さ。する。+あびーん。敬語の接尾語。 ・たげー互い。 ・ちばら 頑張ろう。「気張る」から。・やー ね。ねえ。と相手に同意を求める時に使う。



 二 今ぬ浮世や恐るしむん コロナ戦に負きんなよ やがてぃ薬ぬ出来し 願てぃ御待ちさびら
なまぬうちゆーやうとぅるしむん [ころな]いくさにまきんなよー やがてぃくすいぬでぃきし にがてぃうまちさびら
nama nu yuu ya ‘uturushimuN [korona]’ikusa ni makiNna yoo yagati kusui nu dikishi nigati ‘umachisabira
今の世の中は怖いものだ コロナとの戦いに負けるなよ やがて薬(ワクチンや特効薬)が出来ることを願ってお待ちしましょう
語句・うちゆー浮世。一般に苦しい現実、世の中の意味で使われることが多い。 「浮世」(うきよ)から。 ・うとぅるしむん 怖いもの。 ・うまちさびら お待ちしましょう。<う。御。+まち。待つ。+さびら。しましょう。


 
 三 年寄ん若者ん肝揃てぃ 家に居しん世間ぬ為健康第一 かながな語てぃ遊ぶし願ゆん
とぅすいんわかむぬん ちむすりてぃ やーにうしん しきんぬたみ [けんこー]でーいち かながなかたてぃあしぶしにがゆん
tusuiN wakamunuN chimu suriti yaa ni ushiN shikiN nu tami [keNkoo]deeichi kanagana katati ‘asibushi nigayuN
 ◯年寄りも若者も一致団結し家に居ることも世間皆さんのため 健康を第一にして 仲良く語り遊ぶことを願います
語句・とぅすい年寄り。・ちむするてぃ心合わせて。・うしん居ても。<う<うん。居る。+し。こと。+ん。も。強調。けんこー「けんこー」というウチナーグチ はなく、ここは「がんじゅー」だろう。かながな仲良く<かながなー。「かな」は「愛する」の意味。



 四 童んちゃーん家ぐまい 手墨学問忘んなよー 親子揃とてぃ 学ぶしん親ぬ務みやんどー
わらびんちゃーん やーぐまい てぃしみがくむん わしんなよー うやくすりとーてぃ まなぶしん うやぬちとぅみやんどー
warabiNchaaN yaa gumai tishimigakumuN washiNna yoo ‘uyakusuritooti manabushiN ‘uya nu chitumi yaN doo
 ◯子どもたちも家にこもって勉強、学問を忘れるなよ 親子揃って学ぶことも親の勤めなのであるぞ
語句・わらびんちゃー子ども達。<「わらべ」・やーぐまい 家にこもること。・てぃしみがくむん勉強、学問。手墨は習字を表す。まなぶしん学ぶ事も。・やんどーであるぞ。<やん。である。だ。+どー。ぞ。強調の接尾語。



 五 コロナ節歌てぃ 世界ぬ国々 手ゆ取やい 今どぅ我ったー 心結ぶる時節やんどー
[ころな]ぶしうたてぃ しけーぬくにぐにてぃーゆとぅやい なまどぅわったー くくるむしぶるじしちやんどー
[korona]bushi ‘utati shikee nu kuniguni tii yu tuyai nama du wattaa kukuru musiburu jishichi yaN doo
コロナ節を歌って世界の人々が手を取り合って今こそ我々が心を結ぶ時が来たのだぞ
語句・しけー 世界。sekaiをウチナーグチ化してみるとわかる。ウチナーグチ化とはeはiに(三母音化)aiはeeに(長母音化)すること。てぃゆ手を。ウチナーグチでは口語には「を」にあたる文字はないが文語には「ゆ」がある。じしち時期。「時節」(jisetsu)の三母音化から。「節」は「せち」と呼ぶ事もある(例、お節)。




コメント

現在2020年の11月、まもなく師走を迎えようとしている中、新型コロナ(COVID-19)の感染は拡大して、第3波といわれる感染の波が世界各国、日本にも押し寄せてきている。そんななか沖縄ではこんな唄が流行っていると聞いた。

東京新聞の記事(2020年11月6日)によると「オハイオ沖縄友の会」という沖縄県人会のメンバーが歌詞を考えた。曲は八重山で生まれた「デンサー節」。実際にはそれが本島に伝わって歌われている曲に近い。それを沖縄の民謡歌手、仲宗根創に送り、彼が歌い、またCDにも収録されて沖縄のラジオ、テレビなどで取り上げられている。

ウタは人々の喜怒哀楽に中から生まれる。苦しい時代には特に多くの歌が生まれ伝搬していくが、まさにコロナ禍の苦しみの中から生まれたウタなのである。

新型コロナは人々の接触、移動に伴って拡散していく。まるでウタが人から人へ、また島から島へと広がっていくのとそっくりではないか。しかし人々は移動を止め、家にこもってコロナと闘っている。その苦しみの中から生まれたウタは人々の口から口へと広がることはできない。ところが、インターネット電波という手段を人類は持っている。

アメリカに住むウチナーンチュ、沖縄の人々は20世紀の初めに沖縄からアメリカに渡った。今は、その人々の末裔達がウタを作り電波に乗せて沖縄に送ったということになる。先祖の故郷沖縄に思いを馳せてウチナーグチで。

新型コロナに対決し人々の命を守るには、まず人の移動を止める事だ。
このウタは国と国、人と人とが今こそ手を結び心を一つにして新型コロナと闘うことを呼びかける。
正しい呼びかけだ。コロナを理解しない大統領の悪政のもとで信念を固めたのかもしれない。

ウタの歌詞はさらに変異するかもしれない。新型コロナウイルスの変異にも負けない強いウタになるかもしれない。

このウタには希望が見える。
人との接触を避けて、心を一つにしてこのウタを広げよう。
三線と共に。

作った方々、広めている方々に感謝する。


「コロナ節」が入ったCDは「沖縄ユーモアソング決定盤」3520円
コロナ関連の歌が2曲入っている。



YouTubeの仲宗根創さんの歌をたるーが採譜した工工四。
ご活用ください。



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