10年の節目にあたり

たる一

2015年11月10日 16:32

いつも当ブログをご覧になっている皆様。

先月の10月30日をもってこの「たるーの島唄まじめな研究」が10年の節目を迎えることができました。

ひとえにこのブログをご覧になり、ご活用してくださったり、またご意見や叱咤激励、訂正などのお声をよせてくださった皆様のおかげだと感謝しています。

何よりも、このブログを始めるにあたって故胤森弘さんの大きな影響と支えがあったことを忘れる事はできません。

「島唄」をうちなーぐちの正確な理解から直訳していくやり方、そしてその表記のした方は胤森弘さんの方法を真似て始めたものでした。

胤森弘さんの研究は沖縄語について高度かつ多岐にわたっています。
興味のある方は是非そちらもご覧になってください。

うちなーぐちで作られた琉歌や島唄を「感覚」や「雰囲気」で訳すことは、古い歌などでは時代背景も違えば言葉の用法も違っていますので、多くのリスクを伴います。

もちろん辞書や文献だけで訳すことにも同じリスクが伴うこともあります。

しかし、まずは語句の意味から「直訳」していくことを入り口にして、背景を調べるなどして意訳に進まないと真っ暗な道を勘を頼りに歩くに等しいと思います。

その「直訳」を入り口とするという方法論を胤森さんから繰り返し教えていただきつつ、自分の足で沖縄の各地、各島の歌の生まれた故郷を歩いたり歌碑を探すなどしながら歌の意味を肉付けしてきました。



10年かけて、ざっと数えると420曲くらいの民謡、古典などの「島唄」、ポップスまでを「ウチナーグチ」から「ヤマトゥグチ」に訳してきました。

「唄の世界はまるで“海”」とブログの冒頭に書いているように、はるかに先が見えない唄の世界に漂いつつ、ウタを一歩でも理解が進むように取り組んできたつもりです。

これからも次のステップに踏み出したいと思っています。

今後ともこの「島唄まじめな研究」をどうぞよろしくお願いいたします。

たるーこと 関 洋

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