2006年04月01日
鳩間節
鳩間節
はとぅまぶし
hatumabushi
一、鳩間中岡走り登りクバの下に走り登り
はとぅまなかむりはりぬぶり くばぬしたにはりぬぶり
hatuma nakamuri hari nuburi kuba nu shitani hari nuburi
○鳩間島の中岡に走りのぼりクバの木の下に走り登り
はいやよーてぃーば かいだき ちとぅゆる でんよー まさてぃみぐとぅ
haiyaa yoo tiiba kaidaki chituyuru deNyoo masati migutu
(意味不詳 以下ハヤシ省略)
二、美しゃ盛りたる岡のクバ 美らさ連りたる頂のクバ
かいしゃむりたるむりぬくば ちゅらさちりたるつぃじぬくば
kaisya muritaru murinu kuba churasa chiritaru tsijinu kuba
○美しいことよ 盛っている丘のクバ 美しいことよ 連なっている頂上のクバ
三、前の渡ゆ見渡せば行く船来る船面白や
まいぬとぅーゆみわたしば ゆくふに くるふに 'うむしるや
mai nu tuu yu miwatashiba yuku funi kuru funi 'umushiru ya
○前の海を見渡せば行く船来る船面白いよ
四、稲ば積ん付き面白や 粟ば積ん付けさて見事
'んにばちんちき'うむしるや 'あわばちんちき さてぃみぐとぅ
'Nni ba chiNchiki 'umushiruya 'awaba chiNchiki sati migutu
○稲は積め付けて(積み上げて)面白いよ 粟は積め付けてさて見事
はとぅまぶし
hatumabushi
一、鳩間中岡走り登りクバの下に走り登り
はとぅまなかむりはりぬぶり くばぬしたにはりぬぶり
hatuma nakamuri hari nuburi kuba nu shitani hari nuburi
○鳩間島の中岡に走りのぼりクバの木の下に走り登り
はいやよーてぃーば かいだき ちとぅゆる でんよー まさてぃみぐとぅ
haiyaa yoo tiiba kaidaki chituyuru deNyoo masati migutu
(意味不詳 以下ハヤシ省略)
二、美しゃ盛りたる岡のクバ 美らさ連りたる頂のクバ
かいしゃむりたるむりぬくば ちゅらさちりたるつぃじぬくば
kaisya muritaru murinu kuba churasa chiritaru tsijinu kuba
○美しいことよ 盛っている丘のクバ 美しいことよ 連なっている頂上のクバ
三、前の渡ゆ見渡せば行く船来る船面白や
まいぬとぅーゆみわたしば ゆくふに くるふに 'うむしるや
mai nu tuu yu miwatashiba yuku funi kuru funi 'umushiru ya
○前の海を見渡せば行く船来る船面白いよ
四、稲ば積ん付き面白や 粟ば積ん付けさて見事
'んにばちんちき'うむしるや 'あわばちんちき さてぃみぐとぅ
'Nni ba chiNchiki 'umushiruya 'awaba chiNchiki sati migutu
○稲は積め付けて(積み上げて)面白いよ 粟は積め付けてさて見事
解説
(語句)
一
・はとぅま 鳩間島
・むい 盛り上がった場所 森 杜の文字を当てる。山や丘にあたる。
隆起サンゴ礁の島々である沖縄本島、宮古、八重山地方には本土のような高い「山」はない。鳩間島も周囲4キロの平坦な島である。中岡(なかむい)は標高24メートルだから、まさに「丘」である。
盛りmori>(三母音化)むりmuri>(「R」抜け)むいmui
・はり 走り
八重山方言では「ぱり」pari である。
二
・かいしゃ 美しいことよ!
八重山方言。形容詞の体言止なので、「・・ことよ!」と感嘆。
「美しく盛っている」と副詞のように訳したいが、連体形なので。
・ちゅらさ 美しいことよ!
