世宝節

たる一

2005年11月23日 06:39

世宝節
ゆたからぶし
yutakara bushi
〇(意味不明)

作詞作曲 普久原朝喜


一、真夜中どやしが夢に起くされて(よ)覚めて恋しさや ありが姿 (サヨナありが姿)
まゆなかどぅやしが 'いみに'うくさりてぃ(よ) さみてぃくいしさや 'ありがしがた(さよなありがしがた)
mayunaka du yashiga 'imi ni 'ukusarithi samiti(yo) kuishisa ya 'ariga shigata(sayona 'ari ga shigata)
〔括弧は以下省略〕
真夜中でこそあるが 夢に起こされて 目覚めて恋しいのはあの人の姿
語句・うくさりてぃ起こされて。 <うくしゅん 'ukushuN 起こす。・ありが あの人の。 ありが'ariga gaは①人名代名詞について主格②属格の「の」の用法がある。ここでは②。あの人の。


二、一人手枕に明かす夜の辛さ あり(無蔵)が手枕に明かちみぶさ
ふぃちゅいてぃまくらに 'あかすゆーぬちらさ 'あり(んぞ)がてぃまくらに 'あかちみぶさ
hwichui ti(i)makura ni 'akasu yu(u)nu chirasa 'ariga timakura ni 'akachi mibusa
一人手枕で明かす夜の辛さ あの人(彼女)の手枕で夜を明かしてみたい
語句・みぶさ みたい。 み+ぶさん、ぶしゃん。・・したい。


三、無蔵が寝座敷に梅の花咲かち 鶯になやい忍でみぶさ
んぞがにざしちに 'んみぬはなさかち 'うぐいしになやい しぬでぃみぶさ
Nzo ga nizashichi ni 'Nmi nu hana sakachi 'uguishi ni nayai shinudimibusa
貴女の寝間に梅の花(を)咲かせ 鶯になって忍んで(行って)みたいものだ


四、鳥やちょん飛ばん島とめて 無蔵と二人かながなと暮らちみぶさ
とぅいや ちょんとぅばん しまとぅめてぃ んぞとぅたいかながなとぅ くらちみぶさ
tui ya cho(o)N tubaN shima tumeeti Nzo tu tai kanagana tu kurachi mibusa
鳥ですら 飛ばない 島求めて 貴女と二人仲良く暮らしたい
語句・ちょーんcooN  すら。 さえ。・とぅめてぃ求めて。探して。 <とぅめーゆんtumeeyuN 求める。・たい 二人。「【futa(r)i の頭音節消失】」【琉球語辞典】。つまり「ふたり」の「ふ」が消え、「り ri」の「r」が消えたため「tai」(たい)になった。ちなみに「一人」のほうは「頭音節消失」で「ちゅい」とも言うし、「ふぃちゅい」とも言う。

一番、二番は作詞作曲は普久原朝喜氏。

琉球民謡協会では優秀賞の本島部門の課題曲。
情唄(なさきうた)として有名。

音源は嘉手苅林昌さんのCD「風狂歌人」にある。

宝節」と書かれたものもある。

この表題の意味は不明。

歌は、たるーが歌うボイスブログご参照ください。

関連記事