ウチナーグチ。上と同じ。
三
・まいぬとぅー 前の海
ウチナーグチでは「前の渡海 めーぬとぅけー」となる。
四
・ちんちき 積み付けて(積み上げて)
<ちむゆん 積む + ちきゆん 付ける
ウチナーグチでは「ちんちきゆん」は「つねる」の意味。
(コメント)
本島の「鳩間節」。
八重山民謡の鳩間節とは歌詞が少し違い発音も違う。
たとえば、
走り はり(本島) →ぱり(八重山)
下 した →すぃた (「すぃ」は中舌母音の発音)
八重山民謡には本島にはない中舌母音(「すぃ」は「す」と発音するような口をしながら、舌を奥に下げて「い」と発音すると似ている)の発音があり、本島の民謡を習うものには注意が必要。
小生は沖縄本島の民謡を習うものなので、ここでは本島のものをとりあげた。
いつか将来、八重山、宮古の言葉を勉強する機会がくれば取り組んでみたいとひそかに願うが、今はまだその力量も余裕もない。
八重山民謡のゆったりとした「鳩間節」が、沖縄本島に渡り舞踊にも取り入れられて早弾き(そーびちsoobichi)になる。
もともとは鳩間島の「ユンタ」から節歌になったと「島うた紀行」にある。
沖縄音階はなく、八重山民謡らしい広がりのあるメロディーと、丘から海を見渡した景色が眼にうかぶ。
(語句)
一
・はとぅま 鳩間島
・むい 盛り上がった場所 森 杜の文字を当てる。山や丘にあたる。
隆起サンゴ礁の島々である沖縄本島、宮古、八重山地方には本土のような高い「山」はない。鳩間島も周囲4キロの平坦な島である。中岡(なかむい)は標高24メートルだから、まさに「丘」である。
盛りmori>(三母音化)むりmuri>(「R」抜け)むいmui
・はり 走り
八重山方言では「ぱり」pari である。
二
・かいしゃ 美しいことよ!
八重山方言。形容詞の体言止なので、「・・ことよ!」と感嘆。
「美しく盛っている」と副詞のように訳したいが、連体形なので。
・ちゅらさ 美しいことよ!
ウチナーグチ。上と同じ。
三
・まいぬとぅー 前の海
ウチナーグチでは「前の渡海 めーぬとぅけー」となる。
四
・ちんちき 積み付けて(積み上げて)
<ちむゆん 積む + ちきゆん 付ける
ウチナーグチでは「ちんちきゆん」は「つねる」の意味。
(コメント)
本島の「鳩間節」。
八重山民謡の鳩間節とは歌詞が少し違い発音も違う。
たとえば、
走り はり(本島) →ぱり(八重山)
下 した →すぃた (「すぃ」は中舌母音の発音)
八重山民謡には本島にはない中舌母音(「すぃ」は「す」と発音するような口をしながら、舌を奥に下げて「い」と発音すると似ている)の発音があり、本島の民謡を習うものには注意が必要。
小生は沖縄本島の民謡を習うものなので、ここでは本島のものをとりあげた。
いつか将来、八重山、宮古の言葉を勉強する機会がくれば取り組んでみたいとひそかに願うが、今はまだその力量も余裕もない。
八重山民謡のゆったりとした「鳩間節」が、沖縄本島に渡り舞踊にも取り入れられて早弾き(そーびちsoobichi)になる。
もともとは鳩間島の「ユンタ」から節歌になったと「島うた紀行」にある。
沖縄音階はなく、八重山民謡らしい広がりのあるメロディーと、丘から海を見渡した景色が眼にうかぶ。
Posted by たる一 at 07:59│Comments(3)
│は行
この記事へのコメント
いつも勉強になる記事を有難うございます。
鳩間節の2番の歌詞中に、『かいしゃ』『ちゅらさ』とウチナーグチ・八重山方言双方が出てくる意味をごぞんじでしょうか?
現在、鳩間節を練習しているのですが、この2番の歌詞の意味が気になっております。ご存知でしたら回答ください。
鳩間節の2番の歌詞中に、『かいしゃ』『ちゅらさ』とウチナーグチ・八重山方言双方が出てくる意味をごぞんじでしょうか?
現在、鳩間節を練習しているのですが、この2番の歌詞の意味が気になっております。ご存知でしたら回答ください。
Posted by タムケン at 2012年08月06日 14:27
タムケンさん
コメントありがとうございます。
返事が超おそくなって申し訳ありません。
両方でてくる意味、はわかりません。
時代とともに唄いかえられたり、地域によって変化する唄として
受け止めています。
たとえば本島の唄に「かいされー」というのがありますが、
なぜ八重山の「かいしゃ」を本島の歌に持ってきているのか、
それは意味というより、時代の人々の気分や流行にも影響されるのだろうと思います。
八重山の唄も士族の節歌であれば首里の言葉がつかわれたり、地元の言葉がおりまぜられたりもします。
それくらいの意味にうけとめています。
参考にならずごめんなさい。
コメントありがとうございます。
返事が超おそくなって申し訳ありません。
両方でてくる意味、はわかりません。
時代とともに唄いかえられたり、地域によって変化する唄として
受け止めています。
たとえば本島の唄に「かいされー」というのがありますが、
なぜ八重山の「かいしゃ」を本島の歌に持ってきているのか、
それは意味というより、時代の人々の気分や流行にも影響されるのだろうと思います。
八重山の唄も士族の節歌であれば首里の言葉がつかわれたり、地元の言葉がおりまぜられたりもします。
それくらいの意味にうけとめています。
参考にならずごめんなさい。
Posted by たる一 at 2012年10月08日 12:37
調べていただきありがとうございました。
Posted by タムケン at 2013年02月26日 16:13
